「自殺した夫の借金」に関する離婚事例・判例
「自殺した夫の借金」に関する事例:「結婚生活を継続する事が出来ない事由として、夫の主張に証拠がなく認められなかった事例」
「自殺した夫の借金」に関する事例:「離婚の原因は、夫婦のすれ違いがただ重なったこととして、結婚生活を継続しがたい重大な理由と認められなかった事例」
キーポイント | この事件のキーポイントは離婚が認められるためには、結婚生活をこれ以上継続することができない重大な理由が当事者の間になければなりません。 その為、夫の証言が認められ、夫婦関係の継続することが出来ない重大な理由と認められるのかがポイントとなります。 |
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事例要約 | この事件は夫(原告)が妻(被告)に対して起こした裁判です。 1 結婚 平成5年、夫婦は結婚し、平成6年に長男が生まれました。 結婚後、夫の父が所有するマンションに夫婦は住んでいたが、平成8年1月には賃貸マンションへ引っ越し、同年12月にはマンションを購入し、夫婦と子供の3人で暮らしました。 2 夫婦生活の中でのすれ違い 夫の言い分では、夫は自殺をほのめかしたり、包丁を夫に向けたりなどという妻の度重なる奇行に日々悩まされていました。 しかし、妻の主張ではそう言った奇行は行っていないとのことです。 夫の仕事が多忙だったこと、子供の受験等で夫婦ともにストレスがたまり、夫婦間でのいざこざが頻繁に発生していました。 3 夫からの離婚請求 夫は、夫婦生活の中で妻の奇行に耐えられなくなったと言い、 平成12年12月下旬、夫は年末年始に妻の実家で過ごしている際に、妻とその両親に離婚届けの用紙を預けたが、妻はこれに応じませんでした。 4 夫婦の別居 同年30日、夫は荷物をまとめて家を出て別居しました。 5 夫が1度目の訴えを起こす 夫は、平成13年に東京家庭裁判所に離婚を求める調停の申立をしたが、同年6月12日、不成立に終わりました。 6 裁判 夫が妻に対して当判例の裁判を起こしました。 |
判例要約 | 1 夫から妻への離婚請求は認められない 既に別居状態が1年半を超えて、夫は強く妻との離婚を求めていることからも、夫婦関係の修復は容易ではないと認められます。 しかし、7歳になる子供の存在を踏まえると、家族の絆を再建することが全く期待できないとは言い難く、 また、夫の仕事の多忙さ、子供の小学校受験など、夫婦ともにストレスのかかる時期であり、その時期にお互いの配慮を欠ける言動が積み重なっての夫婦関係の悪化を招いたと考えられるため、冷静に振り返って反省し、夫婦間の対話の機会を持つことが期待されます。 したがって、本件において結婚生活を継続し難い重大な事由が存在すると認めることはできず、離婚は認められませんでした。 |
原文 | 主 文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 原告と被告とを離婚する。 2 原,被告間の未成年の子であるA(男・平成6年○○月○日生)に対する親権者を原告と定める。 第2 事案の概要 本件は,夫である原告より妻である被告に対し,婚姻を継続し難い重大な事由(民法770条1項5号)があるとして離婚を求めた事件である。 1 前提となる事実 甲第1号証,第2号証,第8号証,乙第3号証の1ないし3,第14号証,原告本人尋問及び被告本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨によると以下の事実が認められる。 (1)原告(昭和35年○月○日生)は,被告(昭和42年○月○日生)と結婚し(婚姻届出日平成5年11月27日),原告と被告の間には長男A(平成6年○○月○日生)がいる。 (2)原告は,一橋大学を卒業し,現在は,B銀行(旧C銀行)に勤務する銀行員である。被告は,自由学園において短大の過程を修了して卒業後,D株式会社に勤務していたが,結婚を機に退職し,専業主婦となった。 (3)原告及び被告は,結婚後,八王子市南大沢の原告の父が所有するマンションを新居としたが,平成8年1月東京都練馬区光が丘の賃貸マンションに引っ越し,さらに同年12月には同じく練馬区光が丘のマンションを購入し,以後,上記マンションにて被告及びAと3人家族で同居をしてきた。 (4)原告は,平成12年12月下旬から被告が年末,年始を過ごすためにAを連れて大分県にある被告の両親の家を訪れていた最中に,被告両親方に離婚届の用紙を送り,署名捺印を求めたが,被告はこれに応じなかった。 (5)また原告は,被告が留守にしている間の同月30日,原告の荷物をまとめて家を出て,別居するに至った。 (6)原告は,平成13年,被告を相手方として,東京家庭裁判所に離婚を求める調停の申立をしたが,同年6月12日,不成立に終わった。 2 争点 原告の主張する婚姻を継続し難い重大な事由が存在するか否か (1)原告の主張の要旨 ア 被告の性格の異常性,被告の奇行 (ア)被告は,しばしば包丁を持ち出して,自殺をほのめかしたり,原告に危害を加える素振りを示したりした。具体的には以下のような事実がある。 a 平成7年5月に原告及び被告がささいなことで口論をした際に,被告は包丁を持ち出して,自殺をほのめかした。 b 平成10年10月に同じく原告及び被告がささいなことで口論をした際に,被告は包丁を持ち出して,原告の方に向かってきた。 c 平成12年6月,Aのために買ったバイオリンが大きすぎて体に合わないため買い換えて,返品をしたところ,被告は,「どうして,子供が練習して,愛情の入った楽器を勝手に返品したのか」と激怒して,台所から包丁を持ち出し,玄関先にいた原告に向けて構えた。 (イ)被告は,原告の本棚の本(200冊ないし300冊)や原告の有価証券,通帳,印鑑等をすべて床にぶちまけるという行為に及んだことが何回もあった。具体的には,平成9年8月,同10年11月,同11年8月,同12年7月などである。また原告の携帯電話を分解したり,ノート型パソコンの基本ソフトをすべて消去してしまうということもあった(平成12年7月)。 (ウ)被告は,日常生活の中で,第三者との間で非妥協的振る舞いに及んでトラブルを発生させるということがしばしばあった。具体的には以下のようなことがあった。 さらに詳しくみる:り,ノート型パソコンの基本ソフトをすべて・・・ |
関連キーワード | 離婚,奇行,有価証券,難詰,暴行,人格障害 |
原告側の請求内容 | ①妻との離婚 ②子供の親権を夫とする |
勝訴・敗訴 | 全面敗訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
400,000円~600,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所判決/平成13年(タ)第477号 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「結婚生活を継続する事が出来ない事由として、夫の主張に証拠がなく認められなかった事例」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | 裁判を起こしたのは夫(原告)で、裁判を起こされたのは妻(被告)です。 1 結婚 夫はA航空のパイロットとして勤務していました。B航空のC空港支店に勤務していた妻と知り合い、昭和53年7月23日に結婚しました。 夫と妻の間には長女の花子(仮名)、二女の桃子(仮名)が生まれました。 2 妻のヒステリー 妻は結婚後、東京都世田谷区のマンションで夫と結婚生活を送っていましたが、夫と意見が対立すると感情を抑えられず激怒することがありました。そのため、夫と妻は何度か喧嘩になり、夫が離婚届を準備したり、実家に戻ったことがありました。 3 妻、精神の不安定悪化 妻は平成8年に勤務先の同窓会幹事を引き受け、その準備に専念するあまりに睡眠不足になり、精神的に不安定な状態になりました。些細なことに怒ったり、大声でわめいたり、家具を壊したり夜間に外を徘徊するなどの行動に出るようになりました。 夫は機長昇進のための試験を控えていたため、妻のこのような言動を心配しながらも対応に困り、不穏な日々を送っていました。 4 妻がマンションを出る 妻はこのころから旅行会社の試用社員として勤務するようになり、平成8年11月にはマンションを出ました。妻は夫との別居当初はホテルに泊まり、その後はウィークリーマンションに住んでいました。 5 自宅購入 夫は以前から自宅購入を考えており、平成8年12月24日に住宅ローンを組んで自宅を購入しました。また、夫はこの頃機長に昇格しました。 6 妻を自宅に 妻は平成9年2月に夫に連絡し、助けて欲しいと訴えたので、夫は妻を自宅に連れ戻しました。妻は夫の勧めで病院の精神科を受診し、約1年間通院していました。 妻は自宅に戻った後、気分次第で家事をしなかったことはありましたが、情緒は安定して平穏な日常生活を送っていました。 7 妻がまた精神不安定に… 妻は平成12年に再び同窓会幹事を引き受けました。妻はこの準備に専念するあまりにまた精神的に不安定になりました。平成13年6月に同窓会が終わった後には状態がさらに悪化し、大声でわめいたり、食器を壊したり、寝ている子供の布団を剥ぐなど異常な行動をするようになりました。 そこで夫は妻に病院に行くことを勧め、妻は再度以前の病院を受診しましたが、医師に暴言を吐いたり、処方された薬を飲みませんでした。夫は対応に困り果て、保健所に妻の対応を相談していました。 8 夫も子供も忍耐の限界に… 夫も子供2人もそれまでの妻の言動に心も身体も疲れ切っていました。もはや忍耐の限界だと感じた夫は平成13年10月と平成14年に至ってからも、妻と協議離婚(夫婦の合意による婚姻の解消)の話し合いをしましたが、妻はこれに同意しませんでした。 9 夫が離婚を求める裁判を起こす 話し合いでは離婚の話が進まないため、夫は妻に離婚を請求する裁判を起こしました。 |
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判例要約 | 1 夫と妻の関係は修復不可能 妻は平成8年ころから情緒不安定が悪化し、暴言、暴行を繰り返しました。平成13年には2度も措置入院に至り、夫と2人の子供が妻の精神状態によって翻弄され、心も身体も疲れきっていました。妻は平成16年になっても症状が改善していません。 以上のことから考えると、少なくても平成13年10月の時点で夫と妻の結婚生活は破綻していて、その後の状態を考慮しても二人の関係は修復不可能であると言えます。よって、夫の妻に対する離婚請求には理由があるため、離婚を認めると裁判所は判断しています。 2 夫は妻に対して財産を分け与えよ。 ・自宅について 平成8年12月24日に取得した自宅については夫婦の共有の財産であると認められます。 夫と妻の間で精算の対象となる財産額は、土地の時価からローン残高を引いた3334万4463円で、この自宅に対する妻の寄与度は4割であると裁判所は判断しました。よって、1333万7785円が妻に分け与えられるべきです。 ・預貯金について 夫は平成16年4月20日現在、預貯金が1088万2531円あります。 妻の寄与度は4割であると裁判所は判断しているので、435万3012円が妻に分け与えられるべきです。 以上のことから、夫は妻に対して合計1769万0797円分け与えるべきです。 |
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