「蓋然性」に関する離婚事例・判例
「蓋然性」に関する事例:「夫の生活費の不支払いから生じた、結婚生活の破綻」
「蓋然性」に関する事例:「結婚生活を破綻させたのは生活費を支払わなかった夫に責任があるとして、離婚請求を認めた判例」
キーポイント | 離婚が認められるためには、結婚生活をこれ以上継続することが出来ない重大な理由が当事者の間になければなりません。 夫が生活費を支払わなかったことにより結婚生活が破綻したかどうかが、当判例のキーポイントとなっています。 |
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事例要約 | この裁判を起こしたのは、妻(原告)であり、裁判を起こされたのは、その夫(被告)です。 1 結婚 妻は、昭和40年5月14日に夫と婚姻の届出をし、夫婦となりました。 また夫と妻の間には、昭和41年に長男 太郎(仮名)、昭和43年に長女 花子(仮名)、昭和46年に二男 次郎(仮名)、昭和48年に三男 三郎(仮名)が、それぞれ誕生しました。 2 新居の購入 妻は、夫との結婚に際して妻の父親から資金の援助を受け、自宅を建てて、そこを結婚生活を送る新居としました。 3 夫の生活費の不自然な支払い 夫と妻は、夫が得た給料やボーナスについて一定の割合で家計にする約束を、昭和41年に交わしていました。 ところが夫は、妻に給料やボーナスを渡すことを自分の義務と考えず、自分のものとして考え、そこから妻に分け与える考えとしていました。 それに加えて夫は、自分の機嫌次第で生活費を渡さないこともありました。 妻は、そのような夫の身勝手さによって、お互い喧嘩ばかりしていました。 4 さらに生活費を支払わなくなる 夫は、平成7年に子供たちが独立したのをきっかけに、妻に対して生活費を支払わないことが多くなりました。 夫は、平成9年ころから頻繁に外出をするようになり、また外泊も多くなりました。 5 妻が当判例の裁判を起こす 妻は、平成12年12月に離婚調停を申し立てて、不成立に終わったことを受けて、平成13年8月に当裁判を起こしました。 |
判例要約 | 1 離婚の原因は夫にある 妻は夫の不倫について主張していますが、提出された証拠では認められませんでした。 また、夫が家財道具を盗んだという主張についても、同じく認められませんでした。 しかし、妻は夫から生活費を受け取れず経済的に苦労しており、また夫はパートナーとして妻の相談にも乗りませんでした。 そして夫と妻は、3年間別居をしており、また妻の離婚の決意は固いことから結婚生活は破綻しており、その責任は夫にあると裁判所は判断しています。 2 財産分与について 夫が将来受け取る退職金や年金については、別居生活が始まる以前の結婚生活があった期間分について、財産分与の対象財産として形成されるものと裁判所は認定しています。 それらを計算した額である約5,300万円について妻への支払いと、自宅の所有権について妻名義にすることを裁判所は夫に命じています。 3 慰謝料請求について 妻が提出した証拠は不十分ですが、それでも妻が受けた精神的苦痛は大きいとして、裁判所は夫に慰謝料の支払いを命じています。 |
原文 | 主 文 1 原告と被告とを離婚する。 2 被告は,原告に対し,金5284万5318円及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 被告は,原告に対し,財産分与を原因として別紙物件目録記載の建物の被告持分全部移転登記手続をせよ。 4 原告のその余の請求を棄却する。 5 訴訟費用は7分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 主文第1項同旨 2(1)被告は,原告に対し,6335万円及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2)被告は,原告に対し,財産分与を原因として別紙物件目録記載の建物の持分全部移転登記手続をせよ。 第2 事案の概要 1 原告と被告とは,昭和40年5月14日婚姻届出を了した夫婦であり,その間には3男1女,すなわち,長男A(昭和41年○月○○日生),長女B(昭和43年○月○○日生),二男C(昭和46年○月○○日),三男D(昭和48年○○月○○日)がある(甲1の1及び2)。 原告は,主婦であり,被告は平成13年3月に定年退官するまではE大学物理学系の助教授,教授を長く務め,現在も私立大学客員教授の職にある(甲32,乙27,37の1)。また,原被告の夫婦は,婚姻直後から,原告の住所肩書地に自宅を有していたが,被告が昭和49年,勤務先がF大学からE大学に代わったため単身赴任を余儀なくされるようになり,被告がE大学を定年退官する際には,自宅に戻ることも考えられるところであるが,離婚問題が現実化して離婚調停中だったこともあり,被告は,退官後から現在まで住所肩書地において生活しており,原告と別居状態にある(甲2,32,乙27)。 2 本件における当事者の主張は次のとおりである。 (1)原告 ア 婚姻を継続し難い重大な事由に基づく離婚請求について (ア)被告は,家庭を顧みず,昭和60年ころから生活費を入れないばかりか,原告に外泊をさせないなど原告の行動を理由もなく制約し,また,原告とのコミュニケーションを取ろうとせず,時には暴力まで振った。 被告のこれらの違法,有責な行為により,原告は被告に対する信頼を喪失した。 (イ)その上,原告と被告は,平成13年4月から3年間別居しており,また,事実上の別居状態は昭和56年ころから20年以上に及ぶ。また,被告は,本件訴訟前から,とりたてて症状がない原告のことを,アルツハイマー病であるとか,妄想性障害による痴呆があるとか主張し,原告に計り知れない精神的苦痛を与えており,夫婦としての信頼関係は既に破壊されている。 (ウ)原被告間の婚姻関係は破綻し回復する可能性がなく,原告は,離婚請求権を有する。 イ 財産分与請求について (ア)財産分与の対象となる被告の資産及び額は,別紙財産目録のとおりである。 そこで,原告は被告に対し,離婚に伴う財産分与として5835万円の支払及び本件建物の被告持分の全部の移転を請求する。 (イ)被告の主張には,次のとおり反論する。 a 預貯金等(G銀行分,H銀行分),株式について 被告は,ボーナスの手取り分を原告と合意のもとに3分の1ずつ分けて,これを原資に被告が貯蓄したので,これらは被告の固有財産であると主張する。 しかし,原告と被告との間には,3分の1の合意もないし,原告が さらに詳しくみる:告と被告との間には,3分の1の合意もない・・・ |
関連キーワード | 離婚,生活費,財産分与,慰謝料,不倫 |
原告側の請求内容 | ①夫との離婚 ②妻への財産分与 ③妻への慰謝料の支払い |
勝訴・敗訴 | 全面勝訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
3,600,000円~3,800,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地判平成16年3月30日(平成13年(タ)第636号) 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「夫の生活費の不支払いから生じた、結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判を起こしたのは、妻(原告)であり、裁判を起こされたのは、その夫(被告)です。 1 結婚 妻と夫は平成元年7月1日に婚姻届出を行い夫婦となりました。 妻と夫は,性格的には,明るい妻と無口な夫とで対照的でした。 2 長女の花子と長男の太郎誕生 長女の花子(仮名)と長男の太郎(仮名)の2人の子供をもうけました。 3 妻の障害 平成4年冬に夫のボーナスが下がり、平成5年に生活が逼迫したため、妻は、夫の紹介で教材のセールスの仕事を始めました。 しかし、重い荷物の運搬作業が原因で腰椎椎間板症、座骨神経痛となった上、学生時代に痛めた膝も悪化し、両変形性膝関節症となり、以後就労不能の状態となり、平成12年12月に右下肢機能障害で身体障害者5級の認定を受けました。 4 夫の暴力 妻は、夫との結婚生活中、夫婦喧嘩の際や自分の思うようにならないことがあるとかっとなりやすく、些細なことで原告に暴力を振るったり、外出先で家族を置いて、いきなり姿を消したり、原告を言葉で脅したり侮辱したりするなど、妻に対し、暴力等を繰り返してきました。 5 離婚調停の申立 妻は、平成14年8月8日、東京家庭裁判所八王子支部に離婚調停(夫婦関係調整調停)の申立をしましたが、同年10月3日、調停は不調となりました。 6 夫との別居 妻は、平成14年11月23日、長女の花子と長男の太郎を連れて自宅を出て夫と別居し、妻の実家のある長崎市に居住しました。 |
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判例要約 | 1 離婚の原因は夫にある 夫と妻の結婚生活はすでに破綻していますが、その責任は妻に対する暴力等を行った夫にあります。 2 妻の慰謝料請求の一部を認める 結婚生活は夫の妻に対する暴力等により破綻していて、これによる多大な身体的、精神的苦痛を受けたものと認められました。ただし、結婚関係は、妻、夫それぞれが相手方の性格・言動にうまく対応できず14年間の結婚生活中に生じた様々な出来事が原因となった結果と考えられたため、夫が妻に対して支払うべき慰謝料の額は200万円となりました。 3 長女の花子と長男の太郎の親権者を妻と認める 長女の花子と長男の太郎は、現在、妻と長崎市で健やかに成長していて、妻も身体は不自由なものの子供を養育する意思と能力があるため、妻が親権者となり養育していくことになりました。 4 財産分与の請求を認める 夫は妻に対し、夫婦共有財産の清算、結婚費用の清算、離婚後の扶養を理由として、500万円を財産分与として支払うことになりました。 5 養育費の請求を認める 夫の平成15年の年間収入額は、アルバイト収入を含めると700万円を超えているが、今後は家族手当や配偶者控除がなくなり、手取り収入が減少すると見込まれます。妻は現時点では仕事がなく就職できていないが、英会話能力や翻訳能力があるため、在宅での仕事は可能と思われ、将来仕事を得られる可能性があると思われます。以上により夫の負担すべき養育費の額は、14才までは1人当たり月額5万円、15才から19才までは1人当たり月額6万円を支払うことになりました。 6 1~5以外の妻の請求は認められない。 理由のある妻の請求は認められるが、それ以外の請求には理由がないために認められませんでした。 |
「蓋然性」に関するネット上の情報
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