離婚法律相談データバンク 「損害を慰謝」に関する離婚問題事例、「損害を慰謝」の離婚事例・判例:「夫の暴力による結婚生活の破綻」

損害を慰謝」に関する離婚事例・判例

損害を慰謝」に関する事例:「夫の暴力による結婚生活の破綻」

「損害を慰謝」に関する事例:「夫の暴力が原因として、妻の夫に対する親権・養育費・財産分与・慰謝料の請求も認めた判例」

キーポイント この裁判は、夫は妻が別れたいというのであれば応じるとしているので、
どちらが親権を得るのが相当か、養育費と財産分与と慰謝料はいくらが相当か
が問題となります。
事例要約 この裁判は、妻(原告)が夫(被告)に対して起こした裁判です。

1 結婚
妻と夫は昭和62年4月に結婚の届け出をして夫婦となりました。
二人はともに区役所の職員であり、長男の太郎(仮名)・次男の次郎(仮名)・三男の三郎(仮名)がいます。夫には前妻の山田(仮名)がいます。
2 結婚生活
妻と夫は結婚当初、円満な生活を送っていましたが、夫が何の説明もなく前妻との間の子供に会ったり、
妻が長男の妊娠のつわりで家事ができなくなったりしたことで、もめるようになりました。
その後、夫による暴力が目立つようになりました。
3 離婚調停
妻は暴行があったために、平成6年ころ家庭裁判所に調停を申し立て、太郎と次郎を連れて家出をしました。
しかし調停はまとまらず、夫の態度も少し良くなってきたので再び同居をはじめました。
4 不動産の購入
妻と夫は平成7年3月家を購入し、持ち分は妻が4分の1・夫が4分の3としました。
5 さらなる夫の暴行
家を購入し転居したころ、夫の暴行がエスカレートしてきました。妻は夫に殴られたり蹴られたりしたため、
尾椎骨折・顔面挫傷の怪我をし、平成12年には鼓膜を3回破られ、平成9年には腰椎横突起骨折・腰部挫傷の傷害を負いました。
夫に殴られ平成12年12月には頭部を2針縫う、平成13年6月には右目を4針縫うなどの傷害を負いました。
6 子供の不登校
平成10年、太郎が小学5年生のころから不登校が始まり、次郎の不登校も始まりました。
妻は子供達を叱るときに時に手を上げたり、声を荒げたり、汚い言葉を使うことがあり、これが発端となって夫が妻に暴力を振るうことがありました。
妻は子供の不登校について児童相談所に相談をしていました。
7 ダウン症の三男
平成10年、妻と夫の間に子供が生まれましたが、三郎はダウン症でした。
夫は夜遅く飲酒をして帰ることが多く、家事もあまり手伝うことはなく、三郎の保育園の送迎もほとんどしていません。
その後も積極的に子供達にかかわることはありませんでした。
判例要約 1 親権は妻にある
夫が子育てに積極的に参加している様子はありません。また、兄弟はできるだけ一緒に生活するのが望ましく、
三男がダウン症で、まだ5歳という年齢からして、妻が親権者となるのがよいと判断されました。

2 夫は妻に対して養育費を支払う
夫と妻は区役所の職員として安定した収入を得ています。夫は、子供達がそれぞれ万20歳になるまで、
長男と次男に対してそれぞれ4万円、三男はダウン症で養育費を健康な子供に比べ要するため5万円を月々支払うことと命じられました。

3 夫は妻に対して財産を分与する
預金については、妻名義と子供名義の預金は妻が管理しており、夫名義の貯金は夫の管理となっているので、これは分けあわないことになりました。
不動産については、夫から妻に対して100分の29を分け与えることが相当とされました。

4 夫は妻に対して慰謝料を支払う
夫の暴力は、妻が家事をおろそかにしたことや、子供達に手をあげたことが原因となったことも認められますが、
その度を著しく超えているとは言えません。しかし夫の暴力は夫婦喧嘩とは言えないほど過激であり、骨折や縫合が必要なほどの怪我を負わせています。
これによる精神的損害を慰謝するために、夫は妻に対して200万円を支払うこととされました。
原文 主   文

 1 原告と被告とを離婚する。
 2 原告と被告との間の長男A(昭和63年○月○○日生),二男B(平成2年○月○日生),三男C(平成10年○月○日生)の親権者を原告と定める。
 3 被告は,原告に対し,本判決確定の日からA,B及びCがそれぞれ20歳に達する日の属する月まで,毎月末日限り,A及びBについては,1ヶ月各金4万円の割合による金員を,三男Cについては,1ヶ月金5万円の割合による金員を支払え。
 4 被告から原告に対し,別紙物件目録記載の各不動産につき,それぞれその持分100分の29を財産分与する。
 5 被告は別紙物件目録記載の各不動産について,それぞれ財産分与を原因とする持分100分の29の所有権移転登記手続きをせよ。
 6 被告は,原告に対し,金200万円及びこれに対する平成15年2月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 7 原告のその余の請求を棄却する。
 8 訴訟費用は,これを2分し,その1を被告の負担とし,その余を原告の負担とする。
 9 この判決は,第6項に限り仮に執行することができる。

       事実及び理由

第1 請求
 1 主文第1項,第2項と同じ。
 2 被告は,原告と被告との間の子A,B,Cに対し,各人が成人するまでの間,相当の養育費を支払え。
 3 被告は原告に対し,別紙物件目録記載の各不動産を財産分与する。
 4 被告は原告に対し,別紙物件目録記載の各不動産につき財産分与を原因とする所有権移転登記手続をせよ。
 5 被告は原告に対し1000万円及びこれに対する平成15年2月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
   本件は,原告が,被告に対し,被告による暴力,実質的婚姻関係の破綻等を理由として,婚姻を継続し難い事情があるとして,離婚を求めると共に,子供達の親権者の指定,判決確定後の子供達の監護費用(養育費)の請求,別紙物件目録記載の不動産の財産分与,離婚に至る被告の不法行為により被った原告の多大な精神的苦痛に対する慰謝料として1000万円及びこれに対する平成15年2月17日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を,それぞれ請求する事件である。
 1 原告の主張
 (1)離婚理由
   ア 被告は,婚姻当初から,原告の挙動が気に入らないと黙って無視することがしばしばあり,また「食事の支度がおそい」等と大声で叱咤し,長じて口論になると暴力を振るうこともあった。原告は,次第に被告とコミュニケーションがうまくとれないことを感じ,精神的に不安定になっていった。
   イ 二男を出産後,平成5年ころまで,没コミュニケーションに加え,被告の暴力が次第に頻繁となった。被告は経済的な不安を抱き,平成6年4月,原告は夫婦関係調整調停を申立てたが,同年秋には不調に終わった。同年8月,原告が2人の子供を連れて別居するに至った。
   ウ 調停不調後,原告と被告との間で話合いを持ち,もう一度やり直そうということになり,平成7年3月に別紙物件目録記載の不動産(以下「本件不動産」という。)を購入し,再び同居を始めたものの,再同居後も,家事のことなどで被告から罵倒される状況が続き,また被告の暴力はエスカレートし,怒ると髪を引っ張ったり,体中を殴る蹴るなどの暴力を振るうようになった。
   エ 原告は,被告から,暴行を受けていたが,主なものでも平成7年9月には被告に蹴られるなどして尾椎骨折などをし,平成14年夏ころの間までに被   さらに詳しくみる:産(以下「本件不動産」という。)を購入し・・・
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原告側の請求内容 ①夫が妻に対し養育費を支払うこと
②夫が妻に対し財産を分与すること
③夫が妻に対し慰謝料として1000万円支払うこと
勝訴・敗訴 一部勝訴
予想裁判費用
(弁護士費用)
720,000~920,000円
証拠 1.住民票
・浮気相手と同居していることを証明するもの
2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書
・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの
3.写真、録音テープ、ビデオテープ
・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など
4.探偵社等の調査報告書
・相手の浮気を証明できるもの
5.クレジットカードの利用明細・領収書
・飲食店・ホテルなどの利用記録など
6.パソコン・携帯電話のメール、手紙
・浮気相手とのやり取りを証明できるもの
審査日 第一審 東京地方裁判所判決 平成15年(タ)第69号
第二審 なし
第三審 なし

上部の「夫の暴力による結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例

事例要約 この裁判を起こしたのは妻(原告)であり、裁判を起こされたのは、その夫(被告)とその浮気相手(中島・仮名)です。

1結婚
当事件の当事者である、妻は、夫と昭和56年2月13日、婚姻の届け出をし夫婦となりました。
2夫の暴力
妻と夫は平成7年5月30日、口論となり、夫は妻に暴力を振るい、左大腿挫傷の障害を負わせてしまい、妻は子供2人を連れて夫の実家に避難しました。
3話し合い
平成7年5月31日、妻と夫は夫の両親と共に話し合いを行いました。
4妻が調停を起こす
平成7年6月9日、妻は夫に対し、東京家庭裁判所に夫婦関係を円満にするための調停を申し立てましたが、夫は調停には来ずに終了しました。
5別居の合意
平成7年6月29日、妻・夫・妻の両親・夫の両親・夫の経営する会社の顧問弁護士で話し合いを行いました。
その結果、3年後に離婚することを前提とした「妻と夫の別居条件」という書面を作成し、夫は別居中の妻と子供たちのために妻の名義でマンションを購入し、
妻に対し生活費として月額30万円と、国民健康保険料等の支払い金額の9万1000円、そのほか30万円を支払うこと、3年後の離婚は状況の変化に応じて改めて協議するという内容の合意をしました。
6交際女性
平成7年9月4日、中島(仮名)は夫が経営する会社にアルバイトとして採用され、一ヶ月後に正式な従業員として採用されました。
中島は当時結婚しており、子供が2人いましたが、平成9年2月26日子供の親権者を当時結婚していた夫として協議離婚をしました。
7夫が離婚訴訟を起こす
平成7年末ころ、夫は3年後の離婚に備えて離婚届に押印してこれを第三者に預けることを提案しましたが、妻が拒否したため、
夫は妻に対して、離婚を請求する裁判を起こしました。
8夫と中島の交際
夫と中島は平成7年10月ころから交際をはじめ、平成8年6月29日ころから夫の家で同居をはじめました。
9子の家庭内暴力
妻と夫との子は妻と共にマンションに転居した後、家庭内暴力を振るうようになり、高等学校への登校を拒否するなどして、高等学校を中途退学しました。
10裁判離婚
平成11年11月9日妻と夫の離婚と、子供の親権は妻にあるとの判決がでました。
しかし夫と中島の交際は、夫と妻が別居の合意をした後に生じたとして、夫には離婚原因はないとしました。
妻はこれに納得がいかなかったので控訴しましたが、裁判を行った結果、夫と妻が別居に至る経過や別居後の態度を考えると、交際が離婚の原因とまではならないと再び裁判所は判断をしました。
妻はこれにも納得がいかず上告しましたが、最高裁判所はこれを却下し、妻と夫は離婚しました。
11妻が慰謝料を請求する裁判を起こす
妻は平成16年12月31日、中島に対して慰謝料請求の裁判を起こしました。
妻は平成17年1月16日、夫に対して慰謝料請求の裁判を起こしました。
判例要約 1夫と中島の交際は離婚原因ではない
裁判所は夫と中島が交際を始めた時期については証拠が乏しく、
平成7年9月以前に交際をしていたという事実や、面識があったという事実を認めることはできないとしています。
また、「妻と夫の別居条件」という書面を作成した、別居の合意は、
子供たちのために離婚手続きを3年間行わないこととするものの、実質的には婚姻生活を終わらせる内容の合意であったことから、
すでに上記の合意を行った平成7年6月29日の時点においては、婚姻生活は修復不能な状態であったと認められました。
このことから、妻と夫の離婚の原因が、中島との交際によるものではないと判断され、妻が請求していた中島からの慰謝料は認められませんでした。

2夫の暴力は離婚原因ではない
証拠によると、平成5年ころにも夫は妻に対し暴力を負わせたことがあると認められ、以前から暴力が繰り返されていたにもかかわらず
離婚には至っていませんでした。また、以前から裁判を起こし積極的に離婚を求めていたのは夫であり、その際に妻は暴力を理由に離婚を求めていません。
よって、離婚原因は夫の暴力自体にあったとはいえません。
また、夫が婚姻生活を続ける意思を失ったのは、夫婦間の価値観の相違なども原因として考えられますので、夫に一方的な責任があったとはいえません。
しかし、暴力は正当化できず、離婚の責任を考えたときに、より重い責任があると考えられます。
よって、夫は妻に対して損害を賠償する責任があると判断されました。

3夫は妻に対し離婚による精神的苦痛を慰謝するために150万円支払うこと
子の家庭内暴力は、夫婦間の紛争に巻き込まれたことが原因と考えられるため、妻と夫は子の精神状態に配慮するべき義務があったといえます。
しかし、家庭内暴力によって生じた妻の精神的苦痛について夫が賠償する義務があるとはいえません。
妻が離婚後に、子供たちの親権者として単独で子供の養育をするべき義務を負うことになったことなどを総合的に考慮すると、
離婚によって被った精神的苦痛をいう損害を賠償するために夫が妻に支払うべき金額は150万円が相当となりました。

損害を慰謝」に関するネット上の情報

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