離婚法律相談データバンク 「前記で認定」に関する離婚問題事例、「前記で認定」の離婚事例・判例:「結婚生活を継続するための努力を夫が怠った事例」

前記で認定」に関する離婚事例・判例

前記で認定」に関する事例:「結婚生活を継続するための努力を夫が怠った事例」

「前記で認定」に関する事例:「浮気をした上に、これ以上結婚生活を継続しようと努力をしなかった夫による離婚の請求のため、離婚が認められなかった判例」

キーポイント 離婚に関する事件では「離婚の原因を作った者の離婚請求を裁判所が認めない」という大原則があります。
夫の離婚請求において、夫と妻の結婚生活は回復できないほど悪くなっているか?離婚の原因を作ったのは夫の方であり、離婚の原因を作った夫からの離婚請求は許されないのか?が問題となります。
事例要約 この裁判を起こしたのは夫(原告)であり、裁判を起こされたのは、その妻(被告)です。

①結婚
当事件の当事者である夫と妻は、平成10年9月30日に婚姻届を出し夫婦になりました。
②妻の不妊治療
妻は平成12年2月不妊治療を開始し、その後平成14年から12月までの間に計10回の体外受精を行ったが妊娠はできませんでした。
③夫の浮気
妻が興信所に依頼したことにより、麻酔医として総合病院に勤務している夫は、
平成13年2月ころから同じ病院に勤める研修医の女性鈴木(仮名)と浮気をしていることが判明しました。
④親族で話し合い
夫の浮気が判明し、夫・妻・夫の母の3人で話し合い、妻と夫はやり直すことになりました。
3人は一緒に食事や旅行をしました。
⑤別居生活の始まり
平成14年1月ころから、夫の母は妻と口を利かなくなり、そういった状況が辛いという妻に対して、
夫は離婚したいと言い、荷物を持って実家に戻りました。
⑥妻の生活費
妻は夫名義の預金通帳を持っており、夫から婚姻費用が支払われるようになるまでの間、夫の預金を払い戻して生活費に充てていました。
⑦夫が調停を起こす
夫は、夫婦関係調整の調停を起こしましたが、平成15年12月17日に不成立となりました。
⑧夫が裁判を起こす
夫が当判例の離婚の裁判を起こし、妻が取下げたが夫は同意しませんでした。

判例要約 1夫と妻の関係は修復ができないほどになっている
夫は別居をしていることから離婚の意思は固く、妻との関係を修復する努力を今後するとは思えません。
しかし妻は、夫の浮気が判明しても不妊治療を継続しているし、結婚生活は妻の努力によって維持されてきました。
このことから、妻と夫による努力で結婚生活が修復されるとは思えず、関係修復はもうできないところにまで達しているといえます。

2夫の請求を認めない
しかし、夫は妻が不妊治療などのため心身に負担があったにもかかわらず、浮気をしていました。
また妻は、夫の母との関係を修復するために一緒に時間を過ごすなど努力をしていたのにもかかわらず、
夫は関係を修復するための努力をせず、一方的に自宅を去ったという自己中心的な行動をし、このことが今回の離婚の原因といえます。
よって、離婚の原因をつくった夫からの離婚の請求は認められません。
原文  主   文

 1 原告の請求を棄却する。
 2 訴訟費用は原告の負担とする。

       事実及び理由

第1 請求
   原告と被告とを離婚する。
第2 事案の概要
 1 原告(昭和25年○月○日生)と被告(昭和34年○月○○日生)は,平成10年9月30日に婚姻届出をした夫婦である(甲1号証)。
   原告と被告は,婚姻後平成13年6月まで,原告の母の居宅(以下「原告の実家」という。)に近接し,同人が所有するマンションに住み,同月以降は,同人が原告の実家の敷地内に建築した同人所有のマンションで生活してきたが,平成15年2月,原告が自宅を出て,原告の実家で生活するようになり,それ以後別居している(乙11号証)。
   原告は,麻酔医であり,総合病院に勤務している。被告は,婚姻後は,専業主婦であったが,原告と別居後,パート勤務をしている(乙11号証)。
 2 当事者の主張
 (1)原告の主張
   ア 平成10年12月,被告は,原告の父訴外亡A(以下「原告の父」という。)の初七日の席上で,原告の母訴外B(以下「原告の母」という。)が原告の父の存命中に被告を原告の父に会わせなかったことを不満として,泣き出した。また,上記席上において,原告の妹一家が被告より先に食事を取ったところ,被告は,被告を蔑ろにすると怒り出し,原告の妹一家が帰ると,常識がない人たちだと誹謗を繰り返した。
     この時から,原告の家族,とりわけ,原告の母と被告との間に深い亀裂が生まれた。
   イ 被告は,婚姻の当初から,原告に対し,台所が狭くて料理が作りにくい,部屋が狭く十分な睡眠を取れる環境ではないなど住居に関する不平不満,原告の母が訪ねてきたため夕食の支度が妨げられたなど生活に関する不平不満を繰り返していた。被告は,気に入らないことがあると,実家に帰ると言って泣き,原告を困らせた。平成12年暮れには,おせち料理の準備について,原告が「できあいのものを買ったら。」と言ったところ,被告は怒り出し,泣きわめき,その後も不機嫌な態度を取った。
     原告は,被告との不調和から,平成13年頃には,被告と円満な家庭を築いていくことへの意欲を失ってしまった。
   ウ 原告は,平成13年2月頃,原告と同じ病院に勤務する医師の女性と交際するようになった。このことを知った被告は,ことあるごとに原告を責め立てた。そのうえ,被告は,たびたび原告を,原告と上記女性との不貞の事実を原告が勤める病院に知らせると脅した。さらに,被告は,上記女性の居宅を訪ねて,泣きわめいた。
     このようなことから,原告の被告に対する愛情はいっそう冷え込んだ。
   エ 被告は,平成15年6月原告と些細なことで口論となった際,原告の実家に押しかけ,原告の母に対し,今までの人生の中でこんなに酷い人を見たことがないなどと大声を上げた。さらに,被告は,原告の母に対し,いままでの酷い仕打ちを謝ってくださいと何回も言い,原告の母を土下座させた。
   オ 以上の経過により,原告と被告とは,平成15年2月から別居状態となって現在に至っており,婚姻関係は回復し難い程度にまで破綻しているので,民法770条1項5号に基づき,被告との離婚を求める。
 (2)被告の主張
   ア 被告は,被告の両親とともに,心臓病のため入院していた原告の父を見舞い,原告の妻として挨拶をしたいと何度か申し出たが,原告の母から断られ,被告や被告の両親は原告の父が亡くなるまでに同人と一度も会うことができなかった。平成10年12月,原告の父の告別   さらに詳しくみる:離婚を求める。  (2)被告の主張   ・・・
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原告側の請求内容 ①妻との離婚
勝訴・敗訴 全面敗訴
予想裁判費用
(弁護士費用)
400,000円~600,000円
証拠 1.住民票
・浮気相手と同居していることを証明するもの
2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書
・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの
3.写真、録音テープ、ビデオテープ
・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など
4.探偵社等の調査報告書
・相手の浮気を証明できるもの
5.クレジットカードの利用明細・領収書
・飲食店・ホテルなどの利用記録など
6.パソコン・携帯電話のメール、手紙
・浮気相手とのやり取りを証明できるもの
審査日 第一審 東京地方裁判所判決 平成16年(タ)第173号
第二審 なし
第三審 なし

上部の「結婚生活を継続するための努力を夫が怠った事例」に関連する離婚法律問題・離婚判例

事例要約 この裁判を起こしたのは、夫(原告)であり、裁判を起こされたのは、その妻(被告)です。

1.夫の海上自衛隊への就職
夫は昭和40年3月22日に海上自衛隊へ入隊しました。
2.結婚
当事件の当事者である夫と妻は昭和47年2月27日に婚姻届出を行い夫婦となりました。
3.3人の子供を出産
夫と妻は昭和47年12月22日に長女を、昭和49年9月1日に長男を、昭和59年1月に二女を儲けました。
4.夫の浮気?
夫が詳細を明らかにしないため判然としない部分はあるものの、夫の1度目の退職の前に女性との不貞があったと思われます。
5.夫の1度目の離婚調停
昭和60年の初めごろに夫は離婚調停を申し立てましたが、妻がそれに応じず、離婚調停は不成立となりました。
6.夫の1度目の退職
夫は昭和60年8月10日に自衛隊を退職し、その後の同月23日には、妻及び3人の子と住んでいた神奈川県横須賀市を出て神戸に行き、神戸の会社に就職しました。退職金に関しては、妻の希望で購入した乗用車のローンの支払いをしたほか、100万円を妻に渡しました。
7.妻との別居
夫が神戸に行ったことにより、妻との別居生活が始まりました。
夫は妻との別居開始以降、妻及びその子らの生活を顧みず、生活費や養育費は一切送金をしませんでした。
そのため、妻と3人の子供は生活に困窮し、夫の実家である高知県の夫の母親宅に身を寄せることとなり、生活保護を受けながら生活を続けていました。
8.夫の2度目の離婚調停
夫は妻と別居して間もなく、2度目の離婚調停を申し立てましたが、妻が裁判所に出頭せず、今回も離婚調停は不成立となりました。
9.夫の2度目の退職
妻は生活保護を受けていた関係上、生活費や養育費に関する話合いをするため、夫の勤める神戸の会社に訪問しました。
その際に、夫と話し合ったが、その後すぐに夫が勤めていた会社を退職してしまい、その後も夫からの生活費や養育費の送金はありませんでした。
10.二女の死
昭和63年12月2日、当時妻とその子らが身を寄せていた、高知県の夫の母親宅が火災に見舞われ、二女がわずか3歳で死亡してしまいました。夫はその葬儀に参列することはありませんでした。
11.夫の離婚届の提出
夫は平成11年12月20日、妻に無断で協議離婚届を提出し、戸籍上離婚の記載がなされました。
12.妻が離婚無効を訴えて裁判を起こす
妻は自身の戸籍上に離婚と記載されていることに気が付き、神戸地方裁判所に離婚無効の裁判を起こしました。その後、平成12年12月22日に離婚無効の判決が確定した結果、戸籍上に婚姻記載が復活しました。
13.夫の3度目の離婚調停
夫は平成13になって3度目の離婚調停を申し立てましたが、今回も妻が出頭せず、不成立となりました。
14.夫が当判例の裁判を起こす
3度目の離婚調停が認められなかったため、夫は今回の裁判を起こしました。
判例要約 1.離婚の原因は夫の女性問題にある
夫と妻の婚姻はすでに破綻していますが、その原因は夫の女性問題にあります。
また、妻との別居後に妻とその子らの生活を全く顧みなかったことだけでなく、妻に無断で協議離婚届出を出すといった行為にまで及んでおり、原因が自身の女性問題にあることを全く反省せずに、妻やその子らに対しての責任を果たしていません。
2.夫の請求を認めない
夫と妻はすでに別居期間が17年を超える長期間となっていることと、その子らも成人し、結婚あるいは就職していることを考慮してなお、夫の離婚請求を上記の理由から認めることは、その原因が夫の女性問題に端をなしていることから認められません。そのため、夫の離婚請求を認めることはできません。

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