離婚法律相談データバンク 「被害者」に関する離婚問題事例、「被害者」の離婚事例・判例:「妻の借金、根拠のない浮気追及による結婚生活の破綻」

被害者」に関する離婚事例・判例

被害者」に関する事例:「妻の借金、根拠のない浮気追及による結婚生活の破綻」

「被害者」に関する事例:「夫の浮気は妻との婚姻関係が破綻した後であるとして、夫からの離婚請求を認めた判例」

キーポイント 離婚の原因を作った者からの離婚請求を裁判所は認めないという大原則があります。浮気をした者からの離婚請求でも、その浮気が婚姻関係破綻の後なのか、前なのかによって、離婚請求が認められるかどうかが変わってくるのでポイントとなります。
事例要約 この裁判を起こしたのは夫(原告)で、裁判を起こされたのは妻(被告)です。
1 結婚
夫と妻は平成2年3月18日に結婚しました。
二人の間に子供はいませんが、妻は甥のサトシ(仮名)との間で養子縁組をしています。
2 借金
妻の銀行口座は平成4年4月15日に250万円が引き出された後は1000万円を越える預金がされたことはなく、平成4年の末には数千円程度でした。また、他の銀行口座も平成4年に入ってからは多額の引き下ろしが繰り返されて急激に残高が減少し、平成4年の末には2万円に満たない額しか残っていない状態でした。
平成8年から平成9年1月にかけて、妻は夫に無断で数件の貸金業者からお金を借りました。
平成11年以降、妻は高い金利を取る貸金業者からお金を借りるようになりました。これらの借り入れの中には夫の了承を得ることなく夫を保証人としたものがありました。
3 夫婦仲
平成11年の初めころ、妻は夫の了承を得ることなく勝手に自宅にサトシを同居させました。その後サトシは居間を自分の部屋として独占的に使うようになりました。
夫はサトシに退去を求めましたが、サトシはそれに応じませんでした。
その結果夫は居間に立ち入ることができず、会社から帰宅した後、妻と一緒に使用していた寝室にて、ダンボールをテーブル代わりにして妻が作った食事を食べるようになりました。
4 夫の浮気に対する妻の疑惑…
平成11年8月ころから、妻は夫が浮気をしているのではないかと疑い、夫を問い詰めるようになりました。「浮気を白状しないと殺すぞ。」「死んでやるぞ。」などと執拗に追及するようになりました。
加えてサトシの同居や、夫が支払っている妻の借金のことなどもあり、夫と妻はほぼ毎日言い争うようになりました。
5 夫の浮気
夫は平成12年5月ころからケイコ(仮名)と交際を始め、肉体関係を持ちました。
6 別居
夫と妻は平成12年5月夜、サトシを加えて口論になりました。怒りでサトシが夫に包丁を突きつけるなどして脅迫したことから、夫は翌日警察に避難して、その後妻と別居することになりました。
夫は現在ケイコと同棲しています。
判例要約
1 婚姻関係は破綻している
夫と妻は平成12年8月6日以降、約2年9ヶ月に渡って別居を続けています。
夫は平成12年5月から交際しているケイコと同棲しており、妻との婚姻関係を継続する気持ちが全くありません。
このような状況を考えると、夫と妻の婚姻関係は完全に破綻しているといえます。
2 夫からの離婚請求を認める
夫とケイコは平成12年5月から交際を始めたと認められます。夫とケイコの交際は夫が妻と離婚してない以上浮気に当たりますが、夫と妻の婚姻関係は妻による多額に借金や、根拠のない追及を始めとする口論等による愛情の喪失を主な原因をして、夫がケイコと交際を始める前の平成12年1月ころには完全に破綻していたため、夫の浮気は妻との婚姻関係破綻の原因になったとはいえません。
よって、夫の離婚請求は「離婚の原因を作ったものからの離婚請求を裁判所は認めない」という大原則に当てはまらず、認められます。

原文 主   文

  1 原告と被告とを離婚する。
  2 訴訟費用は被告の負担とする。

       事実及び理由

第1 請求
   主文同旨
第2 事案の概要
   本件は,原告が,婚姻を継続し難い重大な事由(民法770条1項5号)があると主張して被告との離婚を求めたのに対し,被告が,原告の不貞行為によって婚姻関係が破綻に至ったものであり,有責配偶者からの離婚請求は認められないと主張して争っている事案である。
 1 前提となる事実等
 (1)原告は,昭和38年○月○日生まれの男性であり,被告は,1953年(昭和28年)○月○○日生まれの中国国籍を有する同国台湾省出身の女性である(甲1,2,12)。
 (2)原告と被告とは,平成2年3月18日,日本国の方式により婚姻した(甲1)。
 (3)原告と被告との間に子はいない(甲1)。ただし,被告は,同人の甥のA(1975年(昭和50年)○月○○日生。以下「A」という。)との間で養子縁組をしている(甲7,12)。
 (4)被告は,日本における通称として,B又はCという名を使用し,Aは,同じくDあるいはEという名を使用している(甲5ないし7,12ないし18)。
 (5)原告は,平成12年8月6日,被告と同居していた住所地の建物(以下「本件建物」という。)を出て,以来現在に至るまで別居している(甲7,乙13,原告本人)。
 2 争点
 (1)婚姻を継続し難い重大な事由の存否
  (原告の主張)
    原告と被告との婚姻関係は,以下の事情により完全な破綻状態となっており,婚姻を継続し難い重大な事由がある。
   ア 被告による原告名義の多額の借財等
   (ア)被告は,原告との婚姻当時,原告にはその詳細を教えないまま飲食店を経営していたが,いわゆるバブル経済が崩壊した後,その飲食店の経営が破綻し,加えて,平成3年ころから競馬,賭博ゲーム等のギャンブルを頻繁に行うようになったので,借入金が増加し,台湾の実家からの援助でも負債を整理できなくなった。このため,原告は,平成4年ころから原告名義の財形貯蓄,クレジットカードローン,銀行ローンにより資金を調達し,その全額を被告に渡して負債整理に充てた。
   (イ)被告は,事業に失敗したために中国マフィアから借り入れた金銭の支払に充てるなどと称し,平成8年ころから,原告に無断で,原告名義を冒用して消費者金融会社7社から総額250万円の借入れを行った。これらの借入金についても原告が返済せざるを得なくなり,原告は,現在もこれらの債務の返済を継続している。
   (ウ)さらに,被告やAは,平成11年ころからは,原告に無断で,かつ,その使途を原告に知らせないままに原告を保証人とする保証契約を締結し,いわゆる高利貸から金員を借り入れた。結局,被告及びAは返済できなくなり,原告は,この債務も弁済した。
   (エ)このように,被告は,原告に使途を教えないままに多額の借財を重ねる一方,その返済を行わなかった。このため,原告の勤務先にまで支払の請求がくるようになり,原告は,執拗な請求を避けるため,債務の返済をすべて負担することとなった。
   イ 被告の猜疑的な性格等
     被告は,平成11年8月ころから,根拠もないのに原告が不貞行為をしていると疑い,仕事で疲れて帰ってきた原告に対し,連日「不倫はやめてくれ。相手は誰なのか。」,「浮気の相手を白状しないと殺すぞ。」,「死んでやる。」などと執拗に責め立てるようになり,このような追及は平成12年に入っても続いた。
     以上のような   さらに詳しくみる:連日「不倫はやめてくれ。相手は誰なのか。・・・
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原告側の請求内容 ①妻との離婚
勝訴・敗訴 全面勝訴
予想裁判費用
(弁護士費用)
400,000円~600,000円
証拠 1.住民票
・浮気相手と同居していることを証明するもの
2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書
・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの
3.写真、録音テープ、ビデオテープ
・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など
4.探偵社等の調査報告書
・相手の浮気を証明できるもの
5.クレジットカードの利用明細・領収書
・飲食店・ホテルなどの利用記録など
6.パソコン・携帯電話のメール、手紙
・浮気相手とのやり取りを証明できるもの
審査日 第一審 東京地方裁判所判決/平成13年(タ)第770号
第二審 なし
第三審 なし

上部の「妻の借金、根拠のない浮気追及による結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例

事例要約 この裁判を起こしたのは妻(原告)であり、裁判を起こされたのは夫の浮気相手の佐藤:仮名(被告)です。

1 結婚
妻と夫は昭和42年春同期のアナウンサーとしてB株式会社に入社し、昭和44年10月28日に結婚しました。妻は長男の太郎(仮名)を出産したのを機にB株式会社を退社して専業主婦になりました。
2 夫の不満…
夫は妻と結婚後、妻が自宅の掃除や家事を十分にしない等不満を抱いていました。
しかし、おおむね平穏な結婚生活を続けていました。
3 夫の浮気
佐藤は大学在学中の昭和63年8月、B株式会社の子会社に入社するための試験の際に始めて夫に会いました。
佐藤は昭和63年10月からB株式会社でアルバイトとして働き始めてその後夫と交際し、性交渉を持つようになりました。
佐藤は、家庭を持っている相手と交際していることを当時から自覚していました。
4 夫と佐藤との関係
平成2年以降、夫と佐藤との交際は深まり、少なくとも週に2・3回は会うようになりました。夫は佐藤に対して、妻と離婚する意思があることを告げていました。
5 佐藤がお見合いをする
平成8年2月ころ、佐藤は友人の紹介で2回お見合いをして結婚の申し込みを受けました。しかし、夫から結婚の意思を告げられ説得されたため、夫との交際を続けることにしました。
6 夫の浮気が妻に発覚
平成8年5月ころ、妻は友人から夫が他の女の人と交際していることを知らされました。
夫は妻に佐藤と交際していること告げました。
7 夫の単身赴任
夫は札幌に単身赴任することになったため、佐藤に対して札幌に引っ越すように求めました。佐藤は平成10年10月に退職して、11月に札幌に引っ越しました。そして、夫の住むマンションの別室に住むようになりました。夫は同じマンションに佐藤が住んでいることを妻に知らせませんでした。
夫は単身赴任後も妻に対して自分のスケジュール表を渡したり、3ヶ月に2回程度自宅に戻った時には妻と友人と会食をするなどしていました。妻も年に2回程度札幌を訪ねました。
8 夫と佐藤との関係が続いていることが妻に発覚
平成10年10月に妻が夫のマンションに来ていた時、佐藤の荷物の発送の問い合わせを受けて、夫に問い合わせましたが、夫は佐藤がパリにいて荷物の受取を頼まれていると説明しました。妻は疑問に思い弁護士に依頼して調査したところ、佐藤が夫と同じマンションに住んでいることを知りました。
9 夫が妻に対して離婚を求める
夫は平成11年10月6日に弁護士を通じて妻に離婚を求めました。妻は平成11年10月19日に弁護士を通して、佐藤に対して夫との同棲を中止して慰謝料1億円を支払うように求めました。
10 自宅を妻に明け渡す
平成12年1月13日に夫は佐藤と男女の関係になったことで、妻に迷惑をかけたことを謝りました。また、佐藤と縁を切って、妻に対する慰謝料として自宅の土地建物の夫の持分全部を妻に移すことなどを内容とする協定書にサインし、自宅を妻に明け渡す手続きをしました。
11 妻の自殺未遂
平成12年8月4日に妻は大量の睡眠薬を飲み自殺を図ったが、未遂に終わりました。
12 公正証書の作成
平成12年9月8日に夫・妻それぞれ弁護士を立て、協定書に基づいて公正証書を作成しました。公正証書とは、法律上完全な証拠力を持っていて、契約した内容を相手が行わなかったときには、その内容を強制的に行わせることもできる強い力を持った書類のことです。
その内容は下記の通りです。
①夫は佐藤との縁をすみやかに切って、妻とその家族が平安を取り戻すような具体的な行動、最善の努力をすることを妻に約束した。
②夫は妻に対して慰謝料として6,000万円の支払い義務があることを承認して妻に対して下記の通り支払うことを約束した。
・3,000万円については、お金を支払う代わりに自宅の土地建物の夫の持分全部を妻のものとすること。
・残りの3,000万円は平成16年7月11日か夫がB株式会社を退職するのとどちらか早い時期に支払うこと。
③公正証書作成や土地建物を妻の所有物にするための手続きにかかる金額、税金は全額夫が負担する。
④この契約を守らない時は強制的に執行を受ける。
14 夫と佐藤の関係継続中…
平成13年3月、夫は別のマンションの一室を購入して引越し、佐藤も夫の住む居室に引越しました。夫と佐藤はその後も同居を続けています。
15 妻は夫から3,000万円の支払を受ける
平成13年3月31日に夫はB株式会社を退社しました。
平成13年4月に妻は夫に対して公正証書に基づく3,000万円の支払いを求めました。
妻は平成14年6月27日までに夫より全額の弁済を受けました。
判例要約 1夫の浮気相手佐藤への慰謝料請求は認められない
佐藤が妻に対して責任を負うことは明らかであると裁判所は認めています。
しかし、夫と佐藤のした行為に関しては、夫のした賠償によって妻の精神的損害が回復される点で密接な関係があると考えられます。夫が妻に対して不動産の持分全部を引渡し、3,000万円を支払ったことにより、十分に妻は慰謝料を受けていると考えられるというのが裁判所の判断です。

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