「土地建物」に関する離婚事例・判例
「土地建物」に関する事例:「同居生活の長さと別居生活の長さがポイント!」
「土地建物」に関する事例:「婚姻関係を継続し難い重大な理由があるとしながら、離婚の原因を作ったといえる夫からの離婚請求は認められないとして、夫と妻の離婚を認めなかった判例」
キーポイント | 裁判で夫婦の離婚請求が認められるためには、婚姻関係を継続し難い重大な理由があることが必要です。 また、離婚の原因を作った者からの離婚請求を裁判所は認めないという大原則があります。 婚姻関係を継続し難い理由がある夫婦の、離婚原因を作った夫からの離婚請求は認められるのかがポイントです。 |
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事例要約 | この裁判を起こしたのは夫(原告)で、裁判を起こされたのは妻(被告)です。 1 結婚 夫は大学助教授にあった当時、同じ大学の学生であった妻と知り合い、昭和50年1月30日に結婚しました。 その後昭和54年には長女の幸子(仮名)が誕生しました。 2 マンション購入 夫は結婚前から東京都文京区に自宅を持っていました。夫と妻は結婚後、この自宅に住んでいましたが、夫が仕事場を確保する目的で平成4年3月16日ころ、マンションを夫名義で購入しました。しかし、妻も幸子もこのマンションで生活をすることになり、結局夫婦の生活の本拠はこのマンションに移りました。 3 別荘A、別荘B購入 夫と妻は昭和63年5月24日ころ、静岡県伊東市の土地を共有名義で購入して別荘Aを建てました。平成6年5月20日ころには神奈川県足柄下郡にあるリゾートマンション(別荘B)を夫婦の共有名義で購入しました。 4 別居 夫と妻は、夫の女性問題等を理由としてけんかが頻繁にありました。また、口論から離婚話に展開することもありました。 その後、平成8年5月1日に夫は家族で同居しているマンションを出て、一人で文京区の自宅に住むようになり、現在に至るまで妻と別居しています。 5 夫の浮気 夫は遅くても平成8年ころアキコ(仮名)と知り合い、平成11年8月にはアキコと海外旅行に出かけたりし、現在も交際を続けています。 6 夫が調停を起こす 平成12年4月5日に夫は調停を申立てましたが、話し合いが整わずに終わりました。 その後の平成13年11月6日に、夫は妻に対して離婚を求める裁判を起こしました。 |
判例要約 | 1 婚姻関係を継続し難い重大な理由がある 夫と妻は平成8年5月1日から約7年半に渡って別居をしていて、夫の離婚の意思は固いといえます。また、少なからぬ期間アキコと交際していると認められるため、夫が別居後も家族で旅行をしたり、外食をすることがあるということを考慮しても、夫と妻の婚姻関係の回復、継続が期待できないほどにまで破綻していることは明らかです。 2 離婚の原因を作ったのは夫である 夫婦関係が破綻した理由は、夫と妻が約7年半に渡って別居していることにあるといえます。そして夫は遅くても平成11年ころまでにはアキコと浮気をして現在まで関係を継続させています。夫と妻の別居を継続させ、婚姻関係を決定的なものとしたのは、夫のアキコとの浮気であるといえます。 よって、離婚の原因を作ったのは夫であるといえます。 3 夫の妻に対する離婚請求を認めない 夫と妻は昭和50年1月30日に結婚して、平成8年5月1日に別居するまで、21年以上もの長期間に渡って同居してきたのに対して、夫と妻の別居期間は約7年半にすぎません。 離婚請求については、「離婚の原因を作った者からの離婚請求を裁判所は認めない」という大原則があります。上記の通り、離婚の原因を作ったのは夫です。 約7年半という別居生活は21年以上の同居生活に比べれば、大原則に反した離婚請求を認めるべきであるほどの長期間の別居生活ということはできません。 よって、夫の妻に対する離婚請求は認められません。 |
原文 | 主 文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 原告と被告とを離婚する。 第2 事案の概要及び争点 原告及び被告は,昭和50年1月30日に婚姻の届出を了した夫婦であるが,原告は,被告の性格等に問題があり正常な家庭生活を営める状況にはないこと,原被告が平成7年5月1日以降別居していることなどを主張して,民法770条1項5号の規定に基づき,被告との離婚を求め,被告は,原告の上記主張を争うとともに,原告が不貞行為に及んだ有責配偶者である旨主張して,請求棄却の判決を求めた。 1 婚姻を継続し難い重大な事由について 【原告】 (1)原告及び被告は,昭和50年1月30日に婚姻の届出を了した夫婦である。 (2)ア 被告は,家の中の整理整頓をするということが全くないなど異常な粗雑性を有する反面,外出から帰った原告を玄関で下着姿にさせた上,腕を肘まで洗わせるなど異常な潔癖性を有するものである。 イ 被告は,バーゲンに行くことや漫画本を買いにいく以外にあまり外出することがなく,また,他人が家の中に入ることを許さないなど社会性に乏しいところがある。 ウ 被告の手元には,自由に使える金員として1か月50万円はあったはずであるが,使いもしないバーゲン品を買いあさるなどするため,それでも足りないという状況であった。このように,被告には,浪費癖があった。 エ 原告は,大学教授及びエッセイストとして,静謐な環境で仕事をする必要があるにもかかわらず,上記アのとおりの被告の粗雑性のため,資料を置く場所もなく,また,仕事をしている後ろで被告が延々ぶつぶつと文句を言うため,落ち着いて仕事をすることができない状況であった。このように,被告は,原告の仕事に対する配慮をしなかった。 オ 以上のような状況にあるため,原告は,平成7年5月1日,被告と別居し,現在に至っている。 カ 原告は,上記オの別居以降,被告との婚姻関係を継続する意思を完全に喪失しており,翻意の余地は全くない。 キ 他方,被告は,原告が申し立てた夫婦関係調整調停申立事件においても,婚姻関係の継続及び回復のための申出をせず,金銭給付の要求をしたのみであった。 ク また,原告は,不動産以外の被告管理にかかる財産の状況を明らかにするため,被告を相手方として預貯金通帳を対象とする文書提出命令の申立てをしたにもかかわらず,被告は,当該文書の提出を拒否したものである。これは,被告が財産を隠匿していることを示すものであり,また,被告が原告との婚姻の継続を望まず,かつ,原被告間の夫婦としての信頼関係が完全に失われていることを示すものである。 ケ 以上からすると,原被告間の婚姻関係は既に完全に破綻しており回復の余地は全くないといえるから,原被告間には婚姻を継続し難い重大な事由がある。 (3)ア 被告の後記主張(3)アは争う。原被告は,昭和62年に3度目の離婚届を作成するなど,その婚姻関係は,かなり前から破綻していたものである。 イ 被告の後記主張(3)イのうち,国内外の旅行に行ったり,外食をしたりしたことは認めるが,これらは,長女のことを考えての行動であり,また,被告からの強い要求に応じたものである。 ウ 被告の後記主張(3)ウは否認し争う。原告が以前にも何度も浮気をしていたというのは被告の邪推である。なお,原告がA(以下「A」という。)と交際していることは認めるが,後記のとおり, さらに詳しくみる:たりしたことは認めるが,これらは,長女の・・・ |
関連キーワード | 有責配偶者,別居,不貞行為,浮気,婚姻関係 |
原告側の請求内容 | ①妻との離婚 |
勝訴・敗訴 | 敗訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
400,000円~600,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所判決/平成13年(タ)第818号 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「同居生活の長さと別居生活の長さがポイント!」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判は夫(原告)が妻(被告)対して起こした裁判です。 1 結婚 妻と夫は平成3年4月に結婚の届出をし、夫婦となりました。二人の間には長男のあきら(仮名)と次男のけんじ(仮名)がいました。 2 夫婦間の不仲 徐々に二人は不仲になり、平成9年ころには夫婦喧嘩をした挙句、夫はあきらを連れて佐渡島を一週間放浪したことがありました。 また、平成12年ころには妻は、夫が育児に非協力であることを理由に、用意していた離婚届けを見せたが、夫は応じませんでした。 3 家事調停 妻は東京家庭裁判所で、離婚を求めて夫婦関係調停を申し立てました。しかし、子の親権をめぐって調整できずに終わりました。 4 別居 その後平成14年3月には夫は仕事を辞め、家でぶらぶらしたり、妻から逃避して一人で家を空けるなどしていましたが、 平成14年にも離婚届を作成したものの、届け出はしませんでした。 また、口論の末、妻が傘を振りまわして威嚇をしたりしたので、夫が自宅を出て別居をしていました。 5 裁判 離婚を求めて、夫が妻に対して裁判を起こしました。 |
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判例要約 | 1 夫の離婚の請求を認める 妻も結婚生活を継続させるのは難しいと考えており、完全に結婚生活は終わっていると言えます。 しかし、その原因がどちらか一方にあるとは言い切れないため、離婚は認められましたが、 妻が主張する、財産分与と養育費の支払いは認められませんでした。 2 親権者は妻とする 夫は一年以上も無職であり、積極的に育児にかかわってきたのは妻であり、特に問題もなく2人の子供の養育をしているため、 あきらとけんじの親権者は妻と認めるのが良いとされました。 |
「土地建物」に関するネット上の情報
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贈与契約書に印紙を貼る必要がありますか
土地建物の価値が高額であったとしても、高額な印紙を貼る必要はありません。「契約金額の記載がないもの」に該当するため、印紙の金額は200円になります。