離婚法律相談データバンク 「法条項」に関する離婚問題事例、「法条項」の離婚事例・判例:「国籍が違う者同士の離婚問題」

法条項」に関する離婚事例・判例

法条項」に関する事例:「国籍が違う者同士の離婚問題」

「法条項」に関する事例:「チリ共和国では離婚はできないが、日本の民法を適用して離婚を認めた事例」

キーポイント 二人は国際結婚です。今回は日本とチリですが、チリには完全に離婚するという法律がありません。どちらの法律が適用されるかがポイントです。
事例要約 1 主要な人物
妻(原告 訴えた人)と夫(被告 訴えられた人 チリ国籍)は夫婦です。二人には長女ミサキ(仮名)がいます。
2 夫の浮気
妻と別居中に夫は浮気相手のカルメン(仮名)との間に二人の子供ができています。
3 長女ミサキについて
ミサキには日本国籍を取ってほしいということ、夫は特別ミサキについて愛情がなく、妻が育てていくことをお互いに合意をしています。
4 妻と夫の夫婦生活の拠点
妻は日本国籍であり、夫とは約9年間日本で同居しています。
判例要約 1 日本の法律の適用
チリの法律による離婚とは、期間5年間を超えない一時的な離婚とされています。
日本国籍の妻がチリ国籍の夫へ離婚を請求した場合、国際的裁判管轄権が日本にあるかどうかの判断が必要になりますが、夫は不満を申し立てることなく、裁判に応じているので、日本に国際的裁判管轄権があります。また、二人が日本で生活していた期間などを考えると、日本の法律の適用が妥当です。
併せて、夫の浮気などを考えると、離婚できないとするのは日本の一般的な常識や道徳に反していると言えます。
2 離婚の請求について
証拠からの事実をもとに考えると二人の仲は回復できないことは明らかで、法律の定める離婚の理由にも当たるので離婚を認めます。
3 親権者について
証拠からの事実をもとに考えると、長女ミサキの親権者は妻とします。
原文 【判旨】
 一 〈証拠〉を総合すると請求原因第1項ないし第U項の各事実が認められるほか、被告とカルメンとの間の二人の子はいずれも原・被告間の別居中に出生したものであること、被告は昭和五八年四月に長女ミサキ〈仮名〉を連れてチリから日本に帰国したが、これは親子二人のチリでの生活が苦しく、また長女ミサキがあまり成長すると同女が日本での生活になじめなくなるおそれがあつたためであること、同女は現在原告と共に北海道函館市において生活し、日本の小学校に仮入学して通学していること、被告は同女に対して特別の愛情を示したことがなく、原・被告間で、長女ミサキの養育は原告が責任を持つて行うとする旨の合意がなされたことがあること、被告は同女の扶養料を支払つたことがないこと、原告はテニスクラブでコーチのアルバイトをして生計を立てているところ、今後とも長女ミサキを養育し、いずれ同女に日本国籍を取得させることを考えていること、被告は現在チリにおいて居住しているところ、原告が財産分与等財産的要求をしないのであれば、同女との離婚には応ずる意向を持つており、原告も被告に対して離婚に伴う財産分与を請求する意図はないことの各事実が認められ、他に右認定を左右するに足りる証拠はない。
 二 本件は日本に居住する同国民たる原告が、チリ共和国に居住する同国民たる被告に対し離婚請求をするものであるところ、我が国の裁判所がいわゆる国際的裁判管轄権を有するか否かにつき判断するに、離婚の国際的裁判管轄権の有無を決定するに当たつても、被告の応訴の機会を保証するため、一般に被告の住所が我が国にあることを原則とすべきであるが、本件は被告が異議なく応訴しているものであるから、我が国に国際的裁判管轄権が存する。
 また、当庁にいわゆる国内的裁判管轄権が存するか否かについては、前認定のとおり、原告と被告は東京都新宿区市谷に我が国における最後の共通の住所を有していたところ、現在、原告は北海道函館市に、被告はチリ共和国内にそれぞれ住所を有しているのであるから、人事訴訟手続法一条一項により原告又は被告が普通裁判籍を有する地の地方裁判所の管轄に専属するのであるが、同条二項によれば被告の普通裁判籍が東京都内にあるから、結局当庁は本件について専属管轄権を有する。
三 法例一六条によれば、本件離婚の準拠法は、その原因事実発生当時における夫たる被告の本国法、すなわち、チリ共和国の法律によるべきところ、西暦一八八四年一月一〇日施行の同国婚姻法は婚姻解消の効果を伴う離婚を認めず、同法における離婚は夫と妻の共同生活を停止する効力を有するにすぎず、前認定の本件原・被告間の婚姻関係の実情は、同法二一条一号、七号及び八号に定める離婚原因に該当するものの、右七号及び八号の理由をもつてしては、期間五年を超え得ない一時的な離婚(夫と妻の共同生活の停止)を、右一号の理由をもつてしても永久的な離婚(婚姻解消までは認めない夫と妻の永久的な共同生活の停止)を宣言しうるに止まるものと解される(同法一九条、二〇条、二二条、二三条)。しかしながら、本件においては、妻たる原告は日本国民であつて、被告と婚姻中の昭和四九年九月から同五八年四月までの間を除き日本に居住しており、また、原告は夫たる被告から不貞行為をはたらかれた上、悪意をもつて遺棄されているのであるから、かかる場合においても、なお夫の本国法であるチリ共和国の法律を適用して、婚姻の解消自体は認めず、単に夫婦の共同生活の停止を認めるに止めるとすることは、我が国における公の秩序・善良の風俗に反するものといわざるを   さらに詳しくみる:ず、単に夫婦の共同生活の停止を認めるに止・・・
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原告側の請求内容 ①夫との離婚
勝訴・敗訴 全面勝訴
予想裁判費用
(弁護士費用)
300,000円~500,000円
証拠 1.住民票
・浮気相手と同居していることを証明するもの
2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書
・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの
3.写真、録音テープ、ビデオテープ
・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など
4.探偵社等の調査報告書
・相手の浮気を証明できるもの
5.クレジットカードの利用明細・領収書
・飲食店・ホテルなどの利用記録など
6.パソコン・携帯電話のメール、手紙
・浮気相手とのやり取りを証明できるもの
審査日 第一審 東京地方裁判所判決/昭和58年(タ)第341号
第二審 なし
第三審 なし

上部の「国籍が違う者同士の離婚問題」に関連する離婚法律問題・離婚判例

事例要約 (第一審)
この裁判を起こしたのは、夫(原告)であり、裁判を起こされたのは、その妻(被告)です。

1 結婚
当事件の当事者である夫は、妻と平成2年5月16日に婚姻の届出をし、夫婦となりました。
また夫婦の間には、長女の花子(仮名)が平成2年9月2日に、次女の桜子(仮名)が平成5年6月24日に、それぞれ誕生しています。
2 夫の浮気
妻は、平成5年7月に夫と甲山(仮名)と不倫関係になっていたことを知り、これを切っ掛けに夫婦関係が悪化しました。
3 夫婦の別居
夫と妻は、平成5年12月に妻が別のマンションに転居し、別居することになりました。
夫は、平成6年3月17日に妻のマンションに転居して、妻との同居生活を試みましたが、喧嘩が絶えることがありませんでした。
結局夫と妻は、同年7月16日に確定的に別居することになりました。
4 夫が別の女性と交際
夫は、平成9年7月に乙川(仮名)と交際するようになり、同年10月に乙川と同居するようになりました。
なお夫と乙川の間には、太郎(仮名)が平成11年8月28日に誕生しています。
5 夫による離婚請求の訴えの提起
夫は、平成10年4月14日に那覇家庭裁判所に対して、夫婦関係調整調停の申し立てをしましたが不調に終わったことから、同年10月6日に那覇地方裁判所に対して離婚請求の訴えを起こしました。
そして那覇地方裁判所は、平成12年2月14日に夫の離婚請求を認めて、子の親権者を妻に指定する判決を言い渡しました。
これに対して妻は、判決を不服として控訴しました。
そして福岡高等裁判所は、平成12年7月18日に原判決を取り消して、夫の離婚請求を棄却する判決を言い渡しました。
なお最高裁判所まで持ち込まれましたが、上告が受理されず平成12年7月18日に判決が確定しました。
6 夫が当判例の裁判を起こす
夫は、平成13年に那覇地方裁判所に対して、当裁判を起こしました。

(第二審)
この裁判を起こしたのは、妻(控訴人)であり、裁判を起こされたのは、その夫(被控訴人)です。

1 妻が当判例の裁判を起こす
妻は、当判例の第一審の判決(平成15年1月31日付)を不服として、同年に控訴を起こしました。
判例要約 (第一審)
1 結婚生活は破綻している
夫と妻の結婚生活は、夫の浮気が原因で完全に破綻しており、民法上の離婚の理由にも該当すると、裁判所は判断しています。
2 有責配偶者からの離婚請求について
結婚生活が破綻したのは、夫の浮気のよるものが大きいことから、その責任は夫にあるとしています。
その夫からの離婚請求は通常認められにくいのですが、本判決においては、夫婦の別居期間や夫が妻に対し結婚費用を支払っていること、二人の子供に対して父親としての関係を継続している点を考慮し、裁判所は夫からの離婚請求を認めています。
3 養育費、子の親権者の指定について
裁判所は、子の親権者について妻が相当であるとしています。
また養育費については、子供たちが成人するまで毎月支払うように命じています。

(第二審)
1 結婚生活の破綻の有無について
裁判所は、夫婦の別居生活について長期に及んでいることから、形式だけの夫婦であると指摘した上で、結婚生活の破綻の度合いは極めて深刻なものであるとしています。
2 離婚請求を認めたことについて
妻は離婚が認められると経済的に苦しくなると訴えていますが、これを裁判所は現在の離婚の事情や、沖縄県の平均所得などを挙げた上で、離婚請求が認められても経済的に苦しくなるとは言えないとしています。
また、離婚請求を棄却したとしても、形式だけの夫婦関係を維持することになり、それにより夫婦間の葛藤や緊張が子の福祉に影響を及ぼすことを考えると、かえって弊害が多いとしています。
従って、子の福祉の影響を及ぼさないことから、離婚の請求を認めることが出来るとしています。
3 養育費、子の親権者の指定について
裁判所は第一審通り、子の親権者の指定については、妻が相当としています。
また、養育費の支払いについても第一審通り、夫に支払いを命じていますが、第二審の確定した日の次の月からの支払いに変更するとしています。

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