「返還請求権」に関する離婚事例・判例
「返還請求権」に関する事例:「性格の不一致による結婚生活の破綻」
「返還請求権」に関する事例:「性格の不一致や長期の別居で夫婦の結婚生活は終わっているとして離婚を認めた判例」
キーポイント | 離婚が認められるためには、結婚生活をこれ以上継続することができない重大な理由が当事者の間になければなりません。 そのためこの事件では、夫婦は愛情を失い、結婚生活はすでに終わっているといえるかどうかが問題となります。 |
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事例要約 | この裁判は夫(原告)が妻(被告)に対して起こした裁判です。 1 結婚 夫と妻は、妻が夫の経営する会社に勤めたことで知り合い、昭和58年3月2日に結婚の届け出をし、夫婦となりました。 その際夫は、妻の子供である仁(仮名)の養親となることを決め、その手続きをしました。 結婚当初、夫は妻に十分な生活費を渡すことができ、結婚生活は円満でした。 2 夫の会社の経営不振 平成5年ころから、夫の経営する会社の経営状態が悪化して、妻に十分な生活費を渡すことができなくなり、 平成10年には妻への生活費はなくなりました。また、夫は平成5年から家族に疎外されているように感じていました。 妻は夫からの性的交渉も拒否をするようになり、その後原告と被告に性的交渉はありません。 3 別居 夫は平成10年ころ、同居していた家を出て、経営していた会社で寝泊まりを始めました。 妻は夫と連絡を取るため電話をするも、夫は電話にでず、出てもすぐ切るなどしました。 4 その後の行動 妻と夫は、妻の母親が亡くなった時には夫婦として行動をしました。 また妻の兄のすすめで、妻が家を購入して夫と同居することが検討され、 夫も家屋を探すのに協力をしましたが、決心はついていませんでした。 結局、二人は再度同居をすることはありませんでした。 5 裁判 夫が妻に対して離婚請求裁判を起こしました。 夫は多額の借金を抱えており、妻との離婚を強く望んでいます。 妻は、夫に愛情はなく離婚もしたいが、夫に貸している1,800万円と慰謝料を受け取ることができれば離婚をするという考えです。 |
判例要約 | 1 結婚生活は終わっている 5年以上の別居生活の間、二人の交渉は単発的であり、妻と夫に性的な交渉もなく、 夫は強く離婚したいと考えています。妻も夫と結婚生活を続けるつもりはないのに離婚に応じないのは、 借金を返してもらうことと、慰謝料のためだけだと考えられます。 よって、夫と妻の結婚生活はすでに終わっており修復の見込みはないとされました。 2 夫の請求を認める もし、妻がお金を返してほしい、慰謝料がほしいというならば、その裁判を起こせばいいので、 この離婚の事件とは関係ありません。離婚の原因は夫にあるとはいえないので、夫の離婚の請求は認められました。 |
原文 | 主 文 1 原告と被告とを離婚する。 2 訴訟費用は,被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 主文同旨 第2 事案の概要 1 本件は,夫である原告が,妻である被告に対し,性格の不一致,長期間の別居等により,その間の婚姻関係が完全に破綻しているとして,民法770条1項5号に基づき,離婚を求めた事案である。 2 前提事実(甲1,2,乙1,原告及び被告各本人,弁論の全趣旨) (1)原告(昭和19年○月○○日生,男性)と被告(昭和8年○月○○日生,女性)は,被告が,原告経営のA(現有限会社B)に勤めたことで知り合い,昭和58年3月2日,婚姻の合意をし,その旨の届出をした。 その際,原告は,被告の子であるC(昭和37年○月○日,男性)との間で,養親子となることを合意し,その旨の届出をした。 (2)婚姻当初は,婚姻生活は比較的円満であった。 (3)平成5年ないし平成8年頃から原告の経営する会社の経営状態が悪化し,原告の被告に渡す生活費が減額され,平成10年頃からはなくなった。 (4)原告は,平成10年頃,被告と同居していた家を出て,経営していた会社に泊まり込むようになった(その後の原告と被告との交渉の程度については,争いがある。)。 (5)原告は,平成15年6月20日,東京家庭裁判所に対し,夫婦関係調整の調停の申立(平成15年(家イ)第4539号)をしたものの,被告は調停に一度も出席せず,同年8月14日,同調停は不成立となった。 3 争点-婚姻関係の破綻の有無 (1)原告の主張 ア 原告は,婚姻後しばらくすると,被告の気の強い性格から婚姻生活の潤いを感じられなくなり,原告と被告は,些細な言葉のやり取り等に不満を持つようになり,互いに,性格の不一致を自覚するようになった。そして,原告と被告は,平成5年頃からは,性格の不一致が極端に露呈するようになり,家庭内で顔を合わせても口をきかないという家庭内別居の状態に至った。 原告と被告は,家庭内別居の状態が5年程度続いた後,平成10年頃から5年以上別居しており,別居後は,夫婦関係の実質は全く失われ,用事があるときのみ,年に1度か2度程度,必要最小限の連絡をする程度の関係となった。 イ 被告は,昭和60年頃から,原告が性的交渉を求めても完全に拒否するようになり,それ以来現在に至るまで,全く性的交渉がない。 ウ 原告は,被告との婚姻を継続する意思はない。 エ よって,原告と被告間の婚姻関係は既に破綻しており,これを修正することは不可能である。 (2)被告の主張 ア 別居及び性格の不一致について 原告と被告が平成10年頃から別々に暮らしているのは,別居ではなく,原告が働くために当分の間帰らないと申し出たのに対し,被告が単身赴任を認めたに過ぎない。 夫婦関係の実質は失われておらず,以下のような事実が存在する。 (ア)被告は,月に1度は原告に電話をかけていた。 (イ)原告と被告は,原告の母が亡くなった前後は夫婦として行動した。 (ウ)原告が被告にリンゴと毛布を持ってきたこともあった。 (エ)原告と被告は,被告が家を購入して原告がそこに一緒に暮らすということで一緒に家を探しにいったこともあった。 (オ)原告と被告は,平成12年頃,原告名義で被告が頭金を出して買った家が競落されたとき,共同してその対応にあたった。 (カ)原告は,平成15年の三,四月頃, さらに詳しくみる: (カ)原告は,平成15年の三,四・・・ |
関連キーワード | 離婚,別居,性格の不一致,養親,養子,慰謝料,借金 |
原告側の請求内容 | ①妻との離婚 |
勝訴・敗訴 | 全面勝訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
400,000円~600,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所判決/平成15年(タ)第943号 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「性格の不一致による結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判は夫(原告)がその妻(被告)に対して離婚を求め、それに対して妻が夫に離婚を求めたとともに、離婚に伴う財産分与と慰謝料を求めたものです。 1夫婦の職業 夫は精神科の医師をしており、現在は開業をしています。妻は客室乗務員として働いています。 2夫と妻の出会い 夫と妻は平成6年11月に知り合い、平成7年2月ころに交際を始めました。平成10年5月ころ、結婚を前提に将来自宅を持つことを話し合い、二人で住居を探し始めました。 3夫の浮気疑惑… 夫は平成12年ころから同僚の佐藤(仮名)に対して恋愛感情を抱いている趣旨のメールを複数送り、佐藤からもそれに応じるかのような趣旨のメールが送られるなどのやりとりが始まりました。 4夫と妻の結婚 夫と妻は平成12年8月4日に婚姻の届け出をして夫婦になりました。 5浮気相手の転居 佐藤は平成13年3月末ころ、福岡県北九州市に転居しました。そのころから夫は妻に内緒で福岡に渡航するようになりました。しかし、表面上は円満な関係が保たれていました。 6妻が夫に子供が欲しいと告げる・・・ 夫と妻は結婚後、一つのベットで寝ていましたが、夫が性交渉を拒絶するようになり、平成14年の秋以降は全く性交渉を行わなくなっていました。 妻は出産の関係上年齢の問題があったため、子供が欲しいと夫に話しました。 しかし、夫はあいまいな返事をして逃げてしまい、真剣に取り合いませんでした。 7夫の一方的な態度、妻は病気に… 平成15年4月、夫は突然一方的に妻に離婚を迫りました。連日のように離婚を口にするようになり、次第に「離婚しないと裁判する」、などと迫るとともに、妻に対して「お前は痴呆だ」「お前を人格障害の患者としてしか見ない」など異常とも思える発言を繰り返し、その結果妻は急性胃炎と仮面うつ病になってしまいました。 8妻が調停を起こす 妻は平成15年8月7日東京家庭裁判所に対して、婚姻費用の分担を求める調停を起こしました。婚姻費用とは夫婦が生活を行っていく上で必要なお金のことです。裁判所は平成17年1月28日に夫に対して平成15年8月以降の婚姻費用として月額12万円の支払いを命じる判断を出しました。そして、夫は妻に対して、平成15年3月分までの婚姻費用を支払いました。 9夫が妻を相手に裁判を起こす 夫は平成15年8月13日に離婚調停を行いましたが、話し合いが整わなかったため、夫は平成15年12月2日に夫と妻との離婚を求める裁判を起こしました。 10平成18年9月26日、妻が夫に対して裁判を起こす 妻の請求①:夫との離婚 妻は執拗に離婚を求める夫の態度や、夫と佐藤との関係に疑惑を抱き、離婚を求めました。 妻の請求②:財産を分け与えよ 裁判所より夫に対して婚姻費用の支払いの命令が下る平成15年8月以前の未払いの婚姻費用について妻は夫に支払いを求めました。そして、夫との預金や夫が医師免許、博士号などの資格を取得したことは2人の財産と言えると主張し、自分もその財産の分配を受けるべきだと主張しました。 妻の請求③:慰謝料を払え 夫は妻に離婚を同意させるため、さまざまな言葉の暴力による虐待を加えました。そして、精神的な苦痛を妻に与えました。また、浮気と疑われる夫と佐藤との関係により、精神的にも肉体的にも苦痛を被ったとして夫に対して慰謝料を請求しました。 |
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判例要約 | ・夫の請求に対する裁判所の判断 1夫と妻の離婚を認める。 すでに両者の結婚生活は破綻しており、また、上記の事例により、両当事者とも結婚生活の破綻を認めているので、裁判所は両当事者の離婚を認めるという判断をしています。 ・妻の請求に対する裁判所の判断 1夫と妻の離婚を認める。 2財産分与は認めない。 夫と妻の間に、財産であると認められる証拠のある財産がないため、妻の請求は認めないと裁判所は判断しています。 2妻の求めた慰謝料請求を認める 妻は夫が佐藤と浮気をしていたと主張しています。夫は佐藤に恋愛感情を抱いていた時期があることは認められますが浮気をしていたという事実を認めることはできないというのが裁判所の判断です。 しかし、夫は突然一方的に離婚を言い出し、妻に対し異常とも思える発言を執拗に繰り返しました。その結果、妻は急性胃炎と仮面うつ病の疑いとの診断を受けるまでに至りました。また夫は「妻と同居をすれば新聞沙汰になるようなことが起きるかもしれない」といった脅迫的な発言もしています。 夫と妻の婚姻関係が破綻した理由はすべて夫にあるといえるため、夫は慰謝料を払わなければならないというのが裁判所の判断です。 |
「返還請求権」に関するネット上の情報
賃貸借契約存続中の敷金返還請求権の確認の訴え(訴えの利益)
建物賃貸借における敷金返還請求権は、賃貸借契約終了後家屋明渡完了時に具体的に発生するものであって、賃貸借契約存続中においては、未だ具体的内容が確定していない抽象的な権利にすぎないから、賃貸借契約存続中における敷金返還請求権の確認の訴えは、確認対象選択の適切性に欠ける]start!!!!!![最高裁は,敷金返還請求権確認の訴えは,現在の権利または法律関係についての確認を求めるものであるとして,対象選択の適切性に欠けるところはないとした]start!!!!!![建物賃貸借における敷金返還請求権は,賃貸借終了後,建物明渡しがされた時において,それまでに生じた敷金の被担保債権一切を控除しなお残額があることを条件として,その残額につき発生するものであって]...
転借人の転貸人・賃貸人に対する敷金返還請求権
返還請求権bを差し押さえ,転付命令を取得すれば,そのまま返ってくる可能性もあった。しかし,xは他の債権者の差し押さえの競合を避けるためか,直接自分の財産であると...xが返還請求権bを有する,?yはzに対し,z・y間の敷金返還請求権...
愛全会事件 出資金返還請求権の時効消滅
死亡退社したaの出資金返還請求権についてです。4、裁判所の判断?aの死亡に伴う出資金返還請求権被告においては、社員の死亡はその社員の退社事由となり、出資社員が退社した場合には、被告に対する出資金返還請求権...