「側が浮気」に関する離婚事例・判例
「側が浮気」に関する事例:「夫の浮気による結婚生活の破綻」
「側が浮気」に関する事例:「裁判を起こされた側が浮気をしていたのに、離婚請求が認められなかった判例」
キーポイント | 離婚に関する事件では「離婚の原因を作った者の離婚請求を裁判所が認めない」という大原則があります。 そのため、当事件のキーポイントは、夫の浮気が離婚の原因を作ったのかどうかにあります。 |
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事例要約 | この裁判を起こしたのは、夫(原告)であり、裁判を起こされたのは、その妻(被告)です。 1.結婚 当事件の当事者である、夫は株式会社Bで同僚であった妻と、平成7年9月20日に婚姻届出を行い夫婦となりました。 2.妻の浮気 平成7年12月頃に同じ株式会社Bの同僚の斉藤(仮名)と妻との浮気が判明し、妻は夫に対して、2度と斉藤と会わないことを約束し、慰謝料5万円を支払いましたが、平成8年1月頃に、妻が引き続き斉藤と交際を続けていたことが判明したため、再度妻から慰謝料20万円の支払いを受けて、妻を許しました。 3.夫の転勤と退職 平成10年の春に夫は株式会社Bより転勤の内示を受けましたが、転勤先のC工場には以前妻と浮気をしていた斉藤が勤務しており、妻に株式会社Bを退職する旨を伝えたところ、妻より猛反対を受けて結局C工場に同年4月より勤務しました。しかし、夫は平成11年1月15日に株式会社Bを退職し、同月18日にF株式会社に入社しました。 4.自宅の購入 夫と妻は平成11年7月に岡山市A町に土地を購入し、同年9月13日頃に自宅を新築しました。その際、夫と妻はこの土地と建物のローンを組むために、お互いを連帯保証人としています。 5.夫の浮気 夫は平成12年2月頃から職場の同僚であった山田(仮名)と不倫関係となりました。 6.夫が当判例の裁判を起こす 夫は平成13年7月23日に離婚調停を行いましたが、妻が調停に同意しなかったため、同月26日に当裁判を起こしました。 |
判例要約 | 1.離婚の原因は夫にある 夫と妻の婚姻はすでに破綻していますが、その責任は家庭のことを顧みずに元同僚の女性と浮気を行った夫にあります。 夫が離婚の原因であると主張する、婚姻当初の妻の浮気に関しては、すでに一度夫が許しており、この事件に関連させることはできません。それは、妻の浮気を許した後に、婚姻の継続を前提とし、夫婦で連帯債務者となって、多額の住宅ローンを組み、土地と建物を購入していることから明らかになっています。 2.夫の請求を認めない また、夫婦別居の期間も1年ほどと短く、夫婦間には幼い子供がいるため、離婚を認めると妻が社会的・経済的に過酷な状態に置かれる可能性が高いことを考えると、夫の請求を認めることができないというのが裁判所の判断となっています。 |
原文 | 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は,原告の負担とする。 事実及び理由 第1 原告の請求 1 原告と被告とを離婚する。 2 原告と被告との長男Aの親権者を被告と定める。 第2 事案の概要 1 原告と被告は,平成7年9月20日婚姻の届出をした夫婦であり,その間に 長男Aがいる(甲1)。 2 原告は,離婚原因として,①被告に婚姻当初不貞行為があったこと,②長男 誕生後間もなく原告に転勤の内示があった際,転勤すれば被告の不貞相手と同 じ職場になることなどから原告が退職を希望したところ,被告は自分や子供の ことを考えていないと罵り,原告に転勤を命じたこと,③原告は被告の不貞相 手に対し何一つ文句を言わなかったにもかかわらず,原告が平成12年に不貞 をしたときは,被告は,親や親戚に頼み,原告の不貞相手に対し,尾行をした り,暴力を振るう,罵声を浴びせるなどし,最終的には仕事を辞めさせ,慰謝 料まで支払わせたこと,④原告と被告はすれ違い生活で,顔を会わせてもほと んど会話がなく,もはや夫婦の実態を失っていること等を主張し,婚姻を継続 し難い重大な事由(民法770条1項5号)があると主張している。 3 被告は,原告と被告の婚姻は破綻していない,仮に破綻しているとしてもそ の原因を作ったのは原告であるから,有責配偶者からの離婚請求は許されない として争っている。 第3 当裁判所の判断 1 証拠(甲1ないし3,乙1ないし5(以上,枝番のあるものは枝番の全て), 原告本人,被告本人)並びに弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められ, この認定を覆すに足りる証拠はない。 (1) 原告は,株式会社Bで同僚であった被告と社内恋愛の上,平成7年9月2 0日婚姻した。それから間もない同年12月ころ,Bの同僚でその当時はC 工場に転勤していたDと被告の不貞問題が浮上し,被告は,原告に対し,2 度とDと会わないことを約束し,慰謝料5万円を支払った。ところが,平成 8年1月,被告がDと交際を続けていたことが発覚したため,原告は,一旦 被告を実家に戻らせたが,被告の両親とも相談の上,被告から慰謝料20万 円の支払を受け,被告を許した。このとき原告は,被告の不貞につき,自分 の親には黙っておき,また不貞相手のDにも話を持って行くことをしなかっ た。 (2) 平成10年1月に長男Aが誕生したが,その春原告にその当時勤務してい たE工場からC工場に転勤するよう内示があり,原告からその話を聞いた被 告は,転勤を受けるかどうかは原告に任せる旨答えた。原告は,C工場には Dが勤務しており,同じ寮で生活することになることや自分が長男であって 最終的には岡山に落ち着きたいことなどから,転勤せずに退職することを決 意し,そのことを被告に伝えたところ,被告は,自分や子供のことを考えて いないとして原告を非難し,原告に転勤するよう求めた。原告は,やむなく 同年4月にC工場に転勤したが,翌平成11年1月15日Bを退職し,同月 18日F株式会社に入社した。 (3) 原告と被告は,平成11年7月,岡山市a町に宅地を購入し,同年9月1 3日ころ,自宅(軽量鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺2階建居宅1階62.07㎡, 2階50.32㎡)を新築した。原告と被告は,この土地建物につき,2分 の1宛の共有とし,住宅ローンのため,いずれも原告と被告を連帯債務者と して,住宅金融公庫と年金福祉事業団の抵当権を設定している。 (4) 原告は,職場の同僚であったGと平成12年2月ころから不倫関係となり, 同女とスキーに さらに詳しくみる:ため,いずれも原告と被告を連帯債務者と ・・・ |
関連キーワード | 離婚,不貞,浮気,不倫,住宅ローン,連帯保証,離婚調停,慰謝料,有責配偶者 |
原告側の請求内容 | ①妻との離婚 ②長男の親権者を妻と認めてもらうこと |
勝訴・敗訴 | 敗訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
400,000円~600,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 岡山地判平成14年11月15日(平成13年(タ)61号) 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「夫の浮気による結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判を起こしたのは、夫(原告)であり、裁判を起こされたのは、その妻(被告)です。 1.夫の海上自衛隊への就職 夫は昭和40年3月22日に海上自衛隊へ入隊しました。 2.結婚 当事件の当事者である夫と妻は昭和47年2月27日に婚姻届出を行い夫婦となりました。 3.3人の子供を出産 夫と妻は昭和47年12月22日に長女を、昭和49年9月1日に長男を、昭和59年1月に二女を儲けました。 4.夫の浮気? 夫が詳細を明らかにしないため判然としない部分はあるものの、夫の1度目の退職の前に女性との不貞があったと思われます。 5.夫の1度目の離婚調停 昭和60年の初めごろに夫は離婚調停を申し立てましたが、妻がそれに応じず、離婚調停は不成立となりました。 6.夫の1度目の退職 夫は昭和60年8月10日に自衛隊を退職し、その後の同月23日には、妻及び3人の子と住んでいた神奈川県横須賀市を出て神戸に行き、神戸の会社に就職しました。退職金に関しては、妻の希望で購入した乗用車のローンの支払いをしたほか、100万円を妻に渡しました。 7.妻との別居 夫が神戸に行ったことにより、妻との別居生活が始まりました。 夫は妻との別居開始以降、妻及びその子らの生活を顧みず、生活費や養育費は一切送金をしませんでした。 そのため、妻と3人の子供は生活に困窮し、夫の実家である高知県の夫の母親宅に身を寄せることとなり、生活保護を受けながら生活を続けていました。 8.夫の2度目の離婚調停 夫は妻と別居して間もなく、2度目の離婚調停を申し立てましたが、妻が裁判所に出頭せず、今回も離婚調停は不成立となりました。 9.夫の2度目の退職 妻は生活保護を受けていた関係上、生活費や養育費に関する話合いをするため、夫の勤める神戸の会社に訪問しました。 その際に、夫と話し合ったが、その後すぐに夫が勤めていた会社を退職してしまい、その後も夫からの生活費や養育費の送金はありませんでした。 10.二女の死 昭和63年12月2日、当時妻とその子らが身を寄せていた、高知県の夫の母親宅が火災に見舞われ、二女がわずか3歳で死亡してしまいました。夫はその葬儀に参列することはありませんでした。 11.夫の離婚届の提出 夫は平成11年12月20日、妻に無断で協議離婚届を提出し、戸籍上離婚の記載がなされました。 12.妻が離婚無効を訴えて裁判を起こす 妻は自身の戸籍上に離婚と記載されていることに気が付き、神戸地方裁判所に離婚無効の裁判を起こしました。その後、平成12年12月22日に離婚無効の判決が確定した結果、戸籍上に婚姻記載が復活しました。 13.夫の3度目の離婚調停 夫は平成13になって3度目の離婚調停を申し立てましたが、今回も妻が出頭せず、不成立となりました。 14.夫が当判例の裁判を起こす 3度目の離婚調停が認められなかったため、夫は今回の裁判を起こしました。 |
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判例要約 | 1.離婚の原因は夫の女性問題にある 夫と妻の婚姻はすでに破綻していますが、その原因は夫の女性問題にあります。 また、妻との別居後に妻とその子らの生活を全く顧みなかったことだけでなく、妻に無断で協議離婚届出を出すといった行為にまで及んでおり、原因が自身の女性問題にあることを全く反省せずに、妻やその子らに対しての責任を果たしていません。 2.夫の請求を認めない 夫と妻はすでに別居期間が17年を超える長期間となっていることと、その子らも成人し、結婚あるいは就職していることを考慮してなお、夫の離婚請求を上記の理由から認めることは、その原因が夫の女性問題に端をなしていることから認められません。そのため、夫の離婚請求を認めることはできません。 |
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