「妻に対する暴力」に関する事例の判例原文:フランス人の夫の暴力による、結婚生活の破綻
「妻に対する暴力」関する判例の原文を掲載:くつもの引っかき傷があったと認められ、そ・・・
「フランス人の夫の暴力によって結婚生活が破綻したとして、日本人の妻の離婚の請求等を認めた判例」の判例原文:くつもの引っかき傷があったと認められ、そ・・・
| 原文 | トルの痣、左肩に赤痣、右手首裏側に一センチメートルの痣、左手首に一センチメートルの痣が二つ、左手の甲にいくつもの引っかき傷があったと認められ、その傷害の態様、傷害の部位の数等から判断する限り、その暴行行為等はかなり執拗であると窺われ、また、同年五月八日には、被告が原告の首を絞めた事実も認められる。 原告としては、こうした被告の暴行等により、このまま被告と婚姻生活を継続した場合には、原告や一郎の身体ひいては生命に危害が及ぶものと考え、やむを得ず、乳飲み子であった一郎を連れて日本に帰国し、両親の保護を求めたものと認められ、原告の行動は、その経緯に照らすと合理性があり、原告が日本へ帰国することを余儀なくしたのは、専ら被告のこうした言動にあるというべきである。 エ そもそも、生命、身体の自由、安全を求める権利は、人が人として当然に保有する権利であって、何人もこれを犯すことはできないし、その権利性は、国際人権規約の条項等を指摘するまでもなく、いずれの国においても尊重されるべき普遍的権利であるというべきである。その権利は、正当防衛等特に法が許容した場合以外には犯すことができないのであって、ただ、婚姻関係にあるというだけで、夫から妻への暴行等を許容し得ないことはいうまでもない。そして、広く世界的に制定されているDV防止法の立法趣旨等に鑑みれば、配偶者から暴力行為を受けた他方配偶者は、その制定がない場合においても、人格権に基づき、その接近等を排除する権利を有するものというべきであり(我が国においても、DV防止法制定以前には、配偶者からの暴力を受けた他方配偶者の申立てにより、人格権に基づく接近禁止の仮処分を発令する運用が定着していた。)、訴訟提起、遂行等のために、相手方配偶者と接近することを余儀なくすることが相当でないことはいうまでもない。 そして、《証拠略》によれば、フランス民法二五一条一項は、「共同生活の破綻によって、又は有責事由によって離婚を請求するときは、勧解の試みtentative deconciliationが裁判上の審理の前に義務付けられる。」とし、同法二五二条一項は、「裁判官は、夫婦を勧解しようと務めるときは、その立会いの下に夫婦を合わせる前に、個別に夫婦のそれぞれと個人的に話し合わなければならない。」としている。 したがって、本件で、原告がフランスにおいて離婚を請求しようとする場合、原告の請求する離婚はフランス民法にいう有責事由による離婚であるから、裁判官が勧解の試みを行う必要があ さらに詳しくみる:り、その際には、当事者の出頭が義務付けら・・・ |
|---|
