「料請求権」に関する離婚事例・判例
「料請求権」に関する事例:「夫の経済力に不満を抱き、妻が離婚請求をした事例」
「料請求権」に関する事例:「夫の生活を顧みない態度により、妻からの離婚請求が認められた判例」
キーポイント | 夫婦が離婚するためには、結婚生活をこれ以上継続できない重大な理由があるかが問題となります。 この夫婦の場合にも、その理由があるかがポイントになります。 |
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事例要約 | この裁判を起こしたのは妻(原告)で、裁判を起こされたのは夫(被告)です。 1 結婚 平成8年4月に夫と妻は知り合い、平成9年2月5日に妻の妊娠が判り、平成9年2月14日に婚姻の届出をしました。 平成9年10月9日に長男の太郎(仮名)、平成12年に二男の次郎(仮名)が生まれました。 2 転居 夫と妻は結婚当初は横浜市に住んでいましたが、平成9年11月20日ころ、夫の両親が住む福岡県直方市に引っ越しました。 夫はラーメン店の開業を目指ししばらく秋田県の夫の伯母が経営する居酒屋で働いたあと、平成10年2月16日ころには福岡県に店舗を借りてラーメン店を開業しましたが、営業不振のため平成11年4月ころ閉店しました。 3 夫、職を転々と 夫は職を転々としましたが、長続きせず、妻は夫の収入が不安定で、職を失くしてから2~3ヶ月収入がない時もあることに不満を持っていました。また、夫が以前に比べて職探しをしなくなり、そのことを夫に意見しても馬鹿にされるだけで聞いてもらえないと不満を募らせるようになりました。 4 別居 妻は、平成13年12月に夫の収入状況や発言を理由に離婚を考えるようになりました。 妻は平成14年1月1日に子らを連れて横浜市の実家に帰省し、1月20日頃には直方市に帰る予定でしたが、帰省中に別居の意思を固めて実家から帰らず、夫と妻は以後別居を続けています。 夫は別居を予期しておらず、平成14年5月16日ころ、横浜市に来て妻とよりを戻したいと告げましたが、妻は応じませんでした。 5 妻、離婚を求める調停を申し立てる 妻は平成14年11月25日、夫に対して離婚を求める調停を申し立てましたが、話し合いは整わずに終わりました。 また、平成15年2月ころ、妻は婚姻費用分担の裁判を起こし、夫が妻に対して平成15年3月から8月までの婚姻費用として月額8万円を支払うことを命じる決定を得ました。 しかし、夫は平成14年1月以降生活費等を妻に全く渡さないのみならず、決定された婚姻費用の支払いについても支払っていません。 6 夫の暴力 夫は妻に対して平成9年12月ころから平成13年12月までに30回くらい暴力をふるい、最初は腕を強く掴むなどでしたが、平成12年、13年には腰や背中を蹴る、殴るなどの暴力がありました。妻は拳で殴られたこともあり、青あざができることなどありましたが、子供を預けることもできず、お金もないため病院には行きませんでした。 7 妻が当判例の裁判を起こす |
判例要約 | 1 妻の夫に対する離婚請求を認める 夫と妻は別居開始から既に2年以上が経過し、その間、夫と妻の間に夫婦としての実態もなく、現時点では既に二人とも相手方に対する不信感が強く、別居中とはいえ、夫が妻に対して生活費を一切渡すことを拒んでいます。 生活の扶助を顧みない現状からすれば、夫と妻の婚姻関係は既に破綻していることは明らかです。また、夫婦の関係修復の見込みはないといえるため、婚姻関係を継続し難い重大な理由があるといえます。 2 夫は妻に対して、30万円の慰謝料を支払う 夫と妻の婚姻関係破綻の原因はどちらか一方のみにあるとは言えません。 しかし、夫は平成14年1月以降給与収入があったにもかかわらず妻、子供の生活のために必要な婚姻費用を負担しようとはせずに、婚姻費用分担の決定がなされていても、なお支払いを拒んでいる態度は、妻や子供の生活の扶助を顧みないものというほかはありません。 夫のこのような態度は、夫婦の関係を破綻させた原因の1つであると認められます。 3 長男、二男の親権者は妻と認める 長男、二男とも妻の保護下にあり、特段問題なく成長しています。 その一方、夫の生活環境は必ずしも安定しておらず、子供を養育する実績もありません。 妻は夫と比べて経済力が乏しいですが、これは養育費の負担で考慮すべきものです。この点によって、妻を親権者として適格でないということは適当でありません。 総合的に考慮して、長男、二男の親権者を妻とするのが適当です。 4 養育費は長男、二男にそれぞれ月額4万円とする 平成15年の妻の年収は91万5,200円、夫の年収は407万1,330円です。 夫は現在の職場に平成14年7月から働いていますが、時給制のため毎月の収入は必ずしも一定ではないことと、長男、二男の年齢等の事情を考え、夫が妻に対して支払うべき養育費は長男、二男それぞれに月額4万円が相当です。 |
原文 | 主 文 1 原告と被告とを離婚する。 2 原告被告間の長男A(平成9年○○月○日生)及び二男B(平成12年○○月○○日生)の親権者をいずれも原告と定める。 3 被告は,原告に対し,長男A(平成9年○○月○日生)の養育費として,本判決確定の日から同人が成人に達する月まで毎月末日限り金4万円を,二男B(平成12年○○月○○日生)の養育費として,本判決確定の日から同人が成人に達する月まで毎月末日限り金4万円を各支払え。 4 被告は,原告に対し,30万円を支払え。 5 原告のその余の請求を棄却する。 6 訴訟費用はこれを3分し,その2を被告の負担とし,その余を原告の負担とする。 7 この判決は,第4項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 申立て 1 主文1及び2項と同旨。 2 被告は,原告に対し,長男A(平成9年○○月○日生)の養育費として,同人が成人に達する月まで毎月末日限り金7万5000円を,二男B(平成12年○○月○○日生)の養育費として,同人が成人に達する月まで毎月末日限り金7万5000円を支払え。 3 被告は,原告に対し,500万円を支払え。 第2 事案の概要 本件は,原告が,被告に対し,夫である被告の悪意の遺棄及び婚姻を継続し難い重大な事由により婚姻破綻に至ったとして,離婚及び離婚慰謝料を支払うことを求めると共に,離婚に伴い,長男及び二男の親権者をいずれも原告と指定すること,養育費の支払を申し立てた事案である。 1 前提となる事実等(以下「前提事実」という。) (1)原告と被告とは,平成8年4月知り合い,平成9年2月14日婚姻の届出をした夫婦であり,両名間には,長男A(平成9年○○月○日生)及び二男B(平成12年○○月○○日生)が出生した。(甲1) (2)原告と被告は,婚姻当初横浜市内で生活していたが,その後被告の出身地である福岡県直方市に転居し,被告がラーメン店を営むことを志し秋田県に一時転居して被告の伯母が経営する居酒屋で働いた後,直方市に戻って開業したが,ラーメン店は約1年で廃業した。以後,被告はいくつかの職に就いたが,いずれも長続きしなかった。 (3)原告は,平成14年1月1日,横浜市の実家に子らを連れて帰省したが,そのまま家に帰らず,以後原告と被告とは別居している。 2 争点及び当事者の主張 (1)離婚請求の当否及び婚姻破綻原因 (原告) ア 被告は,平成9年12月ころから自分の思い通りにならないと原告の顔面,背,腰等を殴る蹴るの暴力をふるうようになり,さらに,職を転々としていずれも長続きせず,生活費は何とか入れるものの不足分は原告の貯金を充てなければならない状態が続き,原告が定職に就くよう懇願しても,原告を馬鹿にして聞く耳を持たなかった。原告は,被告が生活費を渡さないことや被告の態度に耐えきれず,平成14年1月1日子らを連れて実家に戻ったが,被告はその後も原告に全く生活費等を渡さない。なお,原告は,家庭を守るため,被告の怠け癖を糺すべくきついことを言ったことがあるにすぎない。 イ 原告と被告との婚姻は,被告の原告に対する暴力,家族の扶養をする気持ちがないことにより破綻しており,民法770条1項2号にいう悪意の遺棄及び同項5号にいう婚姻を継続し難い重大な事由がある。 (被告) ア 被告が平成9年7月10日に勤務先を退社したのは,勤務先会社が倒産間際で道義上問題のある虚偽を用いて仕事をとっており,被告が さらに詳しくみる:暴力,家族の扶養をする気持ちがないことに・・・ |
関連キーワード | 悪意の遺棄,慰謝料,別居,暴力,親権 |
原告側の請求内容 | ①夫との離婚 ②慰謝料支払い ③子供の親権 ④養育費の支払い |
勝訴・敗訴 | 一部勝訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
448,000円~648,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所判決/平成15年(タ)第561号 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「夫の経済力に不満を抱き、妻が離婚請求をした事例」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判は夫(原告)が妻(被告)に対して起こした裁判です。 1 結婚 夫と妻は、妻が夫の経営する会社に勤めたことで知り合い、昭和58年3月2日に結婚の届け出をし、夫婦となりました。 その際夫は、妻の子供である仁(仮名)の養親となることを決め、その手続きをしました。 結婚当初、夫は妻に十分な生活費を渡すことができ、結婚生活は円満でした。 2 夫の会社の経営不振 平成5年ころから、夫の経営する会社の経営状態が悪化して、妻に十分な生活費を渡すことができなくなり、 平成10年には妻への生活費はなくなりました。また、夫は平成5年から家族に疎外されているように感じていました。 妻は夫からの性的交渉も拒否をするようになり、その後原告と被告に性的交渉はありません。 3 別居 夫は平成10年ころ、同居していた家を出て、経営していた会社で寝泊まりを始めました。 妻は夫と連絡を取るため電話をするも、夫は電話にでず、出てもすぐ切るなどしました。 4 その後の行動 妻と夫は、妻の母親が亡くなった時には夫婦として行動をしました。 また妻の兄のすすめで、妻が家を購入して夫と同居することが検討され、 夫も家屋を探すのに協力をしましたが、決心はついていませんでした。 結局、二人は再度同居をすることはありませんでした。 5 裁判 夫が妻に対して離婚請求裁判を起こしました。 夫は多額の借金を抱えており、妻との離婚を強く望んでいます。 妻は、夫に愛情はなく離婚もしたいが、夫に貸している1,800万円と慰謝料を受け取ることができれば離婚をするという考えです。 |
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判例要約 | 1 結婚生活は終わっている 5年以上の別居生活の間、二人の交渉は単発的であり、妻と夫に性的な交渉もなく、 夫は強く離婚したいと考えています。妻も夫と結婚生活を続けるつもりはないのに離婚に応じないのは、 借金を返してもらうことと、慰謝料のためだけだと考えられます。 よって、夫と妻の結婚生活はすでに終わっており修復の見込みはないとされました。 2 夫の請求を認める もし、妻がお金を返してほしい、慰謝料がほしいというならば、その裁判を起こせばいいので、 この離婚の事件とは関係ありません。離婚の原因は夫にあるとはいえないので、夫の離婚の請求は認められました。 |
「料請求権」に関するネット上の情報
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