「夫の不倫と借金」に関する事例の判例原文:夫の浮気による結婚の破綻
「夫の不倫と借金」関する判例の原文を掲載:老保険の解約金から,婚姻費用として費消し・・・
「夫の浮気により妻が請求する離婚、子供の親権、慰謝料、財産分与と養育費の支払いが認められた事例」の判例原文:老保険の解約金から,婚姻費用として費消し・・・
| 原文 | 会社を退職したが,この退職金について,原告は殆ど財産形成をしていないこと(在職年数19年間のうち婚姻期間は3年間である。),⑤原告は,原告が持ち出した養老保険の解約金から,婚姻費用として費消したとする内訳中に,離婚調停,離婚訴訟,交際費等およそ婚姻費用とは言えないものまで含めており,養老保険の解約金は,実質的には財産分与を含むものであるといえること,⑥原告は,別居をして同居義務に違反しており,被告は,原告に対して慰謝料請求をすることができると言えることなどから,これを相殺勘定すべきであることを考慮するべきである。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)[離婚原因の有無]について 証拠,(甲4,5,原告本人,被告本人)及び弁論の全趣旨によれば,被告が原告との婚姻中に,外国人女性や被告の勤務する会社の同僚であるDと不貞行為に及んだこと(特に,Dとの関係は一定期間継続していた。),そして,原告と被告の婚姻関係は,遅くとも平成13年6月までに被告の不貞行為が原因で破綻するに至ったことが認められる(この点,被告も,外国人女性及びDとの関係は認めている。)。 これは,民法770条1項1号の離婚原因であると認められるから,原告の離婚請求には理由がある。 なお,原告は,被告の暴言,人格否定など民法770条1項5号に基づく離婚原因(婚姻を継続し難い重大な事由)も主張するが,本件では,専ら被告の不貞行為が婚姻破綻の原因であると認められ,原告と被告の間において,さらに別個に離婚原因として取り上げるべき程度の暴言や人格否定等の事態が生じたとまで認めるに足る証拠はないというべきである。原告と被告の間では,長男Aの教育問題(主として長男Aの勉強方法や受験をさせるか否か)について考え方の相違があり,結果として,被告は,長男Aと不仲になってしまったことが認められる[甲4,乙3,原告本人,被告本人]が,このことについては,原告ないし被告のどちらか一方にのみ重大な責任があるとまで認めることはできない。 2 争点(2)[慰謝料]について 被告が原告に対して支払うべき慰謝料につき,前記争点(1)で認定した事実及び証拠(甲4,5,9,乙1ないし3,原告本人,被告本人)並びに弁論の全趣旨を総合して判断すると,500万円をもって相当と認められる。 3 争点(3)[財産分与]について 証拠(甲3,4,7,乙3,原告本人,被告本人)及び弁論の全趣旨を総合して判断すると,本件において,被告から原告に対しての財産分与を認めるのは相当ではない。 その理由は,原告は,被告と別居するに際して養老保険の解約金843万6243円を保有しており,この中から二人の子の生活費等を費消しなければならなかったとしても,別居当時に存在した夫婦による共同形成財産は,必ずしも他に見るべきものはなく,かえって,原告は被告名義で130万円の借入金をつくり,被告がこれを弁済せざるを得ないこと,E株式会社の退職金は,婚姻期間との関係から財産分与の対象となりにくいことなどを考慮せざるを得ないからである。 4 争点(4)[親権者の指定]について 証拠(甲4,乙3,原告本人,被告本人)及び弁論の全趣旨を総合して判断すると,長男A及び長女Bは,被告と別居後現在まで,原告とともに生活しており,原告は親権者として適切に子の監護教育を行うことができると認められるのであるから,原告を親権者とすることが相当である。 5 争点(5)[養育費]について 証拠(甲3,4,7,乙3,原告本人,被告本人)及び弁論の全趣旨を総合して判断すると,長男A及び長女Bの養育費については,同人らが成人するまでの間,被告も負担することが相当と認められ,その額は,子一人につき1か月5万円とするのが相当である(被告は,1か月3万円が相当であると主張するが相当ではない。)。 6 被告のその他の主張について 被告は,原告の同居義務違反に基づく被告の原告に対する慰謝料請求権による相殺及び不倫にかかる原告の損害賠償請求権の時効消滅の主張をするが,いずれも本件では採用の限りではない。 第4 結論 以上によれば,原告の請求は,主文記載の範囲で認容するべきである。 東京地方裁判所 民事第1部 裁 判 官 坂 口 公 一 |
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