離婚法律相談データバンク 「原告が帰宅」に関する離婚問題事例、「原告が帰宅」の離婚事例・判例:「互いに相手を思いやれず離婚…」

原告が帰宅」に関する離婚事例・判例

原告が帰宅」に関する事例:「互いに相手を思いやれず離婚…」

「原告が帰宅」に関する事例:「夫婦関係を修復する意欲が互いに全くないとして、離婚を認めた判例」

キーポイント 離婚請求が認められるには、客観的にみても、婚姻関係を続けがたい重大な理由が必要です。
この事例でも、婚姻関係を継続しがたい重大な理由があるかがポイントになります。
事例要約 この裁判を起こしたのは夫(原告)で、裁判を起こされたのは妻(被告)です。
1 結婚
夫と妻は昭和59年12月ころに共同生活を始めて、昭和60年1月16日に結婚しました。
結婚当時、妻は看護師、夫はコックをしていました。
昭和61年に長男の太郎(仮名)を、平成元年に二男の次郎(仮名)をもうけました。夫婦は、昼間に子供を保育所に預けて共働きを続けました。
2 夫婦関係の悪化
太郎が昭和61年に生まれた後、妻と夫が互いに時間を調節しながら育児をしなければならない状況にあったので、妻は夫にできる限り定時に帰宅して育児に協力してくれることを望んでいました。
しかし、夫は終業時間が遅いのに加えて、セカンドチーフという中堅の役職の立場上、上司や後輩とのつきあいで終業後に飲みに行く機会が多く、飲みに行けば午前2~3時になり、時には午前4~5時になるなど、帰宅時間は不整でした。
夫は初めのころは、飲みに行く時は妻に電話を入れていました。しかし、妻はお酒を飲みに行くことが仕事上の付き合いになることを理解できず、夫は遊んでいると決め付け、夫から電話が掛かってきた時や帰宅した時、一方的に夫をなじったりしました。
3 夫婦関係の更なる悪化
夫は妻に現在の職を辞めて、独立の店を出したいとの話をしました。妻は、当時の貯蓄は400万円しかなかったことと、子育てのこともあり、夫の話を無謀だと考えて取り合いませんでした。
逆に妻の怒りはエスカレートして、夫の帰りが遅くなると朝まで夫をなじったり、「あんたなんか出ていきなさいよ。早く出て行って。」等とわめいたりしました。
また、夫が帰宅したときにドアチェーンが掛けられていて、部屋に入れずに仕方なく知人の家に泊めてもらったり、夫が帰宅した時に枕や服がズタズタに破られて玄関に投げ捨てられていることも何回かありました。
4 夫が離婚を決意
平成5年3月ころ、夫と妻は顔を合わせる度にけんかをするようになり、夫は家に帰らないで知人の家に泊めてもらうことが多くなりました。
そのころ、夫が家から荷物を持ち出す際に、妻とけんかになり、妻が台所から包丁を持ち出したことがありました。夫はこれをきっかけに妻との離婚を決意しました。
5 夫が離婚調停を申立てる
夫は平成6年初めころ、妻と離婚するために調停を申立てました。しかし、妻が解決金として250万円、養育費としてつき10万円という、当時の夫の収入では困難な要求をしたため、話し合いがつかずに終わりました。
6 夫と妻の収入
夫は平成6年4月ころ、学校給食関係の職員になり、現在の収入は手取りで月々23万円です。(ボーナスを除く)別居後、夫は妻に月々5万円の養育費を支払っていて、平成13年ころから月々6万円に増額しました。
妻は東京区内の病院施設で勤務して、主任主事の役職に就いています。年収は800万円弱(手取りは600万円くらい)で、平成7年に分譲マンションを購入して、子供達と一緒に生活しています。
判例要約 1 夫と妻を離婚する
夫は妻と夫婦としての関係を修復、継続する意欲を全く失っています。妻については、子供のために法律上形式的には夫婦であることを望んでいるだけで、実質的に夫婦関係を修復する意欲は全くありません。また、別居関係が約10年におよんでいることからすれば、夫と妻の婚姻関係は、回復、継続がほぼ期待できない状態で、完全に破綻しています。
また、離婚の請求は、離婚原因を作ったものからはできないとする大原則があります。
妻は、帰宅時間を調整して子育てを手伝うような配慮が不足していた夫の態度が、夫婦関係を悪くさせた発端となっているとして、離婚の原因を作った夫からの離婚請求は認められないと主張しています。
しかし、妻も夫の仕事等についての立場に対して全く理解を示さず、一方的に夫が悪いと決め付け、単なる夫婦喧嘩の範囲を超えて夫を非難する行動を取り続けました。このことが、夫婦間の溝を深くしてき。別居に至った大きな原因となったことも否定できません。
よって、夫のだけが婚姻関係破綻の唯一の原因であるとはいえないため、夫からの離婚請求は認められます。
2 長男、二男の親権は妻に
長男と二男が妻と同居して、妻の養育を受けている状態がほぼ10年間継続しています。
その現状をあえて変更して夫に親権を与えるべき理由は何も存在していません。また、夫より妻の方が収入が安定していて、子供たちの意向にも反しないと推測されます。よって、長男、二男の親権は妻と定めるのが相当です。
原文    主   文

 1 原告と被告とを離婚する。
 2 原告と被告との間の長男A(昭和61年○○月○○日生)及び二男B(平成元年○月○○日生)の親権者をいずれも被告と定める。
 3 訴訟費用は被告の負担とする。

       事実及び理由

第1 請求
   主文と同旨
第2 事案の概要
 1 本件は,夫が妻に対し,離婚(民法770条1項5号)及び両者間の未成年の子2名の親権者指定を求めた事案である。なお,原告は,当初,財産分与(250万円)の申立てをしていたが,後にこれを取り下げた。
 2 前提事実(甲1ないし3,乙1,弁論の全趣旨により認める。)
 (1)原告(昭和34年○月○○日生。旧姓C)と被告(昭和30年○月○○日生)は,昭和54年ころ知り合い,交際を続けた後,昭和59年12月ころに夫婦共同生活を始め,昭和60年1月16日に婚姻の届出をした。被告は,3人姉妹の長女であり,原告は9人兄弟姉妹の末っ子であり,被告の両親が■■■の姓を継ぐことを望んでいたことから,原告はその意向に従い,■■■姓を名乗った。
 (2)婚姻当時,被告は,東京都の職員として,東京都立△△△病院で看護師をしており,原告は,▲▲▲でコックをしていた。
    当時の被告の仕事は,昼勤(午前8時から午後5時),準夜勤(午後4時から午前0時45分),深夜勤(午前0時から午前8時45分)の3交替制であり,そのうち,併せて月8回ほど準夜勤,深夜勤についていた。
    他方,原告の仕事は,レストランという職業柄,終業時間が夜遅くであった。
 (3)原告と被告は,長男A(昭和61年○○月○○日生)及び二男B(平成元年○月○○日生)をもうけ,共働きを続けた。
 (4)原告は,平成5年10月末ころ,最終的に自宅を出て,被告及び子供らと別居し,現在に至っている。
    その間,原告は,平成6年及び10年に離婚のための家事調停を申し立てたが,いずれも不調となった。
 3 当事者の主張
 (1)原告
    すでに別居後約10年が経過し,原告・被告とも復縁の意思がないため,婚姻は破綻状態にあるので,本件は民法770条1項5号の「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当する。
 (2)被告
    被告は,別居後も継続して婚姻意思を有しており,婚姻はなお破綻状態にはない。
    仮に破綻状態にあるとしても,その原因は,原告が平成5年に正当な理由が無く,被告と2人の子供をすてて別居したことにある。この原告の行為は,配偶者である被告と同居し,協力して生活する義務を恣意的に放棄したものであり,悪意の遺棄に該当するから,原告は,破綻の原因を自ら作出した有責配偶者であり,このような者からの離婚請求は,信義に反するものとして認められない。
第3 当裁判所の判断
 1 証拠(甲2ないし5,乙1,3,4,17,18,原告・被告各本人)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
 (1)原告と被告は,共働きであったので,子供が出生後も昼間は子供を保育所に預けて働いていた。
    保育所の開所時間は午前7時30分から午後7時までであったので,被告が昼勤の場合は,原告が朝子供を保育所に連れて行き,被告が準夜勤の場合は,原告・被告とも子供を迎えに行けないので,友人に預かってもらい,夜原告が友人宅に迎えに行っていた。また,被告が深夜勤の場合で,原告が午後11時ころまでに戻らないときは,被告が子供を寝かせて出勤していた。
 (2)長男が昭和61年に生まれた後,このように原告・被告双方が時間を調整しな   さらに詳しくみる:いた。  (2)長男が昭和61年に生まれ・・・
関連キーワード 悪意の遺棄,親権者,別居,婚姻関係,養育費
原告側の請求内容 ①妻との離婚
②長男、二男の親権を夫にすること
勝訴・敗訴 全面敗訴
予想裁判費用
(弁護士費用)
400,000円~600,000円
証拠 1.住民票
・浮気相手と同居していることを証明するもの
2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書
・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの
3.写真、録音テープ、ビデオテープ
・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など
4.探偵社等の調査報告書
・相手の浮気を証明できるもの
5.クレジットカードの利用明細・領収書
・飲食店・ホテルなどの利用記録など
6.パソコン・携帯電話のメール、手紙
・浮気相手とのやり取りを証明できるもの
審査日 第一審 東京地方裁判所判決/平成15年(タ)第466号
第二審 なし
第三審 なし

上部の「互いに相手を思いやれず離婚…」に関連する離婚法律問題・離婚判例

事例要約 この裁判を起こしたのは妻(原告)で、裁判を起こされたのは夫(被告)です。
1 結婚
夫と妻は平成7年9月16日に結婚しました。
2 性格の不一致
夫と妻は冷暖房の温度など様々な場面で意見が合わないことがあったり、レストランで喧嘩になって妻が一人で帰るようなこともありました。
平成10年夏ころ、妻は夫に対して酒癖を問題にして離婚の話をしたこともありました。
平成12年夏ころまでには、夫婦間の関係が更に悪化してきていました。
3 妻の妊娠、そして中絶
平成12年8月、妻は市販の妊娠検査薬で妊娠を知り産婦人科を受診しました。
妻は夫の父親と妹が統合失調症のため、子供への遺伝を心配して、また、夫とも仲が悪かったので将来を気にして中絶することにしました。
夫にも妊娠を告げた後に遺伝に対する不安を告げました。夫から同意書をもらい、中絶手術を受けました。
4 夫婦仲の更なる悪化
平成12年12月27日頃、夫と妻は自宅マンションに引っ越しました。その際も夫と妻は喧嘩し、関係は更に悪化しました。
夫は妻が生活費を隠していて、妊娠時の経緯について妻にだまされているという疑いを強めていました。平成12年12月29日、夫は妻に対して離婚を申し出て、離婚を前提とした別居をすぐに始めたいと告げました。
妻は結婚生活の継続は難しいと考えていましたが、時間が欲しいと答えて、親に相談するために実家の金沢に帰省しました。
5 夫、離婚意思変わらず
妻は平成13年1月2日頃自宅マンションに戻って夫と話し合いをしました。しかし夫は更に離婚を求めました。平成13年1月6日頃には離婚届をもらってきて署名し、妻に渡して署名を求めました。
妻は離婚するという方針を受け入れていたものの、即時の別居、離婚には応じず、今は署名できないと告げました。
6 夫、妻を自宅に出入り禁止に
平成13年1月13日夜、妻が外出先から帰宅して、入浴しようとしていたところ、夫は妻の髪を掴んで一方的に自宅マンションから追い出しました。
妻は管理人に相談して警察官を呼び、出動した警察官の求めに応じて夫は妻に対して数分部屋に入ることを認めました。妻は少量の荷物を持ち出した程度で家を出ました。
その際、夫は妻がハンドバッグに入れて持っていた自宅マンションの鍵を取り上げ、以後妻の入室を認めませんでした。
7 別居
これ以降、夫と妻は別居しています。
判例要約 妻の主張に対する裁判所の判断
1 婚姻を継続し難い重大な理由がある
夫と妻は互いに離婚を請求しています。平成13年1月13日以降別居状態が続いていることなどによれば、婚姻は既に破綻しているのは明らかです。
2 夫への慰謝料請求を認めない
離婚の原因が夫、妻のどちらか一方の暴言、暴力にあるとはいえないため、慰謝料の対象となる具体的な行為が認められません。別居開始時の夫の行動には不相当な点はありますが、この点のみで慰謝料請求を認めることはできません。
3 妻は夫に財産分与として271万2,643円を支払え
妻の結婚前の資産は97万6円
妻名義の婚姻破綻時の資産は541万6,023円
夫の結婚前の資産は1,615万6,405円
夫名義の婚姻破綻時の資産は1,517万7,135円です。
よって、婚姻期間中に形成された妻名義の資産は444万6,017円
婚姻期間中に形成された夫名義の資産は-97万270円となります。
そうすると、婚姻期間中に形成された資産は合計346万6,747円となるので、2分の1の173万3,373円が財産分与後に夫と妻がそれぞれ保持すべき資産になります。
したがって、財産分与としては妻が夫に対して271万2,643円を支払うことが相当です。

夫の主張に対する裁判所の判断
1 婚姻を継続し難い重大な理由がある
妻の主張に対する裁判所の判断の通り、二人の婚姻は既に破綻しているのは明らかです。
2 妻への慰謝料請求を認めない
妻の主張に対する裁判所の判断の通り、離婚の原因がどちらか一方にあるとはいえないため妻に対する慰謝料請求は認められません。
3 妻は夫に財産分与として271万2,643円支払え
妻の主張に対する裁判所の判断の通りです。