「選択」に関する事例の判例原文:夫の海外転勤による結婚生活の破綻
「選択」関する判例の原文を掲載:告は,平成8年早々から長期出張の形でニュ・・・
「海外転勤と離婚請求」の判例原文:告は,平成8年早々から長期出張の形でニュ・・・
| 原文 | 原告は,購入したばかりの新居を売却し,米国への赴任の準備をした。原告は,平成8年早々から長期出張の形でニューヨークに移動し,被告は,後片付けなどをした後,同年8月にニュージャージー州に購入した家に引っ越した。引っ越して間もなく,被告は,床に足を取られて転倒し,左手首を骨折してしまったが,原告に連絡して病院へ連れて行ってもらったが,被告は,原告が不機嫌な態度を示したとして不満を抱いた。 (4)原告は,平成8年秋の健康診断で前立腺ガンの疑いがあると判明し,平成9年4月初め,手術を受けた。原告は,約3週間自宅で療養していたが,間もなく日本本社への帰任の辞令が出された。原告は,本社への辞令が出されると,被告と夫婦二人で日本に帰国することを考えたが,被告は,飼い犬が寒冷地産の大型犬であり,日本に連れて帰ることはできないとして反対した。その結果,とりあえず被告はカナダに戻り,原告が東京へ単身赴任する形をとることとなり,原告と被告は,平成9年5月ころから家探しを始め,本件不動産を夫婦共有名義(各持分2分の1)で購入した。この際,原告は,別居には不満であったが,被告は一度言い出したら考えを変えない性格であるから説得は無理であると考えて,被告との別居に応じ,他方,被告は,日本への帰国後の住居について,原告と原告の母親が勝手に話を進めているものと考えて不満を抱いた。 (5)別居後,夫婦で出席する会社関係の会合等のために被告が日本に帰国したり,逆に原告がカナダを訪問することもあったが,原告は,被告が原告と行動を共にする期間を除いて,被告による生活上の支援を受けることなく,単身での不自由な生活を送ることとなった。 (6)平成11年には飼い犬が死亡し,被告は,日本での滞在日数が長期間となるようになったものの,原告との同居をすることもなく,カナダに留まったままであった。その後,被告が本件不動産の管理が大変であると原告に告げるなどしたため,原告と被告は,平成13年5月ころ,トロントでマンションを探すなどしたが,その際に原告から離婚を求めるようなことはなかった。しかし,その後,原告は,被告との離婚の決意を固めて,同年7月,ファクシミリで初めて離婚を切り出し,同年8月に再びカナダを訪れて,被告に対し,同居するか離婚するかの選択を迫った。 2 離婚請求について 原告と被告は,平成9年7月以降,それぞれ日本とカナダに居住し,別居を開始したが,その別居は,内心はともかく当事者間の合意のもとに始められたものであって,婚姻関係が破綻したものとはいえない。しかしながら,この別居については,被告が,飼い犬のために日本への帰国を拒絶したことに端を発しているところ,その飼い犬が死亡した平成11年以降も,被告は原告と同居しなかったものであり,同居を妨げる事情が解消された後にも別居を継続しており,この間,原告は単身赴任生活を強いられて不自由な思いをしてきたことは明らかであり,これに対して,被告が何らの痛痒も感じなかったとすれば,すでに原告と被告との間の婚姻関係は破綻の危機に瀕していたものというべきである(被告は,それ以前から,原告の態度に対して不満を抱くことが度々あったものである。)。この点,被告は,老後(原告の定年後)の生活について,その本拠地や形態について原告が話合いに応じなかった旨を主張し,本人尋問や陳述書にも同様の供述や陳述記載がある。確かに,原告と被告の海外赴任生活が長期間となっていた事情から,老後の本拠地をどこに定めるかは単純に決せられない性質のものであったともいえるが,同居義務は婚姻関係の基本をなすものであって,本来,同居を妨げる事情が解消した場合にはお互いに同居することを前提に行動することが本来のあり方であると さらに詳しくみる:いうべきであり,この時点において,日本で・・・ |
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