離婚法律相談データバンク 「控訴審」に関する離婚問題事例、「控訴審」の離婚事例・判例:「夫と妻の価値観の違いによる結婚生活の破綻」

控訴審」に関する離婚事例・判例

控訴審」に関する事例:「夫と妻の価値観の違いによる結婚生活の破綻」

「控訴審」に関する事例:「夫婦間での価値観の違いから夫婦関係が疎遠になり、また、別居期間が長期間になっていることから離婚請求が認められた判例」

キーポイント 離婚に関する事件では、「離婚の原因を作った者の離婚請求を裁判所は認めない」という大原則があります。
この事件のキーポイントは、夫と妻の価値観の違いは離婚の原因として認められるかということと 、浮気をした者からの離婚請求は認められるかという点にあります。
事例要約 この裁判を起こしたのは夫(原告)で、裁判を起こされたのは妻(被告)です。
1結婚
夫と妻は昭和51年5月6日に結婚しました。
夫と妻との間には現在26歳になる子供の太郎(仮名)がいます。
夫は大学の教授をしていて、妻は専業主婦です。
2夫と妻の価値観のズレ
夫と妻は太郎の教育問題などを発端として、昭和62年ころから価値観の違いが鮮明となり、夫婦仲が疎遠になるようになりました。
3夫の浮気
夫は同じ大学の中国人研修生のキム(仮名)と親密になるようになりました。
4夫と妻の関係悪化
夫が平成6年4月から中国の大学に赴任することを妻に話したところ、妻は強く反対し、「もし中国に行くのなら私を殺してから行け。」という内容の手紙を夫宛てに書きました。夫はこれをきっかけに妻に対して離婚を求めるようになりました。このころから夫と妻の間で言い争いが生じたり、夫が妻に無断で外泊することが多くなりました。
5夫婦の別居
夫は妻に対して嫌悪感を抱くようになり、平成7年6月から別居の生活を送るようになりました。
6夫と浮気の相手キム
平成10年10月にはキムは夫のマンションに同棲するようになりました。
7夫の浮気相手キムの妊娠
平成14年1月10日に夫はキムが妊娠した子供を自分の子供であると認め、同年2月に子供が産まれました。
8夫が裁判を起こす
平成17年、夫は妻との離婚を求める裁判を起こしました。

判例要約 1夫と妻の結婚生活は破綻している
夫の平成6年の中国への赴任の問題から夫と妻の間で争いが生じるようになりました。
また、夫がキムとの交際を始めたことから夫と妻の仲は一層悪くなりました。
夫と妻の別居状態は9年以上が経過していて、特に夫とキムの間に子供ができたことも考えると、夫と妻の結婚生活は破綻しているものと認められます。
2結婚生活破綻の原因は夫の浮気である
性格の不一致や価値観の違いなどの争いだけでは、結婚生活が全く修復の可能性がないほど険悪な状況とは言えませんが、結婚生活が完全に破綻していると認められる程度に至るまでには夫とキムとの交際が影響しているとして、裁判所は夫とキムの浮気を結婚生活の破綻の原因と認めました。
3夫からの離婚請求を認める
離婚に関する事件では、「離婚の原因を作った者の離婚請求を裁判所は認めない」という大原則があります。
夫と妻の結婚生活は夫の行動により破綻したと認められるので、夫から妻への離婚請求は大原則に反することになります。
しかし、別居の期間が相当の長期間で夫と妻の間には未熟児の子がいない場合においては、相手方離婚により精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状況におかれることがなければ、「離婚の原因を作った者の離婚請求」であっても裁判所はこれを認めるべきだと判断しています。
原文
       主   文

 1 原告と被告とを離婚する。
 2 訴訟費用は被告の負担とする。

       事実及び理由

第1 請求
   主文同旨
第2 事案の概要
 1 原告と被告は,昭和51年5月6日に婚姻の届出をした夫婦であり,原告と被告間の子として,昭和**年*月*日生まれのAがいる(甲1)。
 2 本件は,原告が,Aの教育問題等を発端として被告との価値観の違いが鮮明となって,夫婦関係が疎遠になり,平成7年6月には別居に至った以後,本件訴えの提起までに8年以上が経過していることから,既に婚姻関係が破綻し,婚姻を継続しがたい重大な事由があるとして,被告との離婚を求めた事案である。
 3 争点及び争点に対する当事者の主張
 (1)婚姻関係破綻の有無及び原因
   (原告の主張)
   ア 原告と被告は,昭和49年ころから同棲を始め,昭和50年にそれぞれ大学を卒業後,昭和51年4月に結婚し,昭和**年*月*日には,長女Aが誕生し,特に問題はなかったが,昭和62年ころから,小学3年生になった長女Aの進学問題に対する考え方など,それぞれの価値観の相違が原因の諍いが多くなっていき,原告は,被告の人格に対する不満を抱くようになって,それ以後,婚姻生活は悪化の一途をたどり,口論が絶えなくなっていった。
     また,平成3年4月,Aが中学校に進学した直後から,被告は高校受験を騒ぎ立て,子供の自主的な選択を主張する原告と意見が対立し,原告は,被告との埋めがたい価値観の違いを痛感した。
     原告は,平成4年9月から同年11月まで,国際交流基金の派遣で,中華人民共和国(以下「中国」という。)北京市の○○センターに出張したが,そのときも,被告は,原告の女性関係を疑い,突然中国に来たことがあり,原告は,被告に対する信頼を完全に喪失し,帰国後,夫婦関係は疎遠になっていった。
     原告は,平成5年5月,被告に対し,B大学に平成6年4月から赴任することを話したが,被告は感情的になって反対し,「もし中国に行くなら私を殺してからいけ。」という内容の手紙を原告宛てに書いたこともあった。原告は,日本の古代語研究を専門とし,中国は学問的興味の対象であるところ,被告もそれを十分理解していると考えていたが,それが裏切られた結果となってしまい,もはや離婚するしかないと決意し,被告にも離婚の意向を伝えたが,被告は取り合おうともせず,以後,夫婦の会話すらなくなっていった。結局,原告は,単身,B大学に赴任した。
     平成7年4月に,原告は中国から帰国したが,婚姻関係は従来と何ら変わりなく,むしろ,原告は,被告に対し,日常生活の中で非常な嫌悪感を抱くようになり,同年6月,被告と別居した。原告は,別居後,月に1回程度,被告の住居に郵便物,洋服,本等を取りに行くという生活を送り,折を見て,被告に離婚の話をしたが,被告は,感情的になって全く取り合おうとしなかった。
     原告は,平成10年9月,a線b駅付近のマンションを購入して住民票を同所に移し,郵便物も転送されるようにしたため,以後,被告の住居には一切赴いていない。
     その後,原告は,平成13年8月から平成14年8月まで,大韓民国ソウル市のC大学に出張して大学院の講義等を担当し,同年9月に帰国したが,帰国後も被告とは別居のままであり,現在に至るまで音信はほとんど不通である。
     このように,原告と被告との夫婦関係は,全く改善される見込みがなく,婚姻関係が破綻していることは明らかである。
   イ 原   さらに詳しくみる:居には一切赴いていない。      その・・・
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原告側の請求内容 ①妻との離婚
勝訴・敗訴 全面勝訴
予想裁判費用
(弁護士費用)
400,000円~600,000円
証拠 1.住民票
・浮気相手と同居していることを証明するもの
2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書
・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの
3.写真、録音テープ、ビデオテープ
・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など
4.探偵社等の調査報告書
・相手の浮気を証明できるもの
5.クレジットカードの利用明細・領収書
・飲食店・ホテルなどの利用記録など
6.パソコン・携帯電話のメール、手紙
・浮気相手とのやり取りを証明できるもの
審査日 第一審 東京地方裁判所判決/平成15年(タ)第850号
第二審 なし
第三審 なし

上部の「夫と妻の価値観の違いによる結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例

事例要約 この裁判を起こしたのは妻(原告)であり、裁判を起こされたのは夫の浮気相手の佐藤:仮名(被告)です。

1 結婚
妻と夫は昭和42年春同期のアナウンサーとしてB株式会社に入社し、昭和44年10月28日に結婚しました。妻は長男の太郎(仮名)を出産したのを機にB株式会社を退社して専業主婦になりました。
2 夫の不満…
夫は妻と結婚後、妻が自宅の掃除や家事を十分にしない等不満を抱いていました。
しかし、おおむね平穏な結婚生活を続けていました。
3 夫の浮気
佐藤は大学在学中の昭和63年8月、B株式会社の子会社に入社するための試験の際に始めて夫に会いました。
佐藤は昭和63年10月からB株式会社でアルバイトとして働き始めてその後夫と交際し、性交渉を持つようになりました。
佐藤は、家庭を持っている相手と交際していることを当時から自覚していました。
4 夫と佐藤との関係
平成2年以降、夫と佐藤との交際は深まり、少なくとも週に2・3回は会うようになりました。夫は佐藤に対して、妻と離婚する意思があることを告げていました。
5 佐藤がお見合いをする
平成8年2月ころ、佐藤は友人の紹介で2回お見合いをして結婚の申し込みを受けました。しかし、夫から結婚の意思を告げられ説得されたため、夫との交際を続けることにしました。
6 夫の浮気が妻に発覚
平成8年5月ころ、妻は友人から夫が他の女の人と交際していることを知らされました。
夫は妻に佐藤と交際していること告げました。
7 夫の単身赴任
夫は札幌に単身赴任することになったため、佐藤に対して札幌に引っ越すように求めました。佐藤は平成10年10月に退職して、11月に札幌に引っ越しました。そして、夫の住むマンションの別室に住むようになりました。夫は同じマンションに佐藤が住んでいることを妻に知らせませんでした。
夫は単身赴任後も妻に対して自分のスケジュール表を渡したり、3ヶ月に2回程度自宅に戻った時には妻と友人と会食をするなどしていました。妻も年に2回程度札幌を訪ねました。
8 夫と佐藤との関係が続いていることが妻に発覚
平成10年10月に妻が夫のマンションに来ていた時、佐藤の荷物の発送の問い合わせを受けて、夫に問い合わせましたが、夫は佐藤がパリにいて荷物の受取を頼まれていると説明しました。妻は疑問に思い弁護士に依頼して調査したところ、佐藤が夫と同じマンションに住んでいることを知りました。
9 夫が妻に対して離婚を求める
夫は平成11年10月6日に弁護士を通じて妻に離婚を求めました。妻は平成11年10月19日に弁護士を通して、佐藤に対して夫との同棲を中止して慰謝料1億円を支払うように求めました。
10 自宅を妻に明け渡す
平成12年1月13日に夫は佐藤と男女の関係になったことで、妻に迷惑をかけたことを謝りました。また、佐藤と縁を切って、妻に対する慰謝料として自宅の土地建物の夫の持分全部を妻に移すことなどを内容とする協定書にサインし、自宅を妻に明け渡す手続きをしました。
11 妻の自殺未遂
平成12年8月4日に妻は大量の睡眠薬を飲み自殺を図ったが、未遂に終わりました。
12 公正証書の作成
平成12年9月8日に夫・妻それぞれ弁護士を立て、協定書に基づいて公正証書を作成しました。公正証書とは、法律上完全な証拠力を持っていて、契約した内容を相手が行わなかったときには、その内容を強制的に行わせることもできる強い力を持った書類のことです。
その内容は下記の通りです。
①夫は佐藤との縁をすみやかに切って、妻とその家族が平安を取り戻すような具体的な行動、最善の努力をすることを妻に約束した。
②夫は妻に対して慰謝料として6,000万円の支払い義務があることを承認して妻に対して下記の通り支払うことを約束した。
・3,000万円については、お金を支払う代わりに自宅の土地建物の夫の持分全部を妻のものとすること。
・残りの3,000万円は平成16年7月11日か夫がB株式会社を退職するのとどちらか早い時期に支払うこと。
③公正証書作成や土地建物を妻の所有物にするための手続きにかかる金額、税金は全額夫が負担する。
④この契約を守らない時は強制的に執行を受ける。
14 夫と佐藤の関係継続中…
平成13年3月、夫は別のマンションの一室を購入して引越し、佐藤も夫の住む居室に引越しました。夫と佐藤はその後も同居を続けています。
15 妻は夫から3,000万円の支払を受ける
平成13年3月31日に夫はB株式会社を退社しました。
平成13年4月に妻は夫に対して公正証書に基づく3,000万円の支払いを求めました。
妻は平成14年6月27日までに夫より全額の弁済を受けました。
判例要約 1夫の浮気相手佐藤への慰謝料請求は認められない
佐藤が妻に対して責任を負うことは明らかであると裁判所は認めています。
しかし、夫と佐藤のした行為に関しては、夫のした賠償によって妻の精神的損害が回復される点で密接な関係があると考えられます。夫が妻に対して不動産の持分全部を引渡し、3,000万円を支払ったことにより、十分に妻は慰謝料を受けていると考えられるというのが裁判所の判断です。

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