「分担金」に関する離婚事例・判例
「分担金」に関する事例:「夫の浮気による結婚生活の破綻」
「分担金」に関する事例:「夫の浮気により婚姻関係が破綻したとして、夫からの離婚請求を認めなかった判例」
キーポイント | 離婚請求事件では、離婚の原因を作った者からの離婚請求を裁判所は認めないという大原則があります。 そのため、当事例でも夫の浮気が離婚の原因と裁判所に判断されたのかどうかが、キーポイントとなります。 |
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事例要約 | この裁判を起こしたのは夫(原告)で、裁判を起こされたのは妻(被告)です。 1 結婚 夫と妻は昭和63年5月21日に結婚しました。 平成4年には長男が誕生しました。 2 夫の不満 夫は妻が家事や掃除を十分にしないと感じ、また、妻が頼みごとをする時の言い方が、ぞんざいで日常的なやりとりの中でも感情が害されることが多々あり、不満に思っていました。 3 妻の流産 妻は平成7年春に子供を身ごもりました。しかし流産してしまいました。 4 夫の浮気 夫は平成9年ころからサトコ(仮名)と交際を始めました。その後も不倫関係を続け、平成12年10月に一女をもうけました。現在は同棲して夫婦同様の生活をしています。 5 別居 夫と妻は平成12年7月10日から別居しています。 6 夫、離婚調停申し立て 夫は平成12年12月1日、東京家庭裁判所に離婚調停の申し立てをしました。しかし、合意が成立する見込みがないとして、調停は話し合いがつかずに終わりました。 そこで、夫は妻に対して離婚を求める裁判を起こしました。 |
判例要約 | 1 離婚の原因を作ったのは夫である 夫は平成9年ころからサトコと交際を始め、その後も不倫関係を続け、平成12年10月に子供をもうけて現在は夫婦動揺の生活をしています。 夫は、妻との婚姻関係が完全に破綻した状態から逃れ、心身の平穏を求めて、他の女性に心を動かされたと主張していますが、これを信用することはできません。 夫と妻の婚姻関係の破綻は夫の浮気に原因があるといえます。 2 夫の離婚請求を認めない 離婚の原因を作った者からの離婚請求を、裁判所は認めないという大原則があります。 夫が妻以外の女性と同棲をして、夫婦同様の生活を送ったとしても、それが妻との間の婚姻関係が完全に破綻した後に生じたものであれば、必ずしも夫からの離婚請求を認めないということはできません。 しかし、この夫婦の場合は、夫の浮気は妻との婚姻関係が完全に破綻した後ということができないため、該当しません。 また、離婚の原因を作った者からの離婚請求でも、夫婦が長期間別居して、2人の間に未成熟子がいない場合には、離婚によって相手がとても過酷な状態におかれるなどしない限り、離婚請求を認めるという判例があります。 しかし、この夫婦の別居期間はまだ約2年半で長期間とはいえないのに加え、長男はまだ11歳の未成熟子であることを考慮すると、現時点においては当面は別居状態が続くことはやむを得ず、離婚の原因を作った夫からの離婚請求を認めるには足りないといえます。 |
原文 | 主 文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は,原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 原告と被告とを離婚する。 2 原告・被告間の長男A(平成4年○月○○日生まれ)の親権者を被告とする。 第2 事案の概要 本件は,原告が,被告に対し,性格・性生活の不一致などにより,原告・被告間の婚姻関係は徐々に悪化し,別居期間も相当長期間となり,完全に婚姻関係が破綻していると主張して,離婚を求めるのに対し,被告が,本件は有責配偶者からの離婚請求であるとして,これを争う事案である。 1 争いのない事実等 (1)原告と被告は,昭和63年5月21日に結婚し,平成4年○月○○日に長男A(以下「A」という。)が誕生した(甲1) (2)原告と被告とは,平成12年7月10日から別居している。 (3)原告は,平成12年12月1日,東京家庭裁判所に離婚調停の申立てをしたが,平成13年11月28日,合意が成立する見込みがないとして,調停は不成立に終わった。 2 争点及び当事者の主張 原告と被告との婚姻関係は破綻しているか。破綻しているとすれば,破綻原因は,原告,被告のどちらにあるか。 また,原告の離婚請求は,有責配偶者からの請求として許されないか。 【原告の主張】 (1)被告が主婦としての仕事をきちんとしなかったこと ア 食事の支度 原告としては,子供ができる前は共働きであったので,食事等の支度を原告がすることも特に問題とは思わなかったが,子供ができて,被告が仕事を辞めた後も,仕事で疲労している原告が食事の支度をしなければならないことが続いた。離乳食等の支度を原告がしたことも多くあった。 イ 掃除 被告の掃除は極めて不十分なことが多く,家の中が汚く,原告が不快になることが多々あった。 ウ 来客等に対する対応 原告の学生時代や会社等の先輩及びその家族に対する被告の言動・対応があまりに友達感覚で,失礼なことが多く,そのために原告の信用は傷つけられた。 エ 会社への頻回の連絡 被告が原告の会社に私用の電話を非常に多くかけてくるために,原告は社会感覚を疑われ,原告の信用は傷つけられた。 (2)被告の母親の過干渉による関係悪化 ア 被告の母親は婚姻前からずっと「家柄が不釣り合いだ」と言い続け,原告の感情を害し続けてきた。 イ 被告の母親は婚姻直後から,原告の状況をきちんと把握せず,原告に対し「会社を変わった方が良い」などと意見し,原告にストレスを与えていた。 ウ 被告の母親は,特に用事がなくても頻回,原告・被告宅を訪問し,仕事で疲労している原告は休まらないことが多かった。 (3)性格・性生活の不一致 ア 被告は食事に対し無頓着であり,そのことで原告の思い・感情が害されることが多々あった。 イ 被告は隠し事が多く,また頼み事に関する言い方がぞんざいであり,このような日常的なやりとりの中でも,原告の思い・感情が害されることが多々あった。 ウ 被告は,婚姻直後に,性生活に関して,原告を罵倒した。それ以来,原告は被告と積極的に性交渉を持ったことはなかった。 エ 平成6年ころからは,原告・被告間の性生活は稀になっていた。 (4)以上のような,被告側に帰責事由のある要素の積み重なりにより,平成7年8月ころには,原告・被告間の婚姻関係は実質上完全に破綻していた。 その後,原告としては,以上のような さらに詳しくみる: ウ 被告は,婚姻直後に,性生活に関・・・ |
関連キーワード | 有責配偶者,不貞行為,不貞関係,浮気,別居 |
原告側の請求内容 | ①妻との離婚 |
勝訴・敗訴 | 全面敗訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
400,000円~600,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所判決/平成13年(タ)第978号 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「夫の浮気による結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判を起こしたのは、夫(原告)であり、裁判を起こされたのは、その妻(被告)です。 1 結婚 当事件の当事者である、夫は昭和54年1月26日に妻と婚姻の届出をし、夫婦となりました。 夫婦の間には、昭和55年に長女 花子(仮名)、昭和58年に長男 太郎(仮名)がそれぞれ誕生しました。 2 夫の変化 家族一同は、平成5年4月に新居に住むようになりましたが、夫はこの頃から飲酒をすることが多くなりました。 夫は平成11年4月24日に、花子の態度のことで妻と口論になり、妻に物を投げつけたり、殴るなどして顔を血だらけにしました。 しかし、それでも今までどおり家族でともに生活をし、旅行にいくなどして、小康状態を保っていました。 3 夫の不審な動き 夫は、平成12年7月に、飲食店で働いていた山田(仮名)と知り合いになりました。 そして同月半ばから、夫は外食や外泊をすることが目立ってきました。 また夫は、平成12年10月に太郎と口論になり、それ以降別居するようになりました。 4 夫の不倫旅行 夫は、平成13年に、山田とともに何回も国内外に旅行に行くようになりました。 5 生活費を支払わない夫 妻は、平成13年5月26日に、夫と山田が交際していることを知りましたが、妻自身が大人しくしていれば自然消滅するだろうと思っていました。 けれども、妻が子供たちと相談した結果、夫に会って話し合うことになりました。 その話し合いで、夫は山田と交際することは悪くないことや、夫が生活費を管理すると話しました。 しかし夫は、平成13年8月に妻に生活費を渡さないようになり、妻はショックを受けました。 6 妻の離婚調停の申し立て 妻は、平成13年9月12日に家庭裁判所に離婚調停を申し立てました。 ただし、妻は夫が山田と別れるならば、結婚生活を続けたいと思っています。 7 夫が当判例の裁判を起こす 夫は、平成14年に当裁判を起こしました。 |
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判例要約 | 1 結婚生活は破綻させ、その責任は夫にある 夫の不倫や夫が生活費を支払わなかったこと、妻の離婚調停の申し立てがあったことを踏まえ、結婚生活は破綻しており、もはや修復不可能と、裁判所は判断しています。 また、夫の行為によるものであるので、結婚生活を破綻させた責任は夫にあるとしています。 2 夫の主張には理由が無い 夫は、妻の非について主張し裁判を有利に持ち込もうとしましたが、結婚生活が破綻した理由には至らないと、裁判所は判断しています。 3 離婚を認めることはできない 夫婦の同居期間と比べて別居期間の3年は短いこと、持病持ちの妻の就労が難しいこと、長男の学費負担などを踏まえると、離婚を認めることはできないと裁判所は判断しています。 |
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