離婚法律相談データバンク 離婚に関する書類について

離婚に関する書類について

離婚協議書

協議離婚は離婚届を役所へ提出するだけで成立します。しかし後々のトラブルを防ぐために夫婦間で離婚条件を話し合い、その結果を文章に残しておく必要があります。
離婚にあたっておもに問題になるのは、「お金」のことと「子供」のことです。それまで夫婦で築きあげてきた財産をいかに分けるか(財産分与)。いずれか一方に離婚原因がある場合は慰謝料のやり取りが行われます。
未成年の子供がいる場合は、どちらが親権者になるか、養育費の負担はどのようにするか、といった問題をきちんと話合っておかなければいけません。
以上のような問題について、話し合いの結果をしっかりと文書に残しておくことは重要です。
この文書が離婚協議書です。口約束だけで文書化していなかったために後々トラブルになったケースがよく見られます。慰謝料や養育費について分割払いの口約束をしていても、実際は約束通りに支払ってもらえないということも多々あります。
どのような形の文書にするかは、法律で定められているわけではありません。上記にあげた問題点について合意に達した内容を明確に書き記し、それぞれが記名・押印すればよいでしょう。

公正証書

子供の養育費などは支払いが長い年月にわたりますから、その間に養育費が自然に支払われなくなってしまうこともよくあります。そこでこのような場合に備えて、約束が守られなくなった場合すぐに強制執行ができる「公正証書」を利用するとよいでしょう。
公正証書とは、公証人役場で公証人と呼ばれる法律の専門家が作成する、公的な証明力のある文書です。
この公正証書に、債務を履行しないときにはすぐに強制執行を受けても異議はないという趣旨の「執行受諾文言」がはいっていると、いちいち裁判所で訴訟をしなくても、債務が履行されなければ相手方の財産に対してすぐに強制執行をかけることができます。

離婚届

夫婦に未成年の子供がいる場合には親権者を決めなければ離婚できません。
一般には親権者=子供を引き取り育てる人と認識されていることが多いようですが、これは正確ではありません。
場合によっては親権者ではない親や、親以外の人が子供を引き取り、世話をするケースもありです。
親権は子供を引き取って世話するといった「身上監護権」と、子供の法定代理人として子供に代わって契約したり、子供の財産を管理したりする「財産管理権」に分けられます。つまり、親権者になると原則として子供を引き取って養育し、自身では管理できない財産を子供に代わって管理することが求められます。
また事情によっては、親権のうち身上監護権を切り離して、離婚の際に親権者とならなかったほうの親に身上監護権を持たせることも可能です。

離婚届不受理申出

いったん離婚に合意して離婚届を作成しても、その後の心境の変化や状況の変化によって離婚の意思が変わる場合があります。しかし、離婚届を作成して相手に役所への提出をゆだねて渡している場合は、放っておくとそのまま提出されてしまうことになります。
このような場合に備えて、「離婚届の不受理申出」の制度が用意されています。
不受理の申出は、市区町村役場に置かれている申出用紙を使用して行います。申出るべき役所は本来なら本籍地にある市区町村役場ですが、住所地が本籍地と遠く離れている場合は、住所地の市区町村役場に提出できます。提出を受けた市区町村長は、そのまま申出書を本籍地に送付します。
不受理の申出は6カ月で効力を失います。不受理申出の取り下げ書を提出すればいつでも取り下げることはできます。

離婚後の戸籍と氏

離婚したことにより夫婦の戸籍は別々になります。この場合婚姻前の戸籍に戻るか、単独で新しい戸籍を作るか選択しなければなりません。
両親が離婚しても子供の氏、戸籍はかわりません。
婚姻の際に氏を変更した者が、子供を自分の戸籍に入れたいときは、離婚届に記載されている「新戸籍をつくる」の欄にマークして新戸籍をつくります。
それから家庭裁判所に「子の氏の変更許可書」を提出します。承認されたら市区町村役場に入籍届を提出します。以上の手続きがすめば子供の氏と戸籍が変更されます。