離婚法律相談データバンク 「疎通」に関する離婚問題事例、「疎通」の離婚事例・判例:「自己中夫の暴力、暴言による結婚生活の破綻」

疎通」に関する離婚事例・判例

疎通」に関する事例:「自己中夫の暴力、暴言による結婚生活の破綻」

「疎通」に関する事例:「夫の自己中心的な振る舞いにより、婚姻関係は破綻しているとして離婚を認めた判例」

キーポイント この事件のキーポイントは離婚が認められるためには、結婚生活をこれ以上継続することができない重大な理由が当事者の間になければなりません。
夫の妻への暴力、暴言により、夫婦関係は破綻しているといえるかがポイントになります
事例要約 この裁判を起こしたのは妻(原告)で、裁判を起こされたのは夫(被告)です。
1 結婚
夫と妻は共に医者で、平成11年3月10日に婚姻届を出して夫婦となりました。
平成11年10月25日には、長女をもうけました。
2 夫婦仲
妻は、長女をもうけた後も夫の協力を得ながら仕事を続けたいと考えていました。夫も基本的には妻の医者としての仕事と育児の両立に賛成し、協力したいと考えていました。
夫は外科医として、自分の職務にプライドと自信を持っていて、妻の仕事ぶりに厳しい見方をして不満を漏らすことがありました。そのため、夫と妻は同居して間もなくの頃からしばしば口論になりました。夫の批判的な発言に対して妻も反論をして、互いに相手の気持ちを傷つけ、不愉快な思いを抱くことがありました。
3 夫、妻を侮辱
平成10年頃、妻は自分が担当した患者の扁桃腺の手術のあと、傷跡から血が滲み出ていたため、夫に対して、もう少し患者の様子を見てから帰ると電話をしました。すると夫は妻に対して、「お前は馬鹿か。お前なんて手術しない方がいい。患者はおもちゃじゃないんだから。お前は仕事をしない方がいい。」と言って、妻の気持ちを傷つけました。
また、同じ頃妻が夕方から気管切開の手術をすることになったため帰宅が遅れることを夫に電話したところ、夫は「お前ら耳鼻科は馬鹿か。お前らは小さいところを見ているからやることも遅いし、看護婦からも馬鹿にされるんだ。馬鹿だね。」などと妻を侮辱しました。
4 夫の暴力
妻は平成10年12月下旬、事前に夫の了承を得て職場の忘年会に出席しました。
夫は妻の帰宅が遅くなったことに腹を立てて、妻の顔面を平手で殴り、妻に眼球結膜下に出血を伴う怪我を負わせました。
また、妻は平成11年6月、事前に夫の了承を得て職場の歓迎会に参加したところ、夫は妻の帰宅時間が遅くなったことに腹を立てて、妻が入浴中に浴室に入って、妻の顔面や頭部を殴り、髪の毛を引っ張り回す暴力を加えました。更に、バスタオル一枚の妻に土下座を強要してスリッパを履いた夫の足を妻の顔に押し付けるなどの虐待行為をして、妻を屈辱的な気持ちにさせました。
5 別居から再度同居へ
妻は夫の暴言と暴行が度重なったため、夫に対して恐怖心を抱くようになりました。また、夫から離婚を申し渡されたりしたため、平成11年7月中旬、妻は実家に戻り、夫と別居するようになりました。
夫は別居中、妻の実家を訪れ、離婚の意思の撤回と、やり直したい旨を妻に告げました。
平成11年8月、夫は妻に対して「今後は一切暴力はしない。産休後も働いてよい。」と確約したので、妻は出産が間近に迫っていたことから、平成11年9月、夫の元に戻って同居生活を再開しました。
6 同居後も夫の暴力はなくなりませんでした。
平成12年1月29日、夫は妻に対して「俺が養っているんだからもっと感謝しろ。お前のくだらない仕事のために周りがどれだけ迷惑していると思っているんだ。俺みたいな何でもできる医者が必要とされているんだ。お前なんて仕事をする必要ない。医者は辞めた方がいい。」などと暴言を吐きました。妻がこれを素直に聞き入れないとみるや、夫は妻の頭部や顔面を殴ったり、髪を掴んで振り回し、妻に怪我を負わせました。
7 妻、離婚決意
夫は妻との共同生活の中で、妻に対して継続的に暴力や暴言を繰り返したため、妻は夫との夫婦生活を続けることは難しいと考えるようになり、離婚を決意して平成12年2月18日、長女を連れて実家に戻りました。以来、夫とは別居が続いています。
夫は平成12年12月22日、夫の両親と弟を連れて妻の実家を訪れました。そして無断で家に入り、妻のもとから強引に長女を連れ去り、以来夫の実家で長女を育てています。
判例要約 1 夫婦生活の破綻の原因は夫にある
夫の妻に対する暴力・暴言はそれ自体妻の人格を無視した違法なものです。また、共働きでありながら、夫は家事にあまり協力的ではなく、自己中心的な振る舞いが多く、夫婦としての愛情に欠けるものがありました。
夫の暴力・暴言は1回目の別居による冷却期間を経ても改まりませんでした。2回目の別居は3年近くに及び、夫と妻の夫婦が円満な婚姻生活を回復することは極めて難しい状況です。
よって、夫と妻の間には、婚姻関係を継続し難い重大な理由があるといえます。
2 妻への慰謝料は400万円が相当
妻は夫の暴力や暴言が度重なり、夫に対する恐怖心を拭えないことや、夫の虐待行為によって屈辱的な気持ちにさせられるなど、夫の自己中心的な行為によって多大な精神的苦痛を受けています。
その他にも諸事情を考慮すると、妻が受けた精神的苦痛を慰謝するには400万円の慰謝料が相当です。
3 長女の親権は妻に
妻は夫から長女の引渡しを受け次第、昼間は長女を保育園に預けたり、母親の協力を受けながら長女の養育をすることができます。
夫は単身赴任をしています。夫は病院のそばにマンションを借り、そこから週4日間病院に出勤して長女は実家に預けています。残り3日間は実家又はマンションで長女と過ごしているため、長女と過ごす時間が限られています。
夫は平成13年11月14日、東京家庭裁判所より長女を妻に引き渡すように命じる決定が下っているにもかかわらず、長女を妻に引き渡しておらず、法に従う精神に欠けているといえます。
また、長女は3歳とまだ幼く、母親の細やかな愛情としつけがより必要です。
よって長女の親権者は妻と指定するのが相当です。
4 養育費は月額10万円
妻の手取りは月40万円で、夫の手取りは月80万円です。
夫も妻も共に医者で、2人の共同生活、別居後の生活状況、長女の養育状況など様々な事情を考慮すると、夫は長女が成人するまで月に10万円の養育費を支払うことが相当です。
原文 主   文

      1 原告と被告とを離婚する。
      2 原・被告間の長女A(平成11年○○月○○日生)の親権者を原告と定める。
      3 被告は,原告に対し,金400万円及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
      4 被告は,原告に対し,原告が被告から長女Aの引渡を受けた日(その日以後に本判決が確定したときは本判決確定の日)から平成31年10月まで毎月末日限り金10万円宛支払え。
      5 原告のその余の請求を棄却する。
      6 訴訟費用は,これを4分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。

       事実及び理由

第1 原告の請求
 1 主文第1,第2項と同旨
 2 被告は,原告に対し,金500万円及びこれに対する本判決確定の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 3 被告は,原告に対し,本判決確定の日の翌日から平成31年10月まで毎月末日限り金20万円宛支払え。
第2 事案の概要
   本件は,原告が,被告に対し,婚姻を継続し難い重大な事由(民法770条1項5号)を理由に原告と被告との離婚,原・被告間の長女Aの親権者の原告への指定,慰謝料500万円の支払,長女Aの養育費1ヶ月20万円の支払を求めた事案である。
 (基本となる事実)
 1 原告(昭和46年○○月○○日生)と被告(昭和43年○月○日生)は,平成9年の終わり頃,共にB病院で研修を受けていたことから知り合い,平成10年7月頃から婚姻を前提として同居を開始し,平成11年3月10日,婚姻届出をし,同年10月25日,長女Aをもうけた。
 2 原告は,平成8年5月に医師免許を取得し,C病院,D医療センター等の勤務を経て,平成13年9月からE病院の耳鼻科に勤務している。被告は,原告と同時期に医師免許を取得し,F病院第2外科勤務を経て,平成14年4月から千葉県鴨川市のG病院に勤務している。
 3 原告は,平成12年2月18日,長女Aを伴って長野県佐久市の原告の実家に戻り,以来被告との別居が継続している。被告は,平成12年12月22日深夜,被告の両親と弟を伴って,原告の実家を訪れ,原告のもとから長女Aを連れ戻し,以来東京都荒川区西日暮里の被告の実家において長女Aを監護養育している。
 (甲6,乙1,原告,被告及び弁論の全趣旨)
第3 争点
 1 婚姻を継続し難い重大な事由の有無及び原・被告双方の有責性の程度
 (原告の主張)
 (1)被告は,原告に対し,共同生活の中で,継続的に悪質凶暴な暴行や原告を蔑む暴言を繰り返したため,原・被告間には婚姻を継続し難い重大な事由が存在する。原告は,被告の暴行が度重なり,被告に対する恐怖心を払拭しえないことや被告から離婚を申し渡されたため,平成11年7月中旬,原告の実家に戻り,被告と別居した。被告は,別居中,原告の実家を訪れ,離婚意思の撤回とやり直したい旨を申し入れ,同年8月,原告に対し,「今後は一切乱暴はしない。産休後も働いてよい。」と確約したので,原告は,出産が間近に迫っていたことから,平成11年9月初め頃,被告のもとに戻り同居生活を再開した。
 (2)しかし,同居再開後も被告の言動は一向に改まらず,平成12年1月29日には,被告は,原告に対し,「おまえのくだらない仕事のために周りがどれだけ迷惑していると思っているんだ。俺みたいな何でもできる医者が必要とされているんだ。おまえなんて仕事をする必要ない。医者はやめた方がいい。」などと暴言を   さらに詳しくみる:1月29日には,被告は,原告に対し,「お・・・
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原告側の請求内容 ①夫との離婚
②慰謝料請求
③長女の親権
勝訴・敗訴 一部勝訴
予想裁判費用
(弁護士費用)
800,000円~1,000,000円
証拠 1.住民票
・浮気相手と同居していることを証明するもの
2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書
・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの
3.写真、録音テープ、ビデオテープ
・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など
4.探偵社等の調査報告書
・相手の浮気を証明できるもの
5.クレジットカードの利用明細・領収書
・飲食店・ホテルなどの利用記録など
6.パソコン・携帯電話のメール、手紙
・浮気相手とのやり取りを証明できるもの
審査日 第一審 東京地方裁判所判決/平成13年(タ)第341号
第二審 なし
第三審 なし

上部の「自己中夫の暴力、暴言による結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例

事例要約 この裁判を起こしたのは夫(原告)で、裁判を起こされたのは妻(被告)です。
1結婚
夫と妻は昭和52年2月7日に結婚しました。
二人の間には長男の太郎(仮名)と長女の花子(仮名)がいます。
2夫と妻の夫婦仲
夫と妻は夫婦仲の良いほうではありませんでしたが、一応は通常の夫婦関係を続けてきました。しかし、口げんか等が絶えず夫が妻に対して暴力をふるうこともありました。
3外国生活
平成元年に夫はトルコのイスタンブールに転勤になり、最初の1年間は単身赴任をしていました。平成2年から平成6年までは妻と子供達もイスタンブールに行き、4人で外国生活を送りました。その後夫はヨルダンに赴任し、単身赴任をするなど、外国生活が続きました。妻とは平成8年1月に2人でイスラエルで生活を送ったこともありましたが、すぐ帰国してしまいました。
4夫が離婚調停を申し立てる
夫は事前に妻との間で話し合いや離婚の申し入れをすることなく、弁護士に頼んで離婚調停を申し立てましたが話し合いは整いませんでした。
5夫が離婚を求める裁判を起こす(1回目)
夫はその後妻との離婚を求める裁判を起こしました。
妻との婚姻関係について、平成12年1月14日裁判所は以下の判断を下し、夫からの離婚の請求を認めませんでした。
① 夫と妻は夫婦仲の良い方ではなかったものの、そのような喧嘩は通常の夫婦間にもみられるため、二人が結婚生活を続けていくのが困難とまでは認められず、結婚生活をこれ以上継続できない重大な理由があるとは言えない。
② 別居状態が続いているといってもそれは夫の海外勤務によるものにすぎないと思われるため、2人が夫婦としての協力関係が維持できない状況にまで陥っているとは言えない。
③ 夫の態度や夫が生活費の送金を中止したことなど、夫と妻の不仲には夫に多くの原因があるため、もし夫と妻との離婚を認めた場合、妻の社会的・経済的事情を考えると、妻が過酷な状況におかれてしまう。
6夫が妻とのやり直しを試みる
裁判の時に妻は夫にまだ愛情があると言っていたため、夫は平成13年9月、平成14年2月の2回に渡り、妻とやり直そうと思い勤務地のイスラエルでの同居を持ちかけました。しかし、イスラエルがテロの直後であり危険であることと大学生の花子との関係もあり、妻はすぐには行くことはできないと返事をしました。
7夫がリストラに遭い、貿易会社を経営する
夫は勤務先の業績悪化のためリストラされてしまいました。その後貿易会社を設立しましたが、経営が思うようにいかず金銭的にもとても苦しくなりました。
しかし、妻はこのような夫の状況の変化に応じた夫への協力や配慮をしませんでした。
8妻の気持ち
妻は自分に非はなく、夫が自分に対して離婚の請求をすることをやめてくれれば夫婦としてやっていけると考えていました。そして、夫の気持ちが変わることを願ってじっと待っていようと考えていました。
9夫が離婚を求める裁判を起こす(2回目)
夫は妻に対する愛情はなく、また妻からの愛情を感じておらず、妻は夫に対して経済的な繋がりを求めているだけだと主張しました。
そして、妻とは夫がイスラエルに赴任してから8年以上別居状態が続いていて、これは自分のせいだけで起こった状況ではないとして平成15年に再び離婚を求める裁判を起こしました。

判例要約 1夫と妻の夫婦関係に回復の可能性はない
妻が「夫が態度や考えを変えさえすれば、夫婦関係はより円満になる」と主張するのは、現実性がなく、むしろそうした妻の夫に対する無理解、夫を理解して行動することができないことが夫を失望させていて、夫と妻の結婚生活は長期間の別居(遅くとも平成10年7月から6年以上)により既に破綻し、回復の見込みもなく結婚生活をこれ以上継続できない重大な理由があると裁判所は判断しています。
2離婚の原因は夫だけにあるわけではない
夫と妻の結婚生活は長期間の別居を続けているという事実がある以上、夫だけに責任があるとは言えません。離婚の結果、妻が過酷な状況に追いやられてしまうといえる具体的な証拠はないと裁判所は判断し、両当事者の離婚を認めました。

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