「事実を総合」に関する離婚事例・判例
「事実を総合」に関する事例:「夫の性癖、うつ病、暴力による結婚の破綻で離婚が認められた事例」
「事実を総合」に関する事例:「夫の異常な性癖、うつ病、暴力により、妻が請求する離婚と子供の親権が認められた事例」
キーポイント | この事件のキーポイントは離婚が認められるためには、結婚生活をこれ以上継続することができない重大な理由が当事者の間になければなりません。 妻と夫の結婚関係は破綻しているか、それは妻と夫どちらの責任なのかが問題となります。 |
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事例要約 | この裁判を起こしたのは、妻(原告)であり、裁判を起こされたのは、夫(被告)です。 1 結婚 妻(昭和49年生)と夫(昭和39年生)は、当時勤務していたD株式会社において社内恋愛の末に平成9年4月11日結婚しました。 2 妻の夫への不信感、嫌悪感がうまれる 夫は押し入れの中に100本位のアダルトビデオを所有していて、結婚前に関係を持った風俗関係の女性についての性的なデータをパソコン上に集積していました。妻は結婚後にこの事実を知り、夫に対する不信感、嫌悪感等を持つようになりました。 3 妻と同僚の吉田(仮名)の出会い 妻は平成10年1月ころ、D株式会社を辞めて株式会社B研究所に入社し、ここで同僚である吉田(仮名)と知り合いました。 4 妻の吉田への恋愛感情が芽生える 妻は平成10年11月ころ、妊娠したことに気づき夫に報告したところ、自分たちの関係は明日にでもどうなるか分からないから堕ろしてほしいと言われショックを受けて過呼吸になりました。妻は中絶するかどうか等について悩み、吉田に相談したり、自宅を出て1週間程ウィークリーマンションを借りて一人で考えたりしました。このような中で妻は吉田に対して次第に恋愛感情を抱くようになりました。 5 夫が妻と吉田の関係を怪しむ 夫は、妻の周辺を調査しその結果、妻が吉田と交際していることを突き止めました。夫は平成10年12月30日ころ、妻に対し、今後吉田とは会わないこと、連絡をしないことを要求し、妻はしばらく沈黙した後に承諾しました。なお、妻は吉田とは性的関係はありません。 6 夫の性癖 妻と夫は夫婦関係を改善していこうと考え、平成11年5月21日伊東温泉に一泊旅行に出かけました。その際、夫は旅館の周囲を散歩中、公道上から女性の露天風呂を覗き見て、そのときの状況や心情等を日記帳に書き留めました。 7 妻の出産と夫の日記帳を発見する 妻は平成11年7月8日長女の花子(仮名)を出産し、1カ月ほど実家で過ごした後に自宅に戻りました。夫が口を利かなったことや毎晩遅く帰宅し、週末も黙って出かけてしまうこと等から不信に思った妻は、平成11年8月ころに夫の日記帳を見ました。すると、夫が夜中にアダルトビデオを見ていたり、夜や週末にパチンコに行っていたこと、さらに伊東温泉へ旅行に行った際に女性の露天風呂を覗き見ていたことが判明しました。 8 夫のうつ病 夫は平成10年10月ころから軽いうつ状態があったことからメンタルクリニックに通院し、睡眠薬や精神安定剤の処方を受けていましたが、平成11年冬ころからD株式会社を休みがちになり、夕方ころまで寝ていることが多くなりました。さらに平成12年1月ころからはほとんど出社しないようになり、1日中寝てばかりいるようになったため、妻が不安になって問い詰めると、夫はうつ状態がひどくて休養しなくてはならないと答えました。 9 夫の単身赴任 夫は平成12年1月、D株式会社を退職し、平成12年4月にはF株式会社に就職し、平成12年5月末ころ沼津支店に配属となりました。夫は沼津市に単身赴任し、週末のみ自宅に帰るという生活をするようになりました。妻は、このころ再び吉田とメール等のやり取りをするようになりました。 10 夫の暴力 夫は平成12年8月ころ、妻に対し沼津市へ来るように要求しましたが、妻はそのような気持ちがなかったことからそれを断って自宅を出ました。すると夫は、妻を追いかけ、腕を掴んで止めようとしたため、妻は夫に対し「こんな仮面生活は送りたくない。静岡なんて行きたくない。」とはっきりと伝えたところ、夫は激怒し、妻の顔面を殴打しました。 11 別居 その後、妻と夫は離婚についての話し合いを数回持ち、妻は平成13年9月、離婚のための調停を申し立てましたが不成立となったので、平成14年3月長女の花子とともに自宅を出て実家に戻りました。 |
判例要約 | 1 離婚を認める 妻と夫の結婚関係が破綻したのは、二人の物の考え方や価値観等に由来する部分が大きいといえます。そのため、夫のみに責任があるということができないと解釈されました。 2 長女花子の親権者を妻と認める 長女花子は3歳であること、妻は自分の両親とともに横浜市内の実家に居住し、花子を保育園に預けながら東京都内の会社に勤めていること、花子はアレルギー体質のため食品制限が必要で、妻が健康管理に注意して養育していること、妻は両親の協力を得て月2回の割合で夫を花子に面会させていること等の事実が認められました。 3 妻の養育費請求を認める 夫の手取り月収は約32,3万円であり、社宅の費用として月5万円を負担しているほかに借金の負担はないこと、妻の手取り月収は約15万円であること、夫は花子の養育料として月額5万円を相当な金額であると考えていることが認められます。夫が妻に対して離婚裁判確定の日から花子が成人に達するまで毎月末日までに5万円を養育料として支払うのが相当です。 4 妻の上記以外の請求は認められない 離婚について、夫のみに責任があるということができないことから、妻の夫に対する慰謝料請求は認められませんでした。 5 訴訟費用 訴訟費用は、これを2分割して、その1ずつが妻と夫の負担となります。 |
原文 | 主 文 1 原告と被告とを離婚する。 2 原被告間の長女A(平成11年○月○日生)の親権者を原告と定める。 3 被告は,原告に対し,本件離婚裁判確定の日から長女Aが成人に達するまで,毎月末日限り5万円を支払え。 4 原告のその余の請求を棄却する。 5 訴訟費用は2分しその1を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 主文1ないし3項同旨 2 被告は,原告に対し,500万円及びこれに対する平成14年6月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 本件は,原告が,被告に対し,婚姻を継続し難い重大な事由が存在するとして離婚を求め,婚姻関係破綻に至った責任が被告にあるとして慰謝料500万円及びそれに対する訴状送達の翌日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め,さらに,長女についての親権者を原告とすること及びそれを前提とする養育料の支払を求めた事案である。 1 原告の主張 (1)離婚原因について 原告及び被告の婚姻関係は,次の①ないし③の事由により破綻し,婚姻を継続し難い重大な事由が存在する。 ① 異常な性癖 被告は,100本以上もの盗撮ビデオを保有したり,原告と旅行に行った際に女性風呂を覗き見しようとしたりするなど,異常な性癖を有している。 ② うつ病 被告は,気に入らないことがあると1週間以上も部屋に閉じこもって話し合いに応じないなどの態度をとることがあり,そのため,原告は,精神的ショックを受け過呼吸に陥るなどした。その後,被告は,原告に対し,うつ病に罹患し,治療薬を服用していることをうち明けた。 ③ 暴力 被告は,平成12年8月ころ,原被告の間で同居問題について口論となった際,原告の顔面を力一杯殴打する暴力を振るった。 (2)慰謝料請求について 原告は,被告の上記(1)①ないし③の行為により婚姻関係破綻に追い込まれ,精神的損害を被った。その精神的損害を慰謝するに足りる金額は500万円を下らない。 (3)親権者の指定について 原告は,現在,自分の両親とともに横浜市内の実家に居住し,長女を保育園に預けながら東京都内の会社に勤めている。長女Aは,3歳と幼少であり,その親権者としては母親である原告が適当である。 (4)養育料請求について 原告の収入は手取りで月額15万円であり,被告の収入は手取りで月額30万円である。被告の支払う養育料としては,長女Aが成人に達するまで月額5万円が相当である。 2 被告の主張 (1)離婚原因について ① 異常な性癖について 被告が保有するビデオは,独身のときに友人4,5人とともに購入したもので,友人らが結婚するに際し被告が預かったものである。また,それらは盗撮ビデオではない。 ② うつ病について 被告は,メンタルクリニックに通院し,睡眠薬や精神安定剤を服用していたことがあるが,うつ病ではない。 ③ 暴力について 被告は,原告と口論となった際,話し合いを拒否して出て行った原告の後を追いかけ止めようとしたことがあった。その際,原告に抵抗されたため,押さえようとした被告の左手の拳部が原告の左目わきに当たってしまった。被告は,意識して殴打したものではない。 (2)原告が有責配偶者であることについて 原告は,婚姻してから1年数か月しか経 さらに詳しくみる:が原告の左目わきに当たってしまった。被告・・・ |
関連キーワード | 離婚,浮気,不倫,親権,親権者,調停 |
原告側の請求内容 | ①夫との離婚 ②長女花子(平成11年生)の親権者を妻と認める ③夫は妻に対して離婚裁判確定の日から長女花子が成人に達するまで毎月末日に5万円を支払う ④夫は妻に対して5,000,000円を平成14年6月2日から支払済みまで年5分割の金額を支払う |
勝訴・敗訴 | 一部勝訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
400,000円~600,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所判決/平成14年(タ)第336号 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「夫の性癖、うつ病、暴力による結婚の破綻で離婚が認められた事例」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判を起こしたのは妻(原告)で、裁判を起こされたのは夫とその浮気相手デヴィ:仮名(被告)です。 1 結婚 夫と妻は昭和46年3月2日に結婚しました。 二人の間には長女の花子(仮名)と二女の桃子(仮名)の既に成人した子供が2人います。 2 結婚後の夫と妻 夫は結婚後、基本的には仕事中心の生活で、家事・育児等の家庭内に関することはほとんど妻に任せきりで、子供の進学や家計収支等についてもほとんど関心を払ってきませんでした。 妻は結婚後、おおむね専業主婦として家事・育児を行ってきましたが、昭和60年ころから更年期障害によって重症の腰痛、生理痛に苦しんでいました。その苦痛、不快感から夫に対して自分の身体に触られるのが不快であると告げ、夫との性交渉を嫌がるようになりました。 3 妻の病気 妻は平成元年には子宮内膜症なり、子宮の全摘出手術を受けましたが、手術後腰痛はさらにひどくなり、手術直後から尿失禁が始まるようになったため、夫との性交渉を完全に拒絶するようになりました。 4 夫婦関係 妻は夫が仕事中心の生活で、収入を得ることによって家庭に貢献すること以外に夫が家庭に関心を払うことがなかったため、これを快く思っていませんでした。 夫は妻の夫に対する態度や言動に、妻としての愛情や思いやり等が感じられないと不満を抱いていました。 このため、夫と妻の夫婦関係は必ずしも良いとは言えなかったものの、表だって不満を言ったり喧嘩になることはなく、離婚を前提とした話し合いをしたことはありませんでした。 5 新居を建てる 夫と妻は、妻の強い希望のため二人の話し合いの結果、東京都町田市に新居を購入して引っ越すことになりました。平成13年2月26日に自宅が完成し、当時の住まいの自宅を売却して町田市の新居に引っ越しました。 6 夫の浮気… 夫は平成12年春ころクラブのホステスとして働いていたデヴィ(仮名)と知り合い、間もなく男女の関係を持つようになりました。デヴィはその当時、夫が結婚していることを夫から知らされていました。 7 夫の浮気相手デヴィから妻に対する嫌がらせ 夫がデヴィと男女関係を持つようになってから、夫と妻の自宅には妻に対する嫌がらせの無言電話が掛かるようになりました。平成12年中に、夫とデヴィが交際していることが妻にばれそうになりましたが、夫は妻に嘘を付いて妻をだましました。 8 夫の浮気、妻にばれる 平成13年8月ころ、デヴィの妻に対する嫌がらせがひどくなり、夫がデヴィと浮気していることを妻が知ることとなりました。 9 夫と妻の関係、急速に悪化 その後も妻に対するデヴィからの無言電話や、電話で離婚を求める行動が続きました。 夫も家庭で自分がデヴィを付き合っていることを口にするようになり、そのため妻は酒に酔って夫に暴力をふるったり、夫に無断で高額な車を買って夫に保証を求めたりしたことから、急速に夫婦関係は悪化していきました。 10 妻への嫌がらせ悪化 デヴィの妻に対する嫌がらせは続き、夫との離婚を強要する行為が繰り返されました。 恐怖の余り、妻が警察に通報して警察官が駆けつけることもありました。 11 妻が夫とデヴィに対して慰謝料を求める裁判を起こす 夫とデヴィの妻に対する離婚を強要する嫌がらせの数々により、妻は精神的に被害を被ったとして、妻は夫とデヴィに慰謝料の支払いを求めました。 |
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判例要約 | 1 夫と妻の結婚生活破綻の原因は、夫にある 夫とデヴィが男女の関係を持つようになった当時、夫と妻の関係は必ずしも良好とは言えないものの、二人の間で離婚の話し合いがされたことは全くなく、また、町田市に妻と同居することを前提として夫は新居を購入していること、妻に浮気が見つかりそうになった時にも事実を隠して妻との結婚生活を続けようとしたことを考えると、夫と妻の夫婦関係が破綻していたとは言えません。 夫と妻の結婚生活が破綻した原因は、夫とデヴィの浮気、同棲生活の継続、夫とデヴィによる妻への離婚を強要する行為によることは明らかです。 2 夫とデヴィは妻に対して慰謝料を支払え 夫と妻の結婚生活の実情に加えて、夫とデヴィの行った行為・期間・これによって妻が被った被害の内容・程度を考えると、夫らが妻に支払うべき慰謝料の金額はそれぞれ500万円が相当です。 |
「事実を総合」に関するネット上の情報
間接事実の総合評価に関し、一定の外在的ルールを定めた事例 最高裁判所第三小法廷平成22年4月27日判決
判示事項殺人,現住建造物等放火の公訴事実について間接事実を総合して被告人を有罪とした第1審判決及びその事実認定を是認した原判決に,審理不尽の違法,事実誤認の疑いがあるとされた事例]...間接事実を総合して被告人が犯人であるとした第1審判決及びその事実認定を是認した原判決は,認定された間接事実中に被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない]...
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客観的な事実を総合すると少なくとも今回の一件は検察と裁判所に対するそれこそ「限りなくクロに近い疑惑」を感じる。何故なら、当初の鈴木氏に対する疑惑はあんなチンケな...