「児童」に関する離婚事例・判例
「児童」に関する事例:「妻の宗教活動による結婚生活の破綻」
「児童」に関する事例:「妻の宗教活動を理由に破綻した結婚に対して妻が請求する離婚と子供の親権が認められた事例」
キーポイント | この事件のキーポイントは離婚が認められるためには、結婚生活をこれ以上継続することができない重大な理由が当事者の間になければなりません。 結婚関係の破綻は妻と夫どちらの責任なのかが問題となります。 |
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事例要約 | この裁判を起こしたのは、妻(原告)であり、裁判を起こされたのは、夫(被告)です。 1 結婚 平成6年頃、妻は兄の友人であった夫と知りあい平成8年11月18日結婚の届出を提出しました。妻は、夫から結婚を申し込まれた際、夫に自分が創価学会の会員であることを話し、これに対し夫は妻の信仰について妻の自由意思にまかせるが結婚生活に支障をきたさないようにしてほしいとだけ要望しました。夫が妻の宗教活動に理解を示したことから妻は夫との結婚を了承しました。 2 妻が夫に創価学会の会員を紹介 結婚数日後に妻は夫を創価学会の地区部長の自宅へ連れて行きました。夫はその場で数人の創価学会の会員に紹介され創価学会への入信を勧誘されたため、夫は困惑し不快感を感じ、妻が夫の気持ちや宗教観(無信仰)を尊重するより自己の信仰を優先させたと考え、妻の信仰に対し警戒心を持つようになりました。 3 妻の妊娠 妻は夫との結婚前から子供を出産することを拒否していましたが、結婚後3年経って妊娠し、平成12年3月には妻と夫は東京都中野区の夫の父が購入したマンションに転居しました。ただし、その際も妻は仏壇を南側和室に置くなど宗教活動を控える様子はありませんでした。 4 妻の出産 平成12年9月27日に長男の太郎(仮名)が出生しました。結婚前から子供を諦めていた夫は太郎の出生を非常に喜びました。 5 妻が太郎を入信させたことを夫が知る 平成13年2月中旬ころ、夫は妻の仏壇から太郎が創価学会員として成長することを願う祈願の札を発見しました。その札には夫を入信させることも書かれていたため、この札を見た夫は、妻が太郎を入信させたと考え、また妻が夫に入信する意思がないことを知りながら、夫を入信させることを諦めていないことがわかり恐怖すら感じるようになりました。 6 夫が妻に宗教活動をやめるようお願い 平成13年4月夫は「父親と母親で考え方が違うことは子どもにとって良くない。宗教を辞めてほしい。別々に暮らすことも考えている。妻のことが嫌いになったわけじゃない。辛かったら横浜(実家)にかえっていいよ。」と言って妻に宗教活動を辞めてほしいと告げました。これに対し妻は考えさせてほしいと告げ、夫に宗教活動を続けてきた理由を説明したが、宗教活動を辞めるとは言いませんでした。 7 夫が妻との離婚を決意する 夫が宗教活動を辞めてほしいと告げて2週間後、妻は夫に、夫の言うとおりに仏壇を片付け宗教活動も停止すると伝えました。しかし、この間、夫は妻に無理やり宗教活動を辞めさせて、しばらく別居しても何の意味もないと考えるようになり、妻と離婚するしかないと決意しました。そして妻に対して「妻の中に染みついている考え方はなくせないし自分のせいで止めるという形では、妻の我慢している姿を見なければならないので耐えられない。それに宗教のことだけではない。妻の今までの言動がこの先ずっと続くことが耐えられない。もう遅いんだ。」と言いました。 8 両親を含めた話し合い 平成13年6月24日、妻は夫から「やり直すつもりはない。太郎はどちらが引き取るか考えておくように」と書かれた手紙を受け取り、平成13年7月4日、21日と夫と妻の両親を交え6人で話し合いをしましたが、話し合いは決裂しました。平成13年7月23日、妻は夫に対して2、3日横浜の実家に太郎を連れて帰ることを告げて太郎を連れて中野のマンションを出て夫と別居しました。中野のマンションを出てから数日後には妻も夫との離婚はやむを得ないと考えるようになりました。 9 太郎の親権を求めた調停 その後、夫婦はそれぞれに代理人を立てて話し合いをしましたが、どちらも離婚はやむを得ないと考えていたものの太郎の親権者となることを希望して譲らず、合意に至らずに平成13年8月、夫は東京家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)の調停を申し立てました。この調停でも妻夫とも離婚はやむなしとの意向でありましたがどちらも太郎の親権を主張して譲らず、平成13年12月6日には調停不成立となりました。 10 夫の妻に対する嫌がらせ 別居後、夫は妻方に頻繁に電話をかけたため、妻が代理人を通じてやめるように伝えたが、それでも夫が電話をかけ続けるために妻は電話番号を変更せざるをえなくなりました。また、夫は妻の友人や知人宛に太郎の写真を貼付し「ぼくを鷺宮に戻して!」と題して妻が夫に無断で太郎を連れ去ったなどと記載した葉書を出したり、妻の引取荷物の中に塩を入れたりの嫌がらせをするようになりました。 |
判例要約 | 1 離婚を認める 夫は夫婦間の宗教に対する価値観のずれ、妻が太郎を入信させているとして不信感を募らせていること、妻に宗教活動を辞めるように求めるとともに別居も考えている旨伝えました。そのため、妻が宗教活動を停止すると伝えたにもかかわらず、夫はこれを聞き入れずに、妻に対し離婚を求めることになり、双方の両親をも交え話し合いをしました。しかし、太郎の親権を巡って調整がつかず、ついには妻も夫との離婚を決意するに至ったものです。家庭裁判所での調停の際にも、妻も夫と離婚することに同意していたことを考慮すると、妻と夫の夫婦関係には婚姻関係を継続しがたい重大な理由があるために既に破綻しているといえます。 2 長男太郎の親権者を妻と認める 太郎の世話は専ら妻が行っていたこと、平成13年7月23日の別居以降太郎は妻の下で養育され安定した毎日を送っていること、太郎は3歳と幼く、母親である妻において養育されるのが適当と考えられること、妻はパート等による収入のほか母子家庭に対する行政等からの援助、あるいは妻の実家からの援助も受けることが可能であることが認められました。 3 妻の財産分与請求を一部認める エレクトーンの売却代金から搬出費を差し引いた売却益460,000円は妻と夫が結婚中に形成した資産であり、妻の取得分はその2分の1の230,000円であると認められます。妻と太郎がその生活の基盤を確保するためには、一定の経済的援助が必要であることなどを考慮すると、エレクトーンの売却分を含め夫から妻に対する財産分与としては2,000,000円とするのが相当です。 4 妻の慰謝料請求を一部認める 別居後の夫による妻宅への執拗な電話、妻が無断で太郎を連れ去ったと記載した葉書を妻の友人や知人へ送付したこと、妻の引取荷物に塩を入れて送付したことについては、どれも妻に対する嫌がらせといわざるをえません。夫が、妻が太郎を連れて実家に帰ったことに非常に精神的なショックを受けて行ったものであることを考慮しても、違法な行為であるといえます。これら夫の行為により妻が受けた精神的苦痛を慰謝するには500,000円が相当です。 5 妻の養育費請求を一部認める 妻は現在、飲食店のパートの仕事による収入は平均1カ月57,200円です。夫は中野区役所の職員としての給与及び賞与の総額は平成13年度は年額5,335,913円で月額に換算すると444,659円です。そして離婚に伴う収入減等を考慮しても太郎に対する養育費の額は月額50,000円が相当です。 妻は太郎が大学卒業時までの養育費の支払を求めていますが、養育費は未成年の子供に対するものであるため、太郎が成年に達する月までの支払の限度でしか認められません。 6 訴訟費用 訴訟費用は、これを2分割して、その1ずつが妻と夫の負担となります。 |
原文 | 主 文 1 原告と被告とを離婚する。 2 原告と被告との間の長男A(平成12年○月○○日生まれ)の親権者を原告と定める。 3 被告は,原告に対し,250万円を支払え。 4 被告は,原告に対し,本判決確定の日の属する月から長男Aが満20歳に達する日の月まで,毎月末日限り月額5万円を支払え。 5 原告のその余の請求を棄却する。 6 訴訟費用は,これを2分し,その1を原告の,その余を被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 主文1項及び2項に同旨 2 被告は,原告に対し,財産分与として金300万円を支払え。 3 被告は,原告に対し,金500万円を支払え。 4 被告は,原告に対し,長男Aの養育費として,離婚が成立した日の属する月から同人が大学を卒業した日の属する月まで,毎月末日限り,各金5万円を支払え。 第2 事案の概要 1 本件は,原告は,被告に対し,婚姻を継続しがたい重大な事由(民法770条1項5号)があるとして離婚を求めるとともに,原告と被告との間の長男Aの親権者を原告とすること,離婚に伴う慰謝料500万円の支払い,財産分与として300万円の支払い,長男Aの養育費の支払いを求めた事案である。 2 前提事実(甲1,甲4,甲6,甲7(枝番を含む。),甲8,乙8,乙10,原告本人,被告本人,弁論の全趣旨) (1)平成6年頃,原告は,兄の友人であった被告と知りあった。 原告と被告は,平成8年11月18日,婚姻の届出をし,平成12年9月27日,原告と被告との間に,長男A(以下,「A」という。)が出生した。 (2)被告は,中野区役所に勤務する地方公務員であり,原告は,婚姻後は専業主婦として生活していた。原告は,創価学会の信者である。 原告と被告は,婚姻後,東京都八王子市の公団住宅に居住し,平成12年3月,被告肩書地のマンションに転居し,同所で,原告,被告及びAの3名で暮らしていた。 (3)原告は,平成13年7月23日,Aを伴って,それまで被告と同居していた被告肩書地のマンションから出て,原告肩書地の両親宅で暮らすようになり,以来,被告との別居状態が継続している。 (4)平成13年8月,被告は,原告を相手方として,離婚等を求めて,東京家庭裁判所に夫婦関係調整の調停を申し立てたが(平成13年(家イ)第5228号),平成13年12月6日,調停不成立となった。 3 争点及びこれに対する当事者の主張 (1)離婚原因の有無及び有責性 ア 原告 下記の事実経過によれば,原被告間には婚姻継続の意思がなく,婚姻を継続しがたい重大な事由があるといえる。 (ア)平成13年4月,原告は,被告から,宗教活動を辞めてほしいこと,別居も考えていることなどを言われた。 (イ)2週間後,原告は,被告に対し,被告の言うとおりに仏壇を片付け,宗教活動も辞めると伝えたが,被告は,原告の中に染みついている考え方はなくせない,宗教のことだけではないなどと言って,やり直す気持ちがないことを明らかにした。 (ウ)同年6月24日,原告は,被告から「やり直すつもりはない。Aはどちらが引き取るか考えておくように」と書かれた手紙を受け取り,同年7月4日,被告と原告の両親を交え6人で話し合いをしたが,既にやり直せない状態になっていた。また,同月11日,被告より調停の申し立てをせず,Aの親権を被告にするように記載された置き手紙を受け取り,同月21日に再び6人で話し合いをしたが, さらに詳しくみる:とを明らかにした。 (ウ)同年6月・・・ |
関連キーワード | 離婚,親権,親権者,調停,慰謝料 |
原告側の請求内容 | ①夫との離婚 ②長男の太郎(平成12年生まれ)の親権者を妻と認める ③夫は妻に対して、財産分与として3,000,000円を支払う ④夫は妻に対して、5,000,000円を支払う ⑤夫は妻に対して、長男の太郎の養育費として離婚が成立した月から太郎が大学を卒業した月まで、毎月末日までに50,000円を支払う |
勝訴・敗訴 | 一部勝訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
800,000円~1,000,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所判決/平成14年(タ)第238号 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「妻の宗教活動による結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判を起こしたのは、妻(原告)であり、裁判を起こされたのは、その夫(被告)です。 1.結婚 夫と妻は、昭和45年6月9日に結婚しました。 2.夫の退職と転職 夫は、昭和59年に勤務先を退職した後、鍼灸師と整体師の資格を得てその業務に従事していました。 その一方、不動産投資の失敗などから、かなりの借金を負っており、60歳から受給された年金についても、年金を担保にして貸付けを受け続けていました。 3.夫との離婚 夫が多額の借金を負ったことが原因で、平成7年11月24日、一度協議離婚の形をとったが実際は結婚生活を継続しました。 4.夫との再婚 平成8年8月16日に、妻は再度婚姻届を出しました(妻本人)。 5.夫が身体障害者認定を受ける 夫は、平成13年9月26日、自転車に乗っていた際に転倒し、脳挫傷、外傷性硬膜下血腫の傷害を負いました。 約2か月後に退院したものの、脊柱管狭窄症及び外傷による右上下肢機能障害が残り、身体障害程度等級6級の認定を受け、日常生活でも介護が必要な状態になりました。 現在でも、100メートルほどしか歩けない、手がしびれるなどの症状があります。 6.夫婦関係の悪化 平成13年ころから、夫がわいせつ写真を所持していることが、妻に見つかり発覚しました。 妻がそれを夫に問いかけると、ぶっ殺すと強く首を絞められ、はさみと千枚通しを持って追いかけられたりしました。 その後も、夫のものと思われる多数のピンクチラシやテレホンセックスのメモと思われるメモ用紙が見つかりました。 また、平成15年5月ころ、妻が帰宅すると、夫は大声でテレホンセックスをしている最中で、妻が声をかけても気づかず、 妻と夫の結婚記念日である同月30日に、他の女性とデートの約束をしたりもしていました。 7.夫婦の別居 上記の夫の暴力や性的な趣味により、妻は平成15年5月31日に夫に何も告げずに家を出て、別居しました。 8.夫の自殺未遂後、妻が家に戻る H15年6月ごろ、夫が睡眠導入剤を大量摂取し自分で110番通報する自殺未遂事件を起こしました。 その後、妻は近隣の人々や民生児童委員の仲裁で家に戻りましたが、その際夫は、これまでのようなことはしないと妻と約束しました。 9.しかし、夫の暴力や浮気は続く その後も夫は、テレホンセックス、デート、さらには自宅に女性を呼んで浮気を始めました。 また、妻が注意をすると頭を叩く、洗面器で水をかける、あざがつくほど腕を強く掴むなど、妻に対する暴力も相変わらず続いていました。 9.夫が、借金をする 夫は、佐藤(仮名)なる人物の話に乗り、「闇の仕事をする」と称して、年金を担保に170万円も借り入れてしまいました。 妻が問い詰めても、「お前には関係ない」としか答えませんでした。 10.妻が再度家を出る H15年10月1日、妻は再び家を出て、妻名義でなされていた住居の賃貸借契約も解約し、それ以降、夫と別居しています。 11.妻が裁判を起こす 平成16年、妻が夫との離婚を請求する裁判を起こしました。 |
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判例要約 | 1.夫と妻の結婚生活は破綻している 夫の暴力や、金銭のトラブル等で夫婦間の争いが増え、現在は別居状態にある為、両者の結婚生活は破綻していると言えます。 2.結婚生活を継続できない重大な事由があり、その原因の多くは夫が負うべきものである 夫による、テレホンセックスなどの性的な趣味、妻に対する暴力、共同生活の貴重な生活費である年金を担保に、借金をして怪しげな儲け話にお金をつぎ込むなど、主に夫の言動によって信頼関係が破壊され、結婚生活が破綻に至ったものと言えます。 3.妻からの離婚請求を認める 上記のように、夫によって夫婦の信頼関係が破壊され、結婚生活が破綻に至ったものとして、妻の離婚請求を認めると、裁判所は判断しました。 |
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