「時金」に関する事例の判例原文:夫の海外転勤による結婚生活の破綻
「時金」関する判例の原文を掲載:姻関係の基本をなすものであって,本来,同・・・
「海外転勤と離婚請求」の判例原文:姻関係の基本をなすものであって,本来,同・・・
| 原文 | 期間となっていた事情から,老後の本拠地をどこに定めるかは単純に決せられない性質のものであったともいえるが,同居義務は婚姻関係の基本をなすものであって,本来,同居を妨げる事情が解消した場合にはお互いに同居することを前提に行動することが本来のあり方であるというべきであり,この時点において,日本で仕事をしている原告がカナダへ移住することは考えられないことからすると,話合いができなかったとすれば,原告が話合いに応じなかったというより,むしろ日本へ帰国することを拒絶する被告の態度が頑なだったことに起因するものと考えられる。そして,その後,原告と被告は,平成13年5月ころ,トロントでマンションを探すなどしているものの,同年夏には,原告が被告に対して離婚を求めて,同居するか離婚するかの選択を迫ったが,被告は,同居することを選択しないまま,現在に至っているものであり,もはや原告と被告の婚姻関係は完全に破綻しているものであって,これを修復することは不可能であると認められ,これは婚姻を継続し難い重大な事由(民法770条1項5号)に該当するので,原告の離婚請求には理由がある。 3 慰謝料請求について 前記のとおり,婚姻関係が破綻するに至った事情は,原告と被告との別居後,同居を妨げる事情が解消した後も,被告が原告との同居のための努力をしなかったことに起因するが,そもそも別居することを選択したのは原告の内心はともかく原告と被告との話合いによること,その後,原告は被告に対し同居することを強く求めたと主張するが,別居の当初から被告が一度言い出したら考えを変えない性格であるから説得は無理であると考えていたというのであるから,同居を求めて真剣に婚姻関係の修復のための努力をしていたか,はなはだ疑問であり,むしろ被告の要望を入れる形でトロントでマンションを探すなどした後に手のひらを返すように,離婚の決意を固めて,平成13年夏になって初めて離婚を切り出したのであるから,原告と被告との間の婚姻関係の破綻の原因が一方的に被告にあるとまではいえず,婚姻関係を修復する努力が原告にも不足していたものと評価でき,原告による慰謝料請求を認めることはできない。 4 財産分与について (1)被告は,予備的申立として,原告の離婚請求が認められた場合には,相応の財産分与を求めている。以下,算定基礎となる夫婦共有財産について検討する。 なお,財産分与の法的性質については,被告が主張するように,夫婦が婚姻中に有していた実質上の共同財産を清算分配し(夫婦財産の清算),離婚後における一方の当事者の生計の維持をはかること(離婚後の扶養)を目的とし,さらに,当事者双方の一切の事情を考慮すべきものであるから,有責行為により離婚に至らしめたことについての損害賠償のための給付(慰謝料)も含むものと解すべきである。しかしながら,本件離婚に至る経緯については,前記のとおり,一方から他方に対する慰謝料を認める程度に原告と被告のいずれか一方に有責性があるとは認められないのであるから,本件の財産分与にあたって慰謝料の要素を考慮することは相当ではない。また,離婚後の扶養については,夫婦財産の清算では離婚後の配偶者の保護が十分でない場合に,当事者の能力・資力など一切の事情を考慮して補充的に認められるものと解すべきであるから,夫婦財産の清算が十分になされるのであれば,必ずしも考慮すべきものではない。後記のとおり,原告から被告に対しては,生活の本拠たる本件不動産のほかに,一時金として3000万円余り,分割金として原告が受給する厚生年金の10分の3を財産分与すべきであると認められるから,これらにより,被告の生活が困窮するとは考えられないことから,被告が専業主婦であり,職業的キャリアを積む機会を持たなかったことなどの事情があるとしても,財産分与にあたって離婚後の扶養を特に考慮すべきとは考えられない。 また,分与の割合については,夫婦共有財産の形成は主に原告の収入によるものと考えられるが,被告は,専業主婦であるとはいえ,約30年間の長い年月にわたる在外勤務生活において原告を公私ともに支えてきたのであるから,2分の1を さらに詳しくみる:分与することが相当である。 (2)不動・・・ |
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