「被告に対して不信感」に関する離婚事例・判例
「被告に対して不信感」に関する事例:「夫婦のお互いの経緯から生じた、結婚生活の破綻」
「被告に対して不信感」に関する事例:「妻が夫に対して離婚と慰謝料請求をし、それに対して夫も同じ請求をし、離婚だけを認め、慰謝料の支払いは認めなかった判例」
キーポイント | 当事件は、妻と夫がお互いの責任のなすり合いをしており、裁判所が今までの経緯やお互いの証拠を吟味し、公平な立場で判断を下しているのがポイントとなっています。 |
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事例要約 | この裁判を起こしたのは、妻(原告)であり、裁判を起こされたのは、その夫(被告)です。 1 結婚 当事件の当事者である妻は、夫と平成12年10月13日に婚姻の届出をし、夫婦となりました。 2 別居 ところが、結婚してから間もない平成13年の夏ごろから、妻と夫は別居するようになりました。 3 妻の過去 妻は、過去に離婚経験があり、元夫の木村(仮名)とは、離婚後も相談相手として付き合いがありました。 夫は、このことにつき今でも不倫関係が続いているのではないかと疑っています。 4 夫の過去 一方の夫は、結婚前に妻と交際をしている時点で妻帯者であり、妻はそのことを結婚寸前まで知りませんでした。 妻は、このことを知ったとき、精神的ショックがかなり強かったと主張しています。 5 妻が当判例の訴訟を起こす 妻は、平成14年に入り夫婦関係調整調停の申し立てをしましたが、成立しなかったことを受けて、平成14年7月12日に当裁判を起こしました。 一方の夫は、同年10月25日に当裁判に対して、反対に訴訟(反対訴訟)を起こしました。 |
判例要約 | 1.離婚原因は、妻と夫のお互いにある 妻と夫は、お互いとも相手に悪い点があることを主張していますが、それぞれの証拠が不十分であることから、裁判所はこの主張を認めていません。 しかし、それでも今までの経緯やお互いの主張内容、夫婦関係調整調停の申し立てをしているなどを含め、裁判所は結婚生活が破綻していると判断しています。 2.証拠が不十分のため、慰謝料請求は認められない 結婚生活が破綻にすることなった責任は、妻と夫のどちらでもないと裁判所は判断しています。 それは、お互いの主張内容の証拠が不十分であり、どちらが悪いとも言えないとしています。 従って裁判所は、お互いの慰謝料請求についても両者棄却としています。 |
原文 | 主 文 1 原告(反訴被告)と被告(反訴原告)とを離婚する。 2 原告(反訴被告)のその余の本訴請求及び被告(反訴原告)のその余の反訴請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は,本訴反訴ともに,これを2分し,その1を原告(反訴被告)の負担とし,その余は被告(反訴原告)の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 本訴 (1)主文第1項と同旨 (2)被告(反訴原告)は,原告(反訴被告)に対し,500万円を支払え。 2 反訴 (1)主文第1項と同旨 (2)原告(反訴被告)は,被告(反訴原告)に対し,500万円を支払え。 第2 事案の概要及び争点 原告(反訴被告。以下「原告」という。)及び被告(反訴原告。以下「被告」という。)は,平成12年10月13日に婚姻の届出をし,平成13年夏ころから別居している夫婦であるが,いずれも,民法770条1項5号の規定に基づいて相手方との離婚を求めるとともに,婚姻破綻に至った原因が相手方にあると主張して慰謝料の支払を求めた。 1 離婚請求について 【原告】 後記争点2における原告の主張によれば,原被告間に婚姻を継続し難い重大な事由があることは明らかである。 【被告】 後記争点2における被告の主張によれば,原被告間に婚姻を継続し難い重大な事由があることは明らかである。 2 慰謝料請求について 【原告】 (1)被告は,原告との交際中,前妻と婚姻中であったにもかかわらずこれを秘し,また,原告に対して結婚の申込みをする際にも前妻と離婚したとの虚偽の事実を述べ,これらにより,原告は,被告に対して不信感を持ちながら,被告と婚姻した。 (2)被告は,原告に対する執着心が強く,原告に対する異常な独占欲及び嫉妬心を持っていた。 (3)原告は,婚姻関係の修復につき,被告と何度か話し合ったが,その際,被告は,冷静さを失い,暴力的な言葉遣いをするなどしたため,原告は,被告と一緒に居ることに対して恐怖心を覚え,病院に運ばれることもあった。 (4)原告は,平成12年末から平成13年1月にかけ,被告と一緒に居ることによる精神的な苦痛のため,嘔吐,発熱,不眠等の体調不良に陥った。 (5)被告は,同年6月,被告の友人であるA(以下「A」という。)の件で原告と口論となった際,原告が嘘をついているなどと述べ,これにより,原告の被告に対する不信感は,決定的なものとなった。 (6)被告は,同年8月,先祖の墓参りに行った原告に対し,「男と会っていただろう」などと暴力的にののしり,これにより,原告は,心身ともに追い詰められ,これ以上被告との共同生活を継続することはできないと考えて実家に戻り,被告と別居した。 (7)以上からすると,原被告間の婚姻関係を破綻させた責任は被告にあるというべきである。 (8)以上により原告が被った精神的損害に対する慰謝料としては,500万円が相当である。 【被告】 (1)原告は,結婚後しばらくしてから,深夜,密かに,男性と思われる相手とほとんど毎日電話をするようになったところ,被告が問いただすと原告が激高するため,被告は,我慢してしばらく様子をみることにした。 (2)原告は,平成13年2月,女性の友人と食事に行くと行って出かけたにもかかわらず,被告が車で原告を迎えにいった際,見知らぬ男性と一緒に居た。被告は,原告が嘘をついていたことに立腹し,口論となったところ,原告は,いわゆる逆切れの状態になり,最後には気絶したような状態になった さらに詳しくみる:2)原告は,平成13年2月,女性の友人と・・・ |
関連キーワード | 離婚,慰謝料,不貞,バツ,証拠不十分 |
原告側の請求内容 | ①妻の請求 夫との離婚と慰謝料 ②夫の請求 妻との離婚と慰謝料 |
勝訴・敗訴 | ①一部勝訴 ②一部勝訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
400,000円~600,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地判平成16年3月31日(平成14年(タ)第507号、平成14年(タ)第814号) 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「夫婦のお互いの経緯から生じた、結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判を起こしたのは、妻(原告)であり、裁判を起こされたのは、その夫(被告)です。 1 結婚 妻は、昭和40年5月14日に夫と婚姻の届出をし、夫婦となりました。 また夫と妻の間には、昭和41年に長男 太郎(仮名)、昭和43年に長女 花子(仮名)、昭和46年に二男 次郎(仮名)、昭和48年に三男 三郎(仮名)が、それぞれ誕生しました。 2 新居の購入 妻は、夫との結婚に際して妻の父親から資金の援助を受け、自宅を建てて、そこを結婚生活を送る新居としました。 3 夫の生活費の不自然な支払い 夫と妻は、夫が得た給料やボーナスについて一定の割合で家計にする約束を、昭和41年に交わしていました。 ところが夫は、妻に給料やボーナスを渡すことを自分の義務と考えず、自分のものとして考え、そこから妻に分け与える考えとしていました。 それに加えて夫は、自分の機嫌次第で生活費を渡さないこともありました。 妻は、そのような夫の身勝手さによって、お互い喧嘩ばかりしていました。 4 さらに生活費を支払わなくなる 夫は、平成7年に子供たちが独立したのをきっかけに、妻に対して生活費を支払わないことが多くなりました。 夫は、平成9年ころから頻繁に外出をするようになり、また外泊も多くなりました。 5 妻が当判例の裁判を起こす 妻は、平成12年12月に離婚調停を申し立てて、不成立に終わったことを受けて、平成13年8月に当裁判を起こしました。 |
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判例要約 | 1 離婚の原因は夫にある 妻は夫の不倫について主張していますが、提出された証拠では認められませんでした。 また、夫が家財道具を盗んだという主張についても、同じく認められませんでした。 しかし、妻は夫から生活費を受け取れず経済的に苦労しており、また夫はパートナーとして妻の相談にも乗りませんでした。 そして夫と妻は、3年間別居をしており、また妻の離婚の決意は固いことから結婚生活は破綻しており、その責任は夫にあると裁判所は判断しています。 2 財産分与について 夫が将来受け取る退職金や年金については、別居生活が始まる以前の結婚生活があった期間分について、財産分与の対象財産として形成されるものと裁判所は認定しています。 それらを計算した額である約5,300万円について妻への支払いと、自宅の所有権について妻名義にすることを裁判所は夫に命じています。 3 慰謝料請求について 妻が提出した証拠は不十分ですが、それでも妻が受けた精神的苦痛は大きいとして、裁判所は夫に慰謝料の支払いを命じています。 |
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