「弁論終結」に関する離婚事例・判例
「弁論終結」に関する事例:「妻の精神疾患による、夫婦のすれ違いにより結婚生活が破綻」
「弁論終結」に関する事例:「妻が精神疾患にかかるも、妻を夫が支えてきたが、妻からの離婚請求により離婚が認められた判例」
キーポイント | この事件のキーポイントは離婚が認められるためには、結婚生活をこれ以上継続することができない重大な理由が当事者の間になければなりません。 この事件では、妻の請求が正当であるかどうかがポイントとなります。 |
---|---|
事例要約 | この事件は妻(原告)が夫(被告)に対して起こした裁判です。 1 結婚 夫婦は昭和40年11月29日に結婚をしました。 夫婦には、昭和46年に長女を、昭和50年には長男が生まれました。 2 夫の退職と再就職 夫は鬱病に罹患して当時働いていた職場で退職を余儀なくされました。 その後、鬱病から回復後の昭和45年頃に学習塾の講師として稼働を始め、昭和47年頃に独立、昭和51年には有限会社を設立し、 平成3年に鬱病を再発するまで、同社を経営して家計を維持していました。 平成3年に鬱病を再発させ、有限会社を廃業したが、回復後の平成4年に塾を開校し、現在は同塾を経営するとともに、一人で生活しています。 3 妻の精神疾患 夫婦は昭和46年に東久留米市の公団住宅に転居し、その後間もなく妻が長女を出産したが、その頃から妻が精神状態を悪化させて統合失調症(精神分裂病)を発病し、1年間の入院となり、昭和50年にも病状を悪化させて入院生活を送りました。 妻は自己管理や社会的役割の分担ができなくなり、浪費を繰り返したりするようになったため、夫から妻に日額1,000円を渡すなどの方法で金銭管理を行わざるを得ませんでした。 平成11年ころに精神障害3級の認定を受け、そのころから月額7万4,000円程度の障害者年金を受給し始めましたが、現在も服薬が必要な状態です。 4 長男の精神疾患と暴力 昭和50年4月に長男を出産しましたが、長男は成長するにつれて家庭内暴力を起こすようになり、昭和60年頃にこれを激化させ、翌年から長期間、神経衰弱の診断で入院しました。 平成2年3月に長男は入院したまま中学校を卒業し、平成3年には養護学校に入学、平成5年に養護学校を卒業したが、その後も、障害者事業団や生活訓練機関で社会生活への適応訓練を続けざるを得ず、平成12年ころからは家庭内暴力を激化させ、措置入院となるとともに統合失調症と診断され、現在まで入退院を繰り返す状態である。 5 夫婦の別居と離婚調停 夫婦は平成12年11月4日に別居したが、妻が申し立てた離婚調停が平成14年2月に不調となり、現在に至っています。 |
判例要約 | 1 妻と夫との離婚を認める 妻からの離婚請求に夫も応じた為、夫婦生活は既に破綻したものとして離婚を認めました。 2 妻の慰謝料等の請求は認められない。 妻の言い分では、夫が不倫をしていたとされるが、そのような証拠はなく、むしろ妻の精神的疾患によるものが大きいと認められます。 その為、妻の慰謝料請求は認められませんでした。 3 妻への財産分与は認められない 一般に財産分与の請求は、結婚中の夫婦共有財産の清算、離婚後の一方当事者の生活基盤の確保、慰謝料請求の性質を併せ持つものとされます。 夫は、妻の精神疾患に対して理解を示し、これまでの結婚生活を維持し、妻を扶養してきました。 しかし、今回妻から離婚申し立てをしており、結婚生活の破綻を決定的なものにした為、口頭弁論終結時を基準として、実質的に夫婦の共有であった財産があれば、これを清算すべきであると裁判所は判断しています。 各不動産は、主として夫の収入によって取得されたことを認めることができるから、夫の財産であるというべきです。 また、妻は精神疾患によって自己管理能力を失って浪費を繰り返すようになり、生活を夫に依存していたと認められる為、妻への不動産の寄与は認められません。 また、現在夫も経済的に余裕があるわけではなく、離婚後も3年間は妻が高井戸の自宅に無償で居住することを許容していることを併せ考慮すると、妻への生活基盤の確保のための財産分与をする必要があるとは認められませんでした。 |
原文 | 主 文 1 原告と被告とを離婚する。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用はこれを2分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 事実及び理由 第1 原告の求めた裁判 1 原告と被告とを離婚する。 2 被告は原告に対し,1000万円を支払え。 3 財産分与の申立て(別紙物件目録1から4記載の不動産及びその他の相当な財産の分与) 第2 事案の概要 1 事案の要旨 本件は,原告(妻)の被告(夫)に対する婚姻を継続し難い重大な事由を原因とする離婚請求の事案であり,原告は,不貞行為等を理由とする慰謝料1000万円の支払及び原告の居住する土地建物の分与を求めている。 被告は,慰謝料及び財産分与については争っているものの,離婚請求については争わない姿勢を示している。 2 前提事実 (1)原告(昭和16年○○月○○日生)と被告(昭和14年○○月○日生)とは,昭和40年11月29日に婚姻届出をした夫婦であり,原被告間には,昭和46年○月○日に長女Aが,昭和50年○月○日に長男Bが出生した。 (甲1) (2)原告と被告とは,平成12年11月4日に別居したが,その後,原告が申し立てた離婚調停が平成14年2月に不調となり,現在に至っている。 (弁論の全趣旨) (3)被告は,現在,別紙物件目録1から7記載の各不動産を所有している。 (甲2から9) 3 争点 (1)離婚請求の成否 (2)慰謝料請求の成否 (3)財産分与の有無及び範囲 4 争点に関する原告の主張 (1)離婚請求及び慰謝料請求の成否について 被告は,昭和46年頃から,C(以下「C」という。)と交際するようになり,昭和54年頃からは殆ど帰宅することなく,外泊を続ける状態となった。 被告は,平成12年11月4日以降,自宅に戻らずに原告と別居しており,原被告間の婚姻関係は,被告とCとの不貞関係を主たる原因として,既に破綻している。 よって,原告は,被告に対し,離婚及び慰謝料1000万円の支払を求める。 (2)財産分与の有無及び範囲について 原告は,被告に対し,被告が所有している別紙物件目録1から7記載の不動産のうち,原告の居住にかかる同目録1から4記載の各不動産(以下「高井戸の自宅」という。)の分与を求める。 5 争点に関する被告の主張 (1)離婚請求及び慰謝料請求の成否について 原告の主張する不貞行為に関する事実は否認し,慰謝料請求は争う。 原被告間の婚姻関係が破綻していることは争わないが,その原因は,もっぱら原告の精神疾患等にある。 (2)財産分与の有無及び範囲について 被告の所有する不動産はもっぱら被告の努力と才覚によって取得した固有財産である。原告は,不幸にも精神疾患を抱え,財産の形成や維持に寄与できなかった。 また,原被告の現在の経済状況に照らせば,扶養的要素を考慮しても,分与すべき財産はない。 第3 争点に対する判断 1 認定事実等 当裁判所に顕著な事実,証拠及び弁論の全趣旨を総合すると,次の各事実を認めることができる(各事実認定に供した具体的な証拠等は,各項の末尾に掲げた。)。 (1)原被告の生活状況等 原告と被告とは,昭和40年11月に婚姻し,六畳一間の木造アパートで同居生活を開始した。当時,被告は,Dの記者であったが,昭和44年ころ,鬱病に罹患して退職を余儀なくされた さらに詳しくみる:)原被告の生活状況等 原告と被告・・・ |
関連キーワード | 離婚,統合失調症,財産分与,慰謝料,鬱病 |
原告側の請求内容 | ①夫との離婚 ②夫は妻に対し1,000万円を支払う ③財産分与の申し立て |
勝訴・敗訴 | 一部勝訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
400,000円~600,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所判決/平成14年(タ)第176号 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「妻の精神疾患による、夫婦のすれ違いにより結婚生活が破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判を起こしたのは夫(原告)で、裁判を起こされたのは妻(被告)です。 1 結婚 夫は昭和49年に大学卒業後、夫の現住所でB動物病院を開業しました。 夫と妻は昭和57年6月9日に結婚し、足立区でマンションを借りて生活を始めました。 妻は当初動物病院を手伝っていましたが、すぐに妊娠して昭和58年に長男の太郎(仮名)を出産し、昭和59年に二男の次郎(仮名)を出産しました。妻はその後は専業主婦になりました。 2 転居 夫と妻は昭和62年9月に家を新築して転居しました。夫はその家にも動物病院の看板を揚げて診察をすることがありましたが、週のうち大部分はB動物病院で診察を行っていました。 3 長女誕生 平成3年に長女の花子(仮名)が生まれました。夫は平成4年12月に新たに家を購入して、妻や家族を引っ越させました。 同時に、夫は以前新築した自宅を売却しました。 引っ越した後は、B動物病院のみの診察になり、夫が自宅に帰るのはほとんど週末だけでした。 4 妻に対する夫の暴力 夫は平成5年2月ころ、妻に対して暴力をふるい、妻は頭部打撲、顔面皮下血腫の怪我を負わせました。また、平成7年6月ころ、妻のお腹や頭を蹴るなどの暴力をふるい、妻に口腔内裂傷、口唇裂傷、腹部・頭部打撲の怪我を負わせました。 5 夫、妻に離婚を求める 夫は平成7年12月から平成8年4月までの間、週末に自宅に戻った際、妻が家事等を怠っていることをメモに取り、平成8年6月から平成9年3月までの間、妻が掃除を怠っていることを明らかにするために部屋の中や外の写真を撮りました。 夫は平成9年ころ妻に対して離婚届にサインするように求めました。 6 妻の家出 妻は平成10年2月、花子と共に家を出て、兵庫県川西市に引っ越しました。 太郎はB動物病院で、次郎は自宅に残りました。 7 調停で、夫は妻に婚姻費用を支払うことが決定 平成10年6月、夫が妻に対して平成10年7月から1ヶ月5万円ずつ婚姻費用を支払うとの調停が成立しました。婚姻費用とは、夫婦が生活していく上でかかるお金のことです。 夫は平成10年7月21日、8月27日、11月30日に各5万円を支払っただけでその後、婚姻費用の支払いをせずに、妻に対する離婚を求める裁判を起こしました。 その後、平成16年3月31日に至って、妻に320万円を支払いました。妻はその間婚姻費用の支払いを強く求めたことはありませんでした。 |
---|---|
判例要約 | 1 妻が家出をしたことは、夫婦の努力義務に反した行動ではない 夫婦は一緒に暮らし、家計を共にし、助け合って家庭を維持するという努力義務を負っています。 夫は平成10年2月に妻が家出をしたことは、この努力義務に反して家族をほったらかしにしたため、夫婦の結婚生活が破綻に繋がったと主張しています。 しかし、夫は妻に対して暴力をふるったり、妻が掃除を怠っていることを明らかにするために写真を撮ったり、離婚届けにサインするように求めたりしていたことから考えると、妻が家を出たのは夫と妻の夫婦関係が破綻し、夫が妻に離婚を強く求めたことが原因と考えられます。 2 二人には結婚生活を継続し難い重大な理由がある 夫の主張①:妻が動物嫌いのため、夫の獣医としての仕事に全く無関心、無協力・無理解で、一時期診療所を手伝わせたこともあったが、妻の客に対する態度が悪くてすぐにやめさせた。 裁判所の判断:妻が動物病院を手伝った期間が短かったことは認められますが、それは妻が長男、すぐに次男を出産したからで、夫の主張は認められないと裁判所は判断しました。 夫の主張②:妻は自己中心的な性格上、妻として家事、炊事、掃除をしなかった。 裁判所の判断:夫は妻が家事を怠っていたことをメモしていましたが、それは夫が週末に自宅に帰った際のみで、また家事に関してのみ記載されていたことからそれを信用することは難しく、写真についても一時点で掃除をしていないことが常に掃除を怠っていたとまで言うことはできないと裁判所は判断しました。 裁判所のまとめ:夫の主張については大部分が認めることのできない事実ですが、夫も妻も家庭生活について相手のやり方、考え方を非難して互いに歩み寄る余地がありません。またお互いに結婚生活を復活させたいとは思っておらず、別居から、この裁判が終わる日まで既に6年6ヶ月以上が経っていることを考えると、夫と妻の夫婦関係は完全に崩壊していると認められます。 3 夫と妻を離婚する 離婚に関する事件では「離婚の原因を作った者の離婚請求は認めない」という大前提があります。 夫は妻に対して暴力をふるったり、妻が家事、掃除をしないことを明らかにするために写真やメモをとったりしました。夫と妻の夫婦関係が破綻した理由は夫の責任が大きいと考えられます。 しかし、夫と妻の夫婦関係の破綻については、互いの歩み寄れない考え方による部分が大きいため、夫からの離婚請求は認められると裁判所は判断しています。 また、長男、二男は成人し、長女は13歳になっているため、これも二人の離婚を認める要因のひとつとなっています。 4 長女の親権は妻に 夫と妻の別居以来、長女は妻と共に生活をしていて、また妻が親権者として不適格な事情はないため、妻が親権者となりました。 |
「弁論終結」に関するネット上の情報
vs.アイフル、弁論終結
2回目期日を合わせても2分程度で弁論終結しました。他の業者は、訴え提起後も和解を試みようと若干の上乗せやあるいは観念してこちらの希望額に応じたりしますがアイフル...
民事訴訟法 ダメ答案2 既判力基準事後の形成権行使
既判力の基準時は口頭弁論終結時である。前訴の口頭弁論終結時前に存していた事由に基づいて後訴を提起することは原則許されない。本問においては、前訴における口頭弁論終結前の事由に基づく形成権を行使して後訴を提起できるかが問題となる。問1について問1では、取消権に基づいて請求異議の訴えができるかが問題となる。...
平成19年度 午後 第15問 承継執行文
アaからbへの所有権の移転の登記手続を命ずる判決が確定したが、その訴訟の口頭弁論終結後にaが死亡し、相続を原因とするaからxへの所有権の移転の登記がされている場合には、bは、xに対する承継執行文の付与を受けて判決によるxからbへの所有権の移転の登記を申請することができる]...