「適宜」に関する事例の判例原文:外国人である夫からの離婚請求が認められないとした事案
「適宜」関する判例の原文を掲載:の溝はかなり深まっていたが,その後に前記・・・
「結婚生活の破綻の原因を作った側からの離婚請求を却下した判例」の判例原文:の溝はかなり深まっていたが,その後に前記・・・
| 原文 | 一に認定の事実によれば,原被告の婚姻関係は,原被告が別居した平成14年8月に破綻したものと認められる。 原告は,右破綻の時期について前記の被告とのやり直しの合意(平成10年1月)以前の平成8,9年ころを主張している。 確かに,前記認定のとおり,平成8,9年ころには原被告間の溝はかなり深まっていたが,その後に前記の合意がなされたことなどを考えるならば,原被告の婚姻関係が平成8,9年ころに破綻の程度にまで達していたとは未だいえない。また,右の関係の悪化には,平成9年の秋ころの原告とCの親密な交際が大きく関係していることも否定できない。 そして,原被告の関係が前記の合意後も必ずしも改善しなかったこともまた前記認定のとおりであるが,それが急速に悪化したのは,やはり平成13年以降のことであるといわざるをえない。 なお,右の破綻につき,被告本人尋問の結果によれば,被告には原告の意思いかんで婚姻関係の修復も可能ではないかとの気持ちがあるようであるが,原告は全くそれを望んでおらず,現実的には修復は極めて困難ではないかと考えられる。 2 次に,右破綻の原因であるが,これについては,若干微妙なところはあるものの,やはり,全体としてみれば,原告のほうにより大きな責任があると評価せざるをえない。 確かに,原告の被告に対する不満にも相応の根拠はあり,ことに,被告が,原告の人格や行動を規制しようとする反面原告に対して温かな理解を示そうとしなかった点は,婚姻破綻の一つの原因となっていよう。また,被告が貸金庫の内容を原告に対して明らかにしなかったことや,配偶者ビザの更新に協力しなかったことは,原告との信頼関係をそこなう行為であったとみざるをえない。 しかし,右破綻の直接的な,また最も大きな原因が平成13年以降の原告のあからさまな不貞にあることもまた否定できないのである。 3 最後に,本件において,有責配偶者である原告の離婚請求を認めることができるか否かについて検討する。 本件においては,夫婦の別居期間は,口頭弁論終結時において未だ1年間に満たない。また,原被告間の2人の子は未だ未成年であり,長女については引き続き拒食症の治療が必要な状況にある。被告が未だ婚姻関係の破綻に十分に納得がいっていない状況にあることも前記のとおりである。 これらのことに,双方の年齢,同居期間,また現在の双方の収入や生活状況等本件に現れた諸般の事情を総合考慮すると,前記の程度の期間の経過が原告の有責性を風化させるに至ったとまで考えることは困難である。 第四 結論 以上によれば,原告の請求は理由がないからこれを棄却する。 もっとも,原告は,今後も,被告に対して,婚姻費用の分担や当面の住居の確保を含め,誠意を持って対応してゆく用意があることは本訴における和解期日においても述べていたところであり,今後,そのような状況の下で別居期間が長くなり,子らも成長するならば,原告の有責性の評価も変化してゆきうることは予想されるところであるから,被告においてもこのことは考慮しつつ今後の原告との関係を考えてゆくことが望まれることを付言しておく。 東京地方裁判所民事第42部 裁判官 瀬 木 比 呂 志 |
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