「分与として被告」に関する離婚事例・判例
「分与として被告」に関する事例:「夫の海外転勤による結婚生活の破綻」
「分与として被告」に関する事例:「海外転勤と離婚請求」
キーポイント | ①離婚が認められるためには、結婚生活をこれ以上継続することができない重大な理由が当事者の間にあれば可能です。 当事件では夫婦から主張された様々な事実を裁判所が吟味し、この「重大な理由」があるかないかを判断しようとしています。 ②原告(夫)は、妻から遺棄(捨てられること)されたとして慰謝料請求しています。 当事件では妻から一方的に捨てられたといえるのか判断しようとしています。 ③被告(妻)から、仮に離婚が成立したとすれば、財産分与をするように予備的に申し立てがあります。 当事件では、夫婦の財産状況を細かく検討し、財産分与の額を定めようとしています。 |
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事例要約 | この裁判を起こしたのは、夫(被告)であり、裁判を起こされたのは、その妻(原告)です。 1 結婚 当事件の当事者である夫は、妻と昭和45年5月8日に婚姻の届出をし、夫婦となりました。 2 海外勤務 結婚してすぐに夫は海外勤務となり、アメリカでの勤務となりました。 その後、スイス、ドイツ、カナダ、と勤務先を転々としました。 妻は転勤に伴って転居を繰り返し公使にわたって夫を支えました。 3 別居 日本より本社勤務の辞令が届き、夫は夫婦二人で日本に帰国することを考えました。 しかし、妻は住み慣れたカナダで生活を続けることを希望ました。 夫婦は話し合い、別居を始めます。 5 別居状態から離婚請求へ 何年か経ち、夫は同居の希望を妻へ伝えましたが、別居状態が改善しないことから、裁判所に離婚請求及び慰謝料請求の主張を行いました。 |
判例要約 | 1 離婚請求に関して 結婚生活をこれ以上継続することができない重大な理由が当事者の間にあります。 夫婦の同居義務は婚姻関係の基本をなすものですが、日本へ帰国し同居することを頑なに拒絶している妻の態度からすれば、婚姻を継続する必要はないと判断しています。 2 慰謝料に関して 夫は妻から遺棄(捨てられること)されたとは言えず、慰謝料請求は認められません。 そもそも別居は夫婦の話し合いによって選択しています。よって、一方的に遺棄(捨てられること)したとは判断していません。 3 財産分与に関して 離婚が成立したことにより、妻からの財産分与は認めます。 財産分与は、共同の財産を分けるという役割と、離婚後の生活のために必要な財産を分けるという役割、慰謝料の役割があります。 当事件では共同の財産を分配するという役割だけが認められます。 財産分与の割合については、30年間に渡り妻が夫を公私ともに支えてきたので、2分の1を分与すると判断しています。 離婚後の生活のために必要な財産を分けるという役割については、財産分与額が大きく、生活に困るとは考えられないため認めていません。 慰謝料の役割についても、今回の離婚原因は夫婦それぞれにあると考えられるため、認められません。 |
原文 | 主 文 1 原告と被告とを離婚する。 2 原告は,被告に対し,金3027万3429円を支払え。 3 原告から被告に対し,別紙物件目録記載の土地建物の原告持分2分の1を分与する。 4 原告と被告との間において,上記土地建物を担保とする別紙債務目録記載の債務を原告に負担させる。 5 原告は,被告に対し,本件離婚判決が確定した日以降において,A厚生年金基金から厚生年金を支給されたときは,当該支給にかかる金額の10分の3に相当する金員を,当該支給がされた日が属する月の末日までに支払え。 6 原告のその余の請求を棄却する。 7 訴訟費用は,これを2分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 原告 (1)主文第1項と同旨 (2)被告は,原告に対し,金200万円を支払え。 (3)訴訟費用は被告の負担とする。 2 被告 (1)原告の請求を棄却する。 (2)訴訟費用は原告の負担とする。 (3)予備的財産分与の申立 原告による離婚請求が認容された場合には,原告から被告に対する相応の財産分与を求める。 第2 事案の概要 1 本件は,原告が,カナダに居住する被告が原告の要請にも応ぜず同居を拒否したことは悪意の遺棄(民法770条1項2号)に該当すると主張して,被告との離婚と慰謝料200万円の支払を求めたのに対して,被告は,離婚原因は存在しないと主張して請求棄却の判決を求め,仮に原告の離婚請求が認められた場合には原告から被告に対して財産分与をすることを求めた事案である。 2 前提事実(括弧書きした証拠及び弁論の全趣旨により認められる。) (1)原告(昭和16年○月○日生)と被告(昭和19年○月○日生)は,昭和45年5月8日に婚姻届出をした夫婦であり,その間には,長女B(昭和47年○月○○日生),長男C(昭和48年○月○○日生)がある(甲1)。 (2)原告は,A株式会社に勤めているが,海外勤務が主であり,結婚して間もない昭和45年9月には米国(ニューヨーク)勤務となった。その後,昭和54年1月に一旦帰国したが,昭和55年にはスイスに,昭和59年には西ドイツに転勤となり,昭和62年4月にカナダ勤務となり,その間,家族と共に生活してきた。その後,平成4,5年には,2人の子供は成人して独立した。原告は,平成8年3月,ニューヨーク勤務となり,被告と共に米国ニュージャージー州に移り住んだ。その後,原告は,平成9年7月,日本国内での勤務となったが,被告は,原告と共に日本に帰国せず,カナダ国内に居住してきた(甲4)。 (3)原告は,平成13年11月,被告との離婚を求めるため,東京家庭裁判所に調停(平成13年(家イ)第7458号)を申し立てたが,平成14年4月17日,不調となった(甲3)。 3 原告の主張 (1)平成9年7月,原告は,社命で帰国することとなり,一緒に帰国することを被告にはかったが,被告は「愛犬は日本に住むのに適していない。」「子供たちの近くに住みたい。」と主張して応ぜず,トロントに戻り,原告のみ帰国することとなった。その後,原告は,再三,帰国して同居するよう被告に求めたが,被告は,これを聞き入れず,平成11年には飼い犬も死亡したにもかかわらず,原告の同居の要請を拒み続けて5年もの歳月が流れた。その間,原告の単身生活は多忙で出張の多い職務上の不自由は言うに及ばず,日常生活も辛い思いを味わう毎日であった。 すなわ さらに詳しくみる:主張して応ぜず,トロントに戻り,原告のみ・・・ |
関連キーワード | 海外,転勤,別居,離婚,分与 |
原告側の請求内容 | ①離婚請求 ②慰謝料請求 |
勝訴・敗訴 | 一部勝訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
400,000円~600,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所判決/平成14年(タ)第366号 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「夫の海外転勤による結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判を起こしたのは妻(原告)で、裁判を起こされたのは夫(被告)です。 1 結婚 妻と夫は、幼少のころから近所に住んでいた関係で、知合いであったが、昭和62年5月18日に婚姻の届出をして夫婦となりました。 2 マンションを購入 夫婦は、結婚後東京で生活していましたが、平成元年頃夫の肩書住所地(群馬県高崎市)にあるマンション(以下「高崎のマンション」という。)を購入した。 3 競走馬を購入 夫婦は競走馬を購入して、その飼育・調教を業者に委託して、レース(競馬)に出走させていた。 4 夫婦の別居 夫婦はお互いに相手の浮気を疑い、平成3年暮れころから(妻の主張)、あるいは、平成7年11月ころから(夫の主張)、各自の肩書住所地でそれぞれ単身で生活するようになって別居し、現在に至っている。 |
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判例要約 | 1 妻の夫に対する離婚請求を認める 夫婦間の別居期間が、妻の主張だと12年、夫の主張だと8年にもおよび、夫婦関係はすでに破綻しているため、修復の余地はないと認められました。 2 財産分与は、妻が認める限度で分与を認める 夫婦の共有財産である競走馬の出走によって得られる収支は赤字となっている為、財産分与の対象となりません。 高崎のマンションについては、共有財産とも妻のみの財産とも認めにくいが、住宅ローンを妻が支払っていくことから、夫への財産分与は認められません。 馬3頭については、そのうち1頭(父馬リアフンの子馬)を妻が、その他の2頭を夫が取得するのであれば、財産分与を認めると裁判所は判断しました。 |
「分与として被告」に関するネット上の情報
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