「家賃相当額」に関する離婚事例・判例
「家賃相当額」に関する事例:「別居が3年ほど続いているが、妻に離婚の意思がなく未成年の子供が居るため、離婚が認められなかった事例」
「家賃相当額」に関する事例:「夫婦生活において、妻の夫に対する配慮が欠ける面もあったが、夫婦生活の継続しがたい理由に当たらないとして離婚が認められなかった判例」
キーポイント | この事件のキーポイントは離婚が認められるためには、結婚生活をこれ以上継続することができない重大な理由が当事者の間になければなりません。 その為、この事件では妻の行動が夫婦生活を継続することができない重大な理由にあたるかが問題となります。 |
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事例要約 | この事件は夫(原告)が妻(被告)に対して起こした裁判です。 1 結婚 平成2年、夫婦はお見合いで知り合い半年ほどの交際期間を経て結婚をしました。 平成5年には長男、平成9年には二男が生まれました。 2 妻の精神疾患と別居 平成9年頃、妻は異常な言動を見せるようになり、病院で検査を受けた際に精神分裂病と診断された。 そこで、夫は妻を夫の実家に預け、夫だけ一人東京へ戻りました。 しかし、平成10年頃、夫の母親が体調を崩したため、妻と子供たちは妻の実家で暮らすようになりました。 3 東京でまた一緒に暮らし始める。 平成10年2月18日、妻は担当医が東京に戻っても大丈夫であると述べたとして、夫の了解を得ないまま、子供らを連れて東京に戻りました。 しかし、妻はその後も体調がすぐれず、家事や育児を十分にすることができませんでした。 4 夫の入院 平成10年9月19日の朝、夫は強い眠気を訴え21日になっても体調が回復せず、緊急入院をした。 その際、妻は入院費を理由に個室から大部屋に移るようお願いしたり、夫の父から入院費の支払いを求められた際に拒否したり、入院当初の3日間を除いては、毎週日曜日にしか見舞いに来ませんでした。その理由は、いずれも家計を維持する事ばかりに気を取られていたことにあります。 5 夫婦の別居 夫は退院後の平成11年1月6日に、入院中の妻の対応などから嫌気がさし、結婚を継続するつもりがないこと等を記載した、同日付けの置き手紙を残して家を出ました。 6 別居後の夫婦 妻は夫の勤務先に対して、生活費の不足を訴えました。また、婚姻費用分担等の調停を申立て、夫の給与手取額の全額を生活費として妻にに支払うよう発言をしました。 夫は、東京家庭裁判所に夫婦関係調整の調停を申立てたが、同調停は、平成12年11月7日、不成立となりました。 7 裁判 夫が妻に対して当判例の裁判を起こしました。 |
判例要約 | 1 妻との離婚は認められない 妻は夫が入院した際に、入院費を理由に個室から大部屋に移るようお願いしたり、夫の父から入院費の支払いを求められた際に拒否したり、入院当初の3日間を除いては、毎週日曜日しか見舞いに来ませんでした。その理由はいずれも家計を維持する事ばかりに追われていたことにあります。 その為、夫やその家族への配慮が欠けていたことは否めませんが、結婚が継続しがたい理由まで発展することは考えにくいと裁判所は判断しました。 また、夫婦が別居した際に、夫の勤務先に対して、生活費の不足を訴えたり、調停期日において夫の給与手取額の全額を生活費として妻にに支払うよう発言をしたことは、夫の立場や生活に対する配慮が抜けているものと考えられます。しかし、精神疾患を抱えつつ、未成熟な子供らを養育している妻の立場を鑑みれば社会通念を逸脱するようなものであるとまではいえず、離婚原因になるとも考えられません。 以上のことから、別居期間は3年を超えているが、妻は夫との離婚を望んでおらず、未成熟な子供らがいることなどを総合して考慮すると、夫と妻との間の婚姻関係が破綻していると認めることはできないというべきであり、夫の請求は認められません。 |
原文 | 主 文 一 原告の請求を棄却する。 二 訴訟費用は、原告の負担とする。 事実及び理由 第一 請 求 一 原告と被告とを離婚する。 二 原告と被告との間の長男A(平成5年○月○○日生)及び二男B(平成9年○月○日生)の親権者をいずれも原告と定める。 三 訴訟費用は、被告の負担とする。 第二 事案の概要 一 原告(昭和36年○月○日生)と被告(昭和39年○○月○○日生)は、平成2年11月5日に婚姻の届出をした夫婦であり、両者の間には、長男A(平成5年○月○○日生)及び二男B(平成9年○月○日生)の二人の子がある(甲1)。 二 原告は、離婚原因として、原告が高血圧性脳内出血等の発作を起こした際、被告が適切な対応をしなかったこと、上記の既往から原告にはストレスを避ける必要があるが、身勝手な被告との生活は原告にとってストレスとなること、原告と被告が平成11年1月5日ころから別居していること等から、婚姻を継続し難い重大な事由があると主張して離婚を求め、また、原告と被告の間の長男及び二男の親権者をいずれも原告と定めるのが相当であると主張した。 三 被告は、離婚の意思がなく、原告が家を出て行ってしまったため別居をしているものの、再び原告と同居することを希望しているのであって、原告と被告の間の婚姻関係は破綻しておらず、婚姻を継続し難い重大な事由はないと主張し、また、親権者の指定について争うものである。 第三 当裁判所の判断 一 証拠(甲1ないし8、9の(1)及び(2)、10ないし12、15、16、19、20、乙1ないし11,12の(1)ないし(4)、14、証人C、原告本人、被告本人)及び弁論の全趣旨によると、次の事実を認めることができる。なお、甲5ないし8、16,19,20、乙1、6ないし11、14、原告本人及び被告本人の各供述のうち、以下の事実に反する部分は、他の証拠に照らし、採用することができない。 1 原告と被告は、平成2年3月、見合いで知り合い、半年程度の交際期間を経て、同年11月4日岡山県岡山市で挙式し、同月5日婚姻の届出をし、東京都板橋区××所在のマンション(以下「××のマンション」という。)に新居を構えた。 原告は、婚姻前からサラリーマンとして民間企業に勤めており、婚姻後に勤務先を変えたものの、現在もサラリーマンとして勤務している。被告は、婚姻当初パートタイムの仕事をしていたが、長男を妊娠したころ仕事を辞め、いわゆる専業主婦となった。 原告は、預金通帳や給与振込口座のキャッシュカード等を被告に渡し、家計の管理を被告に委ねていた。 原告と被告との間には、平成5年○月○○日に長男Aが生まれ、平成9年○月○日に二男Bが生まれた。 2 被告は、平成9年5月中旬ころ、異常な言動を見せるようになり、原告は、被告が精神疾患を発症していると思うようになった。このころ、原告は、勤務先でプロジェクトのリーダーを任されており、仕事に忙しく、原告がひとりで幼い子供らと被告の世話をすることは困難だったので、岡山県倉敷市に住む原告の両親に上京してもらって相談し、同月20日、原告は、原告の両親とともに、被告と子供らを原告の実家に連れて行った。そのころ、被告は、□□病院で精神分裂病と診断された。原告は、被告と子供らを原告の実家に預けることにして、約1週間後にひとりで東京に戻った。 3 その後、被告は、子供らとともに、原告の実家で原告の両親の援助を受けながら生活し、□□病院に通院して治 さらに詳しくみる:ることにして、約1週間後にひとりで東京に・・・ |
関連キーワード | 精神分裂病,離婚,境界型高血圧,別居,高血圧性脳内出血 |
原告側の請求内容 | 1 妻との離婚 2 子供の親権 |
勝訴・敗訴 | 全面敗訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
400,000円~600,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所判決/平成13年(タ)第489号 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「別居が3年ほど続いているが、妻に離婚の意思がなく未成年の子供が居るため、離婚が認められなかった事例」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判を起こしたのは、妻(原告)であり、裁判を起こされたのは、その夫(被告)です。 1 結婚 当事件の当事者である妻は、夫が経営していた自転車店の顧客であったことから知り合い、昭和62年2月27日に婚姻の届出をし、夫婦となりました。 また同日に、妻と離婚をした前夫との間の子である太郎(仮名)に対して、夫は養子縁組の届出をし、親子となりました。 2 転居と転職 妻と夫は、結婚してからはしばらく、太郎と夫の父親と妹の5人で暮らしていました。 また、妻は事務職員として働き、夫は引き続き自転車店で経営を営んでいました。 しかし、平成2年頃に妻と夫は、太郎を連れて別の場所に転居し、また夫は営んでいた自転車店を突然閉め、タクシーの運転手になりたいことから同年12月にはタクシーの運転手として働くことになりました。 それに伴い、また妻と夫、太郎の3人は引っ越すことになりました。 3 妻と夫のすれ違い 妻は、以前とは別の会計事務所で事務職員として働いていましたが、夫との生活サイクルが違うこともあり、次第に夫とのすれ違いが生じてきました。 夫は、平成4年頃には妻の残業が多くなってきたことに気に入らず、妻に暴力を振るうようになりました。 4 別居 夫は、平成5年2月に突然自宅から出て行き、行方をくらましました。 妻は、同年3月に東京家庭裁判所八王子支部に離婚調停を申し立てましたが、夫がこれに応じなかったため、調停の申し立てを取り下げました。 また妻と夫は、この間一切連絡を取ることなく別居し、妻はその別居期間中に一人で生活費を稼ぎ、太郎を養育しました。 5 再び同居生活と夫の暴力 妻は、平成11年9月14日に夫から連絡を受け、新しい新居で夫婦二人の生活を再開しました。 しかし夫は、平成12頃から妻の小さなことでも、暴力を振るうようになりました。 6 夫が住宅ローンを支払わなくなる 妻と夫は、平成12年1月31日に、現在住んでいるマンションを購入しました。 また妻と夫は、連帯債務者として住宅ローンを支払うことになっていましたが、夫は平成13年12月を最後に突然支払わなくなりました。 そして妻と夫は、現在当マンションに同居していますが、食事や寝室が別々の家庭内別居であり、また夫は住宅ローンの支払いや生活費の負担などほとんど金銭の支払いをしていません。 7 妻が当判例の裁判を起こす 妻は平成15年に当裁判を起こしました。 |
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判例要約 | 1 離婚の原因は夫にある 結婚生活が破綻した主な原因は、夫の暴力や粗暴な振る舞い、身勝手な生活によるものであることから夫に責任があり、妻の離婚の請求には理由があると、裁判所は判断しています。 2 慰謝料請求について 結婚生活が破綻したのは、夫に原因があると裁判所は判断していますので、裁判所は夫に対し、妻が負った精神的苦痛に対する慰謝料の支払いを命じています。 3 財産分与請求について 裁判所は夫に対し、本来夫が負担する代わりに妻が負担した住居マンションの住宅ローン支出分や、夫名義の預金につき、結婚生活中に築き上げた金額の半分を、妻に支払うように命じています。 |
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