離婚法律相談データバンク 「全証拠」に関する離婚問題事例、「全証拠」の離婚事例・判例:「夫の浮気による結婚生活の破綻」

全証拠」に関する離婚事例・判例

全証拠」に関する事例:「夫の浮気による結婚生活の破綻」

「全証拠」に関する事例:「夫の浮気は妻との婚姻関係が完全に破綻する前から始まったため、婚姻関係の破綻は夫の浮気が原因であるとして、夫からの離婚請求が認められなかった判例 」

キーポイント 離婚の原因を作った者からの離婚請求を裁判所は認めないという原則があります。
しかしそのような場合でも、離婚請求が認められる場合があります。
どのような場合が認められて、どのような場合が認められないのかがポイントです。
事例要約 この裁判を起こしたのは夫(原告)で、裁判を起こされたのは妻(被告)です。
1 結婚
夫と妻は平成5年12月25日に結婚しました。
平成6年には長男が、平成8年には二男が誕生しました。
2 別居
夫は会社を経営していましたが、平成9年ころから経営がうまくいかない状態が続いていました。
そんな中苦労している夫に対して、妻が配慮をしなかったことや、経済的なことが原因で夫婦関係がぎくしゃくしていました。
3 妻、夫の浮気を疑う
平成10年2月ころから、夫と妻の間の性交渉がもたれなくなったことから、妻が夫の浮気を疑い、その相手方として夫の仕事上の付き合いのあるアユミ(仮名)を疑いました。
平成10年3月20日ころ妻は夫に対してアユミとの浮気を追及し、夫の頭部を数回殴りました。夫はこれに腹を立て家出をしました。
3日後に夫は自宅に戻りましたが、妻がアユミに対して夫との交流をやめるように要求した事実を聞いて怒り、夫は再び家出をしました。
しかし、その時点では夫自身確定的に別居をしようと考えていたわけではなく、離婚の意思を持っていたわけでもありませんでした。
4 夫の浮気
夫はアユミではなく、トモコと浮気をしていました。平成10年4月12日には妻と同居していた自宅にトモコを連れ込んだりもしました。
5 妻、夫の浮気発覚
妻は平成10年4月28日ころ、夫とトモコの浮気関係を示す写真を見つけて、夫のトモコとの浮気が発覚しました。
6 夫からの離婚請求
夫は妻に当判例の離婚を求める裁判を起こしました。
判例要約 1 婚姻関係の破綻は夫の浮気が原因
夫は、妻との別居後少なくとも1カ月以内にトモコと浮気をしています。その当時、夫と妻の婚姻関係は危機に瀕していましたが、完全に破綻していたとはいえません。
夫の浮気が妻との婚姻関係を決定的に破綻に追い込んだといえます。
2 夫の離婚請求を認めない
離婚の原因を作った者からの離婚請求を裁判所は認めないという原則があります。
しかしそのような場合でも、離婚によって相手が過酷な状態に置かれないなど特段の事情があれば、離婚請求が認められる場合があります。
この夫婦の場合、離婚によって妻が精神的、社会的、経済的に過酷な状態におかれるとは認められません。
しかし、夫と妻の別居期間が約5年しかないこと、二男が病気を患って平成14年4月15日から19日まで入院していることなどから健康状態に不安があり、離婚することで今後二男の生育にかなりの困難が予想されることなどを考慮すると、離婚の原因を作った者からの離婚請求を認めるに足りる理由があるとはいえません。
よって、妻に対する夫の離婚請求は認められません。
原文  主   文

 1 原告の請求を棄却する。
 2 訴訟費用は原告の負担とする。

       事実及び理由

第1 請求
 1 原告と被告とを離婚する。
 2 訴訟費用は被告の負担とする。
第2 事案の概要
  原告と被告は,平成5年12月25日,婚姻の届出をした夫婦であり,両名の間には,長男A(平成6年○月○○日生)及び二男B(平成8年○月○○日生)がいる(甲1)。
  原告と被告は,平成10年3月20日ころ,原告が家を出て以来,本件口頭弁論終結まで別居生活を続けており(原告本人,弁論の全趣旨),本件口頭弁論終結時点で原被告双方とも,婚姻関係を修復するための努力を何らしていないことから(原告本人,被告本人,弁論の全趣旨),今後婚姻関係が修復される可能性もないといわざるを得ず,原告と被告との婚姻関係は既に完全に破綻しており,婚姻を継続しがたい重大な理由がある。
  一方,原告は,Cなる女性(以下「C」という。)と不貞関係を持ったことがある。
 (争点)
  原告は,いわゆる有責配偶者にあたり,本訴請求は,有責配偶者からの離婚請求であって,離婚請求は認められないか否か。
 1 原告の主張
 (1)原告がCと不貞関係を持つに至ったのは,被告と別居した平成10年3月20日ころ以降のことであって,不貞関係が別居の原因ではない。原被告間の婚姻関係は,既に原告が不貞関係を持った時点では破綻していたものであり,原告に婚姻関係破綻に至る有責性は認められない。
 (2)また,離婚によって被告が精神的,社会的,経済的に過酷な状態におかれるということもない。
 2 被告の反論
 (1)原告がCと不貞関係を持ったのは,平成10年3月20日以前のことであり,別居及び婚姻関係破綻の一番の原因は,この原告とCの不貞関係にある。
 (2)原告と被告の二男Bは,成長ホルモン分泌不全性低身長,気管支喘息,心室性期外収縮により,平成14年4月15日から同月19日まで入院し,その後月1,2回程度の通院をしている状態であり,今後,身体的にも経済的にも,その生育にかなりの困難が予想される。
 (3)また,原告は,調停によって支払を約束した婚姻費用を任意に支払わないなど,その義務の履行について極めて不誠実であって,仮に離婚が成立してそれに伴う金銭給付の義務を負っても,誠実に支払がなされる見込みは全くない。
第3 争点に対する判断
 1 証拠(甲6,13,乙1,2,3,7,8,原告本人,被告本人)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
 (1)原告と被告は,別居を始めた平成10年3月20日ころの1年くらい前から,原告が経営する会社の経営状態が厳しい中,金策に苦慮している原告に対して,被告が配慮を示さなかったことなど,経済的なことが原因で,夫婦関係がぎくしゃくしていたものの,当時育休中であった被告が,別居の3か月くらい前には,育休期間を平成11年4月まで延長する旨の申請をするなど,原告との婚姻関係が継続することを当然の前提とした行動にでるなど,原被告間の婚姻関係は,破綻しているといった状態ではなかった。
 (2)しかし,平成10年2月ころから,原告と被告の間の性交渉がもたれなくなったことから,被告が,原告の不貞を疑い,その相手方として,原告と仕事上のつきあいのあったDという女性を疑った。なお,原告は,このころ,客としてきたCと知り合っている。
 (3)被告は,前記のとおりDと原告との不貞関係を疑っていたことから,平成10年3月20日ころ,自動車内で原告に対して,不貞関係を追及し,   さらに詳しくみる:の不貞関係を疑っていたことから,平成10・・・
関連キーワード 有責配偶者,不貞行為,別居,婚姻関係,不貞関係
原告側の請求内容 ①妻との離婚
勝訴・敗訴 全面敗訴
予想裁判費用
(弁護士費用)
400,000円~600,000円
証拠 1.住民票
・浮気相手と同居していることを証明するもの
2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書
・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの
3.写真、録音テープ、ビデオテープ
・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など
4.探偵社等の調査報告書
・相手の浮気を証明できるもの
5.クレジットカードの利用明細・領収書
・飲食店・ホテルなどの利用記録など
6.パソコン・携帯電話のメール、手紙
・浮気相手とのやり取りを証明できるもの
審査日 第一審 東京地方裁判所判決/平成14年(タ)第380号
第二審 なし
第三審 なし

上部の「夫の浮気による結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例

事例要約 (第一審)
この裁判を起こしたのは、夫(原告)であり、裁判を起こされたのは、その妻(被告)です。

1 結婚
当事件の当事者である夫は、妻と平成2年5月16日に婚姻の届出をし、夫婦となりました。
また夫婦の間には、長女の花子(仮名)が平成2年9月2日に、次女の桜子(仮名)が平成5年6月24日に、それぞれ誕生しています。
2 夫の浮気
妻は、平成5年7月に夫と甲山(仮名)と不倫関係になっていたことを知り、これを切っ掛けに夫婦関係が悪化しました。
3 夫婦の別居
夫と妻は、平成5年12月に妻が別のマンションに転居し、別居することになりました。
夫は、平成6年3月17日に妻のマンションに転居して、妻との同居生活を試みましたが、喧嘩が絶えることがありませんでした。
結局夫と妻は、同年7月16日に確定的に別居することになりました。
4 夫が別の女性と交際
夫は、平成9年7月に乙川(仮名)と交際するようになり、同年10月に乙川と同居するようになりました。
なお夫と乙川の間には、太郎(仮名)が平成11年8月28日に誕生しています。
5 夫による離婚請求の訴えの提起
夫は、平成10年4月14日に那覇家庭裁判所に対して、夫婦関係調整調停の申し立てをしましたが不調に終わったことから、同年10月6日に那覇地方裁判所に対して離婚請求の訴えを起こしました。
そして那覇地方裁判所は、平成12年2月14日に夫の離婚請求を認めて、子の親権者を妻に指定する判決を言い渡しました。
これに対して妻は、判決を不服として控訴しました。
そして福岡高等裁判所は、平成12年7月18日に原判決を取り消して、夫の離婚請求を棄却する判決を言い渡しました。
なお最高裁判所まで持ち込まれましたが、上告が受理されず平成12年7月18日に判決が確定しました。
6 夫が当判例の裁判を起こす
夫は、平成13年に那覇地方裁判所に対して、当裁判を起こしました。

(第二審)
この裁判を起こしたのは、妻(控訴人)であり、裁判を起こされたのは、その夫(被控訴人)です。

1 妻が当判例の裁判を起こす
妻は、当判例の第一審の判決(平成15年1月31日付)を不服として、同年に控訴を起こしました。
判例要約 (第一審)
1 結婚生活は破綻している
夫と妻の結婚生活は、夫の浮気が原因で完全に破綻しており、民法上の離婚の理由にも該当すると、裁判所は判断しています。
2 有責配偶者からの離婚請求について
結婚生活が破綻したのは、夫の浮気のよるものが大きいことから、その責任は夫にあるとしています。
その夫からの離婚請求は通常認められにくいのですが、本判決においては、夫婦の別居期間や夫が妻に対し結婚費用を支払っていること、二人の子供に対して父親としての関係を継続している点を考慮し、裁判所は夫からの離婚請求を認めています。
3 養育費、子の親権者の指定について
裁判所は、子の親権者について妻が相当であるとしています。
また養育費については、子供たちが成人するまで毎月支払うように命じています。

(第二審)
1 結婚生活の破綻の有無について
裁判所は、夫婦の別居生活について長期に及んでいることから、形式だけの夫婦であると指摘した上で、結婚生活の破綻の度合いは極めて深刻なものであるとしています。
2 離婚請求を認めたことについて
妻は離婚が認められると経済的に苦しくなると訴えていますが、これを裁判所は現在の離婚の事情や、沖縄県の平均所得などを挙げた上で、離婚請求が認められても経済的に苦しくなるとは言えないとしています。
また、離婚請求を棄却したとしても、形式だけの夫婦関係を維持することになり、それにより夫婦間の葛藤や緊張が子の福祉に影響を及ぼすことを考えると、かえって弊害が多いとしています。
従って、子の福祉の影響を及ぼさないことから、離婚の請求を認めることが出来るとしています。
3 養育費、子の親権者の指定について
裁判所は第一審通り、子の親権者の指定については、妻が相当としています。
また、養育費の支払いについても第一審通り、夫に支払いを命じていますが、第二審の確定した日の次の月からの支払いに変更するとしています。

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