「結婚を機」に関する離婚事例・判例
「結婚を機」に関する事例:「夫婦が関係修復への努力をしないことから生じた、結婚生活の破綻」
「結婚を機」に関する事例:「夫も妻も夫婦関係の修復に向けた努力をしなかったが、夫のみの責任ではないとして夫の離婚請求が認められた判例」
キーポイント | 離婚に関する事件では「離婚の原因を作った者の離婚請求を裁判所が認めない」という大原則があります。 はたして離婚の原因を作ったのが夫のみであるのか、が問題となります。 |
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事例要約 | この裁判を起こしたのは、夫(原告)であり、裁判を起こされたのは、その妻(被告)です。 1 妻との結婚 二人は平成8年2月ころ、結婚相談所が主催したパーティーで知り合って交際を始め、平成8年12月23日に結婚しました。 夫は勤め先の幹部候補生であり、国内全域にわたる転勤の可能性があったため、妻は夫の転勤先に同行することを了承して、結婚を機に勤務していた会社を退職し専業主婦として家事に専念しました。 2 妻の妊娠 平成9年12月に妻の妊娠が判明したが、このころから妻は夫の母親から電話で不快なことを言われたとして、夫に不満を漏らすようになりました。平成10年3月には、夫の母親からの出産祝いとしてビデオカメラを贈りたいとする申し出を断わりました。また、平成10年5月には、妻は夫の母親から子供が生まれたら会いに行きたいと言われたのに対して、これを拒絶しました。夫は、妻の対応に不満を感じたが、妻が妊娠中であったことから事を荒立てたくないと思い、特に妻に苦情を述べることはしませんでした。 3 妻からの手紙 平成10年6月ころ、妻は出産のため実家に帰り、夫は週末ごとに妻の実家を訪ねて妻の身体を気遣っていました。そのような折り、夫は妻から、その場ではあけないでほしいと手紙を渡されました。自宅に帰ってから手紙を読んだところ、そこには夫の性格や今までの態度に対する不満が書かれており、夫は一方的な内容であると不愉快に感じ妻の手紙について返答はしませんでした。 4 出産後の夫と妻の関係 同年、妻は長女の花子(仮名)を出産し、夫は妻と花子に会うため週末ごとに妻の実家を訪ねました。しかし、妻は夫が手紙について何の返答もしないことを不誠実であると感じていたため、夫に対して以前のように話しかけることもせず夫と長女の花子の写真を撮ることもしないという態度をとり続けました。平成10年8月、妻は花子とともに所沢市の官舎に戻ったが、その後も妻の夫に対する態度は変わらず夫が謝罪を試みても結局は言い争いとなり、妻が興奮して怒鳴ったり物を壊したりしたこともあったため、夫も妻に対して余り話しかけないようになりました。 5 夫と妻の別居 平成12年6月始め、夫は転属の内示を受け妻にこれを告げたところ、妻はついて行く自信がなく、少し冷却期間をおいた方が良いとして、夫に別居したい旨を告げました。平成12年8月、夫は一人で青森県上北郡の分屯基地に行き、妻と花子は別のアパートでの生活を始めました。夫が東京にある幹部学級に入校することとなった際に、花子に会いに行きたいと告げたことに対してや、正月の帰宅も妻に拒絶されたため、夫は妻に対して長女の花子と会いたいと求めても拒絶されるだけであると半ば諦めの気持ちを抱くようになり、その後は妻や長女の花子に会いに行きたいと求めることもしませんでした。 6 妻からの夫の上司への連絡 夫は妻との別居後も家計の管理は妻に任せていたが、僅かな小遣いでやり繰りをしているのにもかかわらず、ガソリン代が高額すぎるという苦情の電話や自動車を売却するようにと言われることがあったため、夫は平成13年11月給与のうち8万円を年金保険の手続を利用して自分が直接受領できるようにしました。そのことを事前に知らされていなかった妻は、夫の直属の上司である田中(仮名)に電話をかけて、夫の対応を改めさせるよう求めたため、夫は田中から善処するようにとの指導を受けました。夫は自分の職場での立場を全く考えようとしない妻に怒りを覚え、妻とこのまま結婚関係を続けていくことにも限界を感じて、離婚を考えるようになりました。妻は後日、田中に対してお礼の手紙を送付したがその内容の大半は夫の性格や従前の言動を非難するものでした。 7 離婚調停 夫は平成14年9月4日、東京家庭裁判所に離婚の調停(同庁平成14年(家イ)第5872号事件)を申し立てたが金銭的な条件面での折り合いがつかず、平成15年3月14日同調停は不調により終了しました。そのため、当判例の裁判を起こすことになりました。 |
判例要約 | 1 離婚の主な原因は妻にある 夫と妻の結婚関係が破綻するに至った主な原因は、別居後、夫婦関係の修復に向けた努力を全くしようとしなかった妻の対応にあるものと認められます。もっとも、夫も別居期間中、妻に対しもっと積極的な働きかけをして相互に理解し合うための努力を尽くすべきであったとも考えられますが、これを考慮に入れても結婚関係の破綻については夫のみにその責任があるとはいえません。 2 長女の花子の親権者を妻と認める 長女の花子の親権については、花子が、夫と妻の別居後現在に至るまで母親である妻の下で養育されていること、夫も花子が妻の下で現状のまま養育されることを了承しているため、離婚後の花子の親権者を妻と認めます。 |
原文 | 主 文 1 原告と被告とを離婚する。 2 原告と被告間の長女A(平成10年○月○○日生)の親権者を被告と定める。 3 訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 主文同旨 第2 事案の概要 1 原告と被告は,平成8年12月23日婚姻の届出をした夫婦であり,両者の間には,長女A(平成10年○月○○日生)がある。(甲1) 2 原告の主張 (1)離婚請求について 原告と被告の婚姻関係は,①被告と原告の親族との不和,②原告と被告の間には会話がほとんど無いこと,③平成12年8月,原告の転勤に伴う転居に被告が同行するのを拒否して以降,原告と被告は別居状態にあること,④被告が原告と長女とを会わせようとしないこと,⑤被告が原告の上司に夫婦の問題を一方的に訴えて,原告の勤務先での立場を悪化させたこと等を原因として,完全に破綻した。 (2)親権について 長女の親権については,原告には,長女の養育監護を現実に実行することは不可能であることから,被告と定めることを了承する。 3 被告の主張 (1)原告が離婚原因として主張する事由は,いずれも,かかる事実自体が存在しないか,外形的には存在するとしても,婚姻関係破綻の原因となるような程度のものではない(婚姻を継続しがたい重大な事由とはいえない)から,本件離婚請求は認められない。 (2)仮に,原告主張の事由が婚姻を継続し難い重大な事由にあたるとしても,いずれの事由についても,その主たる責任は被告にあるから,有責配偶者である原告からの本件離婚請求は認められない。 第3 判断 1 証拠(甲2,3,7の1ないし3,8の1・2,12,乙1ないし3,原告及び被告各本人)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (1)原告と被告は,平成8年2月ころ,結婚相談所が主催したパーティーで知り合って交際を始め,同年12月23日,結婚した。原告は,Bに勤務する幹部候補生であり,国内全域にわたる転勤の可能性があったところ,被告は,原告の転勤先に同行することを了承して,結婚を機に勤務していた先物取引の会社を退職し,専業主婦として家事に専念した。原告は,被告に給与の全額を渡して家計の管理を任せ,平成9年6月には,貯蓄した金員で米国に新婚旅行にも行って,原告と被告は,円満な夫婦生活を営んでいた。 (2)平成9年12月,被告の妊娠が判明したが,このころから,被告は,原告の母親との電話での会話について,不快なことを言われたとして原告に不満を漏らすようになり,平成10年3月には,原告の母親からの,出産祝いとしてビデオカメラを贈りたいとする申し出を,五体満足な子が生まれてくるかまだ分からないからという理由で,断った。また,同年5月には,被告は,原告の母親から,子供が生まれたら会いに行きたいと言われたのに対して,1か月検診が終わって,実家(世田谷区)から自宅(埼玉県所沢市の官舎)に帰ってからにして欲しいと述べて,これを拒絶した。原告は,かかる被告の対応に不満を感じたが,被告が妊娠中であったことから,事を荒立てたくないと思い,特に被告に苦情を述べることはしなかった。 同年6月ころ,被告は,出産のため実家に帰ったが,原告は,週末ごとに被告の実家を訪ねて,被告の身体を気遣っていた。そのような折り,原告は,被告から手紙を渡され,その場では開けないで欲しいと言われたため,自宅に帰ってから手紙を読んだところ,そこには,原告の性格や今までの態度に対する不満 さらに詳しくみる:その場では開けないで欲しいと言われたため・・・ |
関連キーワード | 離婚,親権,離婚調停,転勤,別居 |
原告側の請求内容 | ①妻との離婚 ②長女の親権者を妻と認めてもらうこと |
勝訴・敗訴 | 全面勝訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
400,000~600,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所判決/平成15年(タ)第718号 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「夫婦が関係修復への努力をしないことから生じた、結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判を起こしたのは、妻(原告)であり、裁判を起こされたのは、その夫(被告)です。 1 結婚 当事件の当事者である妻と夫は平成元年1月頃から交際を開始し、同年11月24日に婚姻の届出をし、夫婦となりました。 また、妻と夫との間には、平成3年に長男の一郎(仮名)、平成6年に次男の二郎(仮名)がそれぞれ誕生しました。 2 夫の妻への暴力 妻は、社交的な性格であり、サークル活動などに熱心に取り組んでいる反面、家事などは余りやらず、夫はそのような妻の態度に不満を抱いていました。 夫は、短気で怒りやすい性格のため、妻に威圧的な態度を取ったり、暴言を吐いたりしていました。 また夫は、平成3年ごろから妻に対し、暴力を振るうようにまでなりました。 3 妻の浮気 妻と夫は、平成3年ごろから別室で寝るようになりました。また、事あるごとに夫は威圧的な態度を取っていました。 そして、妻は平成13年1月ごろに、インターネットのサイト上で山田(仮名)と知り合い、お互いに好感を抱くようになり、平成13年12月27日には妻と山田の二人でホテルに泊まり、浮気行為に至りました。 4 妻が当判例の裁判を起こす 妻は、平成14年10月に東京家庭裁判所に夫婦関係調整事件の申し立てをしましたが、同年11月29日に不成立に終わりました。 また夫は、妻と山田を相手として、浮気による不法行為に基づく損害賠償請求の訴えを起こしました。 妻は、平成15年3月19日に、当裁判を起こしました。 |
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判例要約 | 1 結婚生活が破綻したのは、妻の浮気以前にある 妻と夫の結婚生活を決定的に破綻させたのは、妻の浮気であり、その責任は妻にあると、裁判所は判断しています。 しかし、妻が浮気をする以前から、夫婦の関係は悪く、平成13年ころには事実上の結婚生活が無く、破綻に近かったとしています。 そして、お互いの性格が合わないことで、相手への不満が溜まり、お互いのコミュニケーションが図れなくなったことから、結果的に妻が浮気をしたことになると言えるので、結婚生活が破綻したその責任は妻と夫のどちらでもない、と裁判所は判断しています。 2 慰謝料について 妻と山田の不倫が不法行為であるので、夫への損害賠償責任があるとしていますが、夫は当事件とは別に妻と山田に対し損害賠償請求の裁判(東京地方裁判所平成15年(ワ)第2207号)を起こしているので、そちらで判断をするべき事項として、裁判所は妻、夫それぞれの慰謝料請求を却下しています。 3 親権者の指定 妻の下で暮らしている子供たちの生活状況や年齢を考えると、その環境を変えるのは適切でないとして、妻が親権者となるのが相当と、裁判所は判断しています。 4 養育費の支払いについて 妻と夫の離婚が成立し、妻が子供たちの親権者となることから、夫はその養育費を負担するべきと、裁判所は判断しています。 |
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