離婚法律相談データバンク 深い愛情に関する離婚問題「深い愛情」の離婚事例:「価値観や結婚観の相違による夫との結婚生活の破綻」 深い愛情に関する離婚問題の判例

深い愛情」に関する事例の判例原文:価値観や結婚観の相違による夫との結婚生活の破綻

深い愛情」関する判例の原文を掲載:と,本当にX1が傷つくことになると予言し・・・

「妻が旧姓を使って仕事をしていることを問題視した夫に対する離婚請求が認められた判例」の判例原文:と,本当にX1が傷つくことになると予言し・・・

原文 ,平成14年7月頃には同年9月に帰国しないことをほぼ決め,その旨を被告に伝えたが,被告は,原告に対し,愛している旨を述べ,帰国して同居することを繰り返し求め,そのあまり,「私はX1がドイツに再入国することを許しません。このままX1の思うように進めると,本当にX1が傷つくことになると予言しておきます。」「あなたの今のやり方は,日本・ドイツの法律に違反しようとしているし,世の中の常識からも外れています。自分の欲望,歌をドイツで歌いたいという,自分の欲望のみを優先させているように私には見えます。」「自分の好きな歌だけを歌って,拍手を受けて,何が意味があるのですか?自分の欲望を満たすだけでしょう。」「あなたが妻としての役目を果たす時です。どうしても行くということであれば,家を捨てて出て行くとみなさざるを得ません。ドイツの役所に問い合わせるのか,日本の大使館に問い合わせるのか,分かりませんが,私なりに八方手をつくしてX1が自宅に帰るように努力するつもりです。淡々とやることになると思います。」といったことをメールに記載した。
    原告は,こういったメールの内容に恐怖すら感じ,あるいは,いわば自己の存在そのものである歌について悪し様に言われたことで,被告に対し生理的な嫌悪感すら抱くようになり,平成14年8月にドイツ国内で転居したものの,その住所を被告には知らせず,現在も明らかにしていない。
    また,原告と被告とは,平成14年9月4日頃,熊本において,原告の父母を交えて話合いの場を持ったが,原告は,被告の対応がこれまでと同じであったため短時間で席を立ち,話合いにはならなかった。
  キ その後,原告はドイツで,被告は日本で生活し,原告と被告は,平成14年9月以降は調停期日において2回,いわゆる同席調停の場で顔を合わせただけであり,メールや手紙でのやりとりも平成14年9月頃が最後でそれ以後は全くないといっていい状況にある。
(2)離婚について
   以上の事実によれば,原告と被告とは,平成13年3月22日に入籍したが,その後の同居期間は1か月程度であり,夫婦としての共同生活は平成14年9月から営むことを予定していたもので,未だ共同生活の実体が形成されておらず,今後それを一から築いていかなければならないという夫婦であるところ,原告においては,被告に対する愛情及び信頼を完全に失い被告と共同生活を形成する意思を確定的に喪失しており,被告においては,原告に対する愛情を失っていないとは言うものの,被告の心の動きを察知することができず,調停や本件訴訟における被告の応答等をも勘案すると,原告と信頼関係を形成できるような精神状況にはないものといわざるを得ない。
   以上のとおりであるから,原告と被告との婚姻関係は,夫婦として共同生活の実体が形成される見込みが全くない状態に至っているもので完全に破綻しているものと認められ,婚姻を継続し難い重大な事由があるものということができる。
   そして,上記事実によれば,原告と被告との婚姻関係が破綻した原因が原告にのみ一方的にあるとはいえないから,原告からの離婚請求は認められるというべきである。
(3)慰謝料請求について
   上記事実によれば,原告と被告との婚姻関係の破綻は,被告のメールが直接的な契機とはなったものの,その原因の根本は,原告と被告との価値観や結婚観の相違,感性の違いにあり,被告のメールはそれを顕在化させたにすぎないものというべきで,被告の上記認定した行為には,不法行為として違法と評価すべき行為まではなかったというべきである。
   よって,慰謝料請求は認められない。
(4)以上のとおりであるから,原告の請求は,離婚を求める限度で理由があるから認容し,慰謝料請求の点は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。
    東京地方裁判所民事第6部
        裁判官  田 中 寿 生