「修復可能」に関する離婚事例・判例
「修復可能」に関する事例:「家庭内別居からの結婚生活の破綻」
「修復可能」に関する事例:「家庭内別居状態で、結婚生活の回復は困難とされ、妻の離婚の請求が認められた判例」
キーポイント | 離婚が認められるためには、結婚生活をこれ以上継続することができない重大な理由が当事者の間になければなりません。 そのため、結婚生活は終わっており、修復できないほどかどうかがポイントとなります。 |
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事例要約 | この裁判は妻(妻)が夫(夫)に対して起こした裁判です。 1 結婚 妻と夫とは、昭和46年5月24日に婚姻の届出をした夫婦であり、二人の間には長男(隆久・仮名)と長女(咲子・仮名)がいます。 夫は妻の父親(五郎・仮名)と母親(幸子・仮名)と養子縁組し、大学を卒業するとともにに入社しました。 二人は会社と住居が一体になったビルの3階に暮らし、五郎・幸子は5階に暮らしていました。 2 結婚生活 夫は、平成5年ころ以前から現在に至るまで、会社からの給料として月額約35万円程度を受け取っていました。 平成5年12月まで、夫は、給料の全額を妻に生活費として渡していましたが、平成6年1月支給分以降、これを一切渡さなくなりました。 妻は、自分のパート収入に加え、幸子からの資金の援助を受けて生活しており、夫は生活費について尋ねることはありませんでした。 3 生活状況 五郎が平成9年1月に死亡し、その後は夫が代表取締役に就任していますが、現在従業員はおらず、夫が1人で営業しています。 夫は平成6年1月以降は妻に生活費を渡していませんが、そのころから現在に至るまでの夫の収入は、給料月額約35万円に加えて、 五郎の死亡後は、マンションからの賃料収入が月額約40万円ありました。 夫は、自宅住居の光熱費、ビル及び大森のマンションの固定資産税を支払うほか、子供2人が必要とする費用、咲子の借金の返済等にも自身の収入を充てています。 妻の収入は、平成6年ころ以降行ったワープロ入力作業等の昼間のパートによる月額約10万円弱であり、夜のパートによる収入は月額約10万円程度でした。幸子はビル4階の賃貸用の3室からの賃料収入月額約25万円があります。 4 家庭内別居 妻は、平成11年ころから、夫と同居していたビルの3階の1部屋に、小型冷蔵庫、カセットコンロ、炊飯ジャー、電子レンジ、オーブン、ポット等を運び込み、ほとんど出ないようにして生活しており、夫とは顔を合わせないようにして生活する、いわゆる家庭内別居の状態でした。 5 別居 妻は、平成14年7月ころ、体調を崩したこともあって、ビルの5階部分に住む幸子のもとへ移り住み、以後、夫とはほとんど会わないようにしています。 6 裁判 妻が夫に対して当判例の裁判を起こしました。 |
判例要約 | 1 妻の離婚の請求を認める 経済的関係に加え、妻が夫の性的要求に応えることに苦痛を感じるようになっていたこと、被告が夜尿症を治療しないことなど、 夫には日常の生活において妻を思いやる気持ちが欠けていたことが認められ、徐々に妻は夫に対する愛情を失い別居をしたと考えられます。 夫は互いに話し合えば関係は修復できると主張していますが、妻の離婚の意思は堅く、修復はしがたいと考えられるので、 妻の夫に対する離婚の請求は認められました。 |
原文 | 主 文 1 原告と被告とを離婚する。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 主文同旨 第2 事案の概要 原告と被告とは,昭和46年5月24日に婚姻の届出をした夫婦であるところ,本件は,原告が被告との婚姻関係(以下「本件婚姻」という。)は被告が原告に平成6年1月以降生活費を渡さないこと,原告は平成11年ころから住居内の1部屋にカセットコンロなどを置き,その部屋からほとんど出ないようにして生活しており,被告とは家庭内別居の状態である等のことから完全に破綻しており,民法770条1項5号の婚姻を継続し難い重大な事由があると主張して被告との離婚を求め,これに対して,被告は本件婚姻は未だ破綻しておらず,修復可能であるから,本件婚姻について原告主張の離婚原因はないと主張して争っている事案である。 1 前提事実等 (1)原告と被告とは,昭和46年5月24日に婚姻の届出をした夫婦であり,両者の間には,長男A(昭和46年○月○○日生)及び長女B(昭和48年○○月○○日生)がある(甲1)。 (2)本件婚姻と同日に,被告は原告の父親C(以下「C」という。)及び母親D(以下「D」という。)と養子縁組し(甲1),大学を卒業するとともにCが経営するE株式会社(以下「E」という。)に入社した(乙1)。 なお,昭和48年8月以降,原告及び被告は住所地にある5階建て建物(以下「△△△△ビル」という。)の3階に居住してきたが,同ビルは1階が車庫,倉庫,2階がEの事務所,3階が原告及び被告夫婦家族の住居,4階が賃貸用の3室,5階がC及びDの住居となっており,被告の場合,住居と職場が一体となっている(甲6)。 (3)Cは平成9年1月に死亡し,その後は被告がEの代表取締役に就任しているが,現在従業員はおらず,被告が1人で営業しており,原告は同社の経営には関与していない。 (4)被告は平成6年1月以降は原告に生活費を渡していないが,そのころから現在に至るまでの被告の収入は,Eからの給料月額約35万円に加えて,C死亡後は被告名義となっている都内大森にあるマンションからの賃料収入が月額約40万円あり,被告は,自宅住居の光熱費,△△△△ビル及び大森のマンションの固定資産税を支払うほか,子供2人が臨時に必要とする費用,長女Bの借金の返済等にも充てている。 原告の収入は,平成6年ころ以降行ったワープロ入力作業等の昼間のパートによる月額約10万円弱であり,現在行っている夜のパートによる収入は月額約10万円程度である。そのほか,Dには△△△△ビル4階の賃貸用の3室からの賃料収入月額約25万円がある。 なお,△△△△ビルの敷地はDの所有であるが,同建物及び大森のマンションの敷地はCの相続財産である。 (以上,原告本人,被告本人) 2 争点 本件婚姻について,民法770条1項5号の婚姻を継続し難い重大な事由があるか。 (原告の主張) 本件婚姻については,以下のとおり,婚姻を継続し難い重大な事由がある。被告は,離婚によって安定した収入がなくなり,世間に対する体裁も失い,住環境も変わることになることを嫌がっているだけである。 (1)被告は,平成6年1月以降原告に生活費を渡さなくなった。そのため,原告はワープロ入力等の仕事をして生活費を工面してきたが,子供の学費等は賄えず,Dに援助を仰いできた。 しかし,被告は平成11年5月以降,Dに渡すべき月額20万円も渡さなくなり,原告は昼間 さらに詳しくみる:いるだけである。 (1)被告は,平成・・・ |
関連キーワード | 離婚,相続,慰謝料,養子縁組,有責配偶者,家庭内別居 |
原告側の請求内容 | ①夫との離婚 |
勝訴・敗訴 | 全面勝訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
400,000円~600,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していますことを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいます場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所判決/平成13年(タ)第976号 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「家庭内別居からの結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判を起こしたのは、夫であり、裁判を起こされたのは、その妻です。 1.結婚前の職業 夫は、婚姻前から現在まで、郵便局において集配を担当しており、妻は夫との婚姻前は、薬局においてパート勤務でしたが,夫との結婚を機会に辞め、現在は無職です。 2.前夫の存在 妻は、前夫の山田(仮名)との間に長女(平成7年7月31日生)をもうけましたが、同前夫との離婚後は、親権者として山田が長女を養育してきました。 3.結婚と前夫との子供の養子縁組 夫と妻は、平成13年11月10日に田中(仮名)の仲介で知り合い、交際するようになりました。その後、長女が夫になついたことので,長女の小学校入学までに結婚と長女の養子縁組の手続を済ませることを約束し、平成14年2月3日に両届出を済ませ,同年3月12日から同居するようになりました。 4.夫婦の別居 夫は、平成14年6月17日に妻らと同居していた家を出て、実家に戻りました。以後、夫と妻らとの別居が続いています。 5.夫婦別居の理由・・・性格の不一致? 夫と妻との間には、同居後に次のような出来事がありました。 ①妻は夫に対し、湯船にタオルを入れて入浴するという夫の風呂の入り方や、部屋にこもってパソコンゲームをすることといった夫の日常生活の態度に文句を言うことが多くなりました。 ②夫の休日に、家族3人が揃って外出することはあまりありませんでした。夫が平日に休みの日でも、妻は夫と行動をともにするのではなく、友人と会う予定を入れて外出することが多くなりました。 ③妻が夫に教えなかったため、長女の入学式、父親参観へ出席する際も、日時が分からなかった夫は参加することができませんでした。 ④夫は、妻との結婚後、その費用の大半を出して自動車を購入しましたが、日頃はほとんど妻がその管理をしており、夫が使用したいときに使用できないということがありました。 ⑤夫と妻は、結婚前から2~3年後には新築住宅を購入しようと話し合っていましたが、夫の休日に家で自宅の購入についての話題がでたとき、夫と妻との間で、夫の部屋を設けることに関して口論となりました。 ⑥平成14年4月ころ、夫と妻は何回か円満な夫婦生活を試みましたが、満足した成果を得ることができずに、その後、別居するまで円満な夫婦生活は続きませんでした。 6.夫と妻の家庭での力関係 妻は、自分の言いたいことをはっきりと言う性格で、日常生活について細かい点についてまで夫に対し積極的に思ったことをストレートな表現で告げていました。夫は、これを快く思っていませんでした。 一方、夫は気弱でおとなしい性格であり、妻に対して自分の言い分をきちんと主張することができず、言いたいことがあっても内に秘めてしまいがちで、自己主張することなく妻の言い分に従っていました。妻は、夫が親離れできておらず、自分の意思をもっていないと感じていました。婚姻生活の主導権は、完全に妻が握っていました。 7. このような結婚後の生活の中で、夫は次第に精神的に萎縮してしまい、過大なストレスを感じるようになりました。このことが原因で家庭生活だけでなく仕事にも支障が生じるようになりました。そこで、夫は平成14年5月17日に神経外科Aで診察を受けます。その結果、夫婦間のいざこざによる動悸、不安、焦燥感、劣等感、睡眠障害の症状が認められ、心因反応と診断されました。その後、同病院に通院しましたが、平成14年6月に入っても夫の症状は改善せず、別居後の同年7月24日時点においても、引き続き通院が必要な状態でした。 一方、妻は、このような夫の精神状態に配慮をすることもなく、夫に対する従前どおりの接し方を変えませんでした。これに対し、夫は妻の理解のなさを感じていました。 |
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判例要約 | 1.結婚生活の基本 結婚生活は、目の前にある障害を二人で乗り越えながら、さらなる絆を深めていくべきものなので、夫婦は、さまざまな問題を克服すべく、お互いが対等な存在であることを尊重し、十分な話し合いを尽した上で、お互いの考え方や立場を尊重し、信頼関係を深めていく努力をしなければなりません。夫婦間の話し合いは、結婚生活の中でも非常に重要なことであり、性格の不一致や価値観の違いで衝突をしてしまっても、話し合いを繰り返し、結婚生活の課題を乗り越えながら家族の絆を深めていくということを行わなければなりません。 2.婚姻生活が破綻した原因 夫婦間の話し合いが不十分であったことが大きな原因でしょう。このように話し合いが不十分であったことについては、気弱でおとなしく、自己主張もすることなく、妻の言い分に従ってしまう夫の性格がその原因の1つとなっていると考えられます。妻としても、結婚後は夫の内向的で言いたいことを素直に言えない性格を知っていたにもかかわらず、話し合える雰囲気を作るなど、自ら進んで結婚生活を維持するための努力をした形跡はありません。しかも、上記「事例要約 7項目」のとおり、夫が妻との結婚生活の中で、次第に精神的に萎縮し、過大なストレスを感じるようになり、夫婦間のいざこざによる動悸、不安、焦燥感、劣等感、睡眠障害の症状が現れた後でも、夫の症状に配慮せず、夫に対する従前どおりの接し方を変えることはありませんでした。結婚生活の主導権を握っていた妻としては、自らの考え方・やり方を必要以上に強要するのではなく、夫の立場にも配慮して夫婦関係を維持するよう努力すべきでした。 これらのことから、今回の離婚請求の原因はどちらか一方にあるのではありません。 3.裁判所の判断 別居後、調停と今回の裁判において、話し合いの機会が何度か設けられましたが、夫婦関係を維持する方向での話し合いをすることは結局最後までできませんでした。今回の裁判で夫婦双方の言い分、夫婦の態度などを見ましたが、夫婦双方に今後円満な夫婦関係を築いていくとの意欲や展望はうかがわれず、加えて、夫婦双方の性格、物の考え方、見方の違いを併せて考えれば、今後、夫と妻が正常な夫婦関係を築きあげていくことは困難でしょう。そうすると、離婚請求を認めて、財産などの金銭的に精算すべきものがあれば精算をし、双方に新たな出発の機会を与える方が、お互いの将来にとって利益と言うべきです。また、夫と妻との離婚を認める以上、夫婦間の円満な関係の存続を前提としてなされた夫と長女との養子縁組についても離縁を認めるべきです。 |
「修復可能」に関するネット上の情報
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