「赴任」に関する離婚事例・判例
「赴任」に関する事例:「夫の浮気による結婚生活の破綻」
「赴任」に関する事例:「夫の浮気相手に対する妻の慰謝料請求が認められなかった判例」
キーポイント | 妻が夫とその浮気相手にした慰謝料請求において、浮気をした夫が妻に対して謝罪し、お金を支払ったことによって、浮気相手は妻に対して責任取ったと言えるかが問題となります。 |
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事例要約 | この裁判を起こしたのは妻(原告)であり、裁判を起こされたのは夫の浮気相手の佐藤:仮名(被告)です。 1 結婚 妻と夫は昭和42年春同期のアナウンサーとしてB株式会社に入社し、昭和44年10月28日に結婚しました。妻は長男の太郎(仮名)を出産したのを機にB株式会社を退社して専業主婦になりました。 2 夫の不満… 夫は妻と結婚後、妻が自宅の掃除や家事を十分にしない等不満を抱いていました。 しかし、おおむね平穏な結婚生活を続けていました。 3 夫の浮気 佐藤は大学在学中の昭和63年8月、B株式会社の子会社に入社するための試験の際に始めて夫に会いました。 佐藤は昭和63年10月からB株式会社でアルバイトとして働き始めてその後夫と交際し、性交渉を持つようになりました。 佐藤は、家庭を持っている相手と交際していることを当時から自覚していました。 4 夫と佐藤との関係 平成2年以降、夫と佐藤との交際は深まり、少なくとも週に2・3回は会うようになりました。夫は佐藤に対して、妻と離婚する意思があることを告げていました。 5 佐藤がお見合いをする 平成8年2月ころ、佐藤は友人の紹介で2回お見合いをして結婚の申し込みを受けました。しかし、夫から結婚の意思を告げられ説得されたため、夫との交際を続けることにしました。 6 夫の浮気が妻に発覚 平成8年5月ころ、妻は友人から夫が他の女の人と交際していることを知らされました。 夫は妻に佐藤と交際していること告げました。 7 夫の単身赴任 夫は札幌に単身赴任することになったため、佐藤に対して札幌に引っ越すように求めました。佐藤は平成10年10月に退職して、11月に札幌に引っ越しました。そして、夫の住むマンションの別室に住むようになりました。夫は同じマンションに佐藤が住んでいることを妻に知らせませんでした。 夫は単身赴任後も妻に対して自分のスケジュール表を渡したり、3ヶ月に2回程度自宅に戻った時には妻と友人と会食をするなどしていました。妻も年に2回程度札幌を訪ねました。 8 夫と佐藤との関係が続いていることが妻に発覚 平成10年10月に妻が夫のマンションに来ていた時、佐藤の荷物の発送の問い合わせを受けて、夫に問い合わせましたが、夫は佐藤がパリにいて荷物の受取を頼まれていると説明しました。妻は疑問に思い弁護士に依頼して調査したところ、佐藤が夫と同じマンションに住んでいることを知りました。 9 夫が妻に対して離婚を求める 夫は平成11年10月6日に弁護士を通じて妻に離婚を求めました。妻は平成11年10月19日に弁護士を通して、佐藤に対して夫との同棲を中止して慰謝料1億円を支払うように求めました。 10 自宅を妻に明け渡す 平成12年1月13日に夫は佐藤と男女の関係になったことで、妻に迷惑をかけたことを謝りました。また、佐藤と縁を切って、妻に対する慰謝料として自宅の土地建物の夫の持分全部を妻に移すことなどを内容とする協定書にサインし、自宅を妻に明け渡す手続きをしました。 11 妻の自殺未遂 平成12年8月4日に妻は大量の睡眠薬を飲み自殺を図ったが、未遂に終わりました。 12 公正証書の作成 平成12年9月8日に夫・妻それぞれ弁護士を立て、協定書に基づいて公正証書を作成しました。公正証書とは、法律上完全な証拠力を持っていて、契約した内容を相手が行わなかったときには、その内容を強制的に行わせることもできる強い力を持った書類のことです。 その内容は下記の通りです。 ①夫は佐藤との縁をすみやかに切って、妻とその家族が平安を取り戻すような具体的な行動、最善の努力をすることを妻に約束した。 ②夫は妻に対して慰謝料として6,000万円の支払い義務があることを承認して妻に対して下記の通り支払うことを約束した。 ・3,000万円については、お金を支払う代わりに自宅の土地建物の夫の持分全部を妻のものとすること。 ・残りの3,000万円は平成16年7月11日か夫がB株式会社を退職するのとどちらか早い時期に支払うこと。 ③公正証書作成や土地建物を妻の所有物にするための手続きにかかる金額、税金は全額夫が負担する。 ④この契約を守らない時は強制的に執行を受ける。 14 夫と佐藤の関係継続中… 平成13年3月、夫は別のマンションの一室を購入して引越し、佐藤も夫の住む居室に引越しました。夫と佐藤はその後も同居を続けています。 15 妻は夫から3,000万円の支払を受ける 平成13年3月31日に夫はB株式会社を退社しました。 平成13年4月に妻は夫に対して公正証書に基づく3,000万円の支払いを求めました。 妻は平成14年6月27日までに夫より全額の弁済を受けました。 |
判例要約 | 1夫の浮気相手佐藤への慰謝料請求は認められない 佐藤が妻に対して責任を負うことは明らかであると裁判所は認めています。 しかし、夫と佐藤のした行為に関しては、夫のした賠償によって妻の精神的損害が回復される点で密接な関係があると考えられます。夫が妻に対して不動産の持分全部を引渡し、3,000万円を支払ったことにより、十分に妻は慰謝料を受けていると考えられるというのが裁判所の判断です。 |
原文 | 【ID番号】 06032008 損害賠償請求事件 【事件番号】 東京地方裁判所判決/平成13年(ワ)第19740号 【判決日付】 平成17年5月26日 【判示事項】 1 原告とその夫Sとの婚姻関係が破綻した原因は,もっぱら被告とSとの不貞関係にあったといわざるを得ないから,被告が原告に対し,不法行為責任を負うことは明らかであるとした事例 2 Sは,公正証書により支払いを約した原告に対する慰謝料として,少なくとも3000万円の弁済を完了しているところ,被告による不法行為の違法性の程度,内容を考慮しても,原告は,被告とSとの不貞行為に関しては,十分な慰謝を受けているものと考えられるから,Sが行った弁済等により,被告は原告に対する債務を免れると解するのが相当であるとした事例 【参考文献】 LLI登載 主 文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請 求 被告は、原告に対し、金3000万円及びこれに対する平成11年10月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 本件は、原告が、被告に対し、被告と原告の夫であるA(以下「A」という。)との不貞関係により、原告とAの婚姻関係が破綻し、この不法行為による慰謝料の額は1億円を下らないと主張して、その一部として3000万円の支払を求める事案である。 2 前提事実(争いのない事実及び掲記の証拠等により容易に認定できる事実) (1) 原告(昭和**年*月*日生)とA(昭和**年*月*日生)は、昭和42年春、同期のアナウンサーとしてB株式会社(以下「B」という。)に入社し、昭和44年10月28日、Aと婚姻した。原告は、Aとの間の長男C(昭和**年*月*日生)を出産したのを機に、Bを退社し、専業主婦となった。(争いのない事実) (2) 被告は、昭和63年10月からBの子会社でアルバイトとして勤務をし始め、その後、Aと交際し、性交渉を持つようになった。(争いのない事実) (3) 原告とAは、平成12年9月8日、Aが原告に対し、代物弁済により支払済みの3000万円を含めて6000万円の支払義務を負う等の内容の公正証書(東京法務局平成12年第3609号、以下「本件公正証書」という。)を作成し(争いのない事実、乙1)、原告は、平成14年6月27日までにその全額の弁済を受けた(乙7・6丁)。 (4) Aは、平成11年11月25日、原告を相手方として、東京家庭裁判所八王子支部に夫婦関係調整の調停を申し立て、平成13年6月5日、原告に対し、離婚の訴えを提起した(東京地方裁判所平成13年(タ)471号離婚請求事件)(争いのない事実)。 同裁判所は、平成14年6月6日、Aと被告との不貞関係により原告とAの婚姻関係が破綻したとして、Aの請求を棄却するとの判決を言い渡し、平成14年12月4日、控訴審である東京高等裁判所は、同様の理由によりAの控訴を棄却する旨の判決を言い渡し(同裁判所平成14年(ネ)第3987号離婚請求控訴事件)、同年12月20日確定した。(甲17ないし19) 3 争 点 (1) 被告の行為の違法性の有無等(原告の主張、立証責任) (2) 被告がAと性交渉を持つに至る前に、原告とAとの婚姻関係が事実上破綻していたかどうか(被告の主張、立証責任) (3) 本件公正証書に基づくAの支払により被告の原告に対する損害賠償債務が消滅したかどう さらに詳しくみる:被告がAと性交渉を持つに至る前に、原告と・・・ |
関連キーワード | 公正証書,不貞行為,損害賠償,共同不法行為 |
原告側の請求内容 | ①佐藤(被告)への慰謝料請求 |
勝訴・敗訴 | 全面敗訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
400,000円~600,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所判決/平成13年(ワ)第19740号 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「夫の浮気による結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | 裁判を起こしたのは夫(原告)で裁判を起こされたのはその妻です。 1 結婚 夫と妻は共にアメリカ合衆国の国籍を持っています。昭和56年8月15日、アメリカ合衆国カンザス州において、州の方式に従って結婚しました。 2 夫が妻との生活に苦痛を感じ、離婚を申し入れる 結婚後、夫は妻に関して、物事をうわべだけで判断したり、お金に執着を示すようになったと感じていました。また、逆に妻は夫に対して、短気で自己中心的で怒りやすく暴力的になったとも思っていました。そのため、妻との結婚生活に苦痛を感じるようになり、平成9年の秋ころには妻に対して離婚を申し入れました。 3 妻の意見 妻は夫からの離婚の申し入れに同意しませんでした。妻は夫に対して「マリッジ・カウンセリング」を受けようと提案し、3ヶ月間カウンセリングを受けましたが夫の離婚の意思は変わりませんでした。 4 日本へ 夫と妻は結婚後の昭和58年1月からアメリカ合衆国のテキサス州ダラスで生活していましたが、夫の新しい勤務先の職場が東京となったことから、平成11年9月に夫婦で来日し、東京で生活を始めました。 5 夫、再度妻に離婚を申し入れる 夫は妻との東京での生活により、夫婦間の性格の不一致、価値観の違いをより顕著に感じるようになりました。そして夫は平成13年4月末ころ妻に対して離婚を申し入れました。 しかし、妻はこれに同意しなかったため、夫は自宅を出て別居に踏み切りました。 6 夫、妻に対して離婚を求める裁判を起こす 夫は平成14年3月29日、妻に対して離婚を求めるこの裁判を起こしました。 妻は夫を相手として東京家庭裁判所に夫婦関係を回復させるための調停を申し立てました。しかし、話し合いが整わずにこの調停は終了しました。 |
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判例要約 | 1 夫と妻を離婚する 日本人と外国人夫婦の離婚、外国人夫婦の離婚においては適用される法律によってその離婚の原因となる出来事が決められます。この裁判の場合の夫と妻に対して適用される法律はテキサス州法であると裁判所は言っています。 また、テキサス州法においては、夫婦関係に「生活をしていく上での耐え難さ」があれば、離婚ができるとしており、裁判所は夫と妻の夫婦関係に「耐え難さ」が存在するかどうかについて調べ、判断しこれが認められる場合には当事者の責任の有無を問うことなく、夫と妻の離婚を認める判決をすると共に、夫婦が共有して所持している財産の分割を命じることになると判断しています。 2 離婚の原因は夫にある 夫は妻に対して一方的に離婚を迫りました。また、夫が他の女性と性的関係を持ったことや妻に対してキャッシュカードを使えなくするなどの行動を取ったことが二人の結婚生活を悪化させ、修復の可能性を更になくしてしまったため、夫と妻の夫婦関係の破綻について夫に責任があると裁判所は判断しています。 3 夫婦が共有して所持している財産に関しては、その35%を夫、65%を妻が取得する 現在夫は所得がありますが、妻は無職であること。夫は妻と自分の共有財産のほとんどを管理していて、預金を自由に引き出すことができる立場にありました。夫婦共有財産のほとんどは妻よりも夫のために使われてきたと考えられることから、夫婦共有財産の分割は妻にとって有利になるべきであると裁判所は判断しています。 4 離婚の原因を作った側からの離婚請求に関して 日本では、離婚の原因を作った人からの離婚請求を裁判所は認めません。 妻は日本の裁判所が、結婚生活を破綻させた夫の責任を問わないテキサス州法により、夫の責任を問わないことは、日本の社会生活における公の秩序を揺るがしたり、善良のしきたりを脅かすことになるため認められないと主張しています。 しかし、二人の結婚生活は夫が他の女性と性的関係を持つ前から破綻していて、夫も妻も日本には夫の仕事の関係で来ただけで、日本での交友関係もほとんどがアメリカ人でした。 そして、現在は夫も妻も日本に住んでいないため、二人と日本とのつながりはとても少ないと言えます。よって、日本の裁判所が結婚生活を破綻させた夫の責任を問わないと判断することは問題とならないとして、妻の主張を認めませんでした。 |
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