「被告に無断」に関する離婚事例・判例
「被告に無断」に関する事例:「自分の信念を曲げない夫による結婚生活の破綻」
「被告に無断」に関する事例:「夫の協調性のない身勝手な態度が原因として、妻の離婚の請求と、親権・養育費の支払いも認めた判例」
キーポイント | 夫婦としての協力義務を果たさない者からの離婚の請求は認められないという原則があります。 そのため、夫の協調性のない態度が離婚の原因となったかどうかが問題となります。 |
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事例要約 | この裁判は、妻(原告)が夫(被告)に対して起こした裁判です。 1 結婚 妻と夫は昭和53年秋ころ同棲を始め、昭和62年9月に結婚の届出をし、 二人の間には長男の孝之(仮名)と長女の愛(仮名)がいました。 2 二人の性格 妻は家計の管理を任されていましたが、夫の収入が苦しくても、家計簿をつけるようなことはしませんでした。 物事に対して責任を持って対処することが苦手で、不都合なことから逃避するところがあります。 また、夫は母子家庭に育ったことから、絶対に離婚は許されず、母親の在り方についても自分の考えを曲げませんでした。 3 夫の仕事 夫はピアニストを目指していましたが、それができずにいくつかの営業の仕事をしながら、ピアノを教えて生計をたてていました。 家計が苦しいにも関わらず、酒や食材の嗜好を変えず、妻が苦しいことを伝えても、協力はしませんでした。 妻は生活に困り、夫に無断でクレジットカードを使用して借金をするようになりました。 そして、パートやアルバイトにでて、月4万円の収入で返済をしていました。 4 借金 平成5年から夫は一つの仕事をするようになりましたが、外交員である夫の収入は不安定で、70万円の収入がある月もあれば、ほとんどない月もありました。また、ピアノの演奏会やピアノ教師の収入で約7万程度の収入がありましたが、ピアノを弾ける家の家賃が11万で家計を圧迫しました。 平成10年の春には借金や滞納などを合わせると470万円ほどになり、その借金を知った夫は、明細や家計簿をつけることを求め、毎晩酒を飲んでは妻を責めるため、喧嘩となりました。 5 別居 妻は夫に暴力を振るわれるなどしたため、家を出て、小料理屋で働いたり、日本舞踊を教えながら子供二人と生活をしていました。 6 調停 夫は夫婦関係の円満調整を求めて、夫婦関係調停事件を行いましたが、合意できずに終わりました。 7 裁判 妻は夫に対し、平成14年に離婚を求めて裁判を起こしました。別居は3年を経過しました。 |
判例要約 | 1 妻の離婚の請求を認める 夫は、自分の態度や考え方を反省する気持ちの余裕がなく、妻との関係を修復する方法も考えていません。 別居も3年になり、円満な家庭生活を送ることは期待できないので、妻の離婚の請求は認められました。 2 親権者・養育費 親権については、子供二人は妻と暮らしており問題はなく、思春期の愛には母親の方が適当で、兄弟も一緒に生活することが好ましいとして、妻が親権者となりました。 また養育費については、夫が妻に対して、毎月一人につき2万円を支払うこととされました。 |
原文 | 主 文 1 原告と被告とを離婚する。 2 原被告間の長男A(昭和62年○○月○日生),長女B(平成元年○○月○○日生)の親権者をいずれも原告と定める。 3 被告は,原告に対し,長男Aの養育費として,判決が確定した日の翌日から平成19年11月3日まで毎月末日限り金2万円を支払え。 4 被告は,原告に対し,長女Bの養育費として,判決が確定した日の翌日から平成21年10月26日まで,毎月末日限り金2万円を支払え。 5 原告のその余の請求を棄却する。 6 訴訟費用は5分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 主文第1,2項同旨 2 子の監護について必要な事項(長男,長女がそれぞれ成人に達する前日まで,養育費1人当たり月額5万円) 第2 事案の概要 1 原告と被告とは,昭和53年秋頃同棲を始め,昭和62年9月に婚姻届出を了した夫婦であり,原告と被告との間には,未成年の子である長男A(昭和62年○○月○日生),長女B(平成元年○○月○○日生)がいる(甲1,5)。 なお,原告は,平成11年10月19日,子2人を連れ,被告肩書地の自宅(以下「被告宅」という。)を突然出て,それからは原告と被告は別居の状態にある(甲2の1,乙11,12)。 2 本件における当事者の主張は次のとおりである。 (1)原告 ア 離婚請求について 原告は,長年にわたる被告の協調性のない身勝手な生活態度から,被告への信頼,愛情を失うようになった。 ところで原告は,被告が収入の無いときにも自己の飲食に関する嗜好を変えないため,平成3年ころから,生活費に困窮することがしばしばあり,この際には被告に相談できないまま,カードローン会社から借入をせざるを得なかったところ,そのことが,平成10年ころ,被告の知るところとなり,被告は,それ以降毎日,無断借用を原告だけの責任として一方的に責め,暴力も振るうようになった。 原告は,その毎日に耐えられず,また,被告の上記性格,生活態度に愛想を尽かし,平成11年10月に子2人を連れて被告宅を出て,別居するに至った。 その別居状態は既に3年間となり,その間に被告も離婚を認める旨述べており,復縁の可能性はない。 したがって,原告と被告との間には,婚姻を継続しがたい重大な事由が存する。 イ 親権者の指定について 長男と長女は,現在,原告と同居し,長男,長女と原告との関係は良好であり,長男,長女の親権者は原告と定めるのが相当である。 ウ 養育費について 原告の給与所得と児童扶養手当による収入を併せた月収は22万7320円で,被告の月収は45万1000円であり,その収入格差に,被告が1人暮らしとなり,他方,原告は3人暮らしとなって,特に子2人を育てなければならないことに照らせば,被告は,原告に対し,子1人について月額5万円の養育費を支払うべきである。 (2)被告 ア 離婚請求について a 原告は,家計の管理を任されていたところ,計画性もなく消費してしまい,生活費が足りなくなり,被告にも言うことができず無断でカードローン会社から借金を繰り返した。 被告は,平成10年ころ,原告の借金を知り,詳細な事実を確認しようと説明を求め,また,家計簿の作成を求めたが,原告はなかなかそれに応じようとしなかった。 そのため,原告と被告は さらに詳しくみる:を任されていたところ,計画性もなく消費し・・・ |
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原告側の請求内容 | ①夫と離婚すること ②夫に養育費として月2万円支払ってもらうこと |
勝訴・敗訴 | 全面勝訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
400,000円~600,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所判決/平成12年(タ)第425号 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「自分の信念を曲げない夫による結婚生活の破綻」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | この裁判を起こしたのは、夫(原告)であり、裁判を起こされたのは、その妻(被告)です。 1.結婚 当事件の当事者である、夫は大学在学中に知り合った妻と、昭和60年11月1日に婚姻の届出を行い夫婦になりました。 2.子の誕生・自宅の購入 夫婦間には、平成5年2月に長男の太郎(仮名)が生まれました。 また平成6年には、26年のローンで夫婦共有のマンションを購入し、親子3人で暮らしていました。 3.夫の浮気 ところが、夫には平成2年から同じ職場で働いていた山田(仮名)と浮気をしており、後になって妻がそれを知りました。 夫は妻に謝ったものの、夫は平成8年4月頃からよく外泊をするようになり、平成8年5月には週1~2度しか帰宅しないようになりました。 4.夫の別居 平成8年7月には、夫は妻が留守の間に、自分の家財道具一式を自宅から持ち出し、それ以降別居するようになりました。 戻った妻はこれに驚き、夫の親や知人に夫に説得し、帰宅するように求めましたが、夫はこれに応じることはありませんでした。 5.夫婦関係調整の調停の申立て 夫は、平成8年に東京家庭裁判所に、夫婦関係調整の調停を申し立てました。 別居することを認める代わりに夫は毎月妻にお金を支払い、住宅ローンの支払いを負担するといった内容の調停が成立しました。 6.繰り返す夫の浮気 夫は、平成6年7月から転勤した別の職場で働いていた佐藤(仮名)と浮気をしていました。 それは夫と妻が別居する以前からの不倫関係であり、別居後も続いていました。 妻は、平成9年に佐藤に対して、損害賠償請求の訴訟を起こし、平成10年7月には勝訴し、佐藤には妻に損害賠償を支払う判決が出ました。 7.再び夫婦関係調整の調停の申し立て 夫は、平成10年1月にまた別の職場に転勤となりましたが、転勤後も佐藤との不倫関係は続き、平成10年3月から、佐藤との同せいを始めました。 そこで夫は、平成14年に東京家庭裁判所に、再び夫婦関係調整の調停を申し立てましたが、妻は夫が示した条件に納得できず、調停は不成立となりました。 8.不倫相手との間に子が生まれる 夫の不倫相手の佐藤は、夫との間に子の健太(仮名)が生まれました。しかし、同時期に脳梗塞を発症し、体に障害が残ってしまいました。 9.妻の夫への想い・長男の父親への愛情 妻は別居後、太郎と暮らしており、なお夫が戻ってくることを願っていました。 夫に対し、妻の想いや長男の近況を書いた手紙を送っていましたが、夫からの返事はありませんでした。 妻は、今もなお夫が戻ってくることを願っていますが、夫が離婚請求の訴訟を起こしたことや佐藤の出産を知ったことで、精神的に苦痛を受けてしまい、抑うつ状態と診断されました。 また太郎は、現在中学一年生ですが、父親である夫への愛情があり、帰宅してほしいと願っています。 10.夫が当判例の裁判を起こす 夫は平成15年に当裁判をおこしました。 |
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判例要約 | 1.夫婦関係はすでに破綻しているといえる 夫と妻の別居期間は9年間も経っており、また夫の不倫相手との間に子供も生まれ、夫は妻と一緒に生活することを望んでいません。 したがって、もはや夫婦生活を回復する見込みがありません。 2.離婚の原因は夫にある 夫婦の別居を始める以前から、夫は不倫をしており、別居後も不倫関係を続けていることから、離婚の原因は夫にあると言えます。 3.離婚の原因を作った夫からの、離婚請求は認められない 夫婦の別居期間が長いことは認められますが、現在もなお父親である夫を慕っている未成年の子がいることを考えると、離婚をすることにより子にこれ以上の精神的な苦痛を与えることは許されません。 また、夫は浮気をしたことについて十分に反省せず、さらに不倫関係を続けたことで、夫が妻を裏切ったと言えます。 したがって、夫の請求は認めることが出来ない、というのが裁判所の判断になっています。 |
「被告に無断」に関するネット上の情報
離婚判例(平成14(タ)78)
なお,戸籍上は,原告が,平成11年12月20日,被告に無断で協議離婚届を提出したことから,いったん離婚の戸籍記載がなされたが,被告が,神戸地方裁判所に離婚無効の訴えを提起し,平成12年12月22日離婚無効の判決が確定した結果,同確定判決に基づく被告の申請により,婚姻記載が復活されるに至っている]...
【知財高裁平成20年6月26日】商標法
被告に無断で剽窃的に、スライドファスナーを含む「ボタン類」を指定商品として本件商標を出願し、登録を受け、ひいては被告の日本国内への参入を阻止しているものであり、...
将来給付判決
被告に無断で被告名義で本件建物の所有権移転登記手続をしたものである。イ上記aは,原告が請求する管理費等の一部を弁済した。第3当裁判所の判断1証拠及び弁論の全趣旨...