「被告に対する財産分与請求」に関する離婚事例・判例
「被告に対する財産分与請求」に関する事例:「病気の妻を殴る夫による結婚生活の破綻」
「被告に対する財産分与請求」に関する事例:「夫の暴力に原因があるとして、妻の離婚の請求を認め、慰謝料・財産分与の請求を認めた判例」
キーポイント | 離婚が認められるためには、結婚生活をこれ以上継続することができない重大な理由が当事者の間になければなりません。 よってこの裁判では、夫に離婚の原因があるかどうかが問題となります。 |
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事例要約 | この裁判は、妻(原告)が夫(被告)に対して起こした裁判です。 1 結婚 妻と夫は昭和48年11月20日に結婚し、夫の父の所有する建物で結婚生活を開始しました。 長男のけいすけ(仮名)が誕生し、昭和58年には次男のだいすけ(仮名)が誕生しました。 2 夫の暴力 昭和58年10月ころ、夫は外出先から帰宅した妻に理由も述べずに、頭部を殴打するような暴力を振いました。 その後に妻は実家で生活し、時々夫が通ってくるような生活を送りました。 また、一カ月あたり約18万円の生活費を夫は妻に渡していました。 3 妻の病気 妻は平成11年から、関節リュウマチとシェーグレン症候群のために入院しました。 しかし、夫は「働け。働けないなら死ね。」などと暴言を吐きながら殴打するような暴行を振いました。 また、平成13年から生活費を渡さなくなり、妻は預金を切り崩したり、妹に援助を受けたりして生活していました。 4 調停 平成14年6月、妻は夫に無断で夫婦関係調整の調停を行いましたが、夫が一度も来なかったため終わりました。 平成14年に9月ころに妻は、精神的苦痛に対する慰謝料として2,160万円など、合計4,442万1,348円の請求をしました。 5 裁判 妻は夫との離婚と、妻が夫に対して、6,503万5,800円を支払うことを求めた裁判を起こしました。 |
判例要約 | 1 妻の夫に対する離婚の請求を認める 離婚の原因は、暴力などの夫の自己中心的な行動であり、別居後もそのような夫の行動は続きました。 妻は病気をかかえ、経済的な不安から離婚を踏み切れずにいましたが、生活費も夫は支払わなくなりました。 妻と夫は結婚生活を続けられないほどに終わっているといえるので、妻の離婚の請求は認められました。 2 慰謝料・財産分与に関して 離婚の原因は夫にあり、夫は妻の受けた精神的苦痛に対する慰謝料として、300万円を支払うこととされました。 また、結婚以来妻が育児・家事・夫の会社の手伝いをしてきたことから、家の財産分与として165万円の2分の1の82万5000円を支払うこととされました。 |
原文 | 主 文 1 原告と被告とを離婚する。 2 被告は,原告に対し,382万5000円並びに内金82万5000円に対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員及び内金300万円に対する平成14年11月16日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 原告のその余の請求を棄却する。 4 訴訟費用は,これを3分し,その2を被告の負担とし,その余を原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 原告と被告とを離婚する。 2 被告は,原告に対し,金6503万5800円及び内金3000万円に対する訴状送達の日の翌日から,内金3503万5800円に対する離婚判決確定の日の翌日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 原告と被告は,昭和48年11月20日婚姻の届出をした夫婦であり,同人らの間には,長男A及び二男Bがある(甲1)。 2 本件は,妻である原告が,夫である被告に対し,被告の悪意の遺棄,暴力,暴言その他理解しがたい自己中心的な言動等を理由として,離婚,財産分与及び慰謝料を請求している事案である。 3 争点 (1)離婚原因の有無並びに原告の被告に対する慰謝料請求の可否及び金額 (原告の主張) ア 被告は,原告に対し,昭和58年10月ころ,平成5年ころ及び平成13年7月ころの3度にわたって,激しい暴力を振るった。 イ 被告は,平成5年ころまで,同人の父親が経営するC株式会社(以下「C」という。)に勤務していたが,在職中,始業時刻に遅刻したり,遅刻しないようにと考えて起こそうとする原告を,反対に怒ったり,昼食をとりに自宅に帰ってきては,勤務開始の午後1時を過ぎても会社に戻らないなど,およそ社会人としての自覚が欠如した生活ぶりで原告を困惑させ続けた。 ウ 被告は,平成13年11月以降,原告に対して一切生活費を渡さなくなった。 エ 原告は,平成14年6月,夫婦関係調整の調停を申し立てたが,被告は1回も期日に出頭しなかったため,同年6月21日不成立となった。被告は,原告との婚姻関係の調整についても全く真摯な対応をしなかった。 オ 被告は,原告に無断で,D信用金庫との間で,原告名義によりカードローン契約を締結した上,返済を怠った。しかも,被告は,原告にそのことを謝るどころか,D信用金庫にカードを回収されたことを,原告の責任だと言って,悪態をつく有様であった。 カ 原告はそれまで我慢に我慢を重ねてきたが,平成14年9月末ころ,被告は自ら離婚原因を作り出してきたにもかかわらず,原告に対し,「夫婦が5年以上別居すると十分な離婚の理由となります。」と記載された請求書と題する書面により,精神的苦痛慰謝料2160万円のほか合計4442万1348円の支払いを請求してきた。そのため,原告は,これ以上被告との婚姻関係を維持することに耐えきれなくなり,被告との離婚を決意した。 キ 以上のような被告の行為は,民法770条1項2号の悪意の遺棄に該当し,かつ,原・被告間には同条1項5号の婚姻を継続し難い重大な事由がある。 ク 原・被告間の婚姻は,上記の被告の悪意の遺棄や暴力,暴言その他理解しがたい異常な言動により破綻したものであり,原告はそれによって多大な精神的苦痛を受けた。原告が被告の突然の暴力や理解しがたい言動により約30年もの間,苦しめられてきたこと等を勘案すると,3000万円をもって慰謝するのが相当である。 ケ よっ さらに詳しくみる:あり,原告はそれによって多大な精神的苦痛・・・ |
関連キーワード | 離婚,暴力,暴行,家庭内暴力,DV,慰謝料,夫婦関係調整調停 |
原告側の請求内容 | ①夫と離婚すること ②夫が妻に対して6503万5800円を支払うこと |
勝訴・敗訴 | ①一部勝訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
782,500円~982,500円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所/平成14年(タ)第846号 第二審 なし 第三審 なし |
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