離婚法律相談データバンク 文化的暴力に関する離婚問題「文化的暴力」の離婚事例:「仮面夫婦による結婚生活の破綻」 文化的暴力に関する離婚問題の判例

文化的暴力」に関する事例の判例原文:仮面夫婦による結婚生活の破綻

文化的暴力」関する判例の原文を掲載:係であった旨の供述部分があるが,原告と被・・・

「客観的にみて婚姻関係はまだ破綻しているとはいえないとして、離婚請求が認められなかった判例。」の判例原文:係であった旨の供述部分があるが,原告と被・・・

原文 寝室のダブルベッドで被告と寝たことはない旨の供述部分もあるが,証人Aの証言(及び乙5)並びに被告本人尋問の結果(及び乙6)に照らしたやすく信用することができず,証拠として採用できない。
(4)以上の事実によれば,前記のとおり,原告の供述中には,被告とは平成元年頃から夫婦という実体はなく,いわば仮面夫婦であり,被告とはオーバーにいえば手を触れるのも嫌な関係,空気を一緒に吸いたくない関係であった旨の供述部分があるが,原告と被告との夫婦関係は,互いの内面にあまり深く立ち入らない,冷めた関係にあり,精神的結合の程度は強いものではなかったとはいえるものの,被告は原告のために家事その他の身の回りの世話を不足なくやっており,被告がそれらを嫌がったり原告がそれらを拒むこともなかったもので,原告と被告との関係,A,あるいはB夫婦をも含めた家族関係については,夫婦共同体,家族共同体としての実体が保たれていたものというべきである。そして,乙1及び8の写真の様子や原告が被告の一番嫌であった点について尋ねられても,考え方,行動,価値,文化の違いという抽象的な答えしかできなかったことなどをも勘案すると,原告が手を触れるのも嫌な関係,空気を一緒に吸いたくない関係にあったとする点についても,一般通常人の感覚からすると首肯できないというべきである。
   そして,被告においては,離婚を何度か口にすることはあっても,離婚の条件面に話を発展させたり,離婚に向けて収入や住居の確保といった具体的な準備行為をなしたことは認められず,また,原告から離婚を切り出された後においても,自ら積極的に望んで離婚に向けた行動をとっていたわけではなく,現状のままで原告との婚姻生活を続けることに不満があったり不都合を感じていたわけではないことが認められるから,被告において,原告との夫婦共同体を解消する確定的意思があり,それが客観的にも明らかになっているとはいえないというべきである。
   加えて,前記認定した事実によれば,原告は,Bの七七日法要及び納骨を終えるや否や被告に対し離婚を切り出し,すぐさま原告側弁護士を委任するといったように,離婚に向けて着々と手順を進めたこと,それと並行して,原告においてHとの関係を隠し立てしなくなり,二人の関係が表立ったものとなっていること,原告とHとの関係は,原告においては否定するものの,世間一般的にみれば不貞関係があると疑われるに十分な状況にあること,以上のとおりいえるのであって,原告にあっては,Hの存在が被告との別居,離婚と無関係ではないといわざるを得ないというべきである。
   以上の点を総合すると,原告と被告との関係は平成14年6月頃までは夫婦共同体としての実体が保たれていたもので,平成14年6月,7月頃以降に,原告において,Hの存在があって,被告から身の回りの世話を受けることを拒否し,被告と口をきかなくなったことで家庭内別居状態となり,平成15年3月21日から原告の転居により現に別居状態になったものといえる。したがって,原告と被告との別居状態は,原告主導で作出されたもので,未だ客観的に固定化したといえる段階には達しておらず,原告と被告との婚姻関係は,その回復が客観的に不可能な状態に達したものとは未だいえず,婚姻を継続し難い重大な事由があるとはいえないというべきである。
   よって,原告の請求は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。
      東京地方裁判所民事第6部
        裁 判 官   田  中  寿  生

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