「弁論主義」に関する離婚事例・判例
「弁論主義」に関する事例:「夫の妻へのコミュニケーション不足による、結婚生活の破綻」
「弁論主義」に関する事例:「夫の妻へのコミュニケーション不足を理由として、離婚を認めた判例」
キーポイント | 離婚が認められるためには、結婚生活をこれ以上継続することが出来ない重大な事由が当事者の間になければなりません。 当判例は、その離婚事由があっても、妻の慰謝料請求を認めるにあたり、夫に違法性があったのかどうかがキーポイントとなっています。 |
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事例要約 | この裁判を起こしたのは、妻(原告)であり、裁判を起こされたのは、その夫(被告)です。 1 結婚 当事件の当事者である妻は、平成11年10月に同じ職場で働いていた夫と知り合い、平成12年2月から交際を経て、平成13年11月23日に婚姻の届出をし、夫婦となりました。 結婚後、夫は普通に妻に接していたつもりだったが、妻は夫のコミュニケーションの物足りなさを感じていました。 2 夫の海外赴任の決定 夫は、平成14年6月ころに、平成15年5月29日から3年間の海外赴任が決定しました。 妻はこれを受けて、海外赴任を夫と共にするため、大学の外国語講座に通い始めましたが、心の中で海外に行くことに戸惑いがありました。 3 妻が当判例の裁判を起こす 妻は、平成13年12月29日に夫に対し、海外赴任を夫と共にしたくないことと、夫との結婚生活をこれ以上続けることが出来ない胸中を伝えました。 そして妻は、同月末に夫に対し、離婚したいと伝えましたが、夫はその気がないと答えました。 妻は、平成15年2月に、東京家庭裁判所に離婚調停の申し立てをしましたが、同年4月4日に不成立に終わりました。 これを受けて妻は、同年に当裁判を起こしました。 |
判例要約 | 1 離婚は認められる 裁判所は、夫と妻との離婚につき、当判例のケースでは違法性が少ないことから、判断を下すことが難しいとしています。 しかし、夫は妻に対し、十分な精神的サポートをせずに、夫婦間のコミュニケーションをとらなかったことで、妻を不安に追い込んだ点に、離婚を認める原因があるとしています。 そしてその責任の所在は、夫と妻のどちらにあるとも言えないとしています。 2 財産分与について 裁判所は、財産分与については夫婦均等を原則として、夫と妻の結婚生活に対する貢献度の割合によって修正するものとしています。 その上で、妻の財産分与の請求については、妻の結婚生活への貢献度や、また証拠など認められない点が多いことから、却下しています。 3 慰謝料について 裁判所は、妻の慰謝料請求について、証拠不足や争点となる夫のコミュニケーション不足について違法性が低いとして、請求額より少ない200,000円の支払いを夫に命じています。 |
原文 | 主 文 1 原告と被告とを離婚する。 2 被告は,原告に対し,20万円及びこれに対する平成15年4月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は,これを2分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 5 この判決は,第2項及び第4項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 主文第1項と同じ。 2 被告は,原告に対し,860万円並びに内金360万円について本判決確定の日の翌日から支払済みまで及び内金500万円については平成15年4月21日(本訴状送達の日の翌日)から支払済みまで,いずれも年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 本件は,妻である原告が,夫である被告に対し,性交渉の拒絶等を理由に離婚を求め,また,過去の婚姻費用の分担としての財産分与,被告の婚姻中における原告への行動を理由とする慰謝料を,請求する事案である。 1 前提事実 (1)原告と被告は,平成13年11月23日に婚姻した夫婦である(甲1,争いがない。)。 (2)原告は,平成15年1月14ないし16日ころ,被告と別居し,現住所に移転した(甲11,乙6,原告本人,被告本人,争いがない。)。 2 争点 (1)裁判離婚原因の有無 (原告の主張) ア 性交渉の拒絶 被告は,婚姻後,平成14年6月ころに旅行先で約2回性交渉を持った以外,原告と性交渉を持とうとしなかった。 イ 生活費不支給による経済的負担 原告は,平成14年9月まで会社員として稼働していたが,被告は,この期間中,原告に対し生活費を全く渡さなかった。 被告は,原告が平成14年9月に退職した後も,同年10月及び11月には週1万円を,また,同年12月には月10万円をそれぞれ渡したにすぎなかった。 ウ 被告の実家による「嫁いじめ」と被告の傍観 原告は,名古屋市内にある被告の実家に帰省するたびに,被告の実家の親族から,次のとおりまくしたてられた。 (ア)原告は,その最終学歴が短大卒であることについて,「人より2年足りない。」と言われた。 (イ)原告は,「将来Y1夫人と呼ばれて恥ずかしくないように。」と言われた。 (ウ)原告は,その実父の最終学歴が日本大学卒であることについて,「日大など大学のうちに入らない。」と言われた。 (エ)被告が,早朝に実家からの電話に出た際に「原告も寝ている。」と答えたところ,その後原告が電話をかけ直したところ,原告は,「Y1が起きているのにあなたが寝ているとは何事だ。」と激しい剣幕で叱責された。 (オ)原告は,被告の実家に行くたびに着ている服をチェックされ,「その服はどうした。」,「靴はどうした。」等と問いただされた上,「洋服ほしいとか何がほしいとか絶対にうちのY1に言ってはいけない。」,「絶対うちのY1の給料を無駄遣いしてはいけない。」と言われ,原告がカジュアルな服を着ていると「Y1夫人にふさわしくない。」と叱責された。 被告は,このような状況下において,実家の親族に抗議することも,原告をかばうこともなく,また,2人だけになってから原告をねぎらったり慰めたりすることをせず,むしろ,「黙って聞いていればいい。」と言うだけであり,実家からの帰途において原告からつらい心情を訴えられると,むっとした顔になり,家に着くまで口をきかず,更に原告から問いかけ さらに詳しくみる:抗議することも,原告をかばうこともなく,・・・ |
関連キーワード | 離婚,財産分与,慰謝料,海外赴任,離婚調停 |
原告側の請求内容 | ①夫との離婚 ②財産分与 ③慰謝料 |
勝訴・敗訴 | 一部勝訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
450,000円~650,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所判決/平成15年(タ)第274号 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「夫の妻へのコミュニケーション不足による、結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判を起こしたのは妻と妻の父親(原告)で、裁判を起こされたのは夫(被告)です。 1 登場人物 妻の父親(旅行業を目的とする会社グループの経営者)、妻(その長女)、夫(妻の父親が経営する会社を継ぐために結婚した婿養子) 2 婚姻 夫婦は平成元年12月5日に婚姻し、3人の子供をもうけました。 3 夫の資格取得 夫は社労士の資格を取るべく勉強を始めましたが、試験が近付くと不機嫌になり、妻に当たるようになりました。 4 別居 夫の態度に耐えられなくなった妻は女性問題センターに相談するなどして離婚を考えるようになりました。夫に「一緒にいるのがつらい」と申し出たところ、夫は結婚指輪とカギをおいて家を飛び出しました。 5 離婚調停 夫婦は平成13年4月26日に夫婦関係調整の調停を申し立てましたが取り下げています。 |
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判例要約 | 1 離婚原因について ① 妻は夫が暴力をふるったと主張しています。しかし、夫が妻の目の前で物を投げたり壊したりして、妻に当たるようになったことは認められますが、それが社労士試験の直前期に集中しており、そのストレスはさることながら、自分が婿養子であることやサラリーマン家庭に育った夫が急に自営業者の許へ婿入りすることになったために感じる家風の違い、経験で勝る妻と、その父親に比べ経営力に劣ることのもどかしさといったストレスこと考えると、妻の目の前で物を投げたり壊したりしたことが必ずしも夫に責任がある離婚原因とは言えないでしょう。 ② 妻は夫が不貞行為を行ったと主張しますが、妻が提出した風俗店のカード等を見てもそれが直ちに夫が風俗店に通っていたことを証明する程度ではないので、裁判所として不貞行為を認定することはできません。 2 親権者の指定について 現在妻が子供を育てている現状、夫もやむを得ないものとしている点を考慮すると現状のままでいいでしょう。 3 慰謝料請求について 離婚の原因がもっぱら夫にあると断言することができないので認められません。 4 財産分与について 夫婦の共有財産は2分の1ずつで清算するべきです。なお、子供名義の預金や学資保険も夫婦の共有財産と認定されます。なお、この裁判までの間に、夫婦ともにそれぞれ引き出した金額も計算に入れると、夫は妻に対して約4,400,000円を支払う義務がある計算になります。 5 養育費について 妻が月400,000円の収入があること、夫の現在の収入は不明ですが、大卒の39歳の平均的年収が7,010,000円であることから考えると、夫は妻に養育費として月20,000円支払うべきものと考えられます。 6 養子縁組解消について 夫婦関係が破たんしていること、そもそも結婚自体が家業を継ぐことが理由の一つであったことを考えると、養子関係を今後も継続することはできない重大な理由があると言えます。 |
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