離婚法律相談データバンク 「継続が困難」に関する離婚問題事例、「継続が困難」の離婚事例・判例:「夫の浮気があったものの、妻の生活態度の為に結婚生活が破綻」

継続が困難」に関する離婚事例・判例

継続が困難」に関する事例:「夫の浮気があったものの、妻の生活態度の為に結婚生活が破綻」

「継続が困難」に関する事例:「夫の不貞行為はあったものの、妻の婚姻態度により夫婦関係が既に破綻していた為、夫の離婚請求が認められた事例」

キーポイント 離婚に関する事件では「離婚の原因を作った者の離婚請求を裁判所が認めない」という大原則があります。
離婚の原因になった責任が夫か妻であるのかが問題となります。
事例要約 この事件は夫(原告)が妻(被告)に対して起こした裁判です。

1 夫婦の結婚
夫と妻とは、平成3年2月13日に婚姻の届出をした。
また、両者間には、長女の長子(仮名)(平成3年○○月○○日生まれ)が居ます。

2 引っ越し
妻は結婚当初、世田谷区のアパートに住んでいたが、平成5年春ころ夫の勤務するC株式会社の本社が移転するに伴い、埼玉県越谷市に転居しました。

3 妻の結婚生活の態度の変化
妻は、都会志向・高級志向など、全般に外見を気にする傾向が強かったため、夫との価値観の違いから、越谷市への転居後は、しばしば不満を爆発させ、興奮状態が続いて、夫に包丁を突きつけたり、子供に当たるなどのことがあり、日常的にもこうしたあてつけやいやがらせなどの行為や、態度が続いていました。
なお、夫との性生活は、長子の誕生後はなくなっていました。
そこで、夫は、平成5年9月には高収入を求めて株式会社ソニー生命に転職したが、結果的には収入が減ってしまいました。
また、平成6年初めころに夫婦は世田谷区に転居したが、家賃が高く、さらに、妻が長子を有名私立幼稚園に入れることに固執した(平成7年4月入園)ことなどから、夫は借金をしてこれに応えざるをえませんでした。妻の夫に対する前記のような態度は全く改善されませんでした。

3 夫婦の別居
夫は、平成7年7月にC株式会社に再入社し、これとともに新潟県長岡市に単身赴任し、この後事実上妻と別居するようになりました。
この後、妻は夫に対し、夫の手取りを上回る生活費(月額44万2000円)を要求し、夫は、やむなく借金をして、月額40万円を支払っていました。
妻は、同年11月には東京家裁に夫婦関係調整の調停の申立てをしたが、その内容は実際には婚姻費用請求であり、夫の離婚要請には応じようとしませんでした。

4 夫の浮気
こうした状況の中、精神的に参っていた夫は、平成7年末日ころ部下の貞子(仮名)と関係を持つようになりましたが、妻が双方に慰謝料の請求をしたことなどから、平成8年6月ころには貞子と別れました。

5 妻が夫の会社に乗り込む
平成8年秋、本訴の弁護士に相談した夫は、その後、月々家賃分14万2000円のほか15万円の合計29万2000円を妻に送金することとしました。そのため、夫は、残りの7~8万円で生活をしていました。
これに対し、妻は平成9年1月に、夫の勤務先を訪れ、経理部長に対し、夫の給与を自己の口座に振り込むよう要求し、断られると、夫と不倫相手の貞子の前記の浮気について告げ、会社としての処罰を要求したため、夫は解雇されました。

6 夫の再就職と夫婦のその後
夫は郷里に戻り、株式会社Tに就職しました。この間数ヶ月は、夫は妻に生活費を送金することができませんでした。
すると、妻は同年4月ころに、東京家裁に婚姻費用分担の調停の申立てをしました。しかし、この調停は同年5月には不調となりました。
平成10年12月には婚姻費用分担についての審判があり、その後、夫はこれに基づいた支払をしていますが、夫が妻に全く送金をしなかった期間は、ほぼ前記平成9年初めころの数ヶ月に限られています。

9 長女の家出
長子は妻と同居していましたが、小学校低学年のころに家出をし、児童相談センター等の保護施設にしばらくの間保護されたことが二度ほどありました。

10 夫婦の現在
夫は平成14年春ころには転職し、現在は東京に居住しています。
妻は、現在は館山市に居住し、平成15年6月以降は就職して、手取りで月給15万円程度、ボーナス年額30万円程度の収入を得ています。
判例要約 1 夫の妻に対する離婚請求を認める
調停において、夫が妻に離婚を求めた平成7年末日ころには結婚生活が破綻していたものと認められます。
妻は夫との結婚生活を継続したいとの意向が強いようですが、夫は全くそれを望んでおらず、現実的には困難であると考えられます。

2 妻の、夫が離婚原因を作ったとの主張は認めない
結婚生活の破綻の原因ですが、これについては、収入に不相応な生活を強く求め、また、夫に対しての不満に基づくいやがらせや、夫へのあてつけ的な行為を続け、意思を通じ合わせようとしなかった妻に主として責任があると認められます。
また、夫が不倫相手の貞子と不貞関係にあったことは認められるけれども、これは妻の夫婦関係がほぼ破綻に至った時期の出来事と認められます。
よって、離婚の原因は妻の行動による結婚生活の破綻と考えられ、夫にも妻のそれと同等かそれに近い責任があるとみることはできないと、裁判所は判断しました。

3 長女の長子の親権は妻と認める。
妻と同居していた長子が、小学校低学年のころに家出し、児童相談センター等の保護施設にしばらくの間保護されたことが二度ほどありましたが、その件はかなり昔のことであり、また、夫は妻との別居以来長らく長子に会っていないことなどを考慮すると、長女の親権者を、とりあえずは妻と認めるのが相当であると考えられます。
原文 主   文

 一 原告と被告とを離婚する。
 二 原告と被告間の長女A(平成3年○○月○○日生まれ)の親権者を被告と定める。
 三 訴訟費用は,被告の負担とする。

       事実及び理由

第一 請求及び申立て
 一 原告と被告とを離婚する。
 二 原告と被告間の長女A(平成3年○○月○○日生まれ)の親権者を原告と定める。
第二 事案の概要
 一 事案の要旨
   本件は,原告が,被告に対し,民法770条1項5号に基づく離婚,これに伴う親権者の指定を求めた事案である。
 二 争点
   ア 離婚事由及びこれによる婚姻の破綻の有無,イ 原告は有責配偶者であるとの被告の主張(原告は自己中心的な性格で,被告と協力する意向がなく,不貞行為などもあるとの主張)の当否,ウ 離婚請求が認容される場合の相当な親権者である。
   アについては,原告は,被告の自己中心的でヒステリックな性格,収入に見合わない生活をしたがるなど外面にこだわる傾向などにより正常な婚姻生活の継続が困難であることを挙げている。
第三 争点についての判断
 一 認定事実
   証拠(甲1ないし5,乙1,原被告本人尋問の結果。ただし,乙1及び被告本人尋問の結果については,以下の認定に反する部分を除く)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。乙1,被告本人尋問の結果のうち右の認定に反する部分は採用できない。
  1 原告(昭和37年○月○○日生まれ)と被告(昭和40年○月○日生まれ)とは,平成3年2月13日に婚姻の届出をした。両者間には,長女A(平成3年○○月○○日生まれ)がある。
  2 原被告は婚姻当初世田谷区のアパートに住んでいたが,平成5年春ころ原告の勤務するシートゥーネットワーク株式会社の本社が移転するに伴い,埼玉県越谷市に転居した。
    被告は,都会志向,高級志向,また,全般に外見を気にする傾向が強く,そのため,越谷市への転居後は,しばしば不満を爆発させ,興奮状態が続いて,原告に包丁を突きつけたり,子供に当たるなどのことがあり,また,日常的にもこうしたあてつけやいやがらせなどの行為,態度が続いていた。なお,原被告の性生活は,長女誕生後はなくなっていた。
  3 そこで,原告は,平成5年9月には高収入を求めて株式会社ソニー生命に転職したが,結果的には収入が減ってしまった。また,平成6年初めころに原被告は世田谷区に転居したが,家賃が高く,さらに,被告が長女を有名私立幼稚園に入れることに固執した(平成7年4月入園)ことなどから,原告は借金をしてこれに応えざるをえなかった。
    しかし,被告の原告に対する前記のような態度は全くあらたまらなかった。
  4 原告は,平成7年7月にシートゥーネットワーク株式会社に再入社し,これとともに新潟県長岡市に単身赴任し,この後事実上被告と別居するようになった。
    この後,被告は,原告に対し,原告の手取りを上回る生活費(月額44万2000円)を要求し,原告は,やむなく,借金をして,月額40万円を支払っていた。
  5 原告は,同年9月に静岡県富士市に転居した。
    被告は,同年11月には東京家裁に夫婦関係調整の調停の申立てをしたが,その内容は実際には婚姻費用請求であり,原告の離婚要請には応じようとしなかった。
  6 こうした状況の中,精神的に参っていた原告は,平成7年末ころ部下のBと関係を持つようになったが,被告が双方に慰謝料の請求をしたことなどから,平成8年6月ころにはこれと別れた。
  7 同年秋,本訴の弁護士に相談   さらに詳しくみる:応じようとしなかった。   6 こうした・・・
関連キーワード 不貞行為,借金,婚姻費用請求,原被告本人尋問,有責配偶者
原告側の請求内容 ①妻との離婚する。
②夫と妻の長女・長子の親権者を夫と定める。
勝訴・敗訴 一部勝訴
予想裁判費用
(弁護士費用)
400,000~600,000円
証拠 1.住民票
・浮気相手と同居していることを証明するもの
2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書
・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの
3.写真、録音テープ、ビデオテープ
・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など
4.探偵社等の調査報告書
・相手の浮気を証明できるもの
5.クレジットカードの利用明細・領収書
・飲食店・ホテルなどの利用記録など
6.パソコン・携帯電話のメール、手紙
・浮気相手とのやり取りを証明できるもの
審査日 第一審 東京地方裁判所判決/平成15年(タ)第728号
第二審 なし
第三審 なし

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