「上破綻」に関する離婚事例・判例
「上破綻」に関する事例:「夫の不倫や異常な性的趣向による夫婦生活の破綻」
「上破綻」に関する事例:「夫の不貞行為や暴力など夫婦関係の破綻原因は夫にあるとして、離婚・慰謝料請求・養育費・子供の親権は妻にあると認められた事例」
キーポイント | 離婚が認められるためには、結婚生活をこれ以上継続することができない重大な理由が当事者の間になければなりません。 離婚に至った原因がどこにあるのかが、ポイントとなります。 |
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事例要約 | この裁判を起こしたのは、妻(原告)であり、裁判を起こされたのは、その夫(被告)です。 1 結婚 夫婦は、平成7年ころ、知り合い交際するようになりました。 そして、妻は、平成8年6月に妊娠し、夫から「大学を辞めて働くから生んでくれ」と懇願されたことから、同年11月7日に婚姻の届出をしました。 妻と夫との間には、長女の祥子(仮名:平成9年生)がいます。 2 結婚生活の資金について 妻と夫とは、結婚するにあたり、双方の親とも話し合い、双方の親が月10万円ずつ援助するという約束で結婚生活を始めました。 しかし、妻の親からの援助は続いたが、夫の親からの援助は、当初半年程度月約5万円あっただけで、 妻の親が退職したことを理由に途切れてしまいました。 夫は、結婚後通信制の大学にかわり、警備員等のアルバイトをして、月12万円~13万円の収入があったものの、苦しい生活でした。 3 夫の性的趣味について 夫は結婚前からも、幼女に対する性的趣向があり、結婚後もそれは続きました。 また、児童ポルノのビデオや本を見るだけに留まらず、妻に対しても自身の性的趣向を強要したりしました。 妻は、夫の異常な性傾向に悩まされ続けました。 4 夫の不倫 夫は、平成13年6月ころ、不倫相手の倫子(仮名)と不倫関係になり、 妻との性交渉中に倫子からメールや電話があるとこれに応じたり、妻に対し、これから倫子に会いに行くとメールや電話で言ってきたりするという有様で、 妻がこれらをやめてほしいと再三懇願したにもかかわらず、夫は、取り合いませんでした。 また、夫は倫子からの手紙を妻の目につくところに放置したりもしました。 夫と倫子とのメールや手紙には卑猥なことが書いてあり、妻の存在を全く無視した内容でありました。 5 夫の精神的負担から、妻が精神病に 妻は、夫の異常性癖と不倫問題からくる不安のため、不眠やうつ状態が続き、平成14年1月26日、精神神経科を受診しました。 妻の主治医は夫に協力を求めたが、夫は自己の行為が妻を深く傷つけていることを理解せず、 主治医から要請された妻の治療の手助けになる適切な行為をほとんどしませんでした。 その後、妻の症状は解離性障害にまで発展し、妻は、平成14年4月18日から同年5月19日までS病院に入院しました。 6 夫の暴力 入院により、妻は若干落ち着きを取り戻し帰宅したものの、完治したわけではなく、 時にパニックになることもあったが、夫は、全く協力的ではなく、胸ぐらをつかんだり、首を強く絞めたり、 蹴ったり、物を投げたりするなどの暴力をふるうこともありました。 7 別居 平成14年7月末に、夫の方から「離れたい」と言い始め、同年9月22日に夫が家を出て実家に戻り、妻と夫とは、以後別居状態が続いています。 その後、妻も、夫との婚姻生活を続けることはもはや不可能と判断し、平成14年10月27日、長女の祥子を連れて実家に戻りました。 8 夫婦のその後 妻は、現在も月2回、S病院に通院して投薬を受けており、通院を終了する時期は、いまだ明確ではないが、以前よりは大分落ち着いてきています。 夫は、平成14年8月に左腕の正中神経に腫瘍ができていることが分かり、3度の手術を受け、 現在、勤務先である生活協同組合を休職中である上、上記の治療費や妻の入院費等をまかなうため借り入れた医療ローンやその他の借入債務が合計約190万円ほどあります。 なお、夫は仕事に復帰すれば月約30万円の収入があり、手取りで約20万円あります。妻は、現在、働いておらず、両親の経済的支援に依存している状態であります。 9 離婚調停 妻は、東京家庭裁判所に離婚調停を申し立てたが、平成15年5月27日、調停は不成立となりました。 |
判例要約 | 1 離婚の原因は夫にあります 夫の不倫や暴力など、夫婦生活の破綻になる原因を作ったのは夫と認められます。 2 妻の離婚請求を認める 夫の浮気や暴力により、妻の離婚請求は、結婚生活を継続することが難しい重大な理由がある場合に当たるものとして、離婚請求を認めました。 3 長女の親権を妻と認める 妻の病状も以前よりは大分落ち着いてきていること、夫婦の別居から長女の祥子は妻と一緒に暮らしてきたこと、 そして、夫は異常な性的興味が強く、異常な性傾向が認められることからすると、長女の祥子の親権者は、妻と指定するのが相当と認められました。 4 妻の慰謝料請求の一部を認める 妻と夫との間の夫婦関係破綻の原因は、妻が長年の間、夫の異常な性傾向に悩み、 また、夫の不倫関係の下で生活していることに耐え切れなくなって精神をむしばまれ、 ついに破局に至ったものと認めることができるので、これまでの経緯を総合すると、 夫は、これにより妻が受けた精神的苦痛に対して責任を持つべきであり、その額は300万円が相当と認めました。 5 妻の長女に対する養育費請求を認める 妻と夫の収入、資産等の資力、子供の年齢等を考慮すると、夫が妻に負担すべき長女の養育費は1か月5万円と定めるのが相当と認めました。 |
原文 | 主 文 1 原告と被告とを離婚する。 2 原告と被告との間の長女A(平成9年○月○○日生)の親権者を原告と定める。 3 被告は,原告に対し,金300万円及びこれに対する判決確定の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 被告は,原告に対し,長女Aの養育費として,判決確定の日から同人が満20歳に達する日まで1か月につき5万円の割合による当月分の金員を,毎月末日限り支払え。 5 原告のその余の請求を棄却する。 6 訴訟費用はこれを10分し,その2を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 主文第1,第2及び第4項と同旨 2 被告は,原告に対し,金500万円及びこれに対する平成15年8月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 本件は,原告が被告に対し,婚姻を継続し難い重大な事由があることを理由に離婚及び親権者の指定を求めるとともに,慰謝料及び養育費の支払を求めたものである。 2 当事者の主張 (1)原告の主張 ア 離婚請求について (ア)原告は,結婚前後にわたり,幼女に対する性的興味という,被告の異常な性傾向に悩まされ続けた。 (イ)被告は,結婚後の平成13年6月ころ,B(以下「B」という。)と不倫関係になった。 (ウ)原告は,被告の異常な性傾向と不倫問題からくる不安のため,不眠,動悸,抑うつ状態等が続き,ついには解離性障害に罹患し,平成14年4月18日から同年5月19日まで晴和病院に入院した。ところが,被告は,原告の治療の手助けになる適切な行為をほとんどしなかった。 (エ)原告は,退院後,時にパニックになることもあったが,被告は全く協力的ではなく,暴力をふるうこともあった。その後,被告は,平成14年9月22日に家を出て実家に戻り,以後,別居状態が続いている。 (オ)以上のとおり,原告,被告間の婚姻関係は破綻しており,婚姻を継続し難い重大な事由がある。そして,その破綻は上記のような被告の性癖や不倫に起因するものであるから,破綻の責任は被告にある。 イ 親権者について 被告の異常な性傾向を考えるならば,娘であるAの親権者として被告は不適切であり,親権者は,原告と指定するのが相当である。 ウ 慰謝料請求について 原告,被告間の婚姻関係の破綻は,専ら被告に原因があり,被告は,原告が上記破綻により被った精神的苦痛を慰謝すべき責任があり,慰謝料としては500万円が相当である。 エ 養育費について 原告は,現在働いておらず収入がなく,被告の経済的優位は明らかであるから,被告に対し,長女Aの養育費として,判決確定の日から同人が満20歳に達する日まで1か月につき5万円の割合による金員を,毎月末日限り負担させるのが相当である。 (2)被告の主張 ア 被告は,原告と被告との婚姻関係が事実上破綻していることは特に争わず,離婚自体はやむを得ないと考えているが,長女Aの親権者は被告とすべきである。 イ 被告には,幼女に対する性的興味という異常な性傾向はなく,被告が原告に対し,暴力をふるったことはない。 ウ 被告は,平成14年8月,左腕の正中神経に腫瘍ができていることが分かり,手術を受け,約1か月間休職し,また,同年10月には,交通事故により約3か月間自宅療養せざるを得なかった。さらに被告は,平成15年 さらに詳しくみる:1か月間休職し,また,同年10月には,交・・・ |
関連キーワード | 解離性障害,不倫関係,浮気,精神病,慰謝料請求,離婚調停 |
原告側の請求内容 | ①妻と夫とを離婚する。 ②妻と夫との間の長女の祥子(仮名)の親権者を妻と定める。 ③夫は、妻に対し、金500万円及びこれに対する判決確定の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ④夫は、妻に対し、長女Aの養育費として、判決確定の日から同人が満20歳に達する日まで1か月につき5万円の割合による当月分の金員を、毎月末日限り支払え。 |
勝訴・敗訴 | 一部勝訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
880,000円~1,080,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所判決/平成15年(タ)第744号 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「夫の不倫や異常な性的趣向による夫婦生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判は、妻(原告)が夫(被告)に対して起こした裁判です。 1 結婚 妻と夫は昭和62年4月に結婚の届け出をして夫婦となりました。 二人はともに区役所の職員であり、長男の太郎(仮名)・次男の次郎(仮名)・三男の三郎(仮名)がいます。夫には前妻の山田(仮名)がいます。 2 結婚生活 妻と夫は結婚当初、円満な生活を送っていましたが、夫が何の説明もなく前妻との間の子供に会ったり、 妻が長男の妊娠のつわりで家事ができなくなったりしたことで、もめるようになりました。 その後、夫による暴力が目立つようになりました。 3 離婚調停 妻は暴行があったために、平成6年ころ家庭裁判所に調停を申し立て、太郎と次郎を連れて家出をしました。 しかし調停はまとまらず、夫の態度も少し良くなってきたので再び同居をはじめました。 4 不動産の購入 妻と夫は平成7年3月家を購入し、持ち分は妻が4分の1・夫が4分の3としました。 5 さらなる夫の暴行 家を購入し転居したころ、夫の暴行がエスカレートしてきました。妻は夫に殴られたり蹴られたりしたため、 尾椎骨折・顔面挫傷の怪我をし、平成12年には鼓膜を3回破られ、平成9年には腰椎横突起骨折・腰部挫傷の傷害を負いました。 夫に殴られ平成12年12月には頭部を2針縫う、平成13年6月には右目を4針縫うなどの傷害を負いました。 6 子供の不登校 平成10年、太郎が小学5年生のころから不登校が始まり、次郎の不登校も始まりました。 妻は子供達を叱るときに時に手を上げたり、声を荒げたり、汚い言葉を使うことがあり、これが発端となって夫が妻に暴力を振るうことがありました。 妻は子供の不登校について児童相談所に相談をしていました。 7 ダウン症の三男 平成10年、妻と夫の間に子供が生まれましたが、三郎はダウン症でした。 夫は夜遅く飲酒をして帰ることが多く、家事もあまり手伝うことはなく、三郎の保育園の送迎もほとんどしていません。 その後も積極的に子供達にかかわることはありませんでした。 |
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判例要約 | 1 親権は妻にある 夫が子育てに積極的に参加している様子はありません。また、兄弟はできるだけ一緒に生活するのが望ましく、 三男がダウン症で、まだ5歳という年齢からして、妻が親権者となるのがよいと判断されました。 2 夫は妻に対して養育費を支払う 夫と妻は区役所の職員として安定した収入を得ています。夫は、子供達がそれぞれ万20歳になるまで、 長男と次男に対してそれぞれ4万円、三男はダウン症で養育費を健康な子供に比べ要するため5万円を月々支払うことと命じられました。 3 夫は妻に対して財産を分与する 預金については、妻名義と子供名義の預金は妻が管理しており、夫名義の貯金は夫の管理となっているので、これは分けあわないことになりました。 不動産については、夫から妻に対して100分の29を分け与えることが相当とされました。 4 夫は妻に対して慰謝料を支払う 夫の暴力は、妻が家事をおろそかにしたことや、子供達に手をあげたことが原因となったことも認められますが、 その度を著しく超えているとは言えません。しかし夫の暴力は夫婦喧嘩とは言えないほど過激であり、骨折や縫合が必要なほどの怪我を負わせています。 これによる精神的損害を慰謝するために、夫は妻に対して200万円を支払うこととされました。 |
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