「引渡しを要求」に関する離婚事例・判例
「引渡しを要求」に関する事例:「夫とその両親との不仲から生じた、結婚生活の破綻」
「引渡しを要求」に関する事例:「離婚を請求した夫が、反対に妻から夫と夫の父母に対し離婚や慰謝料等を請求され、さらに夫の父母が妻に対し慰謝料等を請求した判例」
キーポイント | 当事件は、当事者のお互いが離婚を請求しています。そのため裁判所が離婚を請求する理由を求めるまでも無く、離婚を認めている点が一つのポイントです。 逆に慰謝料の請求につき、責任の所在を明確にし、判断を下しているのももう一つのポイントです。 |
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事例要約 | この裁判を起こしたのは、夫(原告)であり、裁判を起こされたのは、その妻(被告)です。 1 結婚 当事件の当事者である夫は、妻と平成3年4月26日に婚姻の届出をし、夫婦となりました。 2 子供たちの誕生 夫と妻の間には、平成5年に長男 太郎(仮名)が、平成6年に長女 花子(仮名)、平成7年には二女 由美(仮名)がそれぞれ誕生しました。 3 妻の決断 妻は、平成3年の結婚後間もなくから受けていた夫の父母の圧力や、それに対する妻をかばおうとしない夫の態度に悩まされ、平成8年の11月30日に置き手紙を残し、子供たちとともに現自宅を去りました。 4 夫婦間の話し合いはまとまらず その後、夫と妻との間に話し合いの機会が何回か設けられましたが、夫が不法に子供を奪還したりした結果、両者とも話し合いに応じなくなりました。 妻は、平成9年2月12日に夫婦関係調整と子の引渡しを求める調停を申し立てましたが、平成9年12月17日に子の引渡しのみ審判が下され、夫婦関係調整の申し立ては却下されました。 5 夫が当判例の裁判を起こす 夫は、妻が子供たちを連れて出て行ったことや各調停の申し立てをしたことにより精神的苦痛を受けたとして、平成13年7月24日に当裁判を起こしました。 |
判例要約 | 1 夫婦のどちらかの責任を問うまでもなく、離婚の請求は認められる 今までの経緯やお互いの主張内容、夫婦関係調整調停の申し立てをしているなどを含め、裁判所は結婚生活が破綻しているとしています。 また、夫婦の双方が離婚の請求をしている以上、離婚は認められると裁判所は判断しています。 2 結婚生活が破綻に至ったのは、夫に責任がある 当事件が結婚生活の破綻に至ったのは、夫が子供を不法に連れ帰ったり、夫の父母の圧力などを含めて、夫に責任があると裁判所は判断し、妻に対し慰謝料の支払いを命じています。 3 子供たちの親権者は、妻に指定する 子供たちの今後の生活や育成環境を考慮すると、妻が親権者になるべきと裁判所は判断しています。 4 財産分与について 夫が結婚生活の間で形成した財産金600万円の半分である300万円を、財産分与として妻への支払いを命じています。 5 反訴・再反訴について 妻が反訴した当事者ではない夫の父母への訴えは、不適法であるとして裁判所は却下しています。 また、夫の父母が起こした上記妻の反訴も、そもそも妻の反訴が却下であったため、裁判所は却下しています。 |
原文 | 主 文 1 原告と被告とを離婚する。 2 原告及び被告間の長男A(平成5年○月○日生),長女B(平成6年○月○○日生)及び二女C(平成7年○○月○○日生)の親権者をいずれも被告と定める。 3 原告は,被告に対し,長男A,長女B及び二女Cに対する監護費用として,本判決が確定した日から同人らがそれぞれ20歳に達する月まで毎月末日限り一人当たり1か月4万円の割合による金員を支払え。 4 原告は,被告に対し,300万円及びこれに対する平成13年11月5日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 原告は,被告に対し,300万円を支払え。 6 原告のその余の請求を棄却する。 7 被告の原告に対するその余の請求を棄却する。 8 被告の反訴被告らに対する損害賠償請求の訴え(反訴)を却下する。 9 反訴被告らの被告に対する損害賠償等請求の訴え(再反訴)を却下する。 10 訴訟費用は原告と被告との間では,本訴反訴を通じ,これを2分し,その1を被告の負担,その余を原告の負担とし,被告と反訴被告らの間では,反訴再反訴を通じ,各自の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 (原告の請求) 1 主文第1項と同じ。 2 被告は,原告に対し,300万円及びこれに対する平成13年7月24日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (被告の反訴請求) 1 主文第1項と同じ。 2 原告及び反訴被告らは,被告に対し,各自2000万円及びこれに対する原告につき平成13年11月5日から,反訴被告らにつき同月6日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 主文第2項と同じ。 4 原告は,被告に対し,長男A,長女B及び二女Cに対する監護費用として一人当たり1か月10万円を支払え。 5 原告は,被告に対し,500万円を支払え。 (反訴被告らの再反訴請求) 1 被告は,反訴被告らに対し,それぞれ,上質ケント紙又は模造紙に,「謝罪状」と表題の上,別紙記載のとおりの文書を手書きにより記載し,本判決確定の日付を附記し,記名及び押印のある,各反訴被告宛の謝罪文書を送付せよ。 2 被告は,反訴被告らに対し,各1000万円及びこれに対する平成15年1月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 本件は,原告が被告に対し,婚姻関係が完全に破綻したとして離婚を求め,破綻が被告の責めによるものであるとして慰謝料を請求したところ,被告が,原告に対し,離婚請求,親権者の指定,子の監護にかかる事項の決定及び離婚給付,反訴被告らに対し,損害賠償を求める各反訴を提起し,反訴被告らが被告に対し,損害賠償を求める再反訴を提起した事案である。 1 前提となる事実 (1)原告と被告とは,平成3年4月26日婚姻【本件婚姻】の届出をし(甲1),東京都文京区(以下略)所在の二世帯住宅1階を婚姻住居【婚姻住居】とした(弁論の全趣旨)。 (2)原告と被告間に,平成5年○月○日,長男Aが,平成6年○月○○日,長女Bが,平成7年○○月○○日,二女Cがそれぞれ出生した(甲1)。 (3)被告は,平成8年11月30日,子らとともに婚姻住居を去った(原告,被告,弁論の全趣旨)。 (4)原告は,平成9年12月17日,被告に対し,長男Aを引き渡すことを命ずる家事審判を受けた(乙2)。 (5)被告は,平成13年11月2日,本訴の当事者ではない反訴被告らに対し,不法行為に基づく損害 さらに詳しくみる:ともに婚姻住居を去った(原告,被告,弁論・・・ |
関連キーワード | 離婚,有責配偶者,夫の親,親権,財産分与,慰謝料 |
原告側の請求内容 | ①夫の請求(本訴) 妻との離婚と慰謝料 ②妻の請求(夫に対する反訴) 夫との離婚と慰謝料、親権者の指定、養育費の支払い、財産分与 ③妻の請求(夫の父母に対する反訴) 慰謝料 ④夫の父母の請(妻に対する再反訴) 謝罪状の提出と慰謝料 |
勝訴・敗訴 | ①一部勝訴 ②全面勝訴 ③却下 ④却下 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
2,400,000万円~2,600,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地判平成16年10月14日(平成13年(タ)第508号、平成13年(タ)第812号、平成15年(タ)第25号) 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「夫とその両親との不仲から生じた、結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判は夫(原告)がその妻(被告)に対して離婚を求め、それに対して妻が夫に離婚を求めたとともに、離婚に伴う財産分与と慰謝料を求めたものです。 1夫婦の職業 夫は精神科の医師をしており、現在は開業をしています。妻は客室乗務員として働いています。 2夫と妻の出会い 夫と妻は平成6年11月に知り合い、平成7年2月ころに交際を始めました。平成10年5月ころ、結婚を前提に将来自宅を持つことを話し合い、二人で住居を探し始めました。 3夫の浮気疑惑… 夫は平成12年ころから同僚の佐藤(仮名)に対して恋愛感情を抱いている趣旨のメールを複数送り、佐藤からもそれに応じるかのような趣旨のメールが送られるなどのやりとりが始まりました。 4夫と妻の結婚 夫と妻は平成12年8月4日に婚姻の届け出をして夫婦になりました。 5浮気相手の転居 佐藤は平成13年3月末ころ、福岡県北九州市に転居しました。そのころから夫は妻に内緒で福岡に渡航するようになりました。しかし、表面上は円満な関係が保たれていました。 6妻が夫に子供が欲しいと告げる・・・ 夫と妻は結婚後、一つのベットで寝ていましたが、夫が性交渉を拒絶するようになり、平成14年の秋以降は全く性交渉を行わなくなっていました。 妻は出産の関係上年齢の問題があったため、子供が欲しいと夫に話しました。 しかし、夫はあいまいな返事をして逃げてしまい、真剣に取り合いませんでした。 7夫の一方的な態度、妻は病気に… 平成15年4月、夫は突然一方的に妻に離婚を迫りました。連日のように離婚を口にするようになり、次第に「離婚しないと裁判する」、などと迫るとともに、妻に対して「お前は痴呆だ」「お前を人格障害の患者としてしか見ない」など異常とも思える発言を繰り返し、その結果妻は急性胃炎と仮面うつ病になってしまいました。 8妻が調停を起こす 妻は平成15年8月7日東京家庭裁判所に対して、婚姻費用の分担を求める調停を起こしました。婚姻費用とは夫婦が生活を行っていく上で必要なお金のことです。裁判所は平成17年1月28日に夫に対して平成15年8月以降の婚姻費用として月額12万円の支払いを命じる判断を出しました。そして、夫は妻に対して、平成15年3月分までの婚姻費用を支払いました。 9夫が妻を相手に裁判を起こす 夫は平成15年8月13日に離婚調停を行いましたが、話し合いが整わなかったため、夫は平成15年12月2日に夫と妻との離婚を求める裁判を起こしました。 10平成18年9月26日、妻が夫に対して裁判を起こす 妻の請求①:夫との離婚 妻は執拗に離婚を求める夫の態度や、夫と佐藤との関係に疑惑を抱き、離婚を求めました。 妻の請求②:財産を分け与えよ 裁判所より夫に対して婚姻費用の支払いの命令が下る平成15年8月以前の未払いの婚姻費用について妻は夫に支払いを求めました。そして、夫との預金や夫が医師免許、博士号などの資格を取得したことは2人の財産と言えると主張し、自分もその財産の分配を受けるべきだと主張しました。 妻の請求③:慰謝料を払え 夫は妻に離婚を同意させるため、さまざまな言葉の暴力による虐待を加えました。そして、精神的な苦痛を妻に与えました。また、浮気と疑われる夫と佐藤との関係により、精神的にも肉体的にも苦痛を被ったとして夫に対して慰謝料を請求しました。 |
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判例要約 | ・夫の請求に対する裁判所の判断 1夫と妻の離婚を認める。 すでに両者の結婚生活は破綻しており、また、上記の事例により、両当事者とも結婚生活の破綻を認めているので、裁判所は両当事者の離婚を認めるという判断をしています。 ・妻の請求に対する裁判所の判断 1夫と妻の離婚を認める。 2財産分与は認めない。 夫と妻の間に、財産であると認められる証拠のある財産がないため、妻の請求は認めないと裁判所は判断しています。 2妻の求めた慰謝料請求を認める 妻は夫が佐藤と浮気をしていたと主張しています。夫は佐藤に恋愛感情を抱いていた時期があることは認められますが浮気をしていたという事実を認めることはできないというのが裁判所の判断です。 しかし、夫は突然一方的に離婚を言い出し、妻に対し異常とも思える発言を執拗に繰り返しました。その結果、妻は急性胃炎と仮面うつ病の疑いとの診断を受けるまでに至りました。また夫は「妻と同居をすれば新聞沙汰になるようなことが起きるかもしれない」といった脅迫的な発言もしています。 夫と妻の婚姻関係が破綻した理由はすべて夫にあるといえるため、夫は慰謝料を払わなければならないというのが裁判所の判断です。 |
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