「パパ」に関する離婚事例・判例
「パパ」に関する事例:「妻は夫への愛情があり、夫と妻の結婚関係はまだ破綻していないとして離婚が認められなかった事例」
「パパ」に関する事例:「夫の主張する、当初から不確実であった結婚関係に対する離婚の請求が認めらなかった判例」
キーポイント | 離婚に関する事件では「離婚の原因を作った者の離婚請求を裁判所が認めない」という大原則があります。 浮気をした夫のからの、妻の夫に対する異様なさいぎ心等を理由に請求する離婚が認められるかが問題になります。 |
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事例要約 | この裁判を起こしたのは、夫(原告)であり、裁判を起こされたのは、妻(被告)です。 1 夫と妻の出会い 夫は平成9年当時、英国の現地法人に出向中でしたが年末年始で帰国していた平成9年12月27日に友人の田中夫婦(仮名)からその新居祝いに招かれました。そこで田中夫婦から妻を紹介され、田中夫婦や他の友人との話が盛り上がったため、夫と妻は他の友人らとともにその夜は田中夫婦宅に宿泊しました。 2 性的関係をもつようになる 夫と妻は平成9年29日、会う約束をして午後8時過ぎに世田谷にある寿司店で食事をしました。その後、ファミリーレストランでコーヒーを飲み、夫が自動車で妻を自宅まで送ることになりました。調布の妻の自宅に着いたのは午前零時を回っていましたが、夫は妻に対して「まだ話し足りないから、君の部屋に寄っていいかな。」と尋ね、妻の部屋に入りこの夜に性的関係をもちました。 3 両親への紹介 夫は平成10年の元旦の日に妻を夫の両親に紹介し、平成10年1月2日には夫と妻は、田中夫婦のもとに赴き結婚することになったと伝えました。さらに、平成10年1月3日には、夫はそれぞれ別居している妻の両親に面会し結婚することになったという報告を行いました。 4 婚姻届けの提出 妻は平成10年2月5日から2月22日にかけて英国に渡り、夫のアパートに滞在しました。そして、平成10年2月20日に夫と妻は2通の婚姻届にそれぞれが署名しましたが、夫の実印が日本にあったことから妻が帰国した際に夫の母親から夫の実印を押印してもらうことにして妻が婚姻届を預かりました。妻は日本に帰国し平成10年2月26日ころ婚姻届を夫の両親に渡し、夫の両親は、夫の意思を確認した上で夫の父親が婚姻届の一通の証人欄に署名押印し、夫の母親が夫の署名の横に押印をしました。妻は平成10年3月2日、夫の母親と共に逗子市役所に赴いて婚姻届を提出しました。 5 ロンドンでの同居生活 妻は平成10年3月31日に歯科助手及び歯科衛生士として勤務していた歯科医院を退職しました。妻は、平成10年5月4日に英国に渡り、ロンドンの夫のアパートにおいて同居生活が始まりました。 6 夫の浮気 夫は妻と結婚する前から、英国でトルコ人留学生のアンナ(仮名)という女性と交際し性的関係を持っていましたが、妻と結婚した後もアンナとの交際を続け、アンナを夫のアパートに招き入れたりしていました。 7 妻が夫の浮気を知る 妻は、平成10年5月4日に渡英して夫との同居を開始した後に夫とアンナが交際をしている事実を知り、精神的な打撃を受けました。妻は夫にアンナとのことを問い詰めることがありましたが、夫は妻に対してアンナの方が愛しいと言うこともありました。妻は夫との幸福な生活を信じて英国まで来たため、夫が他の女性と交際していることに強い衝撃を受け、夫とアンナの関係や他の女性との関係にも疑いを持つようになりました。 8 夫の浮気による口論と暴行 平成10年8月中旬にアンナはトルコに帰国しましたが、帰国の際、夫はアンナを空港まで送っていきました。その後も、アンナから夫宛てに熱烈な思いを記した手紙が送付され、妻は夫に対し、アンナとの関係や他の女性との関係を問い詰めることもあり、夫婦間で口論になることがありました。平成10年10月中旬には、夫は妻との口論の末に、妻を殴ったり突き倒したりする暴行を行いました。その際、妻は病院に行って診察を受けたところ右肘関節の脱臼で、右前腕部に軽い腫脹と痛みによる伸展の困難との症状があるとの診断をうけました。妻は警察官を呼び、夫は警察署で英国では夫の妻に対する家庭内暴力が重く罰せられているなどという注意を受けました。その後、妻も夫に対し、口論の際に平手打ちをするなどの暴行を行ったことが一度ありました。 9 別居 平成11年3月24日には口論の結果、妻が夫に対して出て行くように要求したことから、夫はロンドンのアパートを退去して以降、夫と妻別居状態となりました。平成11年6月に夫は東京本社勤務となったため、日本に帰国し、妻も共に帰国しました。成田空港で夫の両親は夫だけを連れていき、妻が独自に夫宅に行ったところ、やがて帰宅した夫の両親から夫宅に入るのを拒否され、夫の母親と妻がもみ合いとなり、夫の母親の110番通報により警察官も到着するなどという騒動になりました。 10 結婚費用の調停 夫と妻は、平成13年9月6日に結婚費用分担調停事件で、夫が妻に対して毎月17万円の金額を支払うことなどを定める調停を成立させることに合意し、以降夫は妻に対してその支払いを行っています |
判例要約 | 1 夫の離婚請求を認めない 妻は平成15年4月21日の口頭弁論期日に行われた尋問においても、夫に対して愛情を持っていて、夫が心を入れ替えてやり直してくれることを望んでいる旨の供述をしています。そのため、同居期間が約10カ月であるのに対して別居期間が既に4年を経過していることを考慮しても、夫と妻との結婚関係は破綻しているとまではいえません。 |
原文 | 主 文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事 実 第1 当事者の求めた裁判 1 請求の趣旨 (1)原告と被告とを離婚する。 (2)訴訟費用は被告の負担とする。 2 請求の趣旨に対する答弁 主文と同旨 第2 当事者の主張 1 請求原因 (1)原告(昭和41年○月○○日生)と被告(昭和42年○月○○日生)とは,平成10年3月2日に婚姻の届出がされ,戸籍上夫婦となっている。 (2)離婚原因 ア 婚姻届提出までの経緯 (ア)原告は,平成9年12月28日,原告の友人であるA夫婦から被告を紹介された。原告は,翌日,被告から誘われてデートをし,その帰りに,原告が被告を自宅まで車で送っていったが,被告は原告に部屋に寄っていかないかと誘い,部屋に入った原告にビールを勧め,それを飲んで運転できなくなった原告は,そのまま被告宅に泊まり,その夜に原告と被告とは性的関係を持つことになった。 (イ)原告は,被告に対して,現在,交際している女性が日本にいるがその女性からは原告の生活環境から結婚についてもっと考えたいと言われているという話をしたところ,被告は話を熱心に聞いてくれ,原告に強い好意を示す態度であったので,原告は,将来お互いにふさわしいと思えるならば結婚するという前提で今後交際しようということを被告に話し,被告もこれに同意した。 (ウ)原告と被告とは,平成9年12月31日にも深夜までデートをして,原告の実家の原告の部屋で大晦日を過ごし,元旦には,原告は被告の強い要請から原告の両親に被告を紹介すると,被告は既に結婚が決まったような態度で両親に挨拶したので,原告も両親も驚いたが,原告としてはその場で被告に恥をかかせるわけにもいかず,結婚の約束をしていないということを告げなかった。 (エ)原告と被告とは,平成10年1月2日,A夫婦と会ったが,この際も被告は勝手に結婚することになったと告げ,原告は被告のやり方に違和感と不快感を覚えたが,敢えてそれを明確に否定しなかった。 (オ)原告は,同年1月3日,被告から,まず父親に会って欲しいと言われ,被告の父親に会うと,妹弟とその家族が全員集合しており,既に結婚は決定したことになっており,さらに,被告の母親に会ったところ,喜びの涙を浮かべていたことから,何も言えなくなり,そのまま被告家の墓参りや,被告が世話になったという近所の家へ結婚の報告に連れていかれた。 (カ)同月4日,原告は,勤務地である英国に戻った。英国に戻る前,原告と被告とは,婚姻するかどうかは,被告が一度ロンドンに来て原告の生活状況を知り,お互いにふさわしい相手かどうかよく考えてから決めようという話をしていた。ところが,被告が,同月5日に,婚姻届用紙を速達で郵送したいと連絡してきたので,原告は,出発前に話したことを繰り返し,とにかくまずロンドンに来て話をしようと言って思いとどまらせた。 (キ)被告は,同年2月5日から22日にかけて,ロンドンの原告のアパートに滞在し,その際,被告は不要な数多くの食器類まで持参し,それらを残して帰国した。 (ク)被告の滞在が終わる前日に,原告は,求められるままに被告が持参した婚姻届に署名したが,印鑑がないからと言って押印はしなかった。 (ケ)被告は,同年3月2日,原告の母親を訪問し,署名済みの婚姻届を母親に示し,原告署名部分への押印を求めた。原告の母親は原告の署名であることを認識しこれに押印したの さらに詳しくみる:押印を求めた。原告の母親は原告の署名であ・・・ |
関連キーワード | 離婚,浮気,不倫,調停,暴力 |
原告側の請求内容 | ①妻との離婚 |
勝訴・敗訴 | 全面敗訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
400,000円~600,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所判決/平成14年(タ)第98号 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「妻は夫への愛情があり、夫と妻の結婚関係はまだ破綻していないとして離婚が認められなかった事例」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判を起こしたのは、妻(原告)であり、裁判を起こされたのは、その夫(被告)です。 1 結婚 妻と夫は平成11年2月4日に結婚の届出をし、平成12年に長男の太郎(仮名)が出まれました。 2 夫婦で家業を手伝う 妻と夫は結婚後、賃貸マンションに独立の世帯を構え、共に夫の父が経営するBストアで弁当・惣菜等の販売及び飲食店業に従事しました。 3 妻の不満 妻としては金額的にも自己の労働の対価としても不満があり、そのことのために次第に夫の両親との折合いが悪くなり、ひいては夫との夫婦仲も冷めていく結果となりました。 4 新居購入 平成13年8月に新たに自宅(中古住宅)を購入したものの、夫婦仲が回復することはなく、夫は実家で夕食をとって帰宅も遅くなり、夫婦の会話もみられない状態となりました。 5 妻が家業をやめる 妻は、給料(又は小遣い)の不満から、(夫から「もう働らかなくてよい」といわれたにせよ)平成13年10月をもってBストアの業務に従事することを確定的に放棄し、夫に相談することもなく翌月から近所のスーパー・Cに勤務するようになりました。 6 夫と妻の別居 平成14年4月12日ころの朝、妻が「子供の面倒は見ないので、そっちでみやがれ」との書置き(但し、ローマ字表記のもの)を残して出勤したため、夫は、ほぼ確定的に夫婦関係の継続を諦め、その日のうちに長男の太郎を連れて実家に戻って妻と別居することになりました。 7 妻が調停を申し立てる 妻は、別居開始まもなく家事調停を申し立て、その過程で長男の太郎との面接交渉や結婚費用分担についての調整も試みられましたが、解決のため互いに歩み寄る方向には進まず、遂に夫は妻がCの社長と遊んでいることに業を煮やし、平成14年8月11日ころ鍵を交換して自宅から妻を閉め出すという実力行使に出ました。そのため、妻としてはまず自分の住居を確保することに専念せざるを得なくなり、家事調停の続行を断念することになりました。 8 妻が再度調停を申し立てる 妻は平成14年11月ころ、再度家事調停を申し立てたが、夫が出頭しなかったため平成15年2月14日同調停は不成立に終わりました。 9 長男の太郎のその後の生活 妻と夫の別居後、長男の太郎は、朝食後夫に連れられて保育園に行き、夫の妹に迎えられて夜まで妹家族と過ごし、夫の終業後は朝まで夫と、その両親(祖父母)と過ごすという生活を送っています。 |
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判例要約 | 1 離婚の大きな原因は妻にある 妻と夫が別居した理由については、妻の我がままな振舞いに起因するところが大きいが、夫が自宅の鍵を交換して妻を閉め出したことは社会通念上是認できるものではありません。ただし、夫も結婚関係が破綻していることを踏まえて離婚に同意しているため、離婚請求が認められました。 2 長男の太郎の親権者を夫と認める 夫が愛情をもって積極的に太郎の養育に当たっており、養育環境にも問題はなく、夫側での養育環境と比べてみた場合、妻側での養育環境には経済的にも生活環境的にも不安定な要因が多いといわざるを得ません。したがって、母親が子を監視保護、養育し親権者となることが認められない特段の事情があるともいえるため、太郎の親権者として夫を指定するのが相当です。 3 妻の慰謝料請求の一部を認める 妻を自宅から追い出した行為で、夫は妻の精神的損害について慰謝料を支払うべき責任があり、その経緯(結婚破綻については妻にも相応の責任がある。)、結婚期間、家事調停におけるその後の夫の不誠実な対応等を考慮すると、その金額は1,000,000円が相当です。 4 訴訟費用 訴訟費用は、これを2分割して、その1ずつが妻と夫の負担となります。 |
「パパ」に関するネット上の情報
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