離婚法律相談データバンク 「訴訟手続」に関する離婚問題事例、「訴訟手続」の離婚事例・判例:「夫婦関係が冷え込んだのち、夫が浮気した場合もその浮気が離婚の原因として認められる事例」

訴訟手続」に関する離婚事例・判例

訴訟手続」に関する事例:「夫婦関係が冷え込んだのち、夫が浮気した場合もその浮気が離婚の原因として認められる事例」

「訴訟手続」に関する事例:「直接的ではないのものの夫の浮気が離婚原因であると認めた判例。」

キーポイント 離婚の原因を考える場合、浮気が直接的な原因であれば分かりやすいのですが、浮気する前からすでに夫婦の関係が破たんしていた場合、裁判所はどのように判断するのか示した一例です。
事例要約 この裁判を起こしたのは夫(原告)で、裁判を起こされたのは妻(被告)です。
1 婚姻
 平成11年6月10日に結婚し、夫婦となりました。
2 妊娠から産後の経過
 夫婦は結婚に先だって、平成11年の春には子供を授かったことから、新婚生活を満喫するような余裕はありませんでした。長男の太郎(仮名)出産後も妻の産後の調子がおもわしくなく性交渉もなかったことから夫婦の関係はぎくしゃくした物となりました。夫としてもその理由が妻のなれない育児のための疲労であると考え、家事や育児を分担することを心がけていましたが、夫婦の関係が改善する兆しは見られませんでした。しばらくして妻の母親が自宅に来て家事育児を手伝うようになったり、妻が実家に戻るようになるなかで、夫も家事育児を分担して夫婦関係を改善しようという意欲も減退していきました。
3 妻の職場復帰
 妻が職場に復帰するに当たり、夫は妻が仕事を持つことで、気分が変わり、結婚生活が円滑になるのではないかと思い賛成しましたが、状況に大きな変化をもたらすことなく、夫婦は次第に必要最低限の会話しかしなくなりました。
4 口論
 平成13年12月31日夫婦は激しい口論となり、妻は長男を連れて実家に戻りました。その時初めて夫は手を挙げました。ただし、年明けには妻は自宅に戻ってきました。
5 夫の浮気
 夫は平成14年7月ころから現実逃避し、同じ職場の佐藤(仮名)と肉体関係を伴う関係となりました。そのころから妻との離婚を考えるようになりました。妻も夫の浮気を知るに至り、夫は子供の親権を妻に譲り、養育費として月10万支払うことを条件に離婚を求めるようになりました。
6 離婚調停
 平成15年2月3日夫は裁判所に離婚を求める旨の夫婦関係調整の調停を申し立てましたが不調に終わりました。
7 平成15年11月8日に、夫はついに離婚を求める今回の裁判を起こしました。
判例要約 1 離婚原因
 今回の離婚の原因は、妊娠・結婚・同居という経過の中で、確固たる夫婦関係を確立するに至らないまま、長男の誕生・夫の転職・妻の復職という一連の出来事によりぎくしゃくした夫婦関係が固定化してしまい、互いに夫婦関係を改善する意欲を失いかけたところに、夫が浮気をし、結婚生活が破たんしたものといえます。したがって、夫婦関係の破綻を引き起こした夫の責任を認めるべきであり、妻に対する慰謝料として200万円支払うべきです。
2 親権
 子供がまだ幼少であり、現在まで妻がその面倒を問題なく見てきていることを考えれば妻が親権を持つべきです。
原文  主   文

 1 本訴原告・反訴被告と本訴被告・反訴原告とを離婚する。
 2 本訴原告・反訴被告と本訴被告・反訴原告との間の長男A(平成**年*月*日生)の親権者を本訴被告・反訴原告と定める。
 3 本訴原告・反訴被告は,本訴被告・反訴原告に対し,判決確定の日の属する月から前記Aが成人に達する日の属する月まで1か月7万円の金員を毎月末日限り支払え。
 4 本訴原告・反訴被告は,本訴被告・反訴原告に対し,200万円及びこれに対する平成14年9月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 5 本訴被告・反訴原告のその余の請求を棄却する。
 6 訴訟費用は,本訴反訴ともに3分し,その1を本訴被告・反訴原告の負担とし,その余を本訴原告・反訴被告の負担とする。

       事実及び理由

第1 請求
(本訴)
 1 本訴原告・反訴被告(以下「原告」という。)と本訴被告・反訴原告(以下「被告」という。)とを離婚する。
 2 原告と被告間の長男A(平成**年*月*日生)の親権者を原告と定める。
(反訴)
 本訴離婚請求につき認容判決が言い渡される場合は,
 1 原告と被告との間の長男A(平成**年*月*日生)の親権者を被告と定める。
 2 原告は,被告に対し,判決確定の日から前記Aが成人に達するまでの間1か月9万円の金員を毎月末日限り支払え。
 3 原告は,被告に対し,500万円及びこれに対する平成14年9月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
 1 原告(昭和**年*月*日生)と被告(昭和**年*月*日生)は,平成11年6月10日に婚姻した夫婦であり,その間には長男A(平成**年*月*日生)がいる。
 2 原告は,原告と被告との婚姻には,① 夫婦としての触れ合いの拒絶,② 被告による性交渉の拒絶,③ 原告に対する侮辱,④ 被告の原告に対する愛情喪失の宣言,⑤ 子との面接交渉の拒否などの離婚事由が存在し,原告及び被告とも,既に共同生活を続けていく意欲を失っており,被告は,原告を苦しめ,意地をはるためだけに離婚を拒絶しているにすぎないから,原告と被告の婚姻関係は完全に破たんしており,民法770条1項5号に定める離婚原因が存在する旨主張して離婚を求める。
 3 これに対し,被告は,予備的反訴として,① 原告の不貞行為(遅くとも平成14年9月25日には存在した。),② 被告に対する悪意の遺棄,③ 本件訴訟における虚偽答弁及び被告に対する侮辱などにより,原告は被告に対し,多大な精神的苦痛を与えたと主張して慰謝料500万円を請求する。
第3 当裁判所の判断
 1 認定事実
   証拠(甲1ないし6,乙1ないし4,原告本人,被告本人)によれば,次の事実を認めることができる。
 (1)原告は,平成6年3月大学を卒業し,同年4月株式会社Bに入社,平成12年11月からはC株式会社のいわゆる契約社員となった。
    被告は,平成6年3月大学を卒業し,同年4月株式会社Bに入社し,平成11年6月10日,原告と結婚し,同年11月から出産のため職場を離れたが,平成13年4月から元の職場に復帰している。
 (2)原告と被告とは,平成6年4月に株式会社Bに入社した同期の社員であったことから知り合い,平成9年夏ころから交際し始めた。その後,原告と被告とは,順調に交際し,平成11年春ころ,被告が妊娠したことから,結婚を真剣に考えるようになった。
 (3)原告と被告は,被告が妊娠したことから,入籍することを優先させ,平成11年6月10日に   さらに詳しくみる:たことから知り合い,平成9年夏ころから交・・・
関連キーワード 不貞行為,親権,養育費,離婚原因,反訴
原告側の請求内容 1 夫の請求 
①妻との離婚 
②子供の親権
2 妻の請求 
①夫との離婚 
②子供の親権 
③慰謝料
勝訴・敗訴 敗訴
予想裁判費用
(弁護士費用)
760,000円~1,360,000円
証拠 1.写真、録音テープ、ビデオテープ
・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など
2.探偵社等の調査報告書
・相手の浮気を証明できるもの
3.クレジットカードの利用明細・領収書
・飲食店・ホテルなどの利用記録など
4.パソコン・携帯電話のメール、手紙
・浮気相手とのやり取りを証明できるもの
審査日 第一審 平成15年(タ)第1054号 平成17年(タ)第4号
第二審 なし
第三審 なし

上部の「夫婦関係が冷え込んだのち、夫が浮気した場合もその浮気が離婚の原因として認められる事例」に関連する離婚法律問題・離婚判例

事例要約 この裁判を起こしたのは、妻(原告)であり、裁判を起こされたのは、その夫(被告)です。

1 結婚
当事件の当事者である妻は、平成11年10月に同じ職場で働いていた夫と知り合い、平成12年2月から交際を経て、平成13年11月23日に婚姻の届出をし、夫婦となりました。
結婚後、夫は普通に妻に接していたつもりだったが、妻は夫のコミュニケーションの物足りなさを感じていました。
2 夫の海外赴任の決定
夫は、平成14年6月ころに、平成15年5月29日から3年間の海外赴任が決定しました。
妻はこれを受けて、海外赴任を夫と共にするため、大学の外国語講座に通い始めましたが、心の中で海外に行くことに戸惑いがありました。
3 妻が当判例の裁判を起こす
妻は、平成13年12月29日に夫に対し、海外赴任を夫と共にしたくないことと、夫との結婚生活をこれ以上続けることが出来ない胸中を伝えました。
そして妻は、同月末に夫に対し、離婚したいと伝えましたが、夫はその気がないと答えました。
妻は、平成15年2月に、東京家庭裁判所に離婚調停の申し立てをしましたが、同年4月4日に不成立に終わりました。
これを受けて妻は、同年に当裁判を起こしました。
判例要約 1 離婚は認められる
裁判所は、夫と妻との離婚につき、当判例のケースでは違法性が少ないことから、判断を下すことが難しいとしています。
しかし、夫は妻に対し、十分な精神的サポートをせずに、夫婦間のコミュニケーションをとらなかったことで、妻を不安に追い込んだ点に、離婚を認める原因があるとしています。
そしてその責任の所在は、夫と妻のどちらにあるとも言えないとしています。
2 財産分与について
裁判所は、財産分与については夫婦均等を原則として、夫と妻の結婚生活に対する貢献度の割合によって修正するものとしています。
その上で、妻の財産分与の請求については、妻の結婚生活への貢献度や、また証拠など認められない点が多いことから、却下しています。
3 慰謝料について
裁判所は、妻の慰謝料請求について、証拠不足や争点となる夫のコミュニケーション不足について違法性が低いとして、請求額より少ない200,000円の支払いを夫に命じています。

訴訟手続」に関するネット上の情報

  • 法医学②

  • 訴訟手続上重要な証拠にもなるため、犯罪捜査の上で重要な役目を担う部署である。?溢血点「溢血点」とは小さな点状の出血をいう。溢血点は窒息死の死体所見の一つで、眼瞼...
  • 法医学①

  • 訴訟手続上重要な証拠にもなるため、犯罪捜査の上で重要な役目を担う部署である。?生活反応法医学では最も基本的かつ重要な要素となる。呼吸、皮下出血、炎症、化膿などが...
  • 民事訴訟法レポート(訴訟物)

  • 訴訟手続上重要な意義をもっており、これに関しては、旧訴訟物理論と新訴訟物理論との対立がある。(1)旧訴訟物理論とは、原告が請求で主張している実体権そのものを訴訟...

訴訟手続」の関連離婚法律相談事例、離婚問題事例