「そのうち」に関する事例の判例原文:夫婦関係が破綻したケースの財産分与について
「そのうち」関する判例の原文を掲載:述書を含む。)及び弁論の全趣旨によれば,・・・
「夫婦の婚姻関係は破綻しており、財産分与としては妻が認める範囲での夫への財産分与が認められた事例」の判例原文:述書を含む。)及び弁論の全趣旨によれば,・・・
| 原文 | ころ,まず,その主張の第1に係る競走馬の利益金の分与についてみると,7304万5608円の利益金が原告から被告に引き渡されないでいるとの被告の主張に沿う被告本人の供述は,不確かで,到底採用し得ず,却って,原告本人の供述(甲11,12の陳述書を含む。)及び弁論の全趣旨によれば,競走馬を購入した主体,その購入資金の出処はともかく,競走馬の購入に伴う収支は赤字となっていると認められるから,その収支に伴う利益金が夫婦共有財産として離婚に伴う財産分与の対象となるべきものであると仮定しても,利益金がない以上,財産分与の余地がなく,この点に係る被告の申立ては失当といわざるを得ない。 (2)次に,被告の主張の第2の高崎のマンションの分与についてみると,これが原・被告の共有に係る財産であるかのようにいう被告の供述は,原告の供述に対比して,採用するのが困難であるが,原告の供述も,その購入資金の工面に被告が協力することがあったとしても,その清算も済み,原告がその個人的な資金繰りで購入した単独所有に係る財産であるとまでいうことができるかは疑問であって,原告が,被告との婚姻前から,資産に恵まれていたとしても,また,婚姻後も,父親の跡を継いだ社長業で多額の収入があったとしても,当該収入については,婚姻後の収入である以上,原告の特有財産であるということはできず,その収入が高崎のマンションの購入資金に充てられているとすれば,高崎のマンションを原告の単独所有に係る財産とみるのは相当でない。 しかしながら,原告の供述によれば,高崎のマンションについては,住宅ローンの残債務として原告主張の額の債務の支払が必要であることが認められ,当該債務を債権者に対する関係では原告が負担せざるを得ないことを併せ考えると,高崎のマンションの価額から残債務を控除した額が財産分与の対象となるべきところ,弁論の全趣旨に照らせば,その額は消極にならざるを得ないから,財産分与として被告が原告に支払を求め得る場合ではないといわなければならず,被告の申立ては,その理由がない。 因みに,原告は,高崎のマンションにつき,その残債務を原告が負担したうえで,被告が取得してもよいように供述しているが,それは,原・被告が円満に離婚に至った場合を想定した供述であって,これをもって,被告の原告に対する財産分与の申立てを理由あらしめるものではない。 (3)次に,被告の主張の第3の本件馬3頭の分与についてみると,その購入資金が原・被告の夫婦共有財産から支出され,原・被告がこれを共有している関係にあると認められるかというと,被告の供述はここでも直ちに採用するのは困難であるが,もともと原告の特有財産で競争馬が購入され始めたとしても,その後,原告が前記会社の社長として得る収入もその購入資金(買替資金)に充てられているというのが原告の供述するところであるから,被告と婚姻後の原告の当該収入を原告の特有財産ということができない以上,その結果として現在残っている本件馬3頭が原告の単独所有であるということはできない。 しかしながら,競争馬の購入に伴う収支については,前説示のとおり,赤字となっているのであるから,その分担も考慮に入れると,原告が赤字を負担することを前提に,本件馬3頭は原告が取得するのが相当といえなくもないが,原告は,そのうち,別紙物件目録1及び3記載の2頭については,被告が取得することを了解しているのであるから,この点については,高崎のマンションとは異なり,原告の意向も踏まえた財産分与が公平であって,少なくとも原告が認める前記馬2頭は原告から被告に分与するのが相当である。 したがって,被告の財産分与の申立ては,この限度において,理由があるところ,その引渡しについては,前記馬2頭を現に飼育・調教している業者と原・被告が協議して被告の単独所有に移行させる取扱いが必要になるのではないかと解されるので,財産分与の実行方法については判断せず,その分与を宣言するにとどめることとする。 3 よって,原告の離婚請求は,これを認容し,被告の原告に対する財産分与の申立ては,前記馬2頭の分与を求める範囲で,これを認容し,訴訟費用の負担について民事訴訟法61条,65条を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第44部 裁 判 官 滝 澤 孝 臣 物 件 目 録 1 牝馬 C 2 牡馬 父馬リアフン(あるいはリヤファン)の子馬 3 牡馬 父馬サボーディネイションの子馬 |
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