離婚法律相談データバンク 「精神的損害」に関する離婚問題事例、「精神的損害」の離婚事例・判例:「夫婦関係の認識の落差が原因のために関係が悪化したが、回復の可能性があると認められた事例」

精神的損害」に関する離婚事例・判例

精神的損害」に関する事例:「夫婦関係の認識の落差が原因のために関係が悪化したが、回復の可能性があると認められた事例」

「精神的損害」に関する事例:「結婚関係の回復の可能性があり、完全に破たんしているとは言えないとして妻の請求する離婚および慰謝料の請求が認められなかった判例」

キーポイント この事件のキーポイントは離婚が認められるためには、結婚生活をこれ以上継続することができない重大な理由が当事者の間になければなりません。
妻の請求がどれだけ認められるかが問題になります。
事例要約 この裁判を起こしたのは、妻(原告)であり、裁判を起こされたのは、その夫(被告)です。

1 夫との結婚
昭和59年頃、妻と夫は職場で知り合い、平成3年10月6日に結婚しました。
2 子供を2人授かる
平成5年には長男の太郎(仮名)を、平成8年には二男の次郎(仮名)をそれぞれ出産しました。
妻は、それ以外にも2度ほど妊娠をしたことがありましたが、平成6年5月と平成9年10月は、いずれも出産後間もなかったことや仕事の関係で中絶をせざるをえませんでした。
3 夫を相手に離婚調停を申し立てる
妻は、平成14年6月、夫を相手方として離婚の調停を申し立てましたが、平成14年9月、取り下げにより終了しました。
4 別居
妻は、平成15年8月2日以降、単身で家を出て、別居生活を続けていました。
判例要約 1 離婚は認められない
妻と夫の間に亀裂が生じた原因には、相互の話し合いの不足、互いの心情に対する理解不足があると認められ、その点について夫の認識が薄かったことは問題であるが、夫としては、それなりに妻の心情や家庭の維持に関し、理解し努力してきたことがうかがわれ、夫婦関係の悪化の原因は、夫の態度に大きな問題があったというよりも、むしろ夫婦関係の認識について、妻と夫で落差が大きかったためとみられました。
2 妻の請求を認めない
妻の離婚調停申し立て後、夫も妻の離婚の決意の固さを認識して、それまでの結婚生活を振り返り、家事の分担や妻との会話の機会を増やすよう努力するなど、夫の態度にも改善が認められる。妻は調停後も状況が余り好転しなかったと受け止め、平成15年8月から別居生活を送っているが、その期間も半年足らずであり、妻と夫の結婚関係については回復の可能性があり、完全に破綻しているとは認められませんでした。そのため、妻の請求については、いずれも認められませんでした。
原文        主   文

  1 原告の請求をいずれも棄却する。
  2 訴訟費用は原告の負担とする。

       事実及び理由

第1 請求
 1 原告と被告とを離婚する。
 2 原告と被告との間の長男A(平成5年○月○○日生)及び二男B(平成8年○月○○日生)の親権者を原告とする。
 3 被告は,原告に対し,金200万円とこれに対する本訴状送達の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
   本件は,原告が,被告に対し,精神的虐待及び性格の不一致により婚姻関係は破綻しているので,民法770条1項5号所定の婚姻を継続し難い重大な事由が存在するとして,離婚を求めるとともに,2人の子供の親権と200万円の慰謝料の支払を求めた事案である。
 1 争いのない事実
 (1)原告と被告は,昭和59年ころ,職場で知り合い,平成3年10月6日,婚姻した。
 (2)原告と被告の間には,長男A及び二男Bの2人の子がいる。
 (3)原告は,平成14年6月,被告を相手方として,離婚の調停を申し立てたが,同年9月,取り下げにより終了した。
 (4)原告は,平成15年2月28日,本件訴えを提起した。
 (5)原告は,同年8月2日以降,単身で家を出て,別居生活を続けている。
 2 争点
 (1)離婚請求について
   (原告の主張)
    被告の原告に対する精神的虐待及び性格の不一致により,婚姻関係は破綻している。
    原告と被告は,平成15年8月までは,同居していたが,その後,別居に至っており,また,性交渉は3年以上にわたってなく,子供に関しての必要最低限の会話があるのみで,婚姻関係は完全に破綻している。
   (被告の主張)
    原告と被告の婚姻関係は,破綻していない。
 (2)金銭請求について
   (原告の主張)
    離婚の原因は,被告にあり,これによって原告が被った精神的損害は,金銭に換算して,少なくとも,200万円を下らない。
   (被告の主張)
    争う。
 (3)親権者の指定について
   (原告の主張)
    子供らの養育は,母親である原告が中心となって行ってきた。収入も被告以上にある。したがって,長男及び二男の親権者は,原告と定めるのが相当である。
   (被告の主張)
    子供らの養育は,被告が中心となって行ってきた。夫婦の別居に際し,子供らは原告にはついていかず,被告の下で生活している。被告には十分な収入がある。したがって,仮に,離婚が認められるとしても,長男及び二男の親権者は,被告と定めるのが相当である。
第3 裁判所の判断
 1 証拠(甲3~5,乙1,原告・被告本人)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる(争いのない事実を含む。)。
 (1)原告は,婚姻当初から,日ごろ,被告が原告に対し何気なく口にする「デブ」,「くさい」等の言葉に傷つくことが多かった。もっとも,被告は,原告がそのことを気にしていると知った数年前からは,そのような言葉を口にすることはなくなった。
 (2)原告は,平成5年○月○○日に長男Aを,平成8年○月○○日に二男Bをそれぞれ出産した。原告は,その外にも2度ほど妊娠をしたことがあったが,平成6年5月及び平成9年10月,いずれも出産後間もなかったことや仕事の関係で,中絶をせざるを得なかった。
 (3)原告は,日常生活の中で,被告の言動や偏食が激しいことなどが元で,被告に対し,度々,不満を持つことがあったが,他方,被告は,原告との婚姻生活にそれほど大きな問題が   さらに詳しくみる:出産した。原告は,その外にも2度ほど妊娠・・・
関連キーワード 離婚,親権,中絶,離婚調停,別居
原告側の請求内容 ①夫との離婚
②長男の太郎と次男の次郎の親権者をいずれも妻と認めてもらうこと
③夫は妻に対して2,000,000円を本訴状送達の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金額を支払う
勝訴・敗訴 全面敗訴
予想裁判費用
(弁護士費用)
400,000円~600,000円
証拠 1.住民票
・浮気相手と同居していることを証明するもの
2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書
・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの
3.写真、録音テープ、ビデオテープ
・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など
4.探偵社等の調査報告書
・相手の浮気を証明できるもの
5.クレジットカードの利用明細・領収書
・飲食店・ホテルなどの利用記録など
6.パソコン・携帯電話のメール、手紙
・浮気相手とのやり取りを証明できるもの
審査日 第一審 東京地方裁判所判決/平成15年(タ)第153号
第二審 なし
第三審 なし

上部の「夫婦関係の認識の落差が原因のために関係が悪化したが、回復の可能性があると認められた事例」に関連する離婚法律問題・離婚判例

事例要約 この裁判を起こしたのは、妻(原告)であり、裁判を起こされたのは、その夫(被告)です。

1 結婚
妻と夫は平成11年2月4日に結婚の届出をし、平成12年に長男の太郎(仮名)が出まれました。
2 夫婦で家業を手伝う
妻と夫は結婚後、賃貸マンションに独立の世帯を構え、共に夫の父が経営するBストアで弁当・惣菜等の販売及び飲食店業に従事しました。
3 妻の不満
妻としては金額的にも自己の労働の対価としても不満があり、そのことのために次第に夫の両親との折合いが悪くなり、ひいては夫との夫婦仲も冷めていく結果となりました。
4 新居購入
平成13年8月に新たに自宅(中古住宅)を購入したものの、夫婦仲が回復することはなく、夫は実家で夕食をとって帰宅も遅くなり、夫婦の会話もみられない状態となりました。
5 妻が家業をやめる
妻は、給料(又は小遣い)の不満から、(夫から「もう働らかなくてよい」といわれたにせよ)平成13年10月をもってBストアの業務に従事することを確定的に放棄し、夫に相談することもなく翌月から近所のスーパー・Cに勤務するようになりました。
6 夫と妻の別居
平成14年4月12日ころの朝、妻が「子供の面倒は見ないので、そっちでみやがれ」との書置き(但し、ローマ字表記のもの)を残して出勤したため、夫は、ほぼ確定的に夫婦関係の継続を諦め、その日のうちに長男の太郎を連れて実家に戻って妻と別居することになりました。
7 妻が調停を申し立てる
妻は、別居開始まもなく家事調停を申し立て、その過程で長男の太郎との面接交渉や結婚費用分担についての調整も試みられましたが、解決のため互いに歩み寄る方向には進まず、遂に夫は妻がCの社長と遊んでいることに業を煮やし、平成14年8月11日ころ鍵を交換して自宅から妻を閉め出すという実力行使に出ました。そのため、妻としてはまず自分の住居を確保することに専念せざるを得なくなり、家事調停の続行を断念することになりました。
8 妻が再度調停を申し立てる
妻は平成14年11月ころ、再度家事調停を申し立てたが、夫が出頭しなかったため平成15年2月14日同調停は不成立に終わりました。
9 長男の太郎のその後の生活
妻と夫の別居後、長男の太郎は、朝食後夫に連れられて保育園に行き、夫の妹に迎えられて夜まで妹家族と過ごし、夫の終業後は朝まで夫と、その両親(祖父母)と過ごすという生活を送っています。
判例要約 1 離婚の大きな原因は妻にある
妻と夫が別居した理由については、妻の我がままな振舞いに起因するところが大きいが、夫が自宅の鍵を交換して妻を閉め出したことは社会通念上是認できるものではありません。ただし、夫も結婚関係が破綻していることを踏まえて離婚に同意しているため、離婚請求が認められました。
2 長男の太郎の親権者を夫と認める
夫が愛情をもって積極的に太郎の養育に当たっており、養育環境にも問題はなく、夫側での養育環境と比べてみた場合、妻側での養育環境には経済的にも生活環境的にも不安定な要因が多いといわざるを得ません。したがって、母親が子を監視保護、養育し親権者となることが認められない特段の事情があるともいえるため、太郎の親権者として夫を指定するのが相当です。
3 妻の慰謝料請求の一部を認める
妻を自宅から追い出した行為で、夫は妻の精神的損害について慰謝料を支払うべき責任があり、その経緯(結婚破綻については妻にも相応の責任がある。)、結婚期間、家事調停におけるその後の夫の不誠実な対応等を考慮すると、その金額は1,000,000円が相当です。
4 訴訟費用
訴訟費用は、これを2分割して、その1ずつが妻と夫の負担となります。

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