「経費を控除」に関する離婚事例・判例
「経費を控除」に関する事例:「14年の別居の果てに離婚請求を行った事例」
「経費を控除」に関する事例:「家を出て行き、14年別居を続けた夫との離婚が認められた判例」
キーポイント | 離婚が認められるためには、結婚生活をこれ以上継続することができない重大な理由が当事者の間になければなりません。 そのため、夫の浮気は離婚の原因となったかどうかが問題となります。 |
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事例要約 | この裁判は、妻(原告)が夫(被告)に対して起こした裁判です。 1 結婚 妻と夫は昭和47年5月30日に結婚し、昭和50年には長男の大輔(仮名)をもうけました。 夫が経営していた会社は昭和55年ころ経営が悪化し、そのころから妻と夫は生活費をめぐって頻繁に喧嘩をするようになりました。 夫は遅くとも昭和59年ころには外泊を繰り返すようになりました。 2 財産 妻と夫は建築した建物を担保として、妻名義で建築資金を全額借り入れて昭和56年5月ころにアパートとマンションを新築し、 自宅を新築しました。アパートとマンションを賃貸したり、妻がアルバイトをしたりして返済をしていました。 3 調停 妻は夫との離婚を決意し、昭和60年7月5日、夫に対して夫婦関係調整調停を行いました。夫は5回中2回しか出廷せず、 昭和61年1月20日、調停は終了しました。 4 別居生活 夫は平成2年ころ、浮気相手の加藤(仮名)と交際し、同居するようになり、現在まで続いています。 妻は平成7年まで居所さえ知りませんでした。 妻は昭和63年秋には自宅をでて、夫と別居し、賃貸しているアパート・マンション等の管理を全て行い、生活費をまかなうことで、 大輔が独立するまで養育し、借金の返済をしていました。 5 裁判 妻が夫に対して、離婚と財産分与・慰謝料300万円の支払いと所有権移転登記を求めて裁判をおこしました。 |
判例要約 | 1 妻の離婚請求を認める 夫が加藤と同居を始めたのは、妻が離婚を決意し調停を行った後で、すでに結婚生活は終わっていたといえます。 よって夫の浮気は離婚の原因とはいえません。しかし、妻と夫は14年も別居生活が続いており、 夫婦関係が改善される見込みはありません。そのため結婚を続けられない重大な理由があるとして妻の離婚請求は認められました。 2 慰謝料・財産分与 夫は妻に対して慰謝料として200万円を支払うことが相当とされました。 また、全ての事情を考慮して、夫から妻へ3,500万円財産を分与することとされました。 |
原文 | 主 文 1 原告と被告とを離婚する。 2 被告は,原告に対し,金3500万円を支払え。 3 原告のその余の請求を棄却する。 4 訴訟費用は,これを5分し,その3を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 主文1項と同旨 2 被告は,原告に対し,別紙物件目録記載1ないし3の各建物並びに別紙借地権目録記載1及び2の各借地権を財産分与せよ。 3 被告は,原告に対し,別紙物件目録記載1ないし3の各建物について,財産分与を原因とする所有権移転登記手続をせよ。 4 被告は,原告に対し,金300万円を支払え。 第2 事案の概要 1 前提事実 原告と被告とは,昭和47年5月30日に婚姻の届出をした夫婦であり,両者の間には,長男A(昭和50年○月○日生。以下「A」という。)がある(弁論の全趣旨)。 2 原告の主張(請求原因) (1)離婚原因 ア 被告は,被告が経営していたB株式会社(以下「B」という。)が事実上倒産した昭和56年末から,仕事をしても収入にはならないという状態となり,その後は仕事もしないという状況で,原告に対し,生活費を渡さないようになった上,昭和58年から昭和59年にかけて,サラ金業者から借入れをし,原告は,サラ金業者から,執拗に被告の借入金の取立てを受けるなど多大な迷惑を被った。これに対し,原告は,昭和57年ころから昭和63年ころまで,保険会社でアルバイトをしたり,また,原告名義の預金を解約したりして,生活費を捻出し,サラ金業者に対する借入金を返済したりするなどした。その間,原告は,椎間板ヘルニアを患ったにもかかわらず,被告は,何ら反省をせず,外泊を繰り返し,サラ金業者からの取立てについても原告に任せきりにした。 イ 被告は,原告が被告を相手方として東京家庭裁判所に夫婦関係調整調停を申し立てた昭和60年7月ころから(同庁昭和60年(家イ)第3389号夫婦関係調整調停申立事件),ほとんど帰宅しないようになり,原告が同調停を取り下げた昭和61年1月ころから平成7年6月に原告の調査により被告の居所が判明するまでの間,原告にとって行方不明の状態になるなど,原告及びAを放置した。 ウ 被告は,平成7年以前から現在に至るまで,被告住所地等において,C(以下「C」という。)と同棲しており,不貞行為を重ねた。 エ 以上の事実関係によれば,民法770条1項所定の離婚事由として,被告の不貞行為(同項1号),被告の原告に対する悪意の遺棄(同項2号)に加え,婚姻を継続し難い重大な事由(同項5号)がある。 (2)財産分与 原告と被告とが,その婚姻後に取得した財産として,現在,被告名義となっている別紙物件目録記載1の建物(以下「本件自宅」という。),同記載2の建物(以下「本件アパート」という。),同記載3の建物(以下「本件マンション」といい,本件自宅と本件アパートとを併せて「本件各建物」という。),本件自宅及び本件マンションの敷地(以下「本件借地1」という。)についての借地権である別紙借地権目録記載1の借地権(以下「本件借地権1」という。)及び本件アパートの敷地(以下「本件借地2」といい,本件借地1とを併せて「本件各借地」という。)についての借地権である同記載2の借地権(以下「本件借地権2」といい,本件借地権1とを併せて「本件各借地権」という。)があるが,以下の事実関係によれば,被告は,原告に対し,離婚に伴う財産分与として,本件各建物及び本件各借地権のすべて さらに詳しくみる:本件借地権2」といい,本件借地権1とを併・・・ |
関連キーワード | 離婚,浮気,不倫,慰謝料,財産分与,夫婦関係調整調停,所有権移転登記 |
原告側の請求内容 | ①夫と離婚すること ②夫が妻に財産を分与すること ③夫が妻に所有権移転登記すること ④夫が妻に慰謝料として300万円支払うこと |
勝訴・敗訴 | 一部勝訴 |
予想裁判費用 (弁護士費用) |
2,500,000円~2,700,000円 |
証拠 | 1.住民票 ・浮気相手と同居していることを証明するもの 2.戸籍謄本・子供のDNA鑑定書 ・浮気相手との間に子供がいる場合は、それを証明するもの 3.写真、録音テープ、ビデオテープ ・例えばホテル・浮気相手の自宅への出入り写真など 4.探偵社等の調査報告書 ・相手の浮気を証明できるもの 5.クレジットカードの利用明細・領収書 ・飲食店・ホテルなどの利用記録など 6.パソコン・携帯電話のメール、手紙 ・浮気相手とのやり取りを証明できるもの |
審査日 | 第一審 東京地方裁判所判決/平成12年(タ)第831号 第二審 なし 第三審 なし |
上部の「14年の別居の果てに離婚請求を行った事例」に関連する離婚法律問題・離婚判例
事例要約 | 1.結婚 両者は昭和51年2月28日婚姻届を提出して夫婦になりました。 2.夫の犯罪・暴力・酒乱・・・ 夫は家を購入したころに、酒乱になり妻に暴力をふるったうえ、妻が経営していた喫茶店の客に暴行を加え犯罪行為を犯しました。 3.夫の不倫 その後、夫は妻と別居するようになり、間借り先の人妻山田(仮名)と不倫関係になりました。しかし、そのころ妻が心臓病で入院したのを機に夫は改心し、一緒に暮らせるようにするとの念書を書くが、なおも夫の不倫は続きました。 4. 山田と決裂 妻と同居するようになったものの、山田との関係がこじれたことから、山田から慰謝料を請求されるようになり、山田との間で調停を申し立てました。 5. 夫の2回目の不倫 夫は居酒屋の女将木村(仮名)と不倫関係になりました。そのころ、酒乱が治らないのに加えて、生活費はおろか、子の教育費も支払わない夫に絶望した妻は自殺未遂を図りました。 6. 妻との別居と妻からの離婚調停申し立て 別居当初、夫は妻に生活費を送金していましたが、やがて途切れたために妻は離婚調停を裁判所に申し立てました。 7. 夫の給料の差押 その後、生活費を14万円支払っただけで夫が病気になり、妻の生活費が払えなくなると、妻は夫の給料を差し押さえ、合計414万円を取り立てました。 8. 夫が離婚調停を行ったが不成立に終わる・・・離婚請求をするために裁判! 妻からの給料差し押さえを免れるために、夫は離婚調停を申し立てましたが不成立に終わります。その後、当判例の離婚請求裁判を起こしました。 9. 妻も裁判を起こす!? 夫が離婚請求裁判をおこしたのに合わせて、反対に夫に対して夫の不倫に対する慰謝料請求裁判を起こしました。 |
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判例要約 | 1. 婚姻関係継続の可能性について 客観的にみてすでに両者の夫婦関係は破綻しています。その原因は身勝手な夫にあります。妻に病気があり夫の帰りを待っていることが分かるなどの事情を考えれば、仮に夫の離婚請求を認めてしまうと、妻が社会的・経済的・精神的に過酷な状況に置かれることは明らかです。したがって、夫の離婚請求を認めることはできません。 2. 妻の言い分について 自殺未遂があった時まで夫に浮気があったことは認められますが、それ以降も浮気が続いていたことをしめす証拠がありません。したがって浮気を原因とする慰謝料請求は既に10年以上の年月が経っており、時効となっているため請求できません。 |
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