「利益」に関する事例の判例原文:夫の生活費の不支払いから生じた、結婚生活の破綻
「利益」関する判例の原文を掲載:収入に対する原告の貢献度を4割と主張する・・・
「結婚生活を破綻させたのは生活費を支払わなかった夫に責任があるとして、離婚請求を認めた判例」の判例原文:収入に対する原告の貢献度を4割と主張する・・・
| 原文 | からであり,財産分与の扶養的側面に鑑みれば,その分を減額することはしない。)。 10万円×12月×2年=240万円 10万円×12月×7.7217=926万6040円 (7)財産分与の割合について 被告は,自分が高度な専門性を持っていたから,これまで給与収入を得られてきたのであり,この給与収入に対する原告の貢献度を4割と主張する。 しかし,原告は,被告が単身赴任中,専業主婦として家事と子育てを一手に引き受け,しかも,同世代の家族としても多い,4人もの子供たちを育てたのであり,原告の苦労は相当なものだったと容易に推認できるし,原告の貢献度も高く評価すべきである。その上,被告が高度な専門的知識をもち収入を得てきたことは認められるが,財産分与を検討する上で最も重要な収入額については,同世代の男性に比して極めて高額というわけでもなく(乙17),そのため,今後の生活にとって原資となる預貯金等の資産は,十二分で余裕がある程ではない。 原告の財産分与の割合は5割をもって相当である。 (8)財産分与金額を計算すると,前記(1)に同(2)を加えた金額が,退職金が3591万7675円となり,その余については別紙財産目録金額欄のとおりで合計8392万8396円となり(7899万8396円+493万円)となり,それに,同(3)の500万円を加えて,同金額を財産分与割合の2分の1で乗じると,4446万4198円となる。それに,同(6)の1166万6040円を加え,同(5)の別紙財産目録記載の28万4920円と同(3)の500万円を減じると総合計5084万5318円となる。 したがって,被告は,原告に対して,財産分与として同金額を支払うとともに,本件建物について,財産分与を原因として被告持分の全部移転登記をしなければならないことになる。 4 慰藉料請求について (1)前記認定のとおり,被告は,原告を対等なパートナーとみることをせず,家事や育児を全て原告に任せ,原告がせめて相談だけでもしようとしても話を聞かず自分の意向を通そうとし,さらには,自分が気にくわないと原告に生活費(婚費)さえ渡さず,それが原告に精神的苦痛を与えて,離婚原因の一要素となっており,これらの行為は不法行為を構成する。 ところで,原告は,被告による平成10年からの暴力を主張する。しかし,この原告の主張に沿う証拠(甲24の1,25の1)は,それぞれ実際に聞くと,原告が相当しつこく被告の嫌う話題を持ち出した上,被告に回答を求め,それを繰り返し,被告はそれに応じて暴力を振るったと認められ,それに,上記証拠が原告が用意した盗聴テープであり,被告に取って不利なことを録音しようとしていたことは容易に推測できることに勘案すると,上記証拠中の暴力は,原告によって誘導された可能性が高く,同証拠があるからといって被告に暴行の責めを課すことはできない。 また,原告は,平成11年2月27日に被告から殴られたと主張し,それに沿う証拠(甲3,34)を提出するが,証拠(甲3)には,原告が負傷した原因の記載がなく,また,証拠(甲34)については,本件訴訟提起後に作成された書面であり,たやすく信用できず,その他に原告の主張を認めるに足りる的確な証拠がなく認めることはできない。 (2)原告は,被告の前記不法行為により離婚を余儀なくされ,それによる精神的苦痛を慰藉するためには,婚姻期間,これまでの経緯,被告の資産,本件訴訟における被告の対応等の本件に顕れた一切の事情を勘案すると200万円が相当と認められる。 よって,原告は,被告に対して,200万円の離婚慰藉料請求権を有する。 第4 結論 以上の次第により,原告の本件請求は,離婚請求,財産分与請求のうち5084万5318円及び被告持分全部移転登記を求める限度,慰藉料請求のうち200万円の支払を求める限度で理由があるから,これらについては認容することとし,その余の請求については理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事13部 裁判官 遠 藤 浩太郎 |
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