「見方」に関する離婚事例・判例
「見方」に関する事例:「夫婦の性格が合わないことによる結婚生活の破綻」
「見方」に関する事例:「性格の不一致、価値観の違いという理由で離婚が認められた判例」
キーポイント | 性格が合わなかったり、両者の価値観の違いによる離婚は結構よくある話ではありますが、ではどの程度両者の性格が合わなかったり、また価値観に相違があると離婚が認められるのかについて、判断を下した判例です。 |
---|---|
事例要約 | この裁判を起こしたのは、夫であり、裁判を起こされたのは、その妻です。 1.結婚前の職業 夫は、婚姻前から現在まで、郵便局において集配を担当しており、妻は夫との婚姻前は、薬局においてパート勤務でしたが,夫との結婚を機会に辞め、現在は無職です。 2.前夫の存在 妻は、前夫の山田(仮名)との間に長女(平成7年7月31日生)をもうけましたが、同前夫との離婚後は、親権者として山田が長女を養育してきました。 3.結婚と前夫との子供の養子縁組 夫と妻は、平成13年11月10日に田中(仮名)の仲介で知り合い、交際するようになりました。その後、長女が夫になついたことので,長女の小学校入学までに結婚と長女の養子縁組の手続を済ませることを約束し、平成14年2月3日に両届出を済ませ,同年3月12日から同居するようになりました。 4.夫婦の別居 夫は、平成14年6月17日に妻らと同居していた家を出て、実家に戻りました。以後、夫と妻らとの別居が続いています。 5.夫婦別居の理由・・・性格の不一致? 夫と妻との間には、同居後に次のような出来事がありました。 ①妻は夫に対し、湯船にタオルを入れて入浴するという夫の風呂の入り方や、部屋にこもってパソコンゲームをすることといった夫の日常生活の態度に文句を言うことが多くなりました。 ②夫の休日に、家族3人が揃って外出することはあまりありませんでした。夫が平日に休みの日でも、妻は夫と行動をともにするのではなく、友人と会う予定を入れて外出することが多くなりました。 ③妻が夫に教えなかったため、長女の入学式、父親参観へ出席する際も、日時が分からなかった夫は参加することができませんでした。 ④夫は、妻との結婚後、その費用の大半を出して自動車を購入しましたが、日頃はほとんど妻がその管理をしており、夫が使用したいときに使用できないということがありました。 ⑤夫と妻は、結婚前から2~3年後には新築住宅を購入しようと話し合っていましたが、夫の休日に家で自宅の購入についての話題がでたとき、夫と妻との間で、夫の部屋を設けることに関して口論となりました。 ⑥平成14年4月ころ、夫と妻は何回か円満な夫婦生活を試みましたが、満足した成果を得ることができずに、その後、別居するまで円満な夫婦生活は続きませんでした。 6.夫と妻の家庭での力関係 妻は、自分の言いたいことをはっきりと言う性格で、日常生活について細かい点についてまで夫に対し積極的に思ったことをストレートな表現で告げていました。夫は、これを快く思っていませんでした。 一方、夫は気弱でおとなしい性格であり、妻に対して自分の言い分をきちんと主張することができず、言いたいことがあっても内に秘めてしまいがちで、自己主張することなく妻の言い分に従っていました。妻は、夫が親離れできておらず、自分の意思をもっていないと感じていました。婚姻生活の主導権は、完全に妻が握っていました。 7. このような結婚後の生活の中で、夫は次第に精神的に萎縮してしまい、過大なストレスを感じるようになりました。このことが原因で家庭生活だけでなく仕事にも支障が生じるようになりました。そこで、夫は平成14年5月17日に神経外科Aで診察を受けます。その結果、夫婦間のいざこざによる動悸、不安、焦燥感、劣等感、睡眠障害の症状が認められ、心因反応と診断されました。その後、同病院に通院しましたが、平成14年6月に入っても夫の症状は改善せず、別居後の同年7月24日時点においても、引き続き通院が必要な状態でした。 一方、妻は、このような夫の精神状態に配慮をすることもなく、夫に対する従前どおりの接し方を変えませんでした。これに対し、夫は妻の理解のなさを感じていました。 |
判例要約 | 1.結婚生活の基本 結婚生活は、目の前にある障害を二人で乗り越えながら、さらなる絆を深めていくべきものなので、夫婦は、さまざまな問題を克服すべく、お互いが対等な存在であることを尊重し、十分な話し合いを尽した上で、お互いの考え方や立場を尊重し、信頼関係を深めていく努力をしなければなりません。夫婦間の話し合いは、結婚生活の中でも非常に重要なことであり、性格の不一致や価値観の違いで衝突をしてしまっても、話し合いを繰り返し、結婚生活の課題を乗り越えながら家族の絆を深めていくということを行わなければなりません。 2.婚姻生活が破綻した原因 夫婦間の話し合いが不十分であったことが大きな原因でしょう。このように話し合いが不十分であったことについては、気弱でおとなしく、自己主張もすることなく、妻の言い分に従ってしまう夫の性格がその原因の1つとなっていると考えられます。妻としても、結婚後は夫の内向的で言いたいことを素直に言えない性格を知っていたにもかかわらず、話し合える雰囲気を作るなど、自ら進んで結婚生活を維持するための努力をした形跡はありません。しかも、上記「事例要約 7項目」のとおり、夫が妻との結婚生活の中で、次第に精神的に萎縮し、過大なストレスを感じるようになり、夫婦間のいざこざによる動悸、不安、焦燥感、劣等感、睡眠障害の症状が現れた後でも、夫の症状に配慮せず、夫に対する従前どおりの接し方を変えることはありませんでした。結婚生活の主導権を握っていた妻としては、自らの考え方・やり方を必要以上に強要するのではなく、夫の立場にも配慮して夫婦関係を維持するよう努力すべきでした。 これらのことから、今回の離婚請求の原因はどちらか一方にあるのではありません。 3.裁判所の判断 別居後、調停と今回の裁判において、話し合いの機会が何度か設けられましたが、夫婦関係を維持する方向での話し合いをすることは結局最後までできませんでした。今回の裁判で夫婦双方の言い分、夫婦の態度などを見ましたが、夫婦双方に今後円満な夫婦関係を築いていくとの意欲や展望はうかがわれず、加えて、夫婦双方の性格、物の考え方、見方の違いを併せて考えれば、今後、夫と妻が正常な夫婦関係を築きあげていくことは困難でしょう。そうすると、離婚請求を認めて、財産などの金銭的に精算すべきものがあれば精算をし、双方に新たな出発の機会を与える方が、お互いの将来にとって利益と言うべきです。また、夫と妻との離婚を認める以上、夫婦間の円満な関係の存続を前提としてなされた夫と長女との養子縁組についても離縁を認めるべきです。 |
原文 | 主 文 1 原告と被告とを離婚する。 2 原告とA(平成7年7月31日生)とを離縁する。 3 訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 主文同旨 第2 事案の概要 本件は,夫である原告が妻である被告に対し,婚姻を継続し難い重大な事由 があるとして,民法770条1項5号に基づき離婚を求めるとともに,同法814 条1項3号に基づき養子であるAとの離縁を求めた事案である。 1 前提事実 (1)原告(昭和42年5月10日生)と被告(昭和46年1月7日生)は,平 成14年2月3日に婚姻の届出をした夫婦である(甲1)。 (2)A(平成7年7月31日生)(以下「A」という。)は,被告と被告の前 夫Bとの間の子であるが,父母の離婚後は母である被告がその親権者となり,被告 の下で育てられた。原告と被告は,平成14年2月3日,原告と被告との婚姻を機 に,被告をAの代諾者として,Aを原告の養子とする旨の養子縁組の届出をした。 (甲1) (3)原告は,被告を相手方として夫婦関係調整調停(神戸家庭裁判所平成14 年(家イ)第875号)及び養子縁組調停(同裁判所平成14年(家イ)第970 号)を申し立てたが,いずれも不成立により終了した(弁論の全趣旨)。 2 原告の主張 (1)原告は,郵便局において集配の業務に従事している者であるが,平成13 年11月10日,Cの仲介により,薬局でパート勤務をしていた被告と知り合い, 交際するようになった。その後,原告と被告は,Aが原告に懐いたことから,Aの 小学校入学までに婚姻届出及び養子縁組届出をすることとし,平成14年2月3日 に両届出を済ませ,同年3月12日から同居を開始した。 (2)原告と被告との婚姻生活の状況は,次のア~キのとおりであり,被告は, 自らの生活習慣を一方的に押し付け,原告の些細な日常生活の態度にも苦情を言い 続け,これに対し,原告は,原告にとっては初めての結婚生活であり,夫婦・親子 として円満な家庭生活を望んでいたことから,被告の生活習慣に合わせるよう最大 限努力したが,被告はこれを理解しようとせず,夫婦は相互に譲り合うべきだと述 べる原告に対し,「結婚生活はそんなに甘くない。私は私の考えのとおり,変える つもりはない。」と言って,自らは全く譲歩しようとせず,また,原告の健康状態 にも全く配慮しようとしなかった。 ア 原告が「日頃,外で仕事をしているので,休みの日には自宅でのんびり 過ごしたい。」と言ったところ,被告は「私は外に出るのが好きだから,あなたは 家で好きなようにして。」と述べ,週末は原告に声をかけることなく,Aと2人だ けで被告の実家に行くようになった。また,原告は平日が休日になることが多かっ たが,そのような日に被告は,必ず友人と会う予定を入れて頻繁に外出した。結 局,家族3人で出かけることは,3,4回しかなかった。 イ 原告は,Aの入学式に出席するため休暇をとっていたが,被告から出席 を拒否され,入学式には参加できなかった。また,被告から父親参観などのAの学 校行事の日程も知らせてもらえなかった。 ウ 原告は,被告との婚姻後,その費用の大半を原告が出して自動車(新 車)を購入したが,日頃はもっぱら被告が使用していた。たまに,原告が休日に自 動車に乗ろうとすると,「娘を病院や塾に送り迎えするから使わないで。」と言わ れ,原告はやむを得ず被告に従っていた。原告の友人が横浜から帰省したとき,車 を使いたいと言ったときも,被告から使用を拒否された。 さらに詳しくみる:動車(新 車)を購入したが,日頃はもっぱ・・・ |
関連キーワード | 離婚,親権,性格の不一致,別居,養子縁組 |
原告側の請求内容 | 離婚請求 |
勝訴・敗訴 | 全面勝訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
予想弁護士報酬:300,000円~500,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 神戸地判平成15年5月30日(平成14年(タ)126) 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「夫婦の性格が合わないことによる結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判は夫(原告)が妻(被告)に対して起こした裁判です。 それに対し、妻(反訴原告)が夫(反訴被告)に対して裁判を起こしました。 1 結婚 夫と妻は平成5年9月に結婚の届出をし、二人の間には長女のまい(仮名)と長男のたけし(仮名)と次男のひろし(仮名)が生まれました。 夫と妻は、はじめは二人とも仕事を続けて、家計と家事を半分ずつ負担することを約束しました。 2 暴力 妻は飲酒が好きで、それに対して夫は不満を抱いていました。その他にも、整理整頓などの日常習慣・金銭感覚・ジェンダーフリーの考えに、 夫は同調できず、喧嘩をすると、柔道4段を持つ夫に力でまける妻が刃物を持ち出すこともあり、平成8年には殴り合いのケンカの末、妻が出血して救急車を呼ぶこともありました。 3 結婚費用 夫と妻は平成7年ころに中古のマンションを購入し、2分の1ずつの持分で登記をし、住宅ローンも半額ずつ負担しましたが、 妻はまいの出産や会社の経営の悪化で、住宅ローンの負担ができなくなりました。また家計のやりくりも難しくなり、 夫は妻に対して婚姻費用分担の調停を行い、妻に生活費を入れるように求めました。 4 家庭内暴力 平成10年には夫は離婚を考え、離婚届けに記入をして持っていました。 妻は、夫が自分の意見を聞かないことに不満を持ち、夫の腹部に10数本の浅い傷をつけました。夫はこれに怒り、警察に家庭内暴力として相談にいきました。 5 別居 平成13年5月、妻はひろしの入院費用のことで夫と言い争いになり、妻はまいとたけしとひろしを連れて家出をしました。 その後、両夫婦は別居を続けています。 6 調停 夫は、妻が家を出た平成13年5月7日、夫婦関係調整調停を行い、離婚の請求と子供達の親権者を夫とすることを求めました。 7.裁判 夫と妻はどちらも離婚と親権を求めて裁判を起しました。また、妻は養育費と財産分与も求めています。 |
---|---|
判例要約 | 1 夫と妻両方が求める離婚を認める 夫と妻は平成13年から別居し、実際に結婚生活は終わっていると言えます。 価値観や日常生活の違いによって関係が悪化したとして、お互いの請求する離婚が認められました。 2 親権・養育費・財産分与 親権については、すでに子供を養育する環境ができており、兄弟の関係もあるので、まい・たけし・ひろしはそのまま妻が養育することとされました。 またその養育費は、夫が妻に、子供一人につき8万円を支払うこととなりました。 財産の分与は、二人の財産を合わせた1,211万8,946円の2分の1にあたる、605万9,473円となりました。 |
「見方」に関するネット上の情報
冷え性の強い見方 【洗える袖付ブランケット】
その強い見方になりそうなのが、【洗える袖付ブランケット】。袖が付いていると便利ですよね。上記の写真のように、本を読んだり、パソコンを操作するときなんかにいいと思い...
自分のものの見方に固執しない
自分のものの見方が正しいと思い込んでいます。そして、自分のものの見方を防衛するために、他人にものの見方を強制したり、説得したりし続けているのです。しかし、こんな行為は時間のムダ以外の何物でもありません。なぜなら、100人いれば100通りのものの見方...
見方を変える
他の見方があることを忘れがちである。そしてゆきづまったという。ゆきづまらないまでもムリをしている。貧困はこんなところから生まれる。わたしたちはもっと自在でありたい。自在にものの見方を変える心の広さを持ちたい。何ごとにも一つに執すれば言行公正を欠く。深刻な顔をする前に、ちょっと視野を変えてみることがよい。それで悪ければ、また見方...