離婚法律相談データバンク 「統合失調症の夫婦」に関する離婚問題事例、「統合失調症の夫婦」の離婚事例・判例:「精神障害を持つ妻との結婚生活の破綻」

統合失調症の夫婦」に関する離婚事例・判例

統合失調症の夫婦」に関する事例:「精神障害を持つ妻との結婚生活の破綻」

「統合失調症の夫婦」に関する事例:「精神障害を持つ妻との、離婚請求が認められた判例」

キーポイント 裁判による離婚が認められるためには、法律に定められている「今後結婚生活を継続していくことが難しい重大な理由があること」が挙げられます。
当事件のキーポイントは、精神障害の妻の言動がそれに当てはまるかどうかにあります。
事例要約 この裁判を起こしたのは、夫(原告)であり、裁判を起こされたのは、その妻(被告)です。

1.結婚
当事件の当事者である、夫は高校の同級生で高校三年生の時から交際をしていた妻と、大学卒業前の昭和56年2月4日に婚姻届出を行い、夫婦となりました。
2.妻のおかしな言動
結婚後、夫婦の間には長男の太郎(仮名)と次男の次郎(仮名)が誕生し、夫婦生活は平成9年ころまでは、とても良好でした。
ところが、平成9年の秋ごろに、子供の集まりの費用会計を担当していた妻が、小さな会計の計算間違いをいつまでも言い続けたり、子供の集まりの関係で仲良くしていた近所の主婦にも突然問いただすなど、おかしな言動が見受けられました。
また、平成12年4月にも、妻が通っていたテニススクールでも、ボールが妻にぶつかっただけで、損害賠償の裁判を起こそうとしました。
3.夫への暴言
平成12年6月には、夫も含めたすべての人たちに、早朝深夜問わず常日頃から暴言を吐くようになりました。
この異常事態に夫は、妻に対し病院でカウンセリングをしてもらうようにアドバイスしましたが、妻は聞く耳を持ちませんでした。
4.夫婦別々の生活
夫は、もはや妻と一緒に生活をすることが出来ないと考え、平成12年9月に別々の部屋で寝起きをし、別々に食事をするようにしました。
それに対し妻は、酒を飲み深夜騒いだり、襖を蹴破ったり、物を投げるなど、おかしな行動がさらにエスカレートしました。
5.子供たちや近所への暴言
平成13年以降には、妻の言動がもはや普通ではなくなっていました。
夫に暴力を振るい、次男の勉強中に嫌味を言ったり、近所の人たちと言い争いをしはじめ、暴言を吐きました。
これに対して、夫や子供たちが妻に何度注意をしても、まったく効果が無く、かえって誹謗中傷の言葉が返ってくるだけでした。
6.夫が当判例の裁判を起こす
夫は、平成15年9月9日に、東京家庭裁判所に夫婦関係の調整調停の申し立てをしましたが、平成15年11月20に不調に終わりました。
これらにより、とても夫婦関係を保ち続けることが出来ないとして、夫は当裁判を起こしました。
判例要約 1.夫婦関係を元に戻すことが出来ない以上、夫の離婚を認めるべき
妻が精神障害により、会話や行動がおかしくなり、家族ばかりでなく近所にも迷惑をかけるようになり、それを嫌がった夫は別居生活をすることになりました。
度重なる妻の奇怪な行動や、別居生活の期間が長いことを考えると、夫婦関係を継続させるのは、もはや困難としか言えません。
2.次男の親権者は、夫となる
現在、夫と次男は仲良く生活をしています。
また次男は離婚が認められた場合に、夫が親権を持ってもらうことを希望しています。
さらに、妻はかつて次男に暴言を吐いたり、現在無職であることから不安定な収入しかなく、夫の方が安定収入を得ています。
それらを考えると、親権者は夫が一番ふさわしい、というのが、裁判所の判断です。
原文 主文
 1 原告と被告とを離婚する。
 2 原告と被告の間の次男A男(昭和**年*月*日生)の親権者を原告と定める。
 3 訴訟費用は被告の負担とする。

事実及び理由
第1 請求
   主文同旨
第2 事案の概要
 1 原告の主張(請求原因)
 (1)原告と被告は,昭和56年2月4日に婚姻届出をした夫婦であり,2人の間には,長男B男(昭和**年*月*日生)及び次男A男(昭和**年*月*日生)の2人の子がある。
 (2)原告は,昭和58年4月に弁護士登録をし,平成5年10月に裁判官に任官し,現在○○地方裁判所××支部に勤務している。被告は,婚姻以来現在まで専業主婦をしている。
 (3)原告と被告の婚姻関係は,平成9年秋ころまでは,円満かつ良好であり,特に問題のないものであった。しかし,平成9年秋ころから,被告におかしな言動が見られるようになり,平成11年春以降,被告は,他人の悪口を言ったり,原告を含めたすべての人に対して暴言を吐くなど,被告の言動は次第に尋常ではないものとなっていった。
    原告は,平成12年9月には,被告が深夜・早朝にかかわらず暴言を続けることや原告の言うことを全く聞かないことから,これ以上被告と同じ部屋で寝起きすることはできないと考え,裁判所官舎の居間に避難し,以降居間で寝起きするようになった。原告と被告は,平成12年9月以降,夫婦関係は一度もなく,食事を共にしたことも一度もない。
    被告の暴言は,平成12年9月以降,一層激しさを増した。また,被告は,そのころから,原告が1か月分の生活費を渡しても,これを数日で使ってしまうなど,金銭的な面においても常軌を逸した行動が見られるようになった。
 (4)平成13年になると,被告は,台所の椅子を投げて暴れたり,原告を殴ったり蹴ったり,長男B男に物を投げつけたり,次男A男に暴言を吐いたり,原告の母親に嫌がらせの電話をかけるなど,被告の言動は殆ど常軌を逸した耐え難いものとなった。平成14年になると,被告は,裁判所官舎の裁判官やその家族に対しても異常な行動をとるようになり,夜ベランダに出て,「クソ女裁判官」などと大声で同じ官舎の裁判官の悪口を言うなどするようになった。被告に対して誰がどのように注意しても,被告の上記言動は収まることはなく,かえって,理由のない誹謗の言葉が何倍にもなって返ってくるだけであった。平成15年になると,被告の近隣住民や官舎の他の裁判官などに対する暴言その他の異常な行動はその程度を増した。
 (5)原告は,平成15年9月9日,東京家庭裁判所に離婚を求める調停を申し立てたが,同調停は,同年11月20日,不調となった。
 (6)このように,原告と被告の婚姻関係は既に完全に破綻しており,原告と被告の間には民法770条1項5号に定める「婚姻を継続し難い重大な事由」があるから,原告は,被告に対し,離婚を求める。
    次男A男は,裁判所官舎近くの都立高校に通学しており,原告と被告の離婚後は,原告と生活することを強く望んでいること,被告が専業主婦であり現在無収入であることなどの諸事情を考慮すると,原告と被告が離婚した場合の次男A男の親権者を原告と定めるのが相当である。
 2 被告の主張(請求原因に対する認否)
 (1)請求原因(1),(2)は認める。
 (2)請求原因(3)は否認する。原告と被告の婚姻関係は,平成12年ころまで円満かつ良好なものであった。被告におかしな言動がみられるようになったのは,平成13年以降であったと思われる。平成12年9月以降も,原告と被告の間に   さらに詳しくみる:のは,平成13年以降であったと思われる。・・・
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原告側の請求内容 ①妻との離婚
②次男の親権者を夫と認めてもらうこと
勝訴・敗訴 全面勝訴
予想裁判費用
(弁護士費用)
400,000円~600,000円
証拠 1.住民票
・浮気相手と同居していることを証明するもの
2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書
・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの
3.写真、録音テープ、ビデオテープ
・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など
4.探偵社等の調査報告書
・相手の浮気を証明できるもの
5.クレジットカードの利用明細・領収書
・飲食店・ホテルなどの利用記録など
6.パソコン・携帯電話のメール、手紙
・浮気相手とのやり取りを証明できるもの
審査日 第一審 東京地判平成17年3月29日(平成15年(タ)第956号)
第二審 なし
第三審 なし

上部の「精神障害を持つ妻との結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例

事例要約 この裁判を起こしたのは妻(原告)で、裁判を起こされたのは夫(被告)です。
1 結婚
夫と妻は平成2年6月29日に結婚しました。
夫婦は、夫が前の妻との間にもうけた子供と共に3人で生活をしていました。
2 夫の病気
夫は妻との結婚前から自膣神経失調症の診断を受けていました。
結婚後の平成6年11月ころ、正式にパニック障害の診断を受けました。
仕事で自動車を運転することは何とかできるものの、同伴者がいない限り1人で電車に乗ることが困難です。
2 夫の異常な行動
結婚直後から、妻が結婚前に付き合っていた男性との交際がまだ続いているのではないかと夫は妻を疑い、大声で怒鳴りつけたり、夜遅くなってから妻にその男性へ電話をさせて、相手をののしらせたりしました。
また、日常生活でも、夫は妻を長時間注意したり怒鳴ったりすることがありました。
そこで妻はこれに耐え切れず、夫との婚姻届後も数日から2週間程度の家出を何度も繰り返し、平成3年2月の披露宴の数日前にも家出をしました。
3 家出と帰宅の繰り返し…
妻が家出を繰り返す度に、夫は、妻に戻ってきて欲しいと優しい言葉を掛け、妻に対する態度を改めるように約束しました。そして、妻の帰宅後は妻に対して優しく接しました。
妻は、このような夫の優しい一面と、パニック発作の持病を持つ夫を助けたいという気持ちから、離婚を思いとどまり、家出の度に帰宅していました。
4 遂に別居へ
平成13年11月2日、夫と妻は近所の夫婦2組とカラオケに行きました。
その時、夫は一緒に行った女性の腕からしがみついて離れず、これに気付いた妻が何回注意しても夫はかえってわざと腕を離そうとしませんでした。
また、夫が会計をした際に、皆におつりを返さなければならないことを妻が夫に伝えていなかったため、一緒に行った2組の夫婦からおつりを返して欲しいと言われて気まずい思いをしたことなどに夫が腹を立てました。
そこで、夫が妻に対して激しく注意したところ、妻がこれを無視したため、夫は妻の足を蹴って激しく責め立てました。
帰宅した後も、夫は朝まで妻に対して「疫病神だ、出て行け。俺はここのうちにはもう住めないから、明日この家に火をつけて俺もここに火をつける。」などと朝の5時ころまで怒鳴ったり、暴言を吐くなどしました。
妻はこのような状況に耐え切れないと考えて、平成13年11月3日から約2年近く別居を続けました。
5 離婚を求める裁判へ…
妻は夫との離婚を求める裁判を起こしました。
妻は①夫との離婚請求と、②夫は慰謝料1,600万円を支払うべきと主張しました。
それに対して夫も①妻との離婚請求と、②妻は慰謝料500万円を支払うべきと主張しました。
判例要約 妻の主張に対する裁判所の判断
1 夫と妻を離婚する
誤解を招きやすい妻の自由奔放な行動が、夫の執拗な叱責や怒鳴り声を招き、それによって妻は少なくとも20回前後に渡って家出をしました。
妻が家出から戻ってきてもしばらくすると同じことが繰り返され、結婚後約11年にしてついに妻が耐え切れなくなって約2年の別居生活となりました。
妻が夫との離婚を求めているのに対して、夫も妻との離婚を求めていることも考えると、夫と妻との婚姻関係には継続し難い重大な理由があると認められます。
2 夫への慰謝料請求を認めない
妻は夫に対して、執拗な叱責や注意により婚姻関係が破綻したと主張して、離婚に伴う慰謝料100万円の支払いを求めています。
しかし、夫のこのような行動は、妻の自由奔放な言動や性格にあると同時に、妻の家出の主な原因は、執拗に妻を叱責して、注意をし続けるという夫の言動や性格にあり、夫婦間には性格の不一致もうかがわれます。
よって、夫の行動は、妻に対する関係で法に反する行為ということはできないため、妻の要求は認められません。
3 夫への財産分与請求を認めない
妻が3分の1、夫が3分の2の持分を有している自宅の評価額は、1,480万円~1,760万円程度ですが、住宅ローンと補修のための借り入れ費用の合計額は約2,060万円になり、自宅の価値よりも、ローンなどの合計金額の方が上回っています。
また、妻は夫と比べて健康で、美容師としての収入がありますが、夫はパニック発作の持病を抱えてローンなどの返済に追われています。
これらの事情を考えると、妻の財産分与請求を認めることはできません。

夫の主張に対する裁判所の判断
1 夫と妻を離婚する
上記妻の主張に対する裁判所の判断の通り、夫と妻の婚姻関係には継続しがたい重大な理由があります。よって離婚が認められます。
2 妻への慰謝料請求を認めない
夫は、妻の頻繁な家出による家庭放棄のためにパニック発作の持病を抱え、精神的苦痛を受けたと主張して、妻に慰謝料500万円の支払いを求めています。
しかし、上記妻の主張に対する裁判所の判断の通り、妻の行動も、夫に対する関係で法に反する行動ということはできないため、夫の要求は認められません。

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