離婚法律相談データバンク 分与額に関する離婚問題「分与額」の離婚事例:「夫の生活費の不支払いから生じた、結婚生活の破綻」 分与額に関する離婚問題の判例

分与額」に関する事例の判例原文:夫の生活費の不支払いから生じた、結婚生活の破綻

分与額」関する判例の原文を掲載:ボーナスをもらったのは数えるほどである。・・・

「結婚生活を破綻させたのは生活費を支払わなかった夫に責任があるとして、離婚請求を認めた判例」の判例原文:ボーナスをもらったのは数えるほどである。・・・

原文 を原資に被告が貯蓄したので,これらは被告の固有財産であると主張する。
       しかし,原告と被告との間には,3分の1の合意もないし,原告がボーナスをもらったのは数えるほどである。また,被告が給与を預金や有価証券等で貯蓄しても,夫婦の共有財産であることには変わりない。
     b 預貯金等(退職金分)について
       被告は,平成11年度以降の2年分については,被告の職務遂行に協力していないので実質的共有財産ではない旨主張する。
       しかし,原告は,本件訴訟に至り被告から生活費の振り込みを受けるようになるまで被告の出入りを拒んだことはないし,生活費も十分にもらえない中,自宅の管理をするなど被告に許された範囲で家庭生活に貢献している。
     c 預貯金等(簡易保険分)について
       原告は,実家の援助資金を原資として簡易保険に加入したものであり,原告の固有財産である。
     d 不動産(建物持分及びその使用利益)について
       被告は,別紙物件目録記載の建物(以下「本件建物」という。)について,昭和47年に自分の貯蓄で増改築し,原告の同意を得て持分2分の1の登記をしており,持分2分の1は自己の固有財産であると主張する。
       しかし,増改築の費用は,被告の海外研究の間に本件建物を賃貸していた賃料の蓄えが約半分であり,残りの半分も被告の給与を蓄えたものであるので,夫婦の共有財産である。持分の登記手続も,原告は適正な割合,すなわち5分の1程度の登記を認めたものにすぎない。
       また,被告は,原告の妨害行為により本件建物を使用できなくなったが,その妨害行為がなければ,今後15年間,本件建物を使用できたとして,15年分の逸失利益2700万円を財産分与額から控除するように主張する。
       しかし,被告に本件建物の使用利益はない。本件建物は原告の住居であって人に賃貸することは想定されていないし,本件建物の敷地は原告の所有であるところ,敷地権は婚姻生活の継続を前提とした使用貸借によるものであり,婚姻の破綻によりその権原は消滅した。
       したがって,本件建物の被告持分の移転の対価として,固定資産税の評価額の適正持分である5分の1にあたる価額を,財産分与の額から控除すれば足りる。
     e 損害賠償請求権について
       被告は,自己の専門書籍が捨てられたのでその額100万円の控除を主張するが,原告は廃棄していない。
     f 年金について
       原告が65歳から支給される年金は月額3万円が見込まれ,被告が65歳から支給される年金は月額23万円を下らない。
       そうすると,被告が平均寿命77歳まで生きるとして,原告の被告の年金に対する持分は月額10万円ずつで,次のとおり合計1440万円となる。
       (23万円+3万円)÷2-3万円=10万円(月額)
       10万円×12月×12年=1440万円
     g 財産分与の割合について
       被告は,自己の収入に対する原告の貢献度を4割と主張する。
       しかし,原告は専業主婦として,家事と子育てを一手に引き受けて貢献してきた。原則として,婚姻中に被告が得た給与は全て夫婦の共有財産であり,その半分が原告の分である。
       その上,被告は,十分な生活費を家族に渡さず,その分を自分の貯蓄にまわしており,家族の生活費として足りない分は,原告が自分の固有財産を切り崩し,実家の援助で家族の生活費を補填していたのであるから,この点による被告の財産形成に対する貢献も考慮する必要がある。さらに,本件建物及びその敷地は原告の固有財産であり,この不動産があるからこそ,生活費の大半をしめる住居費を被告は負担しなくてよかった。
       これらの事情によれば,原告の財産分与の割合は5割を下ることはない。
   ウ 慰謝料請求について
   (ア)原告は,被告が単身赴任を始めた際も,子供たちの教育環境等を考えて別居生活を甘受し,被告から生活費がもらえなくても,結婚前に実家からもらった株を処分したり,実家の援助等で何とか子供たちに不自由をさせない家庭生活を維持し,子供たちを立派に育て上げ,被告から暴力,暴言等を受けても,原告は家族を守るために忍耐や努力を続け,平成3年には調停を申し立てる   さらに詳しくみる:などして,日頃から被告と話合いの機会を持・・・