「妻が請求」に関する離婚事例・判例
「妻が請求」に関する事例:「2回の結婚も夫の逮捕歴で結婚生活が破綻」
「妻が請求」に関する事例:「夫の度々の有罪判決により、妻が請求する離婚、子供の親権が認められた事例」
キーポイント | 離婚に関する事件では、結婚の継続をこれ以上できない理由がある場合に、離婚を認めるという大原則があります。 そのため、当事件のキーポイントは、夫の更生に向けての決意がすでに破綻している結婚生活を継続させることにどう影響するかにあります。 |
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事例要約 | この裁判を起こしたのは、妻(原告)であり、裁判を起こされたのは、その夫(被告)です。 1.夫の結婚前の前科 恐喝、覚せい剤取締役法違反により懲役4年6カ月罰金30万円(平成元年3月29日宣告)、威力業務妨害により罰金20万円(平成5年11月16日宣告)、恐喝、傷害により懲役2年(平成5年12月17日宣告)、恐喝により懲役1年(平成6年10月18日宣告)、覚せい剤取締役法違反により懲役2年6カ月(平成10年2月24日宣告) 2.夫との結婚 当事件の当事者である、妻と夫は平成13年6月6日に婚姻届出を提出し夫婦となりました。 3.一度目の離婚 妻と夫は結婚当初から喧嘩が絶えず、夫は平成13年8月ころ、妻に離婚届への署名を求め、妻も喧嘩の過程で署名したため、夫が離婚届を提出しました。 4.夫との再婚 妻は離婚の意思はなく、その後も夫と同居を続けました。夫は平成13年12月3日ころに恐喝未遂で逮捕されたが、妊娠中の妻がいると情状面で有利になる等と考え、逮捕直前、妻に電話で婚姻届を提出するように命じました。妻は、夫との間の子を妊娠していたこともあり、平成13年12月6日、夫との二度目の婚姻届を提出しました。 5.結婚後の夫の有罪判決 恐喝未遂、覚せい剤取締役法違反により懲役2年6カ月(平成14年4月26日宣告)を受けました。服役中も妻と夫は2度接見しただけで、結婚生活は存在しません。 |
判例要約 | 1.離婚の原因は夫にある 夫と妻の結婚生活はすでに破綻していますが、その責任は暴力団員の組員であり、恐喝、覚せい剤取締法違反等により度々有罪判決を受け、現在も服役中である夫にあります。 2.夫の請求を認めない 夫の更生に向けての意思や決意が真剣なものであることを考慮しても、妻と夫との円満な関係を回復することは極めて困難であります。 そのため、妻と夫との離婚を認める判断を裁判所はしました。 3.長女の親権者を妻と認める 長女がまだ2歳と幼いことと、夫がまだ服役中であることから、長女の親権者は妻であるということを裁判所は認めました。 |
原文 | 主 文 1 原告と被告とを離婚する。 2 原告と被告との間の長女Aの親権者を原告と定める。 3 訴訟費用は,被告の負担とする。 事実及び理由 第1 原告の請求 主文と同じ。 第2 当事者の主張 1 原告の請求原因 (1)ア 原告(昭和41年○月○○日生まれ)と被告(昭和36年○月○○日生まれ)は,平成13年6月6日に婚姻し,同年8月8日に協議離婚したが,同年12月6日,再び婚姻した。原告と被告との間に,平成14年○月○日,長女Aが生まれた。 イ 原告と被告がいったん離婚し再度婚姻した事情は,次のとおりである。 原告と被告は,最初の婚姻当初から喧嘩が絶えず,被告は,平成13年8月ころ,原告に離婚届に署名を求め,原告も喧嘩の過程で署名したので,被告が離婚届を提出した。しかし,原告は,当時,離婚の意思はなく,その後も被告と同居を続けた。被告は,同年12月3日ころ,恐喝未遂で逮捕されたが,妊娠中の妻がいると情状面で有利になる等と考え,逮捕直前,原告に電話で婚姻届を提出するように命じた。原告は,被告との間の子を妊娠していたこともあって,同月6日,被告との2度目の婚姻届を提出した。 (2)原告と被告との婚姻関係は,次のとおり,破綻している。 ア 被告は,指定暴力団B会9代目C組の幹部組員である。 イ 被告は,覚せい剤に対する依存性が顕著であり,次の前科がある。被告は,現在,次の(カ)により,金沢刑務所に服役中である。 (ア)平成元年3月29日宣告 恐喝,覚せい剤取締法違反により懲役4年6月,罰金30万円 (イ)平成5年11月16日宣告 威力業務妨害により罰金20万円 (ウ)同年12月17日宣告 恐喝,傷害により懲役2年 (エ)平成6年10月18日宣告 恐喝により懲役1年 (オ)平成10年2月24日宣告 覚せい剤取締法違反により懲役2年6月 (カ)平成14年4月26日宣告 恐喝未遂,覚せい剤取締法違反により懲役2年6月 ウ 原告と被告は,原告が服役中の被告と2度接見しただけで,婚姻生活が存在しない。被告は刑務所から出所後も正業に就くことは不可能であり,原告は,長女Aとの平穏な生活を維持するため,被告との離婚を決意した。 (3)上記(2)の事情等によれば,原告をAの親権者に指定すべきである。 (4)したがって,原告は,被告に対し,離婚及びAの親権者を原告と定めることを求める。 2 被告の主張 (1)被告は,平成13年12月に逮捕されたころ,原告と話し合い,2人が心から愛し合っており,生まれてくる子供と3人で幸せな家庭を築こうとの強い希望があった。被告は,それまでの言動を心底反省し,原告に謝罪し,原告も被告を許し,これから一緒に頑張っていこうと誓い合って,原告も合意の上,再度婚姻した。被告が原告を一方的に利用して2度目の婚姻届を提出したわけではない。 (2)被告は,原告に対し,組を抜けて正業に就き,2度と覚せい剤に手を出さないと約束しており,原告も被告を信じて待ってくれていた。それなのに,原告は理由にならない理由でいきなり離婚を言い出しAにも会わせないということは,筋道が通らず,納得がいかない。 (3)被告は,堅気になって正業に就き,2度と覚せい剤に手を出さないつもりである。原告は,被告の出所後の生活態度を見てほしい。もう一度最後のチャンスがほしい。 第3 当裁判所の判断 1 甲1によれば,請求原因(1)アの事実が認めら さらに詳しくみる:判断 1 甲1によれば,請求原因(1)・・・ |
関連キーワード | 離婚,暴力団,有罪判決,喧嘩,再婚 |
原告側の請求内容 | 1 夫との離婚 2 長女の親権者を妻と認めてもらうこと 3 訴訟費用は,夫の負担 |
勝訴・敗訴 | 全面勝訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
400,000~600,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所判決/平成16年(タ)第102号 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「2回の結婚も夫の逮捕歴で結婚生活が破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判を起こしたのは、妻(原告)であり、裁判を起こされたのは、その夫(被告)です。 1 結婚 妻と夫は平成元年7月1日に婚姻届出を行い夫婦となりました。 妻と夫は,性格的には,明るい妻と無口な夫とで対照的でした。 2 長女の花子と長男の太郎誕生 長女の花子(仮名)と長男の太郎(仮名)の2人の子供をもうけました。 3 妻の障害 平成4年冬に夫のボーナスが下がり、平成5年に生活が逼迫したため、妻は、夫の紹介で教材のセールスの仕事を始めました。 しかし、重い荷物の運搬作業が原因で腰椎椎間板症、座骨神経痛となった上、学生時代に痛めた膝も悪化し、両変形性膝関節症となり、以後就労不能の状態となり、平成12年12月に右下肢機能障害で身体障害者5級の認定を受けました。 4 夫の暴力 妻は、夫との結婚生活中、夫婦喧嘩の際や自分の思うようにならないことがあるとかっとなりやすく、些細なことで原告に暴力を振るったり、外出先で家族を置いて、いきなり姿を消したり、原告を言葉で脅したり侮辱したりするなど、妻に対し、暴力等を繰り返してきました。 5 離婚調停の申立 妻は、平成14年8月8日、東京家庭裁判所八王子支部に離婚調停(夫婦関係調整調停)の申立をしましたが、同年10月3日、調停は不調となりました。 6 夫との別居 妻は、平成14年11月23日、長女の花子と長男の太郎を連れて自宅を出て夫と別居し、妻の実家のある長崎市に居住しました。 |
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判例要約 | 1 離婚の原因は夫にある 夫と妻の結婚生活はすでに破綻していますが、その責任は妻に対する暴力等を行った夫にあります。 2 妻の慰謝料請求の一部を認める 結婚生活は夫の妻に対する暴力等により破綻していて、これによる多大な身体的、精神的苦痛を受けたものと認められました。ただし、結婚関係は、妻、夫それぞれが相手方の性格・言動にうまく対応できず14年間の結婚生活中に生じた様々な出来事が原因となった結果と考えられたため、夫が妻に対して支払うべき慰謝料の額は200万円となりました。 3 長女の花子と長男の太郎の親権者を妻と認める 長女の花子と長男の太郎は、現在、妻と長崎市で健やかに成長していて、妻も身体は不自由なものの子供を養育する意思と能力があるため、妻が親権者となり養育していくことになりました。 4 財産分与の請求を認める 夫は妻に対し、夫婦共有財産の清算、結婚費用の清算、離婚後の扶養を理由として、500万円を財産分与として支払うことになりました。 5 養育費の請求を認める 夫の平成15年の年間収入額は、アルバイト収入を含めると700万円を超えているが、今後は家族手当や配偶者控除がなくなり、手取り収入が減少すると見込まれます。妻は現時点では仕事がなく就職できていないが、英会話能力や翻訳能力があるため、在宅での仕事は可能と思われ、将来仕事を得られる可能性があると思われます。以上により夫の負担すべき養育費の額は、14才までは1人当たり月額5万円、15才から19才までは1人当たり月額6万円を支払うことになりました。 6 1~5以外の妻の請求は認められない。 理由のある妻の請求は認められるが、それ以外の請求には理由がないために認められませんでした。 |
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